アニメ『ゾンビランドサガ リベンジ』ゆうぎり役 衣川里佳さん✕キャラクターデザイン 深川可純さんインタビュー|8・9話のエピソードを見ることで「佐賀事変」への理解度UP!【SAGA_R:09】
今の新キャラ、ホワイト竜とライトはどんなオーダーとイメージで描かれたのか?
――『ゾンビランドサガ リベンジ』ではホワイト竜やライト、舞々、喜一、伊藤などの新キャラが登場しましたが、それぞれどんなオーダーで描かれたのでしょうか?
深川:いつもざっくりした発注で、事細かな指示もなければ、リテイクもほとんどなくて。私が脚本を読んで浮かんだイメージを固めて、調整しながら描いていった感じです。例えば5話のライト君の発注は「子役のかわいい子供」だけで。
衣川:そんなにざっくりしているんですか?
深川:はい(笑)。あと2話のホワイト竜さんの髪型がひわいに見えないか心配で相談したら、「そんな発想なかったわ」って言われて。
深川:逆に私がセクハラしたみたいになっちゃって
衣川:私のお父さんがホワイト竜さんが大好きで、放送後すぐに連絡がありました。「ホワイト竜、めちゃめちゃイカすじゃねえか」って。
深川:それは嬉しいです!
――ちなみにあのリーゼントが異常に長く、前に垂れ下がっている髪型は?
深川:竜さんは脚本と並行してできたキャラクターなので、脚本の段階から決まっていました。
7話の舞々が「巨乳メガネっ娘」になった理由とは?
――7話の舞々は?
深川:「巨乳メガネっ娘」という発注で。女子高生のイメージで、いきなり主人公然として登場するので、できるだけ反感を持たれないようにデザインしなくちゃと結構悩みました。ゆうぎりよりも胸が大きいんですよね。
衣川:そうなんです! ゆうぎりさんがとうとう負けてしまいました。
深川:この作品には巨乳が結構多い気がしたので、誰よりも大きく、ありえないカップ数にしました。
衣川:(舞々のキャラクター設定を見ながら)横から見るとすごいですよね。
――あと8、9話では着物の衣装も描かれていますが、調べて描かれたんですか?
深川:当時の資料をいただいたり、自分で調べたりしました。
衣川:ゆうぎりが緑の着物を描いているのは意図的なんですか? 現代では赤と緑を基調していて、喜一も赤と緑の服装なのも……。
深川:その意図はありました。喜一と対になるようにと。また明治時代はシンプルなイメージですが、お金持ちの女の子は帯にこだわったらしくて、帯だけは高級に見えるようにデザインしました。
『ゾンビランドサガ』シリーズのキャラクターデザインで意識したポイント
――深川さんが『ゾンビランドサガ』や『リベンジ』のキャラクターを描く時に意識されている点や難しさを感じること、他作品と違う点は?
深川:『ゾンビランドサガ』は私の中では男性向けのデザインで、とにかくかわいらしく描くことを心がけていますが、衣装は女性に受け入れられるといいなという願望を込めて、万人受けするように意識しています。難しさはこの作品に参加するまで、フランシュシュのような等身の女の子を描くのが苦手で。「萌え」が苦手だし、バランスも難しくて。
衣川:えっ!? そうなんですか!? こんなにかわいいし、きれいなのに。
深川:嬉しい!
衣川:じゃあ、男性を描くほうが得意なんですか?
深川:どちらかというと苦手です(笑)。
宣伝担当:マンガ『ゾンビランドサガ外伝 ザ・ファースト・ゾンビィ』(『ウルトラジャンプ』連載)では等身が高めになっているんですか?
深川:そうですね。できるだけ、自分が描きやすい絵柄になっているので、アニメ本編より、ちょっと大人びているかもしれません。
MAPPA制作担当:そういえばファンブック(『ゾンビランドサガ FIRST FAN BOOK』)には初期のキャラクター原案が掲載されていますが、決定したものと結構違いますよね。
衣川:(デザイン画を見ながら)めっちゃ、かわいいけど、確かに雰囲気が違いますね。ゾンビ姿のさくらなんてヤバいですよ! かなりリアルで、血だらけだし、怖い。決定版のゾンビ姿はかわいいです。
深川:でも警官は初期から変わってません。
衣川:確かに。パーマをかけているものもありますね。
深川:それはパターンを出して、どちらがいいですか? と決めてもらおうと思って。
宣伝担当:デザイン画に書かれているメモは発注にあったことを書かれてるんですか?
深川:そうですね。発注時にあった単語を拾って。警察官Aの場合だと「ゆとり」とか「ちゃらい」とか。
衣川:ゆうぎりさん、めちゃめちゃエッチですね。この衣装はライブでは着られませんね(笑)。
深川:ポロりしそうですね(笑)。これは無理矢理萌えキャラを描かされた時の絵ですね。
衣川:キャラ絵だけではなく、服装を考えるのも大変そうですね。
深川:服を考えるのは楽しいんです。
MAPPA制作担当:深川さん書き下ろしのオリジナル衣装版権は、衣装も凝られているので、いつも上がりを見るのが楽しみです。
フランシュシュの衣装もデザイン。EDの私服姿についての監督の発注がざっくりと!?
――作中でフランシュシュがライブで着ている衣装のデザインもされているのでしょうか?
深川:2期では、ライブの衣装は、原田さんと石川さんというデザイナーさんにお願いしました。「佐賀事変」のMVの衣装はギリギリ描かけたんですけど。
衣川:「佐賀事変」のみんなの衣装がかわいくて大好きで。似た服を見つけて買おうとしました(笑)。ゆうぎりの衣装も好きだけど、他のメンバーの衣装も着てみたいと思うほどかわいいですよね!
深川:嬉しいです! あと2期のED映像の衣装も私が担当しています。
衣川:あの衣装も素敵ですよね。それにみんなの笑顔も最高すぎて。たえちゃんがあんなにかわいい笑い方をするなんて。みんなが心から笑っているように見えるのが逆にせつなく思えたりして。
深川:エモいですよね。
――あの衣装のポイントは?
深川:境(宗久)監督からは「とにかくおしゃれに」と言われて。「具体的におしゃれとは?」と思いましたけど(笑)。今流行っている韓国アイドルを参考にしました。
衣川:みんなの私服姿なんて、あまり見たことがないし、貴重ですね。髪型をちょっと変えているところも素敵で。本編でも毎回、服装が違うところが今を生きている感じがして好きなんです。
(C)ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会