アニメ『ゾンビランドサガ リベンジ』巽幸太郎役 宮野真守さん×MAPPA 大塚 学さん×Cygames 竹中信広さん×dugout 岡田拓郎さん座談会|幸太郎が歌う「Never ending saga」思わず泣ける曲に【SAGA_R:11】
「好き勝手にやっているわけではないことをわかってほしい」!?
――テストでも油断できないですね。
宮野:テストから全力でいかないと、自分でも答えがわからないから。何がおもしろくて、何がつまらないかとか。楽しそうに自由にやってそうと思われがちですけど、テストから必死なんです(笑)。
岡田:1期で宮野さんとお話しした時、「毎回好き勝手やっていると思われているけど、ひたすら考えてから持って来ていることをわかってほしい」とおっしゃってましたよね。
ツイッターとかで、「また宮野が適当にアドリブやっている」と書かれているのを読むたびに、「台本通りだし、ちゃんと考えているんだけどな」と思うんです。
宮野:でもそう思われるくらい、自然に存在できているのなら正解かもしれないし、お芝居ってそういうものかもと思います。例えば昔の悪役は見ていて本気で嫌いになったし。『家な●子』のお父さんとか(笑)。声優もキャラクターを通しておもしろがってもらえているということは素晴らしいことだなと思いますし、適当にやってると思って頂くくらい全力でやっています。
大きかった三石琴乃さんの存在。多くのキャストやスタッフに影響を!
――1期のインタビュー連載記事(第1回)で「宮野さんにすべてお任せします」というディレクションを受けたとおっしゃっていましたね。
宮野:こちらが勝手にやるのではなく、気持ちのラリーがあるんですよね。
大塚:「これをください」という期待が監督の中でも毎回あって。
宮野:違ったら違うと言われるし。役者と作り手にしかわからないピリピリした真剣なやり取りがあるんですよね。それがおもしろいから「やってやろう」と思うし、そんな邪念すら超えるほどのいいものにしたいと思うし。ただ台本に向かって、幸太郎に向かい合ってやっている気がします。1期では特に琴乃さんがいてくれたから現場も締まるんですよね。ふざけるのではなく、真剣に向き合うことで生まれるおもしろさというか。
竹中:ブースで見ていても、宮野さんと三石さんが引っ張ってくれているのは感じていて。みんなも「負けずにやってやろう」という感が徐々に出てきていました。
宮野:だって琴乃さんがセリフなしで、全力でやってくれるんですから。あれこそが全力でお芝居している姿で、しかもおもしろくて。あの姿を見た若手はかなり感化されたのではないでしょうか。
大塚:僕らも勉強になりました。
物語の核心を突く11話で見せた宮野さんの演技のすごさ。いつか来たるべきシーンに向けての心構えも
――プロデューサー陣が2期の終盤の宮野さんの演技がすごいと絶賛されていたとお聞きしました。
宮野:いつもすごくないみたいな言い方じゃないですか?(笑)
竹中:11話が特にすごくて。物語の核心を突くお話で、幸太郎の根底の気持ちに触れていて、こちらの真意が視聴者の方に伝わるかなと不安もありましたが、宮野さんのおかげで説得力が生まれていると思います。
宮野:僕は「描かれていないこと」がすごく大事だと思いながら、描かれているハイテンションの部分をやってきました。だから描かれてこなかった真相部分を明かすシーンが来た時の心構えもしていて。どんなキャラクターもそこに生きている意味があって、幸太郎にもテンション、アゲアゲな変な人になるまでの過程や気持ちの変化があったんだろうなと想像していました。でもなかなか教えてくれなくて(笑)。
大塚:確かに(笑)。乾君との二面性とかありますよね。
宮野:少しでもああいうシーンがあると心構えがしやすいんですよね。
でも、12話で急にあんなことが起きるなんて。
あれは事前に教えておいてほしいかったですね(笑)
大塚:そうですね。僕らの中でも幸太郎の物語がまだ完結していなかったりするので。
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