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劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』豊崎愛生&上坂すみれインタビュー

劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』荻野目桃果役・豊崎愛生さん&プリンチュペンギン役・上坂すみれさんインタビュー|『輪るピングドラム』は私たちの物語で、あなたの物語である【連載第5回】

『ピングドラム』は「あなたの話」

ーーおふたりが考える、『ピングドラム』や幾原作品の魅力をお伺いしたいです。

豊崎:TVシリーズで衝撃だったのは、ゆりさんの過去のエピソード。運命の乗り換えが行われることで、大きなダビデ像が東京タワーに変わりましたよね。私はそのシーンまで、『ピングドラム』は架空の物語のような感覚のアニメーションだと思っていたのですが、東京タワーが出てきたことで「私がいま生きている東京の話になった」と、物語のフィールドに引きずりこまれた感覚がしたんです。

上坂:豊崎さんがおっしゃっているゆりのエピソードは、私もすごく衝撃でした。『ピングドラム』の前半って、苹果ちゃんが熱々のカレーの鍋を素手で持っていて(笑)、フィクションの世界だと思っていたら、急に「知っている世界」にぐっと近づくんですよね。苹果が歩いている荻窪は、私がこの間行った荻窪なのかもしれないと。今回の劇場版は冒頭と中盤に実写パートが印象的に使われていて、より私たちと同じ軸に存在すると感じました。それに気づく前と後とでは、見えるものも変わってきますし、気づかせてくれる一番の存在が桃果だという感想を抱きました。

豊崎:幾原さんのすごいところは、見ている人を一気に当事者にするところ。たくさん比喩表現や暗喩があって、それによって考察大会につながるけれど、特に物語の中盤からは「自分の世界の話」になっていくんですよね。でも実はそれって最初からで、「ずっと"あなたの話”をしてた」と言われ続けていたことにあとになって気づく。そこが衝撃でしたし、監督の作品の魅力だと思います。

上坂:劇場版を見に行った人と見に行ってない人で、大きな運命の差が生まれるのかもしれません。乗り換えをしたかったら、みんな前編と後編を見に行って、自分の運命を確かめに行ってもらわないと……(笑)。

ーー乗り換えをしないと……! ありがとうございます。最後に、『ピングドラム』の世界に出会った方、ずっとファンだった方にメッセージをお願いします。

上坂:劇場版は、本当に『ピングドラム』のお話がぎゅっと詰め込まれていて楽しめます。「運命とは何か?」「自分に与えられた使命、罰はなんなのか?」という、普段あまり口にはしないけど、自分の後ろにずっとあるようなテーマを常に提示しています。

先ほどもお話にありましたけど、私たちの物語で、あなたの物語である。見終わったあと、みんな感想も違うでしょうし、どのキャラクターに親近感を持ったか、どのセリフが印象深かったかがきっと違って、それはたぶん心に引っかかったものが「その人の求めているもの」に関係していると思います。「自分を見つめ直したい」と思っている人も、「なんとなくキャラがかわいいから見てみたい」と思う人も、とにかく見て、感想を自分の中で整理してもらえたら、すごく意義のある作品になると思います。『ピングドラム』の"沼”にようこそ。楽しい沼なので、お待ちしています!

豊崎:まずお礼を言いたいのが、TVシリーズが終了してからも、ずっと長きにわたって『ピングドラム』を忘れずに応援して愛してくださったみなさん。みなさんがいたからこそ、クラウドファンディングの結果もそうですが、こうして私はまた桃果を演じることができて、私自身大好きだった世界の続きを見ることができて、本当に感謝でいっぱいです。

10周年というのはおめでたいタイミングでもあるけれど、この2〜3年コロナ禍になって、みなさんそれぞれ仕事や生活環境が変わってしまって、作品から受け取れるメッセージも違ってきたり、新しい発見があるのではないでしょうか。2022年というタイミングだからこそ、ぜひ楽しんでいただければと思います。それがみなさんにとっての「生存戦略」になりますように。

[取材・文/青柳美帆子]

6/4(土)劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』[前編]大ヒット御礼舞台挨拶開催!

開催日:2022年6月4日(土)
開催劇場:新宿バルト9
登壇者:豊崎愛生さん(荻野目桃果役)、上坂すみれさん(プリンチュペンギン役)、幾原邦彦監督、【司会】小泉 豊さん(渡瀬眞悧役)

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『劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM』作品情報

公開日:[前編]君の列車は生存戦略 2022年4月29日(金)/[後編]2022年7月22日(金)予定

STORY

これは、ある兄弟妹と、突然やってきたペンギンと、この世界の過去と未来についての物語であるーーー。
 
病気の妹・陽毬の命を救うため、謎のペンギン帽の命令により「ピングドラム」を探す高倉家の双子の兄弟・冠葉と晶馬。自身の運命を信じて日記に書かれた出来事を実現しつづける荻野目苹果。新たな運命を導くため萃果の日記を手に入れようとする夏芽真砂子。大切な運命の人を取り戻すために目的を果たそうとする多蕗桂樹と時籠ゆり。
 
彼らはそれぞれの運命と大切な人の為に「ピングドラム」を追い続けたのだった。

あれから10年ーーかつて運命を変える列車に乗り込んだ冠葉と晶馬が、運命の至る場所からひととき戻ってきた・・・。

『輪るピングドラム』とは?

2011年7月にテレビ放送されたオリジナルアニメ『輪るピングドラム』。星野リリィ原案による個性的なキャラクターたちや、「ピングドラム」とは何なのか?という謎が謎を呼ぶ展開、クリスタルワールドなどの独特のビジュアルを使用した世界観で、放送当時大きな話題を集めた。

やくしまるえつこメトロオーケストラとCoaltar of the deepersによる主題歌をはじめ、劇中キャラクターのTRIPLE HによるARBのカバー曲など、音楽面でも高い評価を得ており、今でも多くのアニメファンの間で語り継がれている。

STAFF

監督:幾原邦彦
副監督:武内宣之
原作:イクニチャウダー
キャラクター原案:星野リリィ
脚本:幾原邦彦・伊神貴世
キャラクターデザイン:西位輝実・川妻智美
色彩設計:辻田邦夫
美術:中村千恵子(スタジオ心)
アイコンデザイン:越阪部ワタル
CGディレクター: 越田祐史(スタジオポメロ)
VFX:田島太雄
撮影監督:荻原猛夫(グラフィニカ)
編集:黒澤雅之
音響監督:幾原邦彦・山田 陽
音響効果:三井友和
音楽:橋本由香利
音楽制作:キングレコード
アニメーション制作:ラパントラック
製作:ピングローブユニオン
配給:ムービック

CAST

高倉冠葉:木村昴
高倉晶馬:木村良平
高倉陽毬:荒川美穂
荻野目苹果:三宅麻理恵
多蕗桂樹:石田彰
時籠ゆり:能登麻美子
夏芽真砂子:堀江由衣
渡瀬眞悧:小泉豊
荻野目桃果:豊崎愛生
プリンチュペンギン:上坂すみれ

10周年特設サイト公式サイト
アニメ公式ツイッター(@penguindrum)
アニメ公式Instagram

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輪るピングドラム
子供たち3人で暮らす高倉家。双子の兄は冠葉と晶馬。2人は体が弱く入院がちな妹・陽鞠とつつましくも幸せに暮らしていた。陽鞠の体調も良いある日、3兄弟は水族館へ出かけることにした。久々の3人での外出にはしゃぐ陽鞠。兄たちは目を放した隙に陽鞠を見失ってしまった。その後、兄弟が目にしたのは人垣の中で倒れている陽鞠だった。搬送された病院で、もはや手の施しようがないことを告げられる。亡骸を前に悲嘆にくれる2人。すると突然、水族館で買ったペンギンの帽子をかぶった陽鞠が起き上がり・・・作品名輪るピングドラム放送形態TVアニメスケジュール2011年7月7日(木)~2011年12月23日(金)毎日放送ほか話数全24話キャスト高倉冠葉:木村昴高倉晶馬:木村良平高倉陽毬:荒川美穂荻野目苹果:三宅麻理恵多蕗桂樹:石田彰時籠ゆり:能登麻美子夏芽真砂子:堀江由衣渡瀬眞悧:小泉豊スタッフ監督:幾原邦彦原作:イクニチャウダーキャラクター原案:星野リリィシリーズ構成・脚本:幾原邦彦・伊神貴世キャラクターデザイン:西位輝実美術:秋山健太郎・中村千恵子色彩設計:辻田邦夫アイコンデザイン:越阪部ワタル編集:西山茂撮影監督:荻原猛夫音楽:橋本由香利音楽制作:スターチ...
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