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声優・島﨑信長さんが半田くんに告白……!

島﨑信長さんが半田くんに告白……!TVアニメ『はんだくん』湖山禎崇監督&島﨑信長さんインタビュー

 『ばらかもん』のスピンオフ作品『はんだくん』。「みんなに嫌われている」と勘違いしたまま高校生活をおくる半田清と、そんな彼を慕うクラスメイトたちとの日常を描いた“ネガティブ青春ギャグコメディ”で、ヨシノサツキ先生による原作は第5巻まで発売(コミックス第6巻:7月12日発売)。そして、7月7日にはTVアニメがスタートします。

 アニメイトタイムズでは本作のキーマンでもある湖山禎崇監督と島﨑信長さん(半田清 役)にインタビュー。作品の魅力やアフレコ秘話はもちろん、“半田清という男”についても語ってもらいました。

 

■ 「トークバック越しに笑い声が聞こえてくる」嬉しさを感じられるアフレコ

――そもそも、おふたりは『はんだくん』以前に作品で一緒になったことはあるのでしょうか?

湖山禎崇監督(以下、湖山 ):たぶん各話演出で会ってるかな?

島﨑信長さん(以下、島﨑):そうですね。作品でご一緒したことはあるのですが、監督としての湖山さんとご一緒するのははじめてです。

湖山:でもあれだよね。今の現場だと「おはようございまーす」ってあいさつして収録がはじまって、そこからは間接的なやり取りだから。

――あ、そうですよね。収録で声優さんと直接関わるのは音響監督ですし。

湖山:だから、実はそんなに会話してないんだよね。話したといえば、飲みに行ったときくらいかな? 僕、お酒が入らないとしゃべれないから(笑)。

島﨑:あははは! そうそう、監督はシャイですよね。それはちょっと感じてました。シャイで繊細そうだなあって。だからこそ、丁寧に作られる方なんだろうなと思ってました。


――ちなみに、飲みではどんなお話を?

島﨑:まだ第1話の収録後しか飲めてないんですけど、あのときはみんなでねぎらい合いつつ、このさき協力してどうしていこうかなどを話し合いましたね。あとは全然関係ない、ささいな話も。「食べ物は何が好きなんですか?」とか、「お酒飲まれるんですか?」とか。


――お互いを知り合うみたいな。

島﨑:ですね。そういうパーソナルな部分を知っていくと、現場でもコミュニケーションとりやすくなって、ものづくりそのものがスムーズにできるようになると思っています。あとは、監督がよくタオルをハチマキみたいに巻いているので、それを聞いた覚えがあります。

湖山:あ、あったね。アフレコがはじまるとき、それまで外してたタオルを急に頭に巻きだしたから「あれ、何かの“スイッチ”ですか?」みたいな。

島﨑:ブースの中で話題になったんですよ。「監督がハチマキしてる!」「スイッチなのかな?」って。

湖山:実はそんなに意味ないんですけどね(笑)。

島﨑:なんとなく巻いただけだったっていう(笑)。

――(笑)。やり取りを見ていると、すっかり打ち解けているようですね! では、監督から見た島﨑さんの印象っていかがですか? さきほど、島﨑さんからは「監督はシャイで繊細な方」といったお話がありましたが。

湖山:第1話のときから思ってたけど、言われたとおりに演じるんじゃなくて、自分の意見をちゃんと言ってくれるんですよ。だからカッコいいなあって思ってますね。

島﨑:だって、自分の意志がないとつまらないですもん! でも、決して僕ひとりで作った半田清像を押しつけるわけではなく、お互いに意見を交換し合って、尊重し合って、柔軟にできたら素敵だなってい思うんです。

湖山:うんうん、そうだね。


――収録はかなりの時間をかけてじっくり行われているそうですね。とくに心がけている点というとどこですか?

湖山:うーん、どうだろう? テンポは気にしてますかね。役者の掛け合いのリズムみたいなものを。ちょっと間が空いたかなって思ったらつめたりして。……というか、収録時間が長いのって、ほかの作品よりセリフの量が多いのもあるんですよ。

島﨑:そうなんですよね! いいテンポでガンガン掛け合う感じだから。

湖山:で、モノローグも多い。普通のセリフの上にかぶせたりするから、セリフとは別に録る必要が出てきたりして何回も録らないといけない。だから毎回だいたい長いよね(笑)。もう4回目だけど長い!(註:インタビュー時には第4話の収録まで終わっていました)

島﨑:あと、『はんだくん』って1話に3本あったりするんですけど、それも大きいですよね。1本ごとにフォーカスを当てて、自分のなかでのチャンネルも切り替えていくから。それをしていくと通常の3倍やってる感はあります。

湖山:「まだ半分だよ……!」とか思ったりするもん(笑)。でも、第4話まで終えて、いい感じにまとまってきていると思いますよ。


――おお、そうなんですね! みなさん慣れてきたんでしょうか。

島﨑:ですね。掴んできた感はあります。

湖山:あかね(筒井あかね/細谷佳正さん)とか礼緒(二階堂礼緒/柿原徹也さん)とか相沢くん(相沢順一/広瀬裕也さん)にしろ、いい感じのバランスで掛け合いができていて、ノッてきたな!っていう感じですね。

島﨑:それは、監督をはじめスタッフのみなさんが、僕たち側の提案や質問を最大限汲んでくださってるからだと思います。それがあるから、僕たちの思い入れもより強くなっていって「こうしたらもっと良くなるんじゃないかな」って思いがみんなのなかにどんどんわいてきて、現場が活発になるんです。

――相乗効果が生まれているんですね!

島﨑:ありがたいことだなあって思います。あとは、楽しんでくださってるなっていうのも感じますね。なにか面白いものが飛び出したとき、トークバック越しに笑い声が聞こえてきたり、「面白いです!」「監督笑ってます! めっちゃいいですOKです!」とか(笑)。やっぱり、楽しんで作るのが僕は素敵だなって思うので。うれしさや安心感をおぼえます。


■ アニメにするうえで大切なのは“ネガティブさのバランス”

――では次に作品についても。『はんだくん』の原作を読んだときの印象をうかがいたいです。

島﨑:僕はオーディションの前に読んだんですけど、すごい面白くて止まらなくなって。そのとき出てたコミックスを一気に読んじゃいましたね。で、思ったのは「ありそうでなかった作品だな」ということ。主人公がこんなに“真ん中にいる”のに、本人は完全にずっと勘違いしてて、まわりもずっと勘違いし続けている作品って、パッと思い浮かべても出てこないなって。


――確かに。“学園モノ”という括りではあるんですけどね。

湖山:しかも女子と絡まないっていうね。あんなにイケメンでモテモテなのに、それらしい子がいない。


――それどころか女子との交流を激しく拒絶してますもんね(笑)。そういうキャラの濃さも、一線を画している要因なのかもしれません。

島﨑:ほかのキャラクターもそうですよね。あかねの「強くなりたい」とか、相沢の「上に立ちたい」とか、礼緒くんのモデルをしている自分に固執してるところとか、多くの人が持ちつつも表に出しづらい感情や衝動を“だだ漏れにしてる人ばかり”なんですよ(笑)。だからこそ突飛なんだけど、一方で共感できるところもすごくある。それを「あるよねー! でも行き過ぎだよね!」って思いながら見るのが面白いっていうか。とってもライトに、テンポよく読んでいける作品だなと思いましたね。

湖山:僕はディオメディア(本作のアニメ制作会社)から話をもらったとき、『ばらかもん』の主人公の高校時代の話だと聞いて、へぇ〜!と思って。読んでみたら“ネガティブさのバランス”が印象に残りましたね。原作だと、半田軍が一人ひとり集まっていくので、ちょっとスローペースなのかな?とも思ったんですけど、4人集まってわちゃわちゃしはじめたらあーすごい面白い面白い!と。そのまま読んでいった感じですね。

――なるほど。“ネガティブさのバランス”は、アニメにする上でも重要な部分になっていそうですね。

湖山:しかも結構微妙なバランスなので、難しいんですよね。落ち込みすぎるとあれだけど、かといって上がっちゃうと半田くんっぽくなくなるので。だからそこは、島﨑さんをはじめまわりの人たちによく聞いたりしてますね。「これであってんのかなあ?」って(笑)。いろんな意見を参考にしつつ、取り入れていこうかなっていう感じです。

島﨑:そもそも、「自分が嫌われてる」っていうネガティブ思考って、現実によせて突き詰めていくと、たぶん見ていられないものになっちゃうと思うんですよね。痛々しくて。でも、『はんだくん』は、あくまでネガティブ青春ギャグコメディなんで。ネガティブだけど笑える、目を背けずに見ていられるっていう暖かさや楽しさみたいな“プラスのエネルギー”もどっかにあるんですよ。その部分は、半田軍みたいな周囲の人たちがいっぱい放出してくれているから、そことのコントラストがハマると映えると思ってます。

湖山:あとは、ギャグに走り過ぎないこと。そこも、やり過ぎると原作から離れちゃう気がするんですよ。たとえばパロディ物はやらないとか、自分の中で決めていたりしますね。ドッカーンな笑いよりも、「クスッ」くらいの笑いが『はんだくん』らしさかなって思うので。

――本当に繊細な作業なんですね……! では、そんな作品の中心人物・半田くんについてもうかがいましょう。おふたりから見て、半田清ってどんな人物ですか?

湖山:容姿は別としてですけど(笑)、性格的には共感するんですよね。

島﨑:そうなんですよね。「自分こう思われてるんじゃないか」とか「ああ言われてるんじゃないか」っていう被害妄想みたいなものって、どんな人も大なり小なり持っているもので。半田くんはその感情がとても強いだけなんですよ。

湖山:それを自分でシャットアウトして、高校生してるんですよね。普通だったら引きこもりですよ!

島﨑:そうですよね。普通だったら学校に来ないですもん! そもそも。


――あ、言われてみればそうですよね。自分に置き換えてみたら学校が地獄に思えます(笑)。

島﨑:「まわりの人が全員自分のことを嫌ってる」と思ってる学校になんて行けないですよね。だから、メンタルが弱いように見えて実はとても強いんじゃないかなって思うんです。素直すぎるだけなんですよ。

湖山:そうそう。そこには憧れるんですよね。


――とすると、島﨑さんが半田くんを演じるにあたって、苦労していることというと……?

島﨑:そこまでないかもしれないですね。さっき言ったような共感できるところを増幅させてあげれば、半田くんに近いところに行けるので。言葉足らずで思い込みが激しいけど、変に思考がぶっ飛んでいるわけでもないですからね。あとは、アフレコで半田軍のみんなが楽しそうに会話してるのを見ていて、「みんなで掛け合いできていいなー。僕もあそこに混ざりたいなー」っていうちょっとしたさみしさが芽生えたりするんですけど、それも半田くんとして活かせるんです。だから演じるうえで「何かが足りない」って気持ちにはならないですね。



■ 島﨑さんが半田くんに言いたい言葉は「好きだよ!」

――ところで、おふたりのまわりに半田くんのような人がいたらどう接しますか?

湖山:えー! どうだろうなあ? 僕は離れて見てるかなあ。気持ちがわかるから「そんなにわちゃわちゃしてほしくないんだろうな」って思うと近づけないんですよね。ある程度距離を保って付き合うっていう感じになると思います。


――遠巻きではあるけど、接すると。

湖山:深く入り込まないけど、学校で一緒になにかやるくらいはできるかもしれないですよね。そういう感じの友だちだったらいけるかな。きみの領域は汚さないから!みたいな。

――半田くんからするとありがたい存在かもしれないですね。では島﨑さんは?

島﨑:半田くんは純粋で素直なので、友だちになったら素敵な子だと思うんですよ。友だち思いだし。だから、同じ学校に通ってて何度も触れる機会があるのなら、僕は軽いあいさつ程度のところからコミュニケーションをとってみるかな。で、そのリアクションをみたらなんとなくわかるじゃないですか。あ、本当に関わってほしくないんだなとか、本当は関わってほしかったのかなとか。だから何度かアクションを起こして、その結果で判断ですかね。一回でもノッてきてくれれば、そこからは話せるようになるし。話しかけられるようになるし。


――あーなるほど。そうすれば話しかけてもいい人だってなりそうですよね。あっち的にも。

島﨑:そうそう。ただ、ああいう子はグイグイ行くと引いちゃうから、ちょっとずつコミュニケーションをとっていきますね。

湖山:人見知りの人って大体そうなんだろうけど、長い時間かけないとっていうのがあるよね! 一気にグイグイっていうのはいきづらい。

島﨑:ですよね! あいさつくらいの小さいところからはじめて、おぼえてもらえたら次は隣の席に座ったときに質問をしてみるとか。半田くんは嫌われてると思い込んじゃってるだけの人であって、拒絶してるわけではないんで。そういう距離の詰め方なら、なんだかんだうまく友だちになれちゃうんじゃないかって思いますけどね。

――おふたりと半田くんとの絶妙な距離感がうかがえたところで。最後に、半田くんに言葉をかけるとしたら何と言いたい?というのも聞きたいです。

湖山:「帰りにコーヒーでも飲んでく?」とかいうのもいきなりだからなあ(笑)。そこはやっぱり「おはよう」かな。

島﨑:じゃあ僕は……「好きだよ!」

湖山:おー! ストレート!

島﨑:やっぱり、総合的に人間として人として素敵な人なので。

湖山:だって周りから好かれてるんだもんね。


――確かに! 校内の誰もが一目おいている存在ですもんね。だからこそ『はんだくん』という作品も、より魅力的になっているのだとあらためて感じました。アニメも楽しみにしています!

湖山:とにかく、面白い!と思って作りましたんで。後の判断はお客さんに任せます! 楽しんでください……!(と、恥ずかしそうに顔を覆い隠す)

島﨑:作品の中の彼らのように、僕ら自身もとっても楽しんで作っているので。みなさんにも、同じように楽しさとかを感じてもらえたら嬉しいなって思います。見ていただいて損はさせない作品になっていますので。ぜひご覧いただければ。そして、原作ともども楽しんでいただければ幸いです。

湖山:面白いと思ったら、原作も買ってね?

一同:爆笑


――監督直々に宣伝まで……! 今回はありがとうございました!

[取材・文/松本まゆげ]

【放送情報】
 TBS 7/7(木)から毎週木曜深夜1時58分~
 MBS 7/8(金)から毎週金曜深夜3時10分~
 CBC 7/7(木)から毎週木曜深夜2時54分~
 BS-TBS  7/9(土)から毎週土曜深夜1時00分~
 TBSチャンネル1 7/17(日)から毎週日曜深夜1時00分~
     (【再放送】7/23(土)から 毎週土曜深夜3時00分~)
 dアニメストア 7/11(月)から毎週月曜ひる0時00分~最新話配信
 ※放送日時は予告なく変更になる場合がございます。予めご了承ください。

【スタッフ】
原作:ヨシノサツキ
(掲載/月刊「少年ガンガン」スクウェア・エニックス刊)
監督:湖山禎崇
シリーズ構成:横手美智子
キャラクターデザイン:松本麻友子
脚本:横手美智子、國澤真理子、平見 瞠
プロップデザイン:ハニュー
美術監督:菊名 香
色彩設計:松原陽子
撮影監督:伊藤康行
編集:岡 祐司
音楽:伊藤 賢
音楽制作:ランティス
音響監督:川添憲五
アニメーション制作:ディオメディア

【キャスト】
半田 清:島﨑信長   
川藤鷹生:興津和幸
相沢順一:広瀬裕也
二階堂礼緒:柿原徹也   
筒井あかね:細谷佳正
近藤幸男:山下大輝
花田 慶:白井悠介
東野光太郎:古川 慎

OPテーマ「The LiBERTY」アーティスト:Fo'xTails 
EDテーマ「HIDE-AND-SEEK」アーティスト:鈴村健一

●はんだらじお~島﨑信長と興津和幸のきっさマウンテンで待ち合わせ~
パーソナリティ:
島﨑信長(半田 清 役)、興津和幸(川藤鷹生 役)
配信場所:
アニメイトチャンネル 7/5(火)~隔週配信
dアニメストア 7/7(木)~隔週配信
アニメイトタイムズ 7/7(木)~隔週配信

●原作情報
・「はんだくん」 コミックス1~5巻発売中!コミックス6巻7/12発売!
月刊「少年ガンガン」(毎月12日発売)にて連載中!
著:ヨシノサツキ 刊行:スクウェア・エニックス

・公式アンソロジー 7/12発売!
刊行:スクウェア・エニックス

・コミック「はんだくん」は、購読無料のWEB雑誌 「ガンガンONLINE」(毎週木曜&第1・3月曜更新)でもおっかけ連載中!
ガンガンURL:http://gangan.square-enix.co.jp/
ガンガンONLINE URL:http://www.ganganonline.com/


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(C) ヨシノサツキ/スクウェアエニックス・はんだくん製作委員会
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