最後の幕開けも楽しく華やかに!「サクラ大戦・紐育レビュウショウ~歌う♪大紐育♪3~ラストショウ」開幕
「サクラ大戦歌謡ショウ」から12年。『サクラ大戦』の舞台版として演劇シーンにまで影響を与えてきた名イベントが、帝都、巴里に続く第3の歌劇団・紐育星組の本公演をもって、すべての幕を下ろす。紐育星組にとっても3回目のレビュウショウということで、これまで積み重ねてきた経験で歌にダンスに芝居にお笑いと、より見事なステージを作り上げた。またラチェット役の久野綾希子さんの初参加によって、ついに『サクラ大戦Ⅴ』紐育華撃団が勢ぞろい! ゲームでおなじみのサニーサイドとラチェットの軽妙なやりとりや、劇場映画『サクラ大戦 活動写真』で聴かせた桁違いの歌唱力も生で披露するなど、圧倒的な存在感で観客を魅了した。
『サクラ大戦・紐育レビュウショウ~歌う♪大紐育♪3~ラストショウ』は、天王洲 銀河劇場にて8月31日まで公演中。当日券も若干出るそうなので、伝説の舞台を観ておきたい方はお急ぎあれ。
出演は、小林沙苗(ジェミニ・サンライズ)、皆川純子(サジータ・ワインバーグ)、齋藤彩夏(リカリッタ・アリエス)、松谷彼哉(ダイアナ・カプリス)、園崎未恵(九条昴)、菅沼久義(大河新次郎)、内田直哉(マイケル・サニーサイド)、麻生かほ里(プラム・スパニエル)、本名陽子(吉野杏里)、久野綾希子(ラチェット・アルタイル)ほか。
●紐育華撃団副司令ラチェット登場!
オープニングは恒例、紐育の劇場リトルリップ・シアターでこれから始まる素晴らしい体験を歌い上げる「ここはパラダイス」で華やかに幕開け。ずらりと並んだスターファイブは、初披露となるレビュウ衣装も目を引く。さらに今回最大の注目といえるラチェットが姿を見せ、最後の公演で紐育華撃団がついに勢ぞろいした。
今回もレビュウショウの名の通り、歌と踊りが次々に流れながら物語も進んでいくという形式。サニーサイドから紐育星組のショウの構成を任された新次郎が、アイデアに詰まって酷く落ち込んでしまうが、仲間たちが彼を励まし、最後に夢のような舞台を完成させるというストーリーになっている。帝都花組の舞台で「カンナの妄想」としておなじみの悪乗りタイムも、新次郎の「妄想テレビジョン」として行われ、一番あり得ない組み合わせで衣装と持ち歌を交換したスターファイブたちが、謎のステージを次々に繰り広げた。
ジェミニは初の男装姿も披露。酒場で不埒なカウボーイを早撃ちで追い払い、くるくる回してホルスターに収める様も見事に決めていた。
サジータは「妄想テレビジョン」での初女装が強烈。トップバッターで登場し、ピンクのフリフリドレスでジェミニの持ち歌「その名はロデオ」を歌い踊り、明らかに間違ってる世界を作り出した。
リカはダンスにさらに磨きがかかり、「ジョージア」でのバックダンサーを引き連れての群舞は圧巻。ダイアナはお得意の病弱ネタで笑わせつつ、松谷さんの舞台女優としてのスペックを独唱で魅せた。
昴は相変わらずボケにツッコミ、半ズボンの脚線美と最優良キャラらしく舞台を引っ張り、全華撃団でも1、2を争う歌唱力で観客を虜にしていた。中でもサニーサイドとのデュエット「インディペンデンス!」は、ただでさえ凄い2人の組み合わせということで強烈な印象を残した。
新次郎は女装キャラであるプチミント姿で序盤から出ずっぱりで、何かを振り切ったのか、メイクもばっちり入れて異様なかわいらしさを振りまいていた。母・双葉との親子漫才にも拍車がかかり、初デュエットも決めつつ最後はやっぱり笑いで落としていた。
そしてラチェットは、さすがは劇団四季で「キャッツ」をはじめ、数々の主役を演じてきた久野綾希子さん。ひとたび歌えばブロードウェイの人気スター・ラチェットそのものと言える別次元のオーラを漂わせていた。一方、新次郎の相談に乗るお姉さんぶりはたまらない愛らしさを放ち、サニーサイドの内田直哉さんのアドリブも含めた暴走に即座に切り返す様は、まさしくゲーム通りの名コンビ。改めて、久野さんの参加は画竜点睛であったと言えよう。
ショウもいよいよ終わりに近づいたところで、ショウの中での舞台が終わり、舞台上のセットまで片付けられ、素の舞台の上から新次郎が観客に語りかけた。
「これがみなさまにお届けするラストショウです。ショウが終わればセットは壊される。それを毎回、世界中の劇場が繰り返しています。夢のような舞台、光り輝くショウ、魅惑の歌声……。すべて幻のように消えていくんです。でもその幻は、いつでも想い出すことができます。僕たちはみなさんの想い出の中に永遠に生き続けることができるのです」
それは脚本を書いた総合プロデューサー・広井王子氏自身の言葉のようにも聞こえた。
『サクラ大戦』の舞台は終わる。だが、12年に渡って味わってきた感動や、苦労してチケットを取ったりワクワクしながら舞台に足を運んだ想い出は、青春の1ページとして残る。キャスト、スタッフ、観客が全員で作り上げた夢の舞台は、すべてが終わった瞬間、語り継がれるべき伝説となる。最後は会場全員を巻き込み、「ここはパラダイス」を“すべてを忘れて”明るく大合唱して幕。
永遠なれ、サクラ大戦!
M-1 ここはパラダイス(サニーサイド・プラム・杏里) M-2 街の灯(ジェミニ) M-3 バラ色の人生(ダイアナ・プラム・杏里) M-4 替え歌 オー・ソレ・ミヨ(ダンディ) M-5 その名はロデオ(サジータ) M-6 ジャングル・レビュー(ダイアナ) M-7 モノクローム(リカリッタ) M-8 愛の花(ジェミニ・サニーサイド) M-9 ビバ!ハーレム(昴) M-10 ゴールデンウェイ(サニーサイド・ラチェット・ダンディ) M-11 舞台-Playing-(昴) M-12 幸せの形(新次郎・双葉) M-13 5つのレシピ(ジェミニ・サジータ・リカリッタ・ダイアナ・昴・新次郎) M-14 ひらめきピピピ(新次郎・プラム・杏里) M-15 移民の歌(ダイアナ) M-16 インディペンデンス!(昴・サニーサイド) M-17 淑女たちよ!(ジェミニ・ダンディ) M-18 ジョージア(サジータ・リカリッタ) M-19 夢よ(ラチェット) M-20 シンフォニー ウイズ フレンド(ジェミニ・サジータ・リカリッタ・ダイアナ・昴) M-21 キス・ミー・スイート(ジェミニ・サジータ・リカリッタ・ダイアナ・昴) M-22 地上の戦士(全員) M-23 ここはパラダイス(全員) |