【ネタバレあり】TVアニメ『マブラヴ オルタネイティヴ』鑑純夏役 楠木ともりさんインタビュー前編|実際に純夏を演じてみて、ひと言に込めていた思いとは?【連載 vol.06】
実際に純夏を演じてみて、ひと言に込めていた思いとは?
――純夏が初登場したのは第4話でしたね。
楠木:収録も4話が初めてで、皆さんの声を聞いたのもその日が初めてでした。初めてなのに私の台詞は一言二言でした(笑)。
――しかも、あとから入るのも難しいですよね。
楠木:チームができつつあるんだろうなというところでのドキドキはありましたが、幸い知り合いが多かったんです。タケルちゃん役の神木孝一さんと冥夜役の奈波果林さん以外は、作品で一緒にライブをしたり、共演したりしたことがある方ばかりだったので、声の想像は付きやすかったです。
ですのでそれよりも、この一言でこれまでマブラヴシリーズを愛してくださっている方の記憶をぶわっと思い出させないといけないというのがプレッシャーでプレッシャーで……(笑)。
――「あ、当たったよ!」に、そんな重みがあったんですね。
楠木:はい。これまでプレイしていた方が「純夏だ!」ってならないといけないと思っていたので。かといって前任の方の演技をまるまる意識してしまうと気持ちが入らなくなってしまうので、あくまで自分に落とし込みつつ、でも皆さんの記憶もしっかり刺激しなければいけない……それをこのセリフにどう収めたらいいんだろうと、家でずっと頭を抱えていました。
――皆さんに共通して、前任の方に声質が近い方を選んでいるというアナウンスもありましたが、実際にどのくらい準備したり意識されたのですか?
楠木:前任の方の演技を沢山聞いて、それが自然と脳内で再生できるようになるまで準備をしました。全体的にどういうときにどういう語尾を使うのかとか、どういう話し方をするのかまで、どの日本語を見ても純夏で再生できるように叩き込んだんです。
ただ、それが脳内にあっても出てくる声は自分の声なので、どうしたら純夏に聞こえるんだろうと考えたときにキーワードになったのは、元気すぎるほどの天真爛漫さというところで。
特にタケルちゃんの記憶に残っている純夏って、「かわいいな!」っていうシーンだったり、無邪気なシーンだったりすると思うんです。印象に残っているということには理由があるはずなので、そういう演技をしたいと思っていました。
――確かに。
楠木:ですのでゲームでは元気さが目立つところでもかわいさをより出してみたり、リスペクトをしつつ工夫もしていました。でもオーディションを受けているときから、自分ではそんなに声は似ていないと思っていたので、いまだに似ているとは思えていないんですが……。
――個人的には通じるところがある声質だとは思いました。特に拗ねたりするところは。
楠木:確かに叫ぶと似ているかも?と思うんですが、普通に話しているときは似ないなぁと思っていたので難しかったんです。しかも第4話でブースの外で待っているときにみんなの声を聞いていたら、想像以上にみんな似ていたので、これはヤバいかもって焦った記憶があります(笑)。みんなどこかニュアンスが似ていたり、選ばれていることに納得がいく感じがありました。
――皆さん、自分以外はぴったりだとおっしゃっていますね(笑)。
楠木:オーディションのときは寄せてほしいという感じがしていたのですが、アフレコが始まると「真似にはならなくていいので、伸びやかにやってください」と言われたので、これはどちらだろうと思ったんです(笑)。結果的にリスペクトをしつつ、感情の運びは自分でできるようにしていきました。
――絶妙なバランスを突いてきているわけですね。
楠木:たしか4話のアフレコで、自分では全然純夏になっていないと思って「なっていなかったですよね?」と聞いたのですが、それがOKだったので、自分の中の純夏像より、もっと広く捉えていいのかもしれないと思いました。そういう発見が最初にできたので良かったです。どうしても無意識に「純夏はこういう言い方」っていうラインを自分で決めちゃっていたので、こだわりすぎていたのかなって。
――第6話で印象的なシーンはありましたか?
楠木:第6話の最初に鎧衣のお父さん(鎧衣左近/CV:田所陽向)が出てくるシーンがあるんですけど、ゲームでもここからピリッとした空気になるんですよ。そこまでは武寄りの人が多かったけど、ここで味方ではないかもしれない人が出てきて、何だ?ってなるんです。
ちょうど私がスタジオに来たタイミングでその収録をされていて、それをモニターで見ていたんですが、独特の緊張感が画面越しでも伝わってきて、これが『マブラヴ オルタネイティヴ』の空気感だよなって、私もスイッチが入った気がします。あの独特な怪しい、何を考えているかわからない感じは何なんでしょうね(笑)。すごく雰囲気が出ていました。
――第6話では、武の意識が元の世界に戻っているような話でした。戻ったときがトイレの中というのが衝撃でしたが。
楠木:あそこはゲームをやっていても、えー!っと驚いたシーンでした(笑)。でもこうやって強く来てくれる純夏がすごく純夏らしいと思うし、やっと実際にタケルちゃんとしゃべれたうれしさもありつつ微笑ましさもありつつ、ただ「何やってんの!」って気持ちもありつつでしたね。
――そこからの第7話はどうなりそうですか?
楠木:またタケルちゃんが純夏のいる世界に戻ってくるので、そこでどんなやり取りがあるのか、楽しみにしていてください。
[文・塚越淳一]
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TVアニメ「マブラヴ オルタネイティヴ」作品情報
放送・配信情報
<放送>
フジテレビ
10月6日(水)より毎週水曜24:55から ※初回放送のみ 25:25~25:55
関西テレビ
10月7日(木)より毎週木曜25:55から
東海テレビ
10月9日(土)より毎週土曜25:45から
テレビ西日本
10月6日(水)より毎週木曜25:55から ※初回放送のみ 26:25~26:55
北海道文化放送
10月10日(日)より毎週日曜25:10から ※初回放送のみ 25:40~26:10
BSフジ
10月13日(水)より毎週水曜24:00から
<配信>
FODにて独占配信
10月6日(水)25時25分配信スタート 毎週水曜24時55分最新話配信
FOD ・ TVer ・ GYAO!
にて毎週1週間限定無料見逃配信
10月6日(水)25時55分配信スタート 毎週水曜日25時25分最新話配信
スタッフ
原作:吉宗鋼紀(âge)/ aNCHOR
監督:西本由紀夫 シリーズ構成:浦畑達彦 キャラクターデザイン:谷 拓也 サブキャラクターデザイン:つなきあき プロップデザイン:星野浩一 アニメーションメカディレクター:大河広行 色彩設計:内林裕美 美術監督:内藤 健 美術設定:大平 司 撮影監督:荻原猛夫 CG監督:大矢和也 編集:丹 彩子 音楽:Evan Call 音響監督:本山 哲 アニメーション制作:FLAGSHIP LINE ゆめ太カンパニー×グラフィニカ
キャスト
白銀 武:神木孝⼀ 鑑純夏:楠⽊ともり 御剣冥夜:奈波果林 榊千鶴:伊藤美来 彩峰慧:佐伯伊織 珠瀬壬姫:田中貴子 鎧衣美琴:Lynn ほか
マブラヴとは
「マブラヴ」は、ゲームブランド:âge(アージュ)が企画・製作した2003年発売の、シリーズ累計80万本を突破しているアドベンチャーゲーム。2006年発売の『マブラヴ オルタネイティヴ』と合わせてひとつの壮大なストーリーを成し、多くのシェアードワールドタイトルやメディアミックスを展開しているプロジェクトです。
待望のテレビアニメ「マブラヴ オルタネイティヴ」は、10月6日(水)より毎週水曜24:55からフジテレビ「+Ultra」ほかにて放送予定。
イントロダクション
それは、極限の世界で戦う人々の絆の物語―この時空に存在する、無数の並行世界のひとつ。そこで人類は、戦術歩行戦闘機(戦術機)と呼ばれる人型兵器を駆り、人類に敵対的な地球外起源種「BETA」と数十年にわたる戦いを続けていた。滅亡の危機に追い詰められた人間たちが、過酷な運命の中でどのような生き様をみせていくのか―
主題歌
OP主題歌:V.W.P
「輪廻」
ED主題歌:STEREO DIVE FOUNDATION
「TRISTAR」