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夏アニメ『AIの遺電子』Aile The Shota インタビュー【連載第1回】

夏アニメ『AIの遺電子』連載インタビュー第1回:OPテーマアーティスト/Aile The Shota|「境界線に愛はない」は、現代を生きる僕たちにとっても大事な言葉

7月7日より、山田胡瓜さん原作のTVアニメ『AIの遺電子』が、MBS、TBS、BS-TBS“アニメイズム”枠ほかにてスタートしました。

本作の舞台となるのは、AIが高度に発達した22世紀後半。「産業AI」とは比べものにならない知性があり、人権を持った「ヒューマノイド」が受け入れられた世界で、ヒューマノイドを治す医者・須堂光がヒトとAIの共存がもたらした「新たな病」に向き合っていきます。

アニメイトタイムズでは、本作の魅力をさらに掘り下げるリレー連載がスタート! 第1回は、オープニングテーマを担当するAile The Shotaさん。原作をもとに書き下ろされた「No Frontier」の制作秘話をうかがいました。

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これは、私たちの未来の物語――。21世紀に始まったAIの圧倒的な進歩は、社会の発展に寄与する一方、高い知性を持つ機械を道具として使う是非を、人類に突きつけた。そして22世紀後半。人々は「産業AI」とは別格の存在として、人権を持った「ヒューマノイド」を当たり前に受け入れ、共に暮らしている。須堂光は、ヒューマノイドを治す新医科の医者として、ヒトとAIの共存がもたらす「新たな病」に向き合っていく。時に、裏の顔も使いながら……。作品名AIの遺電子放送形態TVアニメスケジュール2023年7月7日(金)〜2023年9月29日(金)MBS・TBSほか話数全12話キャスト須堂光:大塚剛央樋口リサ:宮本侑芽ジェイ:岩中睦樹カオル:高森奈津美スタッフ原作:山田胡瓜(秋田書店「少年チャンピオン・コミックス」刊)監督:佐藤雄三シリーズ構成・脚本:金月龍之介キャラクターデザイン・総作画監督:土屋圭サブキャラクターデザイン:尾崎智美色彩設計:中内照美美術設定監修:矢内京子美術設定:田中涼美術ボード:河野羚撮影監督:畑中宏信(グラフィニカ)モニターグラフィックス:加藤道哉(サイクロングラフィックス)編集:塚常真理子音楽:大間々昂 田渕夏海音響監督:小泉紀介音響効果:山谷尚人(サウ...

アーティストとして、人間として、AIとどう向き合っていくか

――Aile The Shotaさんにとって、『AIの遺電子』は初のアニメタイアップ作品になるんですよね?

Aile The Shota:そうですね。少年時代からずっとアニメ、漫画が大好きだったので、Aile The Shotaとして音楽活動を始め、1年経たないうちにオファーをいただけたのは驚きでもあり、喜びでもありました。

――アニメや漫画はずっと触れてきたものだったんですね。

Aile The Shota:特に去年はたくさんアニメを見ていたこともあって、アニメのオープニング主題歌には憧れがあったんです(笑)。ただ夢が現実になった瞬間は、ちょっとしたプレッシャーもあって。やっぱり作品との結びつきは大事ですし、原作のファンの方にも納得してもらえるものにしたかったので。

――『AIの遺電子』の原作をご覧になった感想はいかがでしたか?

Aile The Shota:ここまで思考を刺激される漫画は初めてでした。僕の知らない漫画の世界が広がっていて、あっという間に作品に引き込まれました。僕自身、AIというものに興味があるので、その点で考えるきっかけをいただけたのもありがたかったですね。アーティストとして、人間として、AIとどう向き合っていくか。これは僕だけではなく、いろいろな人が考えなければならないことだと思いますし、この作品がこの時代にアニメ化されたことには大きな意味があると思います。

――確かに、読者に問いかけてくるような作品ですよね。

Aile The Shota:どのエピソードも明確な答えのない終わり方が多いんですよね。原作の第1話もいくつもの解釈が成り立つような余白のある結末で、自分自身で答えを導き出す必要がある。ここからどんなふうに話が進んで、どんな結末を迎えるのか。想像力をかき立てられました。

――楽曲制作に取りかかる際、作品の世界観やメッセージをどのように楽曲に落とし込もうと?

Aile The Shota:今までの楽曲制作は、基本的に自分というものを軸にしていて、自分から生まれた自分のことを歌うというやり方が中心でした。今回は『AIの遺電子』のオープニング主題歌なので、どうやって作品と僕をリンクさせるか、作品と音を繋げるかをまず考えて。それで近未来を連想させるような音の質感を使ってみたり、ボーカルにはオートチューンのような“人間らしくない”加工を取り入れてみたりしたんです。

音のイメージは早い段階で浮かびましたが、歌詞のほうは……原作を読み進めていって主人公の須堂光の考え方が腑に落ちたのが大きかったです。

――それはどういう考え方なのでしょうか?

Aile The Shota:「境界線に愛はない」という考え方ですね。これはまさに須堂を見て浮かんだ言葉でした。その価値観を以て困っているヒトやヒューマノイドに寄り添っていく。ぱっと見は言葉数が少なかったり、クールな雰囲気を漂わせていたりしますが、本当に愛のある人なんだろうなと思って。楽曲の中では愛を伝える主人公の側面を強く出すようにしました。

――Aile The Shotaさんと須堂の2つの視点が入るようなイメージですか?

Aile The Shota:そうですね。主人公の須堂光と僕自身の視点を半々にして楽曲に人格を持たせるようにしています。僕の視点だけが楽曲の人格になるのではなく、須堂とも僕とも取れる視点で書いていく。須堂はこういう視点で世界を、ヒトを、ヒューマノイドを見ているんだろうなって。そのアプローチが作品に近づくきっかけになりました。

――「No Frontier」というタイトルはどのタイミングで浮かんだんですか?

Aile The Shota:普段はあまりないんですけど、タイトル先行で歌詞を書いたほうがいい楽曲だと思ったので、どうすれば歌詞を書き進められるかを考え、「境界線に愛はない」というところからこのタイトルが生まれました。

――「境界線に愛はない」という言葉は、それぐらい重要なキーワードだったんですね。

Aile The Shota:大きかったですね。現代を生きる僕たちにとっても大事な言葉だと思うんです。ジャンルでもなんでもそうですけど、どうしても何かに分類し、境界線を引いて考えてしまう。でも「そこに愛はないよ」という考え方は、いろいろ場面で重要になってくるので、聴いてくれる方それぞれの“境界線”を連想してもらえたら嬉しいですね。

――現実でも、人と人の間に境界線ができて、分断されて……ということがありますからね。

Aile The Shota:そうなんです。現実でもそういう状況が存在するので、僕もこのテーマを歌うときはすごく力が入りましたし、作品に背中を押してもらい、作品と一緒に歌わせてもらったことでより強いメッセージになったと思います。
 

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