「遙か」の舞台裏は笑いの宝庫！？ 『ネオロマンス・ステージ 遙かなる時空の中で 朧草紙』DVD発売記念トークショーが開催！

　5月17日、東京・アニメイト池袋本店のイベントスペースにて、『ネオロマンス・ステージ 遙かなる時空の中で 朧草紙』DVD発売記念トークショーが開催された。

　コーエーの女性向け恋愛アドベンチャーゲーム「遙かなる時空の中で」シリーズの舞台化第2弾として、今年1月に東京・サンシャイン劇場で公演された『ネオロマンス・ステージ 遙かなる時空の中で 朧草紙』。第1弾となる『舞一夜』のスタッフ・キャストが再結集し、原作で登場する鬼の首領・アクラムの登場やマルチ恋愛エピローグなど、ゲーム原作ならではの要素も盛り込んで話題となった。

　そして舞台の模様を収録したDVD『ライブビデオ ネオロマンス・ステージ 遙かなる時空の中で 朧草紙』が、通常版とアニメイト限定版の同時リリースで5月13日に発売。アニメイト限定版では撮り下ろしのキャスト座談会に加え、稽古場オフショットなどを収録した約70分の特典ディスクが同梱される。

　舞台での好評を受け、2009年8月12日より東京・なかのZEROホールでの再演も決定した『朧草紙』。この日、3回に渡って行なわれたDVD発売記念イベントでは、イノリ役の椎名鯛造さん、安倍泰明役の八戸亮さん、アクラム役の汐崎アイルさんが出演。司会の久遠一さんとともにトークを繰り広げ、稽古場でのエピソードや公演中の裏話、再演への意気込みなどを語った。ここではイベントのラストを飾った3回目のトークショーの模様をお届けしよう。

●キャストが繰り広げる舞台裏トークに爆笑！

　イベントでは椎名さんを先頭に、汐崎さんが八戸さんの首根っこを捕まえながら登場。八戸さんは舞台で使用した呪いの手枷をはめており、「いきなり力を吸い取られてしまいました」と挨拶すると早くも会場は笑いに包まれ、本日3回目のトークショーがスタートした。

　DVD発売記念イベントということもあり、アニメイト限定版の特典映像の話題では、座談会の司会をつとめた汐崎さんが“八葉 vs 司会ひとり”状態だったと語る。「スタッフさんから時間が押していると指示されて話を進めようとしても、全然止まらなくて。おもに（橘友雅役の）寿里さんが（笑）」と汐崎さん。また特典映像では冒頭では、元宮あかね役のはねゆりさんが「この特典から見てる人～」と呼びかけているシーンがあり、汐崎さんは事務所で一緒に見ていた寿里さんと2人で「は～い！」と手をあげて返事をしていたそうだ。

　そして「朧草紙」公演中は出演者のバースデーが多かったと振り返る3人。八戸さんはカーテンコールのときに永泉役の長谷部恵介さんからスター・ウォーズのキャラクターゴミ箱をプレゼントされ、「何かしてくれるとは思ったけど、すごく嬉しかった。愛情が詰まっているので、いまだにゴミ箱は使えないんですよ」と話す。

　そんな八戸さんに、椎名さんがプレゼントを選んでいる長谷部さんから電話がきたと打ち明け、「『ぬいぐるみとゴミ箱、どっちがいいかな～』って（笑）。カップルか！」とツッコミを入れると客席は爆笑。さらに長谷部さんの誕生日には八戸さんが特大ぬいぐるみをプレゼントしたのだが、真っ先に椎名さんに使われてしまい、公演中は出演者たちの枕になっていたという裏話を披露した。


●笑いの絶えない稽古場は「精神鍛錬になります（笑）」

　またカーテンコールでのロシアンルーレット式の挨拶について聞かれると、演出のキタムラさんが本番中に決めるため「誰になるのか出演者でも分からない」と口をそろえる。「事前に挨拶があると分かっていたら、もっとマシなこと言えるよね（笑）」と八戸さん。

　また自分の番になっても、舞台ではスポットが当たっても少し明るくなる程度なので、周りのリアクションでようやく気付くとのこと。汐崎さんが「今日はこないだろうなと気を抜いていたら、ちょっと明るくなって『ん？何コレ？』みたいな（笑）」と語ると、椎名さんは「挨拶の言葉を考えていても、ライトが当たった瞬間忘れちゃうよね」と続けた。

　公演中に行なわれたトークショーでは、演じるキャラクターをチェンジする恒例の“シャッフル”で、ラストに謎の雨乞い儀式を披露した皆さん。あれは「月見のシーンの稽古中に（藤原鷹通役の）根本正勝さんと寿里さんがやり始めたのが最初」だと八戸さんが暴露。

　さらに稽古場に斜め舞台を作ってもらったときには、オープニングの曲にあわせて寿里さんが馬に乗って弓を放つ真似をしはじめたりと、次々と明らかになる裏話に汐崎さんは「舞台の稽古ではみんな真剣ですからね。でも真面目に演技をしているときに、その横で『おいやめろよ～♪』とかやっていて。いい精神鍛錬になるんです（笑）」と語る。

　ここで会場に飾られた「朧草紙」のパネルから、思い出に残るシーンを語る……はずだったのだが、八戸さんは自身が演じた泰明が陰陽師らしく術を決めているパネルで「ポテトＬサイズ！」。次々とネタを繰り出す３人に会場は大盛り上がりとなった。


●“本命キャラ”選びに3人の出した答えは……

　続いての質問コーナーでは観客から衣装について聞かれ「イノリの衣装は日々進化していった」という椎名さん。アクションシーンが多いため、上に着る白い水干が乱れないように様々な部分にスナップボタンをつけたと語る。「泰明は術を出すときに反転すると袖が腕にからまっちゃう。だから改良点として袖に重りを入れてるんです」と八戸さん。

　汐崎さんはアクラムの肩にある黒麒麟について「実は肩に乗せているだけではなく、ゴムで僕の身体に縛りつけている状態」と説明。さらに衣装での苦労を聞かれると「自然に姿勢が斜めになってしまうので、千秋楽では背筋がピキッとなってしまいました。でも衣装さんと相談して改良していったので、そんなに苦労はしていないですね」と答えていた。

　「自分が神子だったら、どのキャラクターとエンディングを迎えたいですか？」という質問では、「本命と次の候補を」と続けられて考え込む3人。「一番に思い浮かんだのは天真ですね」という椎名さんに「自分もそう思った」と同意する八戸さん。次の候補では思い悩んだ末、椎名さんは「お菓子を作ってくれるから」という理由で詩紋を選び、八戸さんは「守ってあげたい」という永泉を選択。

　本命にアクラムを選んだ汐崎さんは「お館様という立場だけど放っておけないというか、面倒を見てあげたくなる。ちょっと見捨てられないかな」。２番目は友雅という汐崎さんは「人として付き合って面白そうだし、色々学べそうです。それで友雅が困らせてくるなら、逆に困らせてやりたいです（笑）」とコメントした。

　最後の挨拶では、

「大勢の人に集まっていただいて、3回自由にトークをすることができました。再演ではイクティダール役にTROYさんが復帰するので、また違ったイノリとイクティダールのやりとりが見られると思います。ぜひ足を運んでみてください」（椎名さん）

「今日は風の強いなか、本当にありがとうございます。噂ではあの風はお館様の仕業らしいです（笑）。再演では皆の気合いの入れ方も違っていて、“もっといいものに”という気持ちで真剣に取り組んでいます。期待して観に来ていただけたらと思います」（八戸さん）

「風が強いのは僕のせいではありません（笑）。僕としてはTROYさんとの鬼の一族を稽古で作り上げて、DVDを観て思った反省点を再演に活かせたらと思っています。前より断然良かったと言われるように頑張りたいと思いますので、応援してください」（汐崎さん）

と来場者に向けてメッセージが送られ、終始笑いに包まれたトークコーナーが終了。その後、お待ちかねの握手会が実施され、3人は来場したファン一人ひとりに言葉をかけながら笑顔で握手を交わしていた。


●イベント終了後、出演者の皆さんからコメントをいただきました！

――イベントを終えての感想をお願いします。

椎名鯛造さん：かなり自由にしゃべらせていただいて、非常に面白かったです。楽しみました。

八戸亮さん：3回のイベントで何回も来てくれた方もいらっしゃいましたし、「遙か」が大好きなお客さんを見られて再演に対するモチベーションが上がりました。感謝しています。

汐崎アイルさん：再演というチャンスをいただいて、そこで自分たちが頑張りたいという気持ちを今日来ていただいたお客さんに伝えることができたので、楽しく嬉しい1日になりました。


――今回発売されたDVDの感想、または皆さんがおすすめする見どころは？

椎名さん：本編はもちろんですけど、ファンの方が見ることができない稽古の様子などが特典に入っているので、そちらも楽しんでいただければと思います。アニメイト限定版では座談会形式で八葉とアクラムが、それはそれはグダグダな話をしているので（笑）、それも楽しみにしてもらえればなと思います。

八戸さん：本編ではカメラの寄りとか、劇場で見るものとは違ったDVDならではの部分を楽しんでほしいです。また再演に向けて変わるシーンも出てくると思いますので、初演の「朧草紙」を目に焼き付けていただきたいなと。特典は素のキャストのくだらなさが大ボリュームなので（笑）、ぜひ楽しんでいただきたいです。

汐崎さん：入っている内容がいっぱいあるので、本編や特典でもお客さん一人ひとりが楽しいところを見つけて、何度も観てもらえれば幸せだなと思います。そのDVDで見つけた面白いシーンが、再演でどうなっているかとか、好きなシーンを生で見られる参考にしてくれたら嬉しいです。


――ちなみに「朧草紙」ではゲームのように八葉とのマルチ恋愛エピローグが盛り込まれていました。公演中、日替わりで自分の番になったときはどうでしたか？

八戸さん：幕が開くときから、そこに向かってずっと緊張しっぱなしですね。

椎名さん：セリフ自体に稽古があったわけではなく、演出さんにどうこう言われたりとかが無かったんですよ。みんなぶっつけ本番に近い感じになるので、本当に緊張しました。「セリフ飛ばないかな？」といういらない不安もあったりして、実際にスポットを浴びたあとで「……やったー」みたいな（笑）。

八戸さん：客席がシーンとしているところでね。

椎名さん：でもあれは気持ちいいよね。

八戸さん：再演では、もっと観に来ていただいた人をキュンキュンさせたいと思います（一同笑）。

汐崎さん：アクラムもサプライズで何度かやりました。もちろんそこへの緊張感がありましたけど、おまけではなくアクラムとしては気持ちを表せる唯一の瞬間。歌もありますが、戦いが終わったその後のアクラムの心を表しているので、僕はとても大事にしているシーンですね。


――「遙か」のメンバーは皆さんにとってどういう存在ですか？

八戸さん：“兄弟”です。

椎名さん：そうですね。最初は“友達”だったんですけど、プライベートでもいろいろな組み合わせで遊んだりして。確実に友達以上にはなっています。

汐崎さん：僕自身は学生時代、転校したことはなかったんですけど「転校生ってこんな感じなのかな」と。ひとつのものを作り上げたカンパニーの中に僕は飛び込んだので、ありがたい面がたくさんありました。ひとつの仲間たちに入っていったという感じです。

八戸さん：入ってきて、いきなり馴染んでたのに（笑）。

汐崎さん：自分のなかでは結構必死だったんです（笑）。


――それでは再演が決定したことへの意気込みをお願いします。

椎名さん：まず再演が決まって本当に嬉しいですね。このカンパニーでまたひとつの舞台を作っていく。再演ではイクティダール役にTROYさんが入って、また少し違う感じになると思いますが、それが楽しみです。

八戸さん：またこのカンパニーで舞台をやらせていただけるのはとても嬉しいです。再演ということなので、初演で自分が満足できなかった部分をしっかり直して、もっと作品としていいものに仕上げたいと思います。

汐崎さん：人がひとり変わればチームの関係性みたいなものも良い意味で変わってしまうと思うので、また違う面の鬼の一族を楽しみにしていただけたらと思います。僕たち自身も初演をやっていろいろ気付いたことや思うこともありますので、DVDを観て復習して、それを再演ではしっかりと作り上げて、楽しめるところはもっと楽しんで、さらに良い作品にしたいと思います。


DVD『ライブビデオ ネオロマンス・ステージ 遙かなる時空の中で 朧草紙』
発売中（2009年5月13日発売）
アニメイト限定版・通常版の2種類のDVDが同時発売

●アニメイト限定版
・初回限定生産
・DVD2枚組（本編＋特典）
・KDV-9010/1
・税込8,190円（税抜7,800円）

＜特典内容＞
【特典ディスク】
撮り下ろしキャスト座談会に加え、稽古場オフショットなど約70分収録

【トレーディングカード５枚セット】
あかね・八葉・アクラムの計10人分を封入

●通常版
・DVD1枚
・KEBH-1163
・税込6,090円（税抜5,800円）
・初回封入特典：差替ジャケット


『ネオロマンス・ステージ 遙かなる時空の中で 朧草紙』再演
日程：2009年8月12日（水）～8月16日（日）
会場：なかのZERO 大ホール
入場料：SS席7,800円、S席6,800円、A席5,800円（全席指定・税込）
販売：GAMECITY（http://www.gamecity.ne.jp/shop/）にて6月5日より優先追加販売開始（SS席、S席のみ）。6月14日よりチケットぴあ、ローソンチケット、ＣＮプレイガイド、イープラス、アニメイトなどで発売。