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『オトカドール』は楽曲に拘り抜いたガールズゲームの進化形だ!

『オトカドール』は楽曲に拘り抜いたガールズゲームの進化形だ! 制作者が語る『オトカドール』の魅力と未来

 2015年3月から稼働しているKONAMIの女児向けアーケードゲーム『オトカドール』の楽曲を集めたCDアルバム「オトカドール オトカミュージックコレクション」が12月16日に発売を迎えました。サウンド担当は、『ポップンミュージック』などKONAMI BEMANIシリーズで多くの名曲を作り上げた村井聖夜さんということでも注目を集めています。

 また、女児向け作品は、数多くのタイトルがゲームとアニメをつなぎ合わせ、ひとつの人気ジャンルにもなっているコンテンツのある意味での王道のスタイル。まだアニメ化されていない『オトカドール』が、どう女児向けと向き合い進めていくのか?

 村井聖夜さんと制作者にインタビューを実施し、楽曲の魅力からゲームが作られた経緯まで、たっぷりとお話を伺いました。


■ 子供向きではなく、子供に聞かせたい楽曲を作る

──まずは今回「オトカドール オトカミュージックコレクション」はどのような経緯で発売されたのでしょうか?

『オトカドール』制作者(以下、制作者):ゲーム自体が今年の3月から稼働していて、リズムゲーム+バトルというジャンルで曲は弊社公式のYoutubeチャンネルで配信もしていたのですが、やはりCD音源で聞きたいというご要望を数多く頂いておりました。そのご要望に応えるため、今回の商品の企画を立てている時に日本コロムビアさんにお話させて頂く形で実現しました。

──それこそ、CD化されると聞いた時はいかがでしたか?

村井聖夜さん(以下、村井):収録する楽曲はすでにあったわけですが、ゲーム内で使う音とCDとでは音作りが変わります。CD専用に新しくフルコーラスも作りたいと思いましたし、良い音質で聴いていただきたかったので、短い期間でしたが何度もマスタリングを見直して、自信を持ってリリースできる仕上がりになりました。

──では、本当に曲を作り直す位の作業量だったのですか?

村井:ミックスは全てやり直しています。特に制作の初期に作った曲は約2年前のものなので、方向性で気分が変わった部分もありました。CDという形になって残る物になるのなら若干アレンジを変えてでも「本当はこうしたかった」というものに仕上げています。

──多くの楽曲が収録されている本商品ですが、楽曲が出来る過程はどのような流れなのでしょうか?

制作者:キャラクターの設定を固めてから、楽曲を依頼する形です。例えば「この子は夏に登場する子だから、こういう曲調にしよう」とか、「この子はこういう設定だから、こんな歌詞を入れよう」など、村井さんと意見交換をしながら作っています。村井さんが付けた歌詞からキャラクター設定が膨らんだ場合もありますので、曲とキャラクターが二人三脚で膨らんでいっている感じですね。


──では、本作でサウンド制作を務める村井さんが参加される事になった経緯についてお聞かせ頂けますか?

村井:元々、BEMANIシリーズで楽曲制作をしていたのですが、この『オトカドール』の企画があがった時に制作者から「村井さん向きな仕事がある」と声をかけて頂いて、過去にも何度かキャラクターソングを作って来たので、これは確かに面白そうだなと思い、チームに加入しました。

──それこそ本作は子供達がプレイするゲームの楽曲という事ですが、制作する上で変わった事などありましたか?

村井:最初は自分もあまり知らない世界だったので、子供ってどういう音楽が好きなのかなと考えたりもしたのですが、結論としては「子供向きゲームだからといって曲まで子供向きに作る必要は無いんじゃないか?」と思いました。

自分が子供の頃を思い返してみると、童謡とかも確かに聴きましたが、それよりもテレビで流れていた大人の歌謡曲の方がいつまでも覚えていたなぁと(笑)。まだ歌詞の意味こそ分からないのですが、口ずさんでいたりしていたので、あまり子供向きというのは意識せずに子供に聞かせたい音楽を作ろうかなと思いました。

──本当にキャラクターによって曲調もガラリと変わっていたりしていますよね。

村井:最初は女の子向けアニメの楽曲などを参考にしていた時もありしましたが、そうするとどうしても似たような楽曲が多くなってしまうと感じたんです。なので、『ポップンミュージック』を担当していた時頃に作っていた曲の引き出しをもう一度開けた感じですね。10年以上『ポップンミュージック』を担当していたのですが、その時にやった自分の得意な曲調を『オトカドール』のキャラクターに当てはめてやり直すという考え方で作曲していきましたね。

──本作ではボーカル曲をNU-KOさん一人ですべて歌われているということですが、その経緯も教えて頂けますか?

村井:提案という形で私から提案させて頂きました。企画段階では有名な曲を入れるという案もあったのですが、しっかりキャラクターを立てて性格付けしていくのであれば曲の方もオリジナルの方が良いのではないかと思い、今の形になりました。

音楽ゲームスタイルなので色んなミュージシャンで作るという事も考えたのですが、あくまでキャラクターを引き立てるBGMとして徹しようという結論に至って、子供番組で歌のお姉さんがいろいろなジャンルの曲を歌うように、一人の方が全て歌う事で全ての曲を並べた時の統一感が出るかなと思い、高い表現力を持つNU-KOさん単独でボーカルを担当してもらっています。

──それこそ、今回CDという形で一気に楽曲を聴くとNU-KOさんの歌い分けの凄さが実感出来ました。

村井:あのような歌い分けが出来る人も稀有だと思いますね。NU-KOさんは、『ポップンミュージック』の時にオーディションで出会いデビューした方で、当時から色々な唄い方ができる人でした。今回の『オトカドール』も「彼女ならきっと出来る」と思い、改めてお願いしました。

制作者:私は『ポップンミュージック』の時に色んな唄い方をしていた事を知りませんでした。でも、一番最初に収録した時に、あの多彩な表現力には正直ビックリさせられました。こちらから詳細を説明する場合と、彼女がキャラクターを理解して歌う場合があるのですが、両方のケース共に私たちの予想を上回る解釈と歌唱力で表現され、キャラクターの設定を広げるのに一役買っているという側面があるほどです。



▲「オトカドール ~このゆびとまれ~」(上)と「愛だ恋だの情熱」(下)ぜひ聴き比べを!

村井:最初は、NU-KOさんのボーカルクレジットもしていなかったので、プレイヤーさんの中には「声優さんが歌われている?」とか「複数の人が歌っている」と思っていた方もいたらしくて、私たちとしてはしてやったりな感じでしたね(笑)。


■ 「耳について離れない」楽曲を目指す

──他のいわゆる女児向けアーケードゲームに無い要素として、『オトカドール』にはバトル要素がありますが、これはどういった意図があったのでしょうか?

制作者:バトル要素は、女の子向けのゲームを作るという企画があがった時に、最初から案としてあったものです。バトルが行けると思ったのは、女の子たちにもモンスターの出てくるRPGが「可愛いモンスターが出てくるもの」として受け入れられていたという背景があったので、男女共用ではなくあくまで「女の子の為のバトルのゲーム」を目指すという考えでまとまっていました。
▲『オトカドール』の技演出

▲『オトカドール』の技演出

──あと、『オトカドール』のキャラクターデザインは大人が見ても可愛いと思えるクオリティだと思うのですが、そういう注文をされたんですか?

制作者:どういうビジュアルにしようかと考えた時に「とにかく可愛い物を作ろう」ということになりました。なので、楽曲と同じで子供に向けて作るというよりかは、「女の子が可愛いと思えるものなら世代を超えて支持されるだろう」と思い、ビジュアルを詰めていきました。

▲左からあい、セイナ、サニー

▲左からあい、セイナ、サニー

▲左からローズ、リリカ、ココ

▲左からローズ、リリカ、ココ

──今回CDとして楽曲が発売されましたが、子供達からどのような反応を期待していますか?

村井:思わず口ずさんで欲しいなとは考えますね。私にとっては「耳について離れない」っていうのは最高の褒め言葉だと思うので、嫌そうなな顔していても「ずっと頭の中から離れない」って言われたらそれが一番嬉しいです(笑)。

私の娘がまさに『オトカドール』を遊ぶ位の年齢なので、私の娘が喜ぶくらいだからこの曲は大丈夫だろうと(笑)。ほんの数回聴かせただけなのに鼻歌を歌っていることもあったので「これは行ける」と思いましたね。なので、「子供向きゲームだからといって大人が考える子供向きな曲にする必要は無い」という考え方は間違って無かったと今も思います。


■『ポップンミュージック』を作っていた時のような錯覚

──大人を意識された部分はありましたか? 

制作者:他社の作品にも大人のプレイヤーの方がいるので、そこは意識せざるをえなかったですね。他社の作品と同様に成人男性のお客様にも支持されるだろうとは考えていたのですが、それ以上に高校生や大学生の女性のお客様が多くいらっしゃる状況です。ビジュアルのコンセプトである「女の子が可愛いと思えるものなら世代を超えて支持されるだろう」が間違っていなかったという結果だと考えております。

──『ポップンミュージック』のファンもそのくらいの年齢層でしたよね。

村井:制作していて「ああ、これは初期の『ポップン』だ」と気づいた瞬間があって、音楽ゲームで対戦スタイルという所も同じでしたし、可愛さとキャラクター性と音楽という三本柱が似ているなと思いましたね。

──それは作り始めてから分かった事なのですか?

村井:作りながらですね。最初は、ゲーム性についてもどういう風になっていくのかまだよく分からない状態でしたが、だんだん出来上がってきて実際に遊んだ時から『ポップンミュージック』の初期のような錯覚が沸き起こってきたんです。その時に「子供向けを目指さなくてもいいんだ! 聴かせたい良い曲を作ろう」と確信しました。

──では最後に『オトカドール』の今後の展開などを教えてください。

制作者:現時点でお話しできるものはございませんが、まずはゲームを再優先としつつも、『オトカドール』を広げていければと思います。

――最後にファンの方々へメッセージをお願い致します。

村井:ゲームを未プレイでも、CDを楽しんでいる人がいるという話も聞いています。CDアルバム「オトカドール オトカミュージックコレクション」が気に入っていただけたら、ぜひゲーム『オトカドール』も遊んでもらえればと思います。

純粋に音楽として聴き耐えうるものにはしたつもりなので、曲を聴いてもらって色んな人に勧めてもらえれば嬉しいですね。

制作者:CDアルバム「オトカドール オトカミュージックコレクション」を待って下さっていたお客様にはお待たせいたしました、とお伝えしたいです。基本的にはキャラクター達の楽曲なので、曲を聞きながらキャラクターやゲームの場面を思い浮かべてもらえれば嬉しいですね。

このCDで初めて『オトカドール』を知ったという方もいらっしゃると思いますが、楽曲の良さには絶対の自信を持っている作品なので、好きな曲が一曲でもございましたら是非ショッピングセンターのゲームコーナーやゲームセンターなどでプレイして頂ければと思います。

 
■商品情報
オトカドール オトカミュージックコレクション

ゲーム中に流れる曲を集めたボーカルアルバム。初回封入特典としてゲームで使える限定の「スペシャルコーデギフトカード」つき!!
12月3日(木)より稼働の始まる『オトカドール』最新弾「2ndドリーム フェーズ3」で登場となる「氷の女王フローレス」の楽曲「フローズン・ドール」(Disc2 12曲目収録)を含めて、12月解禁となる4曲もいち早く収録。
本作のみ収録のスペシャルトラックとして、人気キャラ「魔王ルシ子」の楽曲「黒い月の遊戯」(Disc2 16曲目収録)とゲームのテーマ曲である「オトカドール ‾このゆびとまれ‾」(Disc2 17曲目収録)の2曲のフルコーラスバージョンを収録。

【発売日】2015年12月16日(発売中)
【価格】¥3,000+税​
【発売元】日本コロムビア株式会社

【Disc1】
1.オトカドール ~このゆびとまれ~
2.マイ♪ドリームステージ
3.Healing Tree
4.Tomorrow Tomorrow
5.BARRIER
6.てんきあめ
7.黒い月の遊戯 - 序曲-
8.My Precious One
9.ちらちら・はらはら
10.もっと私を好きになって!
11.進め!女の子のマーチ
12.シ・ア・ワ・セ=ペロリ♪
13.愛だ恋だの情熱
14.イツモノワタシ
15.天ノ川夜曲
16.いのちの雫
17.潮騒のうた
18.トゥルーライヤー
19.お気に召すままア・ラ・カルト
20.千の木洩れ日
21.黒い月の遊戯

【Disc2】
1.オトカドール ~このゆびとまれ~ - オーケストラ・スタイル-
2.マイ♪ドリームステージ - ビッグバンド・スタイル-
3.Healing Tree -アコースティック・スタイル-
4.Tomorrow Tomorrow -シンセポップ・スタイル-
5.BARRIER -デジロック・スタイル-
6.てんきあめ -バロック・スタイル-
7.My Precious One -"Trick or Treet ▼"・スタイル-(▼はハートマーク)
8.刻印~ Impress
9.シ・ア・ワ・セ=ペロリ♪ -和風-
10.ミカヅキ・フォーチュン
11.ちらちら・はらはら - "Merry Christmas♪"・スタイル- ※12月解禁楽曲
12.フローズン・ドール ※12月解禁楽曲
13.BARRIER - ボサノバ・スタイル-
14.Tomorrow Tomorrow -ヒップホップ・スタイル- ※12月解禁楽曲
15.てんきあめ -ウィンターポップ・スタイル- ※12月解禁楽曲
16.黒い月の遊戯 -フルコーラス- ※本作のみ収録
17.オトカドール ~このゆびとまれ~ -フルコーラス- ※本作のみ収録

>>『オトカドール』公式サイト

(C)Konami Digital Entertainment
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