12周年を迎える『魔法少女リリカルなのは』が多くのファンから愛されている理由とは? TVアニメ三作品から魅力を紐解く
2004年に放送されたTVアニメ第1期を皮切りに、ゲーム・コミック・映画と幅広く展開してきた『魔法少女リリカルなのは』シリーズ。現在放送中のTVアニメ『ViVid Strike!』第1話放送時には、シリーズ最新作の劇場版『魔法少女リリカルなのは Reflection(リフレクション)』の公開が2017年・夏ということも明らかになり、大きな反響を呼びました。
そんなシリーズ始動から、なんと12年が経過した本作ですが、その勢いはとどまることを知らず今も根強いファンに支持されています。果たして、どのような魅力が重なって『魔法少女リリカルなのは』シリーズは十年以上も、ファンの心を掴んで離さないのでしょうか。完全新作として公開予定の『魔法少女リリカルなのは Reflection』に先駆けて、改めてTVシリーズ三作品から『なのは』シリーズの魅力を紐解いていきましょう。
第1期『魔法少女リリカルなのは』では、ごく平凡な小学3年生・高町なのは(CV:田村ゆかり)が、異世界・ミッドチルダから地球にやってきたユーノ・スクライア(CV:水橋かおり)との出会いをきっかけに、物語が動き始めます。
なのはは、ロストロギアと呼ばれる高度な魔法技術の遺産の一種「ジュエルシード」の回収を目的としたユーノに協力するべく、この世に存在する全ての次元世界の治安を守る「時空管理局」の嘱託魔導師として魔法の力を手にすることを決意します。
そんな「ジュエルシード」を回収するなのは達の前に立ちはだかるのは、本作におけるもう一人の主人公・フェイト・テスタロッサ(CV:水樹奈々)。彼女には「ジュエルシード」を非合法に回収しなくてはならない事情があり、言葉での説得を試みるなのはに聞く耳を持たず、激しい戦闘を何度も繰り広げます。
ここでポイントとなるのは、フェイトは完全な悪ではなく、胸に自分なりの信念と正義を持ってなのはと衝突する1人の少女ということ。しかし、何故か悲しげな目をするフェイトの心の内を知りたい、助けたい、分かり合いたい、なのははあくまでフェイトと友達になるために何度も立ち上がります。
元来の魔法少女作品の常識を覆すほどの熱い展開、そして本当の友情とは何か。全力でぶつかって相手の心を理解することから始めるなのはの真っ直ぐな信念は、日常忘れかけている純真な心を思い出させてくれることでしょう。また、どんな相手にも正面から向き合うなのはの“全力全開”は、シリーズを通して貫徹されており、そんな彼女の魅力に惹きつけられているファンは多いはずです。
ちなみに第1期から既に、OP&挿入歌を水樹さん、EDを田村さんが担当する本シリーズの定式が成されています。第2期OP「ETERNAL BLAZE」や、第3期ED「Beautiful Amulet」など、作品を知らなくとも楽曲に馴染みが深い方は多いかもしれません。
家族愛が照らす宿命と救済の物語
第1期から半年後、ライバルから親友の関係性になったなのは&フェイトが共闘、さらに新キャラクターの多数登場で熱いバトルを展開した第2期『魔法少女リリカルなのはA's』。本作からは、メインキャラクターの1人・八神はやて(CV:植田佳奈)とヴォルケンリッターと呼ばれる4人の守護騎士、さらには謎の第三勢力も加わり、三つ巴の戦いが繰り広げられます。
この第2期で特筆すべきは、天涯孤独だったはやてに舞い降りた奇跡と宿命です。「闇の書」と呼ばれる魔導書によってヴォルケンリッターという家族を手に入れた代わりに、命を蝕まれつつあるはやて。そして、はやてを救うべく、他人の「リンカーコア(※魔力の源)」をやむなく強奪してしまうヴォルケンリッターとの、切なくも固い絆が繊細に描かれています。もちろん、なのは達の前に立ちはだかる敵ですが、彼らも主を救いたい一心の行為であり、話数を重ねる度に、その家族愛に感情移入してしまうほど。
また作中において、なのはやフェイトを始めとする魔導師が戦闘時に使う個性豊かなデバイス(※魔法の杖)も見どころの一つ。デバイスは持ち主によって様々な形をしており、オーソドックスな杖タイプのレイジングハートを始め、弓にも連結刃にも変形可能な剣・レヴァンティンや、ヘッドが何百倍にも巨大化するハンマー・グラーフアイゼンなど、魔法少女から連想されるような杖ではなく、メカニカルな要素がふんだんに盛り込まれています。
さらに、作中にはカートリッジシステムと呼ばれる機能も追加されており、鈍い金属音と共に煙が立ち上がるリロードアクション(※自動拳銃のように空薬莢がデバイスから排出されるシステム)も、メカ好きにとっては心くすぐられること間違いナシ。シリーズを経るごとに機能が充実・拡張していくデバイスは、今作から大きく注目され始めました。
なお余談ですが、ヴォルケンリッターのヴィータ(CV:真田アサミ)、シグナム(CV:清水香里)が使用するデバイスの電子音声、実はTetsuya Kakiharaこと柿原徹也さんがドイツ語で声優を担当しています。
未来へと受け継がれる魔法少女・高町なのはの想い
1クール構成だった前作、前々作から、全26話構成の2クールで描かれたTVアニメ第3期『魔法少女リリカルなのはStrikerS』。舞台は第2期の約十年後、19歳になったなのは・フェイト・はやてらはミッドチルダに移住し、時空管理局に籍を置くことになります。そこで、はやてが新設した部隊・機動六課に配属された若き魔導師達や、隊長陣である3人のメインキャラクターを中心に物語が展開します。
今作より、どちらかと言えばなのはは成長する側ではなく、若手を育成する側に回ったことが視聴者に大きなインパクトを与えたかと思いますが、それでも彼女の信念は変わりません。言葉・身体・魔法・魂、自身が持てる力の全てでぶつかり、真っ直ぐな想いを伝えます。
ここまでを総じて『魔法少女リリカルなのは』シリーズとは、高町なのはという魔法少女と、彼女をきっかけに真の強さを手に入れたキャラクター全ての成長譚だと表すことができると思います。
そして2017年・夏、待望のシリーズ最新作『魔法少女リリカルなのは Reflection』が劇場公開となりますが、今作はなんと完全新作エピソード。第1期を集約した『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』、第2期を集約した『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's』に続く劇場版として、果たして今作ではどの時代が描かれるのでしょうか。
もちろん、最新作に備える為にも、本作に興味が湧いたのなら、ぜひTVシリーズのチェックをオススメします。劇場版で残念ながら描けなかった細かなシーンはもちろんのこと、アニメシリーズを把握している上で観ると、より深く楽しめることでしょう。
現在、各DVDおよびBlu-ray BOXが発売されていますが、11月30日(金)よりネット配信開始! 1期全話視聴クーポンがもらえるキャンペーンを実施しているので【特設ページ】も要チェックです!
さらに、現在放送中の『ViVid Strike!』も順次配信されていきます。『魔法少女リリカルなのは Reflection』公開前のこの機会に『魔法少女リリカルなのは』シリーズの魅力を再確認、もしくは新たに触れ、魔法少女たちの熱い全力全開をあなたの魂で受け止めてみは?
[文・鳥谷部 宏平]
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