アニメ

2021-04-21 20:30

春アニメ『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』水瀬いのり×佐倉綾音インタビュー｜「この路線、良いよ！」と佐倉さんが太鼓判を押した水瀬さんの演技とは

共演の多い二人が感じた、お互いの新しい面、さらに二人で歌うEDテーマにも注目！

――改めてになりますが、それぞれのキャラクターの紹介をしていただこうかと思います。

佐倉：可知白草のビジュアルを見てもらえれば分かると思うのですが、一定数の需要がありそうなクールなキャラクターです。

――姫カットの需要は確実にありますね！

佐倉：姫カットって現実だと浮世離れしてしまうビジュアルですけど、アニメやマンガといったコンテンツでは、高嶺の花的なポジションになるんですよね。

あと、白草は基本的に他人……特に男子生徒に対しての当たりが強いんです。でも、逆に好きな人に対しての当たりの柔らかさといったら、天地ほどの差がありまして……。敵に回したら怖いけど、味方に付けたら最強感があるところが、とても素敵だなと思っています。

私もこういう女の子がとても好きなのですが、これまでやらせてもらえる機会が少なくて。私の声質的に黒羽のようなキャラクターのほうがオーディションに受かりやすいところがあるんですけど、白草はとてもやりやすくて、演じていてとても楽しいです。

――白草は完璧超人と言われていますが、物語が進むにつれて結構かわいいところも出てきますよね。

佐倉：そこでよく「もっとポンコツにしてください」というディレクションをいただくんですけど、おそらく「ポンコツ」って常用するには比較的新しい言葉で、その概念が私とスタッフさんで違っていて。これくらいがポンコツなのかな？と演じると、「もっと」と言われたりするので、改めて「ポンコツ」とは何だろうと考えたりしました(笑)。

――それが徐々に掴めてきた？

佐倉：だいぶやった結果がスタッフさんが求めていたポンコツ具合だったので、白草の演じていい範囲というのを自分の中で狭めていたのかな？と思って、途中で広げる作業をしていました。

――きっと、そこに惹かれる方も多いと思います。

佐倉：ちょっとギャップはありますね。

――黒羽はどうですか？

水瀬：黒羽は、誰もが一度は妄想するような世話焼きお姉ちゃん、かつ幼なじみです。こんな子が隣にいたら学園生活が楽しいだろうなっていう、ある種男子の夢を具現化した女子だと思っています。実際こういう女の子はなかなかいないと思いますけど……。

――いないでしょうね……。

水瀬：ただ、それでいて手の届く範囲にいてくれる安心感みたいなものがあるんですよ。白草が高嶺の花と言われるくらい“目で追ってしまう存在”なら、黒羽は隣にいつもいてくれる、目を離してもそばに居てくれるような存在なんじゃないかなと思っています。

あと、個人的に好きなのは、黒羽にはカラフルシスターズと言われている3人の妹がいて、お姉ちゃん気質があるというところ。それゆえの視野の広さがあって、すごく落ち着いているんですよね。だから末晴の気持ちだったり、ほかのヒロインの行動だったりを必ず察知している抜け目のなさがあり、それが知的な感じで、そういうところも隙がない！　いろんなものが詰まった幼なじみです。

――策略を巡らせたりもしますからね。

水瀬：末恐ろしいです。彼女の行動力と想像力は。

――共演も多いお二人ですが、「これは新たな面だな」と感じた部分はありましたか？

水瀬：私が共演するときのねるさん(※佐倉)は、元気とか黒羽のようにそばに居てくれるキャラクターが多い感じがするんです。だから、白草のようにちょっと後ろ髪を引かれたり、手を伸ばしたくなるような遠いところにいるキャラクターは、隣で聞いていてすごく新鮮でした。もちろん、私と共演していない作品では、そういうキャラクターもやっていると思うんですけど。

アフレコ前に、小説に付くIFストーリーのドラマCDを録ったのですが、そのときも第一声から、今までの温度感と違う声だ！と思って。これが白草の距離感なんだなと、新感覚な声でした。

――それもアニメならではですよね。近い距離での共演でも、演じるキャラクターがガラッと変わるというのは。

水瀬：だから「ふんっ」ってにらみ合うときも、こういう声で来るだろうなっていうイメージが元気キャラなんですよね。だから「ひっく(低)！」ってなって(笑)。でもこれが白草だからと、私の中の佐倉綾音の声がアップデートされたので、新しいものに触れられている感じがして、すごく楽しいです。

佐倉：私も同じく、今までは幼いキャラクターのイメージがいのすけ(※水瀬)にはあって、お姉さんキャラというか……ロリお姉ちゃんみたいな説明ではあるんですけど、面倒見の良いお姉ちゃんのいのすけの声はとても新鮮で。アニメの1話で「この路線、良いよ！」と本人に力説しました。

水瀬：すっごい太鼓判を押してくれました。

佐倉：こういうのもっとやっていってほしい！と。

水瀬：かつてこんな熱量で接してもらったことあったかな？ってレベルで「良いよ！」と言われて……(笑)。

佐倉：私は出会った頃から、水瀬いのりの声推しだったんですけど、その時の衝撃が甦ってきました。ただ、あのとき間違えたなと思ったのは、本人にそれを熱弁するのではなく、アクセルワンさんに熱弁するべきだったなと。

水瀬：……(笑)。じゃあ、この原稿の確認で、事務所に見てもらおう！

佐倉：今後は、黒羽みたいな小悪魔な水瀬いのりもぜひ推していってほしいです。

水瀬：じゃあ私もアイムエンタープライズさんに、クールな佐倉綾音も良いですよと。追っかけたくなる声をしていますよ、と伝えておきます。「追っかけたくなる声、佐倉綾音」

佐倉：何、そのグラビアのタイトルみたいなフレーズ。

水瀬：「その声を、追いかけて……」みたいな。

――そういう意外性も、見どころかもしれないですね。

佐倉：だから桃坂真理愛役の大西沙織も含めてアフレコ前に話していたのは、「キャストがシャッフルじゃない？」ということで。

水瀬：してたね！　沙織が白草で、ねるさんが黒羽で、私が真理愛。

佐倉：それがしっくりくるはずだよねって。

――パブリックイメージとしてはそうなるかもしれないですね。

佐倉：でもいざアフレコが始まったら、誰もそういう話はしなくなったよね？

水瀬：しなくなったし、どういう経緯でこの配役にしていただいたのかは、いつか聞いてみたいです。

――役者としてはイメージも経験も広がるから良いことですよね！　最後にひとつ聞きたかったのはEDテーマ「戦略的で予測不能なラブコメディのエンディング曲」についてです。この曲は、二人で歌っています。

佐倉：私たち良かったよね！

水瀬：がんばりました！　良いエンディングを歌いましたよ！　良いのが録れた！

――レコーディングはいかがでした？

水瀬：曲資料をいただいたとき、イントロから「えー！」みたいな。

佐倉：何が始まったんだろうと思いました(笑)。「セ、セリフ？」みたいな。

水瀬：あれは何て言うんですかね？　すごく持ってかれるというか。「何なんだろう」という食いつき感は、視聴者の方にも感じていただけると思いますし、クセになると思います！　

レコーディングも、歌なんですけどバトルをしている感じもあり、ただただお互いがかわいく歌うのではなく、ちょっと“ゲスさ”とか、ここは譲れないというところを随所に出す歌い方をしているんです。それはキャラクターとして歌っているからできるアプローチなのかなと思いました。あと、アニメのEDでは流れないんですけど、2コーラス目のセリフパートは結構がんばったので、聴いてほしいです！

――メロディに半分乗りながら〈志田さん〉と、セリフに入るところの白草パートが絶妙で、そこはぜひとも聞いてほしい。

水瀬：あの瞬間、良いですよね。それまでずっと伴奏に合わせて歌っていたのに、伴奏が急に劇伴っぽくなる。

佐倉：でもすぐに曲に戻っていくんだよね。〈白黒つけましょう〉って。忙しい曲だったなぁ。

――佐倉さんの曲の印象は？

佐倉：聴いた瞬間、とてもキャッチーな楽曲だと驚きました。個人的に、曲によって覚えやすい覚えづらいがあるんですけど、とても覚えやすかったです。

白草みたいな役でキャラソンを歌うことが今までそれほどなく、とても低い役かとても高い役かのどちらかだったので、白草で歌えるだろうかと不安だったんですけど、いざスタジオで歌ってみたら、とても歌いやすくて。自分の得意な音域ここじゃん！と。

水瀬：真ん中にあったじゃん！って？

佐倉：何で今まで高いか低いかのどちらかで、真ん中がなかったのだろうと思いました。私の歌いやすい音域に気付くという、とても貴重なレコーディングでした(笑)。

――カップリングの「Baby Monster」も、すごく良かったですね。

水瀬：もう、吐息多めの！

佐倉：この曲は逆に全然覚えられなくて(笑)。いのすけはK−POPとかも聴いていたりするけど、私は聴き慣れていないので、どこでリズムを取っていいのか分からなくて……。

水瀬：そうだよね。切れ目があまりない曲だからね。