
【連載】TVアニメ『ゾンビランドサガ』警察官A役 吉野裕行さんインタビュー【SAGA. 06RE】|2話のラップシーンはアドリブ。でもラップを入れたいと思ったきっかけが画面の中に!?
お気に入りのキャラはたえ。その理由とは?
――ご自身が演じるキャラ以外で好きなキャラを教えてください。
吉野:たえを演じるのは大変だろうなと思います。しゃべらないで、「う~」とか「あ~」だけで表現するのは難しいですからね。キャラクター自体も本能で動いているし、フランシュシュのメンバーをかき回したり、刺激を与えたり、メンバーが壁を乗り越えるきっかけになったりするので、おいしいキャラクターだなと思います。
――あと警察官Aと並んで、デスおじの2人も存在感がありますよね。
吉野:デスおじの2人は『ゾンビランドサガ リベンジ』にも登場しますが、うらやましく思ったシーンがあって。(プロデューサー&MAPPA代表の)大塚(学)さんに「警察官Aにもあんなシーンが欲しいです」と言っておきました(笑)。
あふれる佐賀感と王道かつ鉄板な展開、ハイテンションに気持ちよく振り回されてください
――『ソンビランドサガ』初心者の方やこれからご覧になろうか迷っている人に、見たくなる魅力や楽しみ方のレクチャーをお願いします。
吉野:この作品は放送当時すごく話題になったし、2期が制作されるほど人気があるのはわかるんですけど、「ヒットを狙っている」というより皆さんがやりたいことを全力でされている感じがする作品なんです。
(Cygamesプロデューサー)竹中(信広)さんから会社の社長さんが佐賀出身だから佐賀のアニメを作ると聞いた時も正直、「当たらないだろう」と思ってしまいましたし、それと同時に偉くなると自分のやりたいことにチャレンジできるチャンスがあるんだなと思いました(笑)。
でもドライブイン鳥の社長さんをはじめ、佐賀ゆかりの方たちも多数登場されて、かなり前のめりで。実際のドライブイン鳥のCMパロディーも流れていて、
佐賀に密着している作品です。佐賀県の方にとっては当たり前の光景だけど、他の地域の方には「何だろう?」と思わせるおもしろさがあるのかなと思います。
あと内容もかなりめちゃくちゃで、幸太郎役の宮野(真守)君も各話テンションで乗り切っている感じなので、初見の皆さんも安心して振り回されてください。
――あと40~50代のお父さんお母さん世代がハマる昭和テイストも。
吉野:僕はわかるし、スタッフもやらせたいんだろうけど、若いキャストの子たちにはわからないシーンもちらほらありますよね。
――フランシュシュに次々と訪れるピンチとか大映ドラマのような。
吉野:メンバー間にいざこざが起こったり、やっていることは意外とスタンダードで。ただ佐賀が舞台で、アイドルを目指すのがゾンビなだけで。ゾンビものの需要もあるけど、そこに紛れ込もうと狙っているのかといえば……。
でもショップやレンタルビデオ店で、タイトルを見て間違ってゾンビコーナーに置いて、ゾンビ好きの人が手に取る可能性もあるわけだし(笑)。その時代の鉄板や王道をやっているので、わかる人はオマージュだなとニヤニヤできるし、知らない人たちも新鮮におもしろがってくれたらいいですね。
この作品に関わって佐賀への好感度アップ!
――この作品に関わって佐賀へのイメージは変わりましたか?
吉野:元々、佐賀について知っている情報は、はなわさんの歌と、その歌詞にあった出身者が松雪泰子さんということくらいで(笑)。今では他の佐賀県出身の芸能人の方も知ったり、サッカーのサガン鳥栖など、もっと浮かんでくることはあるけど、地理も九州ではなく、「山陰あたりにあるのかな?」というふわっとした印象でした。
でもこの作品に関わったことで、作中に出てくるリアルな場所や、ドライブイン鳥の社長さんや県庁の方などが演じられたことで好感度は上がったし、ありがたいなと。僕と同じように親近感や興味が湧いた方が聖地巡礼されているのでしょうし。
(C)ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会