アニメ『ゾンビランドサガ リベンジ』監督 境 宗久さん✕コリオグラファー JUNJUNさんインタビュー|他のアイドルアニメとの違いは山田たえの存在!?たえのダンスの成長にも注目!【SAGA_R:10】
監督からJUNJUNさんへの発注は「熱血系アニメなのでカッコよさやキレの良さを」
――監督はJUNJUNさんにどんな発注をされたのでしょうか?
境:最初は作品の方向性や、フランシュシュはかわいさよりも熱血アニメ系なので、カッコよさやキレのよさをイメージしてくださいとざっくりとお願いして。あとはこの作品の楽曲が強くて、雄弁に作品の中身を語ってくれているので、あまり細かいことは言ってないです。例えば「REVENGE」なら「力強く、はい上がるイメージで」とか。あとはほぼお任せで、上がってくるのを楽しみに待つだけで。
――JUNJUNさんの振付について、どういう印象を持たれましたか?
境:絵に起こす時も何度も見て、「この動き、カッコいいな」とか「このそろっているところをどうしたらうまく見せられるかな」って。でもアニメではフルサイズでは入れられないのが残念で。そういうのがたくさんあるので、いつかアニメで全部見せられたらいいなと思います。
――発注される段階では、この曲のここからここまでのパフォーマンスをアニメで描きますという説明はされているんですか?
境:楽曲制作段階では、「TVではこの尺でいきましょう」と決めていますが、振付に関してはフルで作ってもらうことが前提で。JUNJUNさんは「アニメでここを使います」と聞いて、作られることはあるんですか?
JUNJUN:曲によって事前に教えていただける時とそうではない時がありますが、正直、それほど意識はしていなくて。4話での「目覚めRETURNER」のように、最初は使われていなかったところも使われることもあるので、基本的にはフルで考えて作っています。
境:僕もそれでいいなと思っていて。どこを切り取ってもカッコいいので。アニメでは最大限に活かせるようにと思っています。
「REVENGE」の振付は、はい上がる力強さを、「風の強い日は嫌いか? FranChouChou cover」は「特攻DANCE ~DAWN OF THE BAD~」との差を意識
――キャストがパフォーマンスすることも考えながら振付を考えられたのでしょうか?
JUNJUN:1期の時も声優さんがライブをすることは知っていましたが、一旦は声優さんがパフォーマンスすることは意識せずに、あくまでアニメの中で、フランシュシュがパフォーマンスすることだけを考えて作りました。
境:基本的にはアニメのストーリーありきの考え方でいいかなと思いますが、「REVENGE」の振付を見て、「優しくないな。スパルタだな」とは思いました(笑)。
――では『ゾンビランドサガ リベンジ』での新しい楽曲について、それぞれ振付のポイントのご説明をお願いします。まず1話の「REVENGE」について。
JUNJUN:はい上がるような力強さ、パワーを表現したくて。「ヨミガエレ」と雰囲気的には似ている部分もありますが、「ヨミガエレ」の時よりもフランシュシュは成長していることを、誰が見てもわかるように、ちょっと難易度を上げて。
境:フォーメーションの入れ替わりも激しいですよね。
JUNJUN:そこは全力でやっていこうと(笑)。
――次は2話の「風の強い日は嫌いか? FranChouChou cover」。
JUNJUN:マイクスタンドとタオルを使う感じでお願いしますと。「特攻DANCE ~DAWN OF THE BAD~」でもマイクタンドを使うパフォーマンスがあったので、そことの差は意識しました。サビではタオルを使うので全然違いますが、メロでは差異を付けています。
「特攻DANCE ~DAWN OF THE BAD~」はコブシを挙げたり、サキらしくパワフルに、直線的な動きが多かったんですけど、2話は感情的に違うサキが見られた回でもあったので、やわらかい手先の動きなどで温かい感じもAメロや素メロで表現できたかなと思っています。
「激昂サバイブ」は歌っているメンバーといないメンバーで動きを変えて。「リトパラッポ」は会場を巻き込む仕草
――4話の「激昂サバイブ」は?
JUNJUN:自由に動くところが多くて、そこでキャラを意識してもらって、それぞれのダンサーにイメージして動いてもらいながら作っていきました。
サビの頭、純子以外の4人は2人ずつハモリを歌っているので、歌っている2人と歌っていない2人が見てわかるように構成しました。アニメでは、サビになり、後方で映像が流れているところにちょこっと反映されています(笑)。
他のメンバーはダンスだけ踊る二人と、歌いながら踊るという違う動きをしているので、そこも注目して見ていただけたら嬉しいです。
境:あそこはすごくキレがある動きだったので、本当はもう少しちゃんと見せたかったんですけど、全体のバランスを見て今の形になりました。
JUNJUN:でもあおりや、お客さんの声援に合わせて、みんなが盛り上げているのもリンクしていたので、すごく臨場感があって、「本当のライブを見ているみたい」と思いました。
――5話でリリィが歌い踊った「リトルパラッポ」については?
JUNJUN:会場のお客さんを巻き込むような仕草、例えばクラップしたり、手を振ったりという部分を入れてほしいというオーダーがありました。
また普通は音にハメていく「音ハメ」という用語があるんですけど、この曲ではスキャットの細かい歌声にハメているので、「声ハメ」ですね(笑)。声に合わせてステップを踏んだり、手を動かしたりという動きを作っていきましたが、アニメで見て驚いたのが手描きだったことで。感動して家族に何度「これ、手描きなんだよ!」と言ったことか(笑)。
境:モーションキャプチャーの動きをトレースしながら描いていただいているんですけど、それにしてもすごかったですね。
(C)ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会