アニメ『ゾンビランドサガ リベンジ』巽幸太郎役 宮野真守さん×MAPPA 大塚 学さん×Cygames 竹中信広さん×dugout 岡田拓郎さん座談会|幸太郎が歌う「Never ending saga」思わず泣ける曲に【SAGA_R:11】
楽しかった1期の打ち上げ。宮野さんが竹中さんを叱る!?
――せっかくの機会なので、話しておきたいことはありますか?
宮野:1期の打ち上げ、楽しかったですよね。
岡田:トイレで宮野さんと一緒になって、ワインの樽の前でしゃべっていたんですけど、怒られるんじゃないかなとビクビクしていました。「とんでもない役を振りやがって」と。でも「よかった」と言ってもらえて。スーパースターに。
ありがとうございます。
宮野:やめてくださいよ!
岡田:それで席に戻ったら、大塚さんと竹中さんから「何言われたの?」と聞かれて。「ほめられた」って(笑)。
宮野:楽しかったってことですよね。
大塚:みなさんずっと会場にいてくれて。
宮野:なかなかないですよね。あんなこと。
竹中:僕の打ち上げの想い出はスーパースターに怒られたんです。1次会で、プロデューサーコメントしている時、(キャラクターデザイン&作画監督)深川(可純)さんのことをずっと「かすみん」と言い続けていて。2次会の時に、「かすみんって誰だよ!」と言われて(笑)。
宮野:まっとうに怒るんですね、僕(笑)。でも確かに言った気がする。みんなが「かすみんって誰?」ってなるからちゃんと紹介しなさいと(笑)。
あの打ち上げが、この作品の成功と素晴らしさを物語っていた気がするんです。あれだけ熱い想いをした人たちが集まって、リアルタイムで最終回を見るなんて、ありえないですからね。(たえ役の三石)琴乃さんもいてくれたし、感動でしたよね。
竹中:最終回のオンエア日に打ち上げをしていること自体、すごいですよね。
アイドルを研究するうちに制作姿勢や方向性も変化!?
――打ち上げ以外で、話されたいことはありますか?
宮野:1期の時にいろいろな仕掛けがありましたが、アレは狙っていたわけですよね。
竹中:一応……。
大塚:狙ってはいたけど、狙ってないところで視聴者の皆さんが盛り上がってくれたところもいっぱいありました。「そんな風に考えてくれるんだ」って。
竹中:あとアイドルとか言いつつ、僕も大塚さんも岡田さんもアイドルにまったく詳しくなくて。
大塚:モーニング娘。で止まっているので。
宮野:わかる! わかる! 『ASAYAN』世代だから(笑)。
大塚:その分、勉強しようと思って、地下アイドルやご当地アイドルって何だろうとか。
竹中:いっぱい取材にも行きましたよね。
大塚:知れば知るほど、アイドルを尊敬しました。「なんてすごいメンタリティなんだろう」と。
宮野:僕は最近、この作品をプロデューサー目線でしか、見られないんですけど(笑)、本当に泣けるんですよね。その真っすぐさや健気さに。あと、これだけゾンビをうまく伏線に使うのはすごいなと。最初のうちはそこに度肝を抜かれて。死んでいるから感電できて、エレクトリックMIXにという流れにもビックリしました。
竹中:アレは(シリーズ構成&脚本の)村越(繁)さんが入れてきてくれて。でも取材に行って方針が変わりましたね。入口はふざけ倒そうかなと思っていましたが、実際のアイドルたちの姿を見て、もっと真剣に描かないといけないなって。
岡田:1期の一番最初のシナリオが出てくるまで時間がかかりましたよね。1回やり直したくらい。
大塚:3周くらいしてますね。作っている最中に、アイドル感やシーンが変わってきていて。
竹中:人気グループも落ち着き始めていたり。
宮野:1年1年の動きが本当に早いですからね。
大塚:あの当時、アイドルアニメの数も減っていて。むしろ男性アイドルもののほうが多かったくらいで。
宮野:でもまたアイドルものが増えましたよね。再びアイドル戦国時代が(笑)。
竹中:そういう意味でもタイミングが良かったかな。
宮野:「風前の灯」というテーマ的にも合っていたんですね。
スタッフ陣による宮野さんについての印象深い出来事
――『ゾンビランドサガ』シリーズの中で印象的だったエピソードがありましたら教えてください。
岡田:宮野さんがほら貝の音を自分でやると言い出した時は驚きました。
竹中:僕らもツッコミましたからね。「やるのかよ!」って。
宮野:「ほら貝」って書いてあったらやるでしょ!
竹中:台本には「SE」って書いてありましたよ。
宮野:僕に驚かされたことは他にありますか?(欲しがる)
竹中:やっぱり「おはようございます」の第1声ですね。あと1期の11話でさくらとの会話での「俺が持っとるんじゃいぃぃぃぃぃっ!!!!」ですね。今までのように笑いのエピソードがあるわけではなく、しかも最終回に繋げなくてはいけなかったので、不安だったんですけど、セリフを聞いたら、ただジーンと来て。「大丈夫だ」と思いました。
大塚:次の12話でアルピノの天井が崩れ落ちた後、お客さんたちの応援で立ち直るさくらに、「お前の真の力は追い詰められた時にこそ覚醒する」と幸太郎が言ったシーンがあって。そんな設定初めて出てきたのに、宮野さんの声と芝居で納得させてしまう、その説得力のすごさに驚きました。
宮野:勘違いしてもらっては困るんですけど、実は、笑いじゃないほうが得意なんですよ。
一同: (爆笑)
岡田:(2期)5話の繁殖期のムツゴロウは家で練習してきたんですか?
宮野:あんなに大きな声で練習したら近所からクレームが来てしまうので、そこまで本域で練習はできず(笑)。現場でどうしようか考えていたんですけど、その日、琴乃さんと収録が一緒で。2期ではコロナ禍で分散収録になったため、全員一緒には収録ができなくて。琴乃さんとも毎回一緒ではなかったけど、ご一緒した時はいつも核心を突くひと言をくれるんですよね。
その日も琴乃さんからぽろっと出たひと言で「ちがうな」と気が付いて、そこでシフトチェンジしようと思って、監督からも「もっと本気で」というディレクションをいただいて。「本気って何?」とは思ったけど(笑)。
竹中:繁殖期のムツゴロウの本気って?(笑)。
宮野:たとえば、おもしろおかしくセクシーな感じでとかではなく、必死なムツゴロウの鳴き声をやろうと思ってやりました。幸太郎がステージに立って、コメディをやるのではなく、ムツゴロウが子孫を残すために懸命に生きる姿を表現してみました。
岡田:本番は一発OKでしたね。
竹中:どのシーンもほとんど、一発OKですよね。
宮野:だいたい一発でOKいただくんですけど、たまにテストの音声を使っていることないですか?
岡田:あると思います。テストが良すぎた時とか。
宮野:2期の1話で酔っぱらっているシーンも結構録りましたが、あまりにも####さんだったなと思ったけど、本番で使われていた気がします(笑)。
岡田:「巴投げ~!」はやめてと言われてましたよね。
宮野:ある意味、テスト含めて常に最高のパフォーマンスができているということですかね。
(C)ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会