「前作よりも“KENNらしいし、Markさんらしい”作品」2人の“らしさ”が融合した最新シングル「SLASH!」で2011年さらなる飛躍をみせるKENNさんにインタビュー!
舞台、声優など多方面で活躍するマルチアーティスト・KENNの2ndマキシシングル「SLASH!」がリリースされた。サウンドプロデュースは1stマキシシングル「LIVIN' ON THE EDGE」に引き続き、ゲーム『Vitamin』シリーズでもお馴染みの“Mark Ishikawa”氏が担当し、ゲストミュージシャンとして、ドラマー“そうる透”氏が参加。KENNは3曲中2曲の全ての歌詞を書き上げており、さらなるKENNの魅力を引き出した濃密な1枚となっている。
「大丈夫だよ!」って言って欲しかったりとか
──まず、シングルが完成した率直な感想を聞かせて頂けると。
KENN:前回のマキシシングル「LIVIN' ON THE EDGE」もそうだったんですけど、今回も凄く濃密なシングルで。約1年半前に「LIVIN' ON THE EDGE」を出した時には、まさか今回のような曲を歌うとは予想もしてませんでした。
──そうだったんですか?
KENN:自分の中になかった曲なので、想像してなかったんですよ。凄く新鮮だし、ビックリしたというか……。毎回ビックリ箱を開けるような感覚ですね(笑)。
──3曲とも、カラーこそ違えどキャッチーさがあるメロディアスな楽曲ですよね。
KENN:そうですね。Mark(Ishikawa)さんは、今回敢えてキャッチーなメロディーにしているところがあると思いますね。きっと、もっと難しくしたりとか、1回聴いただけじゃ覚えられないメロディーにすることもできると思うんですけど、やっぱり「みんなに聴いて欲しい」っていう想いもあるし、シンプルにしたほうが伝わるときもあると思うんです。そういうバランス感覚がMark さんの凄いところだと思うし、好きなところなんです。今回、2曲僕が歌詞を書いたんですけど、そのキャッチーなメロディーに出来るだけシンプルな言葉をのせたくて、なるべく比喩しすぎないように気をつけました。そのまま書くと日記とかポエムとか(笑)、違ったことになっちゃいますから。
──(笑)もっとエンターテインメント、と。
KENN:そうなんですよ。そこの折り合いをつけていく作業が面白かったですね。
──今回は2曲作詞されたということなんですが、どの曲とどの曲を?
KENN:バラードの「WIND」(2曲目)とタイトル曲の「SLASH!」(3曲目)ですね。
──作詞作業はいかがでした?
KENN:実は、「WIND」ってああいうアレンジじゃなかったんですよ。もっと洋楽テイストのダウナーな雰囲気の曲で、アコギとストリングスがちょっと入っているような感じで。だから、僕もダウナーな曲というか(笑)曲に合わせた世界観の歌詞を書こうと思って書いてみたら「本当にダメだなぁ」っていう歌詞になっちゃって(笑)。これは人に聴かせられるモノではないなと。そこから書き直して、最終形態になったのが3回目くらいの歌詞なんです。で、最終的にアレンジも変わっていって、Markさんとお互いの現状をメールでやりとりしていったりして。前回よりもコミュニケーションが取れているので、"KENNらしいし、Markさんらしい"作品になったと思います。2人の"らしさ"が融合したというか……。
──そういう意味でも深い楽曲になってるんですね。
KENN:そうですね。歌詞はこうで、メロディーの譜割りはこうで、はい歌って、みたいな感じじゃなくて──やっぱり、ソロだから。自分はこう思うってことを言えたし、向こうもそういう風に投げてきてくれたし、だからある意味"ソロらしい"シングルのかなって。
──KENNさんが歌詞を書いた「WIND」は、切ないメロディーの中に、冬の星空を彷彿させるようなキラキラとした輝きも閉じ込められている曲で、ラストの〈心からありがとう〉って歌詞が印象的でした。
KENN:何が言いたいかっていうと、本当にみんなに感謝の気持ちを伝えたかったんです。それでその言葉を選びました。
──また、「SLASH!」の〈大丈夫さ〉という一言もとても心に響いてきました。この言葉にはどういう想いが込められてるんでしょうか。
KENN:僕も含めて──ちょっと背中を支えて欲しかったりとか「大丈夫だよ!」って言って欲しかったりとか、そういう時って誰にでもあると思うんですよ。迷いながらも、本当は答えは分かってて……だけど、まだ迷っているっていう時に「大丈夫」って言ってもらえると、人と人との繋がりを感じられると思うんです。「一人じゃないんだよ」っていうことを伝えたかったんです。もちろん、自分もそうされたら嬉しいし、そういう部分で助け合えられたらなって。「WIND」もそうですけど、人間味が溢れた歌詞になってるのかなって思います。
自分が今まで使ってなかった音域にチャレンジしてます
──歌詞もそうですけど、楽曲も三者三様というか凄く個性豊かですよね。ジャジーな雰囲気の「Dahlia」(1曲目)には〈さあ…風をまとい〉という言葉が出てきてて、2曲目のバラード「WIND」では〈頬なでる風〉っていう言葉が出てきていて──まるで、その2つの風をまとったかのような、3曲目の「SLASH!」は疾走感の溢れる、元気な楽曲があって。
KENN:おお! そういう風に受け取ってもらえるとは嬉しいですね。「Dahlia」の歌詞はmin-hwaさん、Markさんとの共作なんですけど、少し大人っぽい歌詞で、今までにはない仕上がりになっていると思います。ジャケットのイメージも、今まで挑戦したことのないような出来になっていると思うので。
──1年半のKENNさんのチャレンジや濃密な活動が、そのままシングルに表れたかのような仕上がりですよね。
KENN:ああ……。確かに、ここのところは無茶苦茶濃密でしたね。色々な役をやらせてもらう機会も多くて……。それもあって、人によって、色々なイメージを持ってると思うんですよ。"KENNと言えば元気キャラ!"っていう人もいれば、"声の低いキャラ"っていうイメージを持って下さってる方もいれば……。でも、様々な役をやっているからこそ出せるニュアンスや感情があると思うんです。そういうこともあって、今回は言葉のニュアンスを大事にするように心がけましたね。
── 例えば〈大丈夫〉って一言も、ニュアンスがちょっと違っただけで受け止め方は変わってきますもんね。
KENN:そうですね。人によっても変わってくるだろうし……。
──でも、その〈大丈夫〉の一言に特に顕著なんですけど、言葉ひとつひとつが凄く力強いなと感じました。
KENN:言葉の力強さっていうのは、前々から意識してるんです。もちろん、雰囲気で歌って格好いい曲もいいと思うし、テクニカルで難解な言葉使いの歌詞も魅力的なんですけど、自分もそういう曲を歌ってるんですけど、ソロに関しては、ひとつひとつの言葉を伝えたいので、その分気持ちも込めて。歌詞を見なきゃ分からないのはなるべく避けたいなって思っていたので、だからこそシンプルな言葉使いにもしたかったし。
──一言一言に気持ちを込められてるっていうのは、凄く感じます。例えば、〈透き通る青い空/頬なでる風/白い息に/とけていく〉(「WIND」)の一節なんて、それだけで小説一本書けるかのような(笑)、壮大で少し切ない風景がパッと浮かんでくるじゃないですか。中盤のギターソロがその言葉から浮かぶ風景をさらにダイナミックにさせていくというか……。まるでギターソロが"行間を読ませる"じゃないですけど、そんな風にすら感じましたね。
KENN:ありがとうございます、それ全部書いておいて下さい!(笑) 正に行間というか……。そういうことを意識するのは、芝居をやってるからかもしれませんね。作詞作業は、少ない文字数の中で、どれだけやれるかっていうのが面白いですよね。そういう挑戦も面白かったし、今回の3曲は、ウィスパーな感じからシャウトな曲まであるので、以前よりも幅が広がったと思うんです。今回は自分が今まで使ってなかった音域にチャレンジしてますし……。
──今までは「最高でGシャープ」っておっしゃってましたけども、それ以上ですか?
KENN:ハイ。それも、全ての発音が使えるわけじゃなくて、一発単音で出すくらいだったんですけど、"A"を出しました。
──マジですか! もしかして、「SLASH!」のサビのところですか?
KENN:そうです。サビの英語の部分ですね(笑)。今回は音楽的な意味でも挑戦の多いシングルになりましたね。
──ライヴで早く聴きたいですね。
KENN:そうですね。ライヴだと違った一面を見せれるんじゃないかなと思いますね。
──発売から3週間後、1/22に原宿のアストロホール、2/5に大阪amHALL、2/6に名古屋MUSICAでワンマンが決まっているとか。
KENN:CDを発売してから間髪入れずにライヴをやることによって、来てくださる方も、僕も、新鮮な気持ちで──っていうか、生で早く聴いてもらいたいって気持ちがデカいんですけど(笑)。ぜひ楽しみにしててもらいたいなと思います。(敬称略)
<TEXT:逆井マリ>
商品情報
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品番:EM2R-00003
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