アニメ『ゾンビランドサガ リベンジ』監督 境 宗久さん✕コリオグラファー JUNJUNさんインタビュー|他のアイドルアニメとの違いは山田たえの存在!?たえのダンスの成長にも注目!【SAGA_R:10】
モーションキャプチャーの映像から影響やフィードバック。どこを切り取るかが毎回大変
――モーションキャプチャー撮影の映像をどのようにアニメに落とし込まれたのでしょうか?
境:誰が歌っているか、どういう動きが付いているのかを見て、アニメで使う部分をどう構成して、どこで盛り上げようかと考えながら制作しています。その中で、「この動きは入れたい」とか「この動きをよく見せるアングルやカメラワークは?」という発想が出てくることがよくあるし、振付の良さを引き出して映像にするかは常に意識しています。
――モーションキャプチャーからインスパイアされてアニメに採用されることも。
境:むしろ、それのみです。自分では最初から「この動きにしよう」というのはなかなか作れないんですよね。「振付の一番特徴的な動きはこれだからメインに据えて、じゃあどの動きを拾っていこうか」と考えていきますが、たえが自由に動いていると、他の人が歌っているのにたえを映してしまったりすることもあって(笑)。
動きにはだいぶ左右されますね。端にいる人から逆側の人まで次々と同じ動きが伝わっていく「連鎖」はどういうカメラワークにしたら、この動きが一番映えるかなとか。「激昂サバイブ」なんて、全部にカメラを振りたかったくらいで、センターはもちろん、ドラムも両端のキレのあるダンスも。取捨選択をするのが大変でした。
モーションキャプチャー撮影時は「観客を意識」。映像を見た時、本編全話を見たような満足感も!?
――この作品はライブシーンが見どころの1つですが、たくさんの方との共同作業で作り上げているんですね。
境:モーションキャプチャーを撮影する時も「観客を意識してください」とお願いしています。ライブ映像になった時の一体感や現場にいる臨場感は大切にしたかったし、みんなでやれたかなと思っています。
JUNJUN:それは日頃からみんなに伝えていましたが、監督に生で初めて見ていただく時には、私の中では監督に見せるためのライブみたいな心境で。実際にみんなも妄想しながら一生懸命やってくれて、ライブを見ている気持ちになって、感動して泣いてしまうことがよくあります。モーションキャプチャーにはクールな印象があると思いますが、実は熱い現場です。
境:何曲かまとめて、モーションキャプチャー撮影をした時、『ゾンビランドサガ リベンジ』の全編を見たような気分になったという話をしましたよね。
宣伝担当:最終回の楽曲の撮影時には監督がすごく感動されていたそうで。
境:すごい高揚感で、早く映像にしたいという気持ちになりました。いつも撮影の時、僕らが前のほうにいるので、ダンサーさんたちの目障りになっていないかなといつも心配なんです。
JUNJUN:そんなことないです!
境:ライブ感を出すために、サイリウムを持っていこうかとも思ったけど、それも邪魔だろうし(笑)。
JUNJUN:意外といいかもしれませんよ(笑)。
『ゾンビランドサガ リベンジ』の楽曲で振付や映像化が難しかった曲は?
――ちなみに『ゾンビランドサガ リベンジ』の楽曲の中で振付が一番大変だった曲は?
JUNJUN:一番時間がかかったのは「REVENGE」でした。ダンサーを集めて、振りを付けて、映像にするまで想定していた時間の倍かかって、2日間でした。振りを作ったらダンサーにマスターしてもらうまで4時間、それから映像を撮影するんですけど、初めて映像が1日で撮影しきれなくて、何とかスケジュールを調整してもらって翌日もみんなに来てもらいました。
境:映像が途中でつないであったのはそれでしたっけ?
JUNJUN:たぶん。もうちょっと時間をくださいと言った気がします。
――時間がかかった理由は?
JUNJUN:『ゾンビランドサガ リベンジ』でも一番最初に作った曲だったから気合が入り過ぎてしまったんですよね(笑)。構成が細かくて、1曲の中にいろいろな色があって。
境:「ヨミガエレ」と差別化しなきゃというのもありましたし。
JUNJUN:ちょっとやって映像を見ては「これ、違うな?」と。直す回数も多くて、時間も長かったのかもしれません。
――監督は一番アニメ化が大変だった曲を教えてください。
境:どの曲がというよりも、毎回難しかったです。映像化する時、いろいろな曲をカット割りしていくわけですが、段々とパターン化してしまいそうで、それが怖かったです。
ライブ映像はその場にいるような臨場感を大切に作っているし、振りを足掛かりにカメラをどんどん振っていきますが、どの曲も見せ方が同じなったらどうしようという不安があって。だから楽曲を重ねるごとに、今回、もうひと工夫入れなきゃという気持ちが出てくるけど、やり過ぎるとライブ感が失われてしまうし。「激昂サバイブ」のように、どこにカメラを振っていいか、わからなくなるのも別の苦労がありますが(笑)。飽きさせないように見せなくてはと毎回苦労していました。
(C)ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会