駆除系が大乱入! 櫻井孝宏さん、早見沙織さん、洲崎綾さんが登壇した劇場版『BLAME!』初日舞台挨拶をレポート
『シドニアの騎士』で第39回講談社漫画賞を受賞した弐瓶勉先生のデビュー作『BLAME!』が、20年の年月を経てついに映像化! 5月20日(土)より2週間限定で全国劇場で公開されます。
これを記念し、5月20日(土)、新宿ピカデリーにて櫻井孝宏さん(霧亥役)、早見沙織さん(サナカン役)、洲崎綾さん(タエ役)、瀬下寛之監督、吉平“Tady”直弘副監督らを迎え、初日舞台挨拶が行われました。本稿ではこちらの模様をレポートします!
無事に迎えた初日の上映にニヤニヤが止まらない登壇者達
会場の大きな拍手に出迎えられて櫻井さん、早見さん、洲崎さん、瀬下監督、吉平副監督がご登壇。まずは『BLAME!』が公開初日を迎えた率直な気持ちを述べていました。霧亥役の櫻井さんは「嬉しい、この一言に尽きる」と表現。どんな作品になったのか? という事もさることながら、大きな映像でお客さんが見てくれることを思うとニヤニヤすると答えていました。
タエ役の洲崎さんは「期待した以上の物がギュッと詰まっているので早く見て欲しいです」と語りながらも、初日にこんなに満席のお客さんが見に来てくれた事にニヤニヤしながらホッとしたと回答。サナカン役の早見さんは「私もニヤニヤしています」と答えて会場からの笑いを誘いながらも『BLAME!』は映画館の様な大きいスクリーンや、大迫力かつ、素敵な音で見るのがぴったりな作品だと述べていました。
監督陣は自分達が作りたかったものがやっと形になってニヤニヤしながらも、受け入れてもらえるだろうか? と考えるとドキドキすると答えていました。ちなみに『BLAME!』は日本だけでなく海外でも大変人気が高い作品であり、”アヌシー国際アニメーション映画祭”や”ヴィボー・アニメーションフェスティバル2017”でも特別上映が行われるなど注目されています。
絵が無いからこそ光る役者さんの演技力
本作はプレスコ(映像制作の前に音声収録を行う)方式を取っており、収録当時の思い出に話は移ります。櫻井さんはキャラクターの行動が伴うようなシーンはその場でディスカッションをしながら演じていたとの事。例えば、走るにしても「どのくらいのペースで」「どのような気持ちで」「何歩走るのか?」という所まで作りこんでいったと語っていました。「今回全く絵が無くて、あるのはト書きくらいなもんです」と若干の苦笑を浮かべていました。
洲崎さんもそのト書きの量には驚いたらしく、「ト書きが上にいっぱい書いてあってセリフが1個だけとかありました」と同じように苦笑。これには瀬下監督も「役者さんのおかげで『BLAME!』が成り立っているように感じます。セットが無い状態の舞台演劇をしている感じだった」と表現。これには皆さん納得のご様子。
早見さんは「役柄的にセリフが難しいものが多かった」と表現。また、プレスコでは絵がない分、会話のテンポや雰囲気が非常に大事になるのですが、早見さん演じるサナカンはみんなとテンポ良く掛け合うようなキャラクターではなかったので、逆にサナカン1人の空間を維持することに意識を向けていたとの事。それを聞いた瀬下監督もたまらず「サナカンは早見さんの役の入り込み様がすごかった!」場面を完全に支配する程の演技力を絶賛していました。
そしてそろそろイベントも終了……。と思いきや、突然早見さんがサナカンとして覚醒!「ネット端末遺伝子を持たないお前たちを排除する」と語るや否や、駆除系(セーフガード)が会場に登場。これにびっくりする出演者の皆さんでしたが、櫻井さんの「動きは良いけどビジュアルはゆるい」の一言に大爆笑。初日舞台挨拶に相応しいイベントとなりました。
作品情報
STORY
過去の「感染」よって、正常な機能を失い無秩序に、そして無限に増殖する巨大な階層都市。都市コントロールへのアクセス権を失った人類は、防衛システム「セーフガード」に駆除・抹殺される存在へと成り下がってしまっていた。都市の片隅でかろうじて生き延びていた「電基漁師」の村人たちも、セーフガードの脅威と慢性的な食糧不足により、絶滅寸前の危機に瀕してしまう。少女・づるは、村を救おうと食糧を求め旅に出るが、あっという間に「監視塔」に検知され、セーフガードの一群に襲われる。仲間を殺され、退路を断たれたその時現れたのは、“この世界を正常化する鍵”と言われている「ネット端末遺伝子」を求める探索者・霧亥(キリイ)であった。
キャスト
霧亥:櫻井孝宏
シボ:花澤香菜
づる:雨宮天
おやっさん:山路和弘
捨造:宮野真守
タエ:洲崎綾
フサタ:島﨑信長
アツジ:梶裕貴
統治局:豊崎愛生
サナカン:早見沙織
<STAFF>
原作:弐瓶勉『BLAME!』(講談社「アフタヌーン」所載)
総監修:弐瓶勉
監督:瀬下寛之
アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ
製作:東亜重工動画制作局