鈴木達央さん、梅原裕一郎さんのおすすめシーンは「かかってこいやこら!」──『ちるらん にぶんの壱』キャストインタビュー
2017年1月よりTVアニメとして放送される『ちるらん にぶんの壱』。月刊コミックゼノン連載『ちるらん 新撰組鎮魂歌』(原作:梅村真也 漫画:橋本エイジ)のスピンオフ作品である本作では、デフォルメした新選撰組隊士達の日常がコミカルに描かれています。
この度、TVアニメ放送スタートに先駆けて、本作で声優を務める鈴木達央さん(土方歳三 役)、梅原裕一郎さん(永倉新八 役)にインタビューを実施! TVアニメ『ちるらん にぶんの壱』への印象や放送に先駆けて見どころシーンを伺ってきました。
画面いっぱいに映る土方が寝言を叫ぶ!?
──TVアニメ『ちるらん にぶんの壱』の印象を教えてください。
土方歳三役・鈴木達央さん(以下、鈴木):『ちるらん にぶんの壱』は、原作である『ちるらん 新撰組鎮魂歌』と別物の世界観として考えているのではなく、『ちるらん 新撰組鎮魂歌』に登場する隊士達の生活をぎゅっと凝縮してディフォルメされているものだと思っています。
そして、俺たちがオーディションで読ませていただいた原稿は『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の方のセリフだったので、『ちるらん にぶんの壱』に向けてキャラクター作りをしているというよりも、『ちるらん 新撰組鎮魂歌』への延長線上にあるものだと思って演じました。短い尺のアニメーションですが、『ちるらん にぶんの壱』の世界観の中でわちゃわちゃしている新撰組を知ってもらって、『ちるらん 新撰組鎮魂歌』も楽しんでいただければと思いますね。
永倉新八役・梅原裕一郎さん(以下、梅原):僕が演じた新八というキャラクターは、『ちるらん にぶんの壱』では突っ込みキャラだったり周りに振り回されたりするキャラなんですけど。僕は先に『ちるらん 新撰組鎮魂歌』を読ませていただいていたので、「新八ってこんなキャラだっけ?」って一瞬思ったりもしたのですが、『ちるらん 新撰組鎮魂歌』と本作とで違うキャラクターを演じるのではなく、全て延長線上にあるものとして、共通する新八としての要素を入れていければと思って収録に臨みました。
『ちるらん にぶんの壱』で新八を知っていただいた後に、突っ込みとして騒いでいるだけじゃない、“努力の人”である新八も知ってもらいたいなと思います。
──TVアニメ『ちるらん にぶんの壱』はどのような作品でしょうか?
鈴木:全体的にのんびり見ることができるというか、いい意味で箸休めになるというか。日常のなかにすっと溶け込めるフィルムになっています。ただ、裕一郎はずっと叫んでいるので大変だなと。
梅原:(笑)
鈴木:裕一郎が演じる新八は、例えるなら“落ち着きのない犬”なんですよね。ボールを投げればボールのほうに行きますし、棒を投げれば棒のほうに行く。枝を投げれば枝のほうに行くし、「こっちおいで!」と言えばそのまま飛びかかられるし。それでいて大型の犬なので、ちょっとうるさかったりする。
周りへリアクションを起こす役は新八が担っていて、俺たちは各々で自由にしていますね。おかしな連中がたくさんいるんですが、一筋縄ではいかないのが新撰組だと感じ取ってもらえる作品だと思います。基本的には新八がなにかしらを起こすのが醍醐味ですね。新八はスルーすればいいことにリアクションをとってしまって弄られて。それが悔しいから自分からちょっかいをかけにいって……まぁ、ドツボですよね。
──TVアニメ『ちるらん にぶんの壱』でこれから視聴するファンの方に是非とも注目してもらいたい見どころシーンはありますか?
鈴木:「かかってこいやこら!」ですね。ちなみに、寝言です。
梅原:寝言回ですね。
鈴木:各々が自由に寝ているなか、土方が画面いっぱいになって叫ぶシーンがあるんですが、そこは演じていて素直に楽しかったですね。画面いっぱいに自分が演じているキャラクターが写る機会はそうそうあることじゃないので。画面一枚を使って土方として叫べて、しかもそれが決めセリフでもなく寝言という、アンバランスな馬鹿馬鹿しさが最高に楽しくって。今日の収録はそこに気合を入れてきました(笑)。土方だけが画面に映って、土方だけのセリフが画面に映る……そんな贅沢な時間は他にないですよね。
──梅原さんは注目してほしいシーンはありますか?
梅原:隊士みんなでご飯を食べている回があるんですけど、急に新八のスイッチが入って競い合っちゃう場面があって。そこでのセリフに「男は努力と根性!」というのがあるんですけれど、そのセリフが凄く新八を物語っているなと思いましたし、そんなセリフをご飯の場で使ってしまうところが新八の全力な部分を感じられるかなと思います。
鈴木:あのシーンいいよね。本筋だとこのセリフは凄く格好いいのに、あのシーンでくると本当にただの馬鹿だよね。『ちるらん 新撰組鎮魂歌』だとそこまでの努力の積み重ねがあるから説得力があるけれど、このシーンに関しては欠片もないからね。それがなんかいいよね。
梅原:そうなんです(笑)。そこのギャップが演じていて凄く楽しかったです。
鈴木さんの座長としての意気込み
──実際、今演じられているキャラクターに決まってみていかがでしょうか?
鈴木:土方は少し相手を小馬鹿にしているところもあれば、腹を据えれば絶対に後ろに引かない勇ましい面もある気持ちのいい男だなと思っています。オーディションでも個人的にやりやすかったのは土方で、こういう役を演じられたら楽しいだろうなと思っていたので、土方役に決まったときはまさかと思いましたね。
梅原:新八のようなどんと構えていてガラの悪いキャラクターの役をいただくことは、今までにないことだったので素直に嬉しいなと思いました。もし今後機会があれば、本編の方も演じさせていただけたら、と思うような役になりましたね。
──最後に『ちるらん にぶんの壱』を楽しみにしているファンの方にコメントをお願いします。
鈴木:TVアニメ『ちるらん にぶんの壱』を通して、『ちるらん 新撰組鎮魂歌』を知っていただいて、そのうえで「このキャラクターたちにこんな一面があったんだ!」と、知っていただけたら嬉しいと思います。俺たちも本筋を理解した上で『ちるらん にぶんの壱』を演じさせていただいているので、そのリズムがある今作を見た後に、『ちるらん 新撰組鎮魂歌』に興味を持ってお手に取ってもらえたら嬉しいです。
それをきっかけに、キャラクターたちをより愛していただいて、その先の展開も実現化できたら嬉しいなと思いますし、個人的にTVアニメシリーズで主役をやるのは初めてのことなので。座長として今回の面子を引き連れて、本筋も演じることができたら最高に嬉しいなと思っております。
まずは『ちるらん にぶんの壱』を愛していただくことが第一目標。短いショートアニメですけれど楽しんでいただければと思います。全力をもってフィルムを作っていきますので、どうかよろしくお願いします。
梅原:今回初めて『ちるらん にぶんの壱』に触れる方も、元々『ちるらん 新撰組鎮魂歌』のファンの方もいらっしゃると思います。僕らは『ちるらん にぶんの壱』で初めて役柄を声で演じさせていただきましたが、もし少しでも興味を惹かれたものがあればぜひ原作も読んでいただけたら嬉しいです。
きっと『ちるらん 新撰組鎮魂歌』を読んだら「これをアニメで見たいな!」という気持ちになると思いますし、僕らも強く思っています。そして、その機会をいただけたら本当に嬉しいなと思いますし、絶対に面白いものができあがるに違いないと、『ちるらん 新撰組鎮魂歌』を読んでいて気持ちが沸いてきています。その機会をいただくためにもまずは、『ちるらん にぶんの壱』を応援していただけると幸いです。
──ありがとうございました!
すでに『ちるらん 新撰組鎮魂歌』を読み終えているという鈴木さん、現在読み進めている最中だという梅原さん。取材中、お二人は原作で登場するキャラクターの魅力や名シーンをあげると、「あのシーンいいよな!」と熱く語りあいながらも、「演じてみたい!」と揃ってスタッフさんに目を向けアニメ化希望をアピールしていました。また、取材現場には月刊コミックゼノンの副編集長がいらしていたのですが、鈴木さんの読み込みっぷり・考察を「理想的な読み方」と絶賛。お二人の『ちるらん 新撰組鎮魂歌』への熱意は、今回アニメ化される『ちるらん にぶんの壱』にもしっかりと染み込み、本作の魅力を高めるスパイスとなっていることでしょう。
2017年1月の放送スタートに向けて動き始めたTVアニメ『ちるらん にぶんの壱』。今後の動向に注目しながらも、放送スタートのときをお楽しみに!
[取材&文・河内香奈子]
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◆放送情報
2017年1月9日~
TOKYO MX 毎週月曜 25:00~
KBS京都 毎週月曜 25:30~
2017年1月11日~
サンテレビ 毎週水曜 24:15~
※放送は変更になることがございます。
◆コミックス情報
『ちるらん 新撰組鎮魂歌』第17巻(徳間書店)発売中
<著者情報>
漫画:橋本エイジ 原作:梅村真也
>>TVアニメ『ちるらん にぶんの壱』公式サイト
>>TVアニメ『ちるらん にぶんの壱』公式Twitter(@chiruran_anime)
(C)橋本エイジ・梅村真也/NSP 2016, (C)アニメ「ちるらん にぶんの壱」製作委員会2017, 許諾番号VGD-107