志方あきこさんが歌う『うみねこのなく頃に』のOP曲「片翼の鳥」が8月19日リリース! カップリング「VII(セッテ)」は“煉獄の七姉妹”をイメージした異色作
現在好評放送中のTVアニメ『うみねこのなく頃に』のOP曲は原作ゲームに続き、志方あきこさんが担当。そのOP曲「片翼の鳥」が8月19日にリリースされる。
志方さんの特長でもある民族音楽テイストの壮大なサウンドアレンジと、何重にも渡る重厚なコーラスワークは今回の楽曲でも如何なく発揮され、スケールの大きな世界の中に入り混じる人間模様や複雑な感情が表現されている。
カップリングの「VII(セッテ)」も『うみねこのなく頃に』の世界観が描かれており、作品中に登場する"煉獄の七姉妹"がフィーチャーされている。どのような形で楽曲に織り込まれているのかは実際に聴いていただくとして、かなり斬新な試みであり、この曲の投げかける意味はリリース後、話題になりそうだ。詞を読み解くと残酷なまでの美しさには畏怖の念さえ感じる。更に数曲分のエッセンスで構築され、まるで別のアーティストが歌ったような印象を感じる部分もある、ぜいたくな1曲だ。
ビジュアルワークにも志方さん自身が細部に渡り、こだわり、楽曲につながるヒントもある。詞と共にビジュアルにも注目しながら聴いてほしい。
9月19日にはED曲「la divina tragedia~魔曲~」を歌うJIMANGさんとのジョイントイベントも決定! 「片翼の鳥」も生で披露される予定。OP曲とED曲を合わせて聴けるまたとないチャンス。応募期間が短いので公式サイト等で要項をチェックして早く応募しよう!
●前作のテーマ「なぜ愛が視えないのか?」を今作で問題提起
――『うみねこのなく頃に』のゲームの主題歌を担当されましたが、テレビアニメでもOP曲を担当することになったことを聞いた時の感想は?
志方さん:また『うみねこのなく頃に』の世界で楽曲を作る事ができて、すごくうれしかったです。ゲーム版の主題歌「うみねこのなく頃に」を作った時と今では、ゲームのストーリー内容も当時より進んでいますし、作品に対する考え方の変化も盛り込めるので、とてもワクワクしました。
――アニメのOP曲「片翼の鳥」を制作するにあたって指示やオーダーはあったんですか?
志方さん:事前に竜騎士07先生と打ち合わせをした時に、今後の物語内容について色々なお話を伺いました。前にゲーム版の主題歌を作る時には"愛がなければ視えない"という素敵なキーワードをいただいたので、今回もお話の中から核になるようなキーワードやヒントをいただけたらと思いましたが、お話の大枠を聞き、やはり愛情や想いが核になっていて、それが複雑に絡み合っている作品なんだと改めて実感しました。だから、無理に新しいテーマを出そうとするよりも"愛がなければ視えない"というテーマで作った前作「うみねこのなく頃に」を発展させて、今回の曲では「なぜ愛が視えないのか?」について、問題提起していく形にしようと思いました。
――前作の「うみねこのなく頃に」と連なる世界観になっていると?
志方さん:それを意識してます。最初は、テレビの主題歌らしく四つ打ちでスピーディな曲にしようかなとも思いましたが、竜騎士07先生から「今のままの志方さんの楽曲がいいです。それが世界観にマッチしているので」と言っていただけたというのと、またゲーム版からアニメに入る方が今回の主題歌を聴いた時に「全然雰囲気が違う!」と、今まで抱いていたイメージを壊すような形になってしまうのも、すごく申し訳ないので。アニメからうみねこの世界に入った方に楽しんでいただけるようにというのはもちろん、ゲームから入った方にも楽しんで聴いていただけるように、そのバランスを意識して作りました。例えて言えば、ゲーム版の主題歌が第1幕で、今回が第2幕というような形で合わせて聴いても楽しんでいただけたらうれしいです。
●「片翼の鳥」はあるキャラの想いを描いた曲
――「うみねこのなく頃に」はベアトリーチェをイメージして作ったとおっしゃっていましたが今回の「片翼の翼」でもキャラを意識して作られたんですか?
志方さん:はい。誰から誰に向けての気持ちなのかは…あえてここでは言いません(笑)。リスナーの皆さんそれぞれで、作品と照らし合わせながら推理してもらえたらと思っています。けれど、核となる部分には"魔女"の存在が色濃く描かれています。登場人物たちが魔女の影に囚われたまま物語が進んでいくので、そのイメージが強く曲に出ていますね。
――作曲と編曲をご自身で手がけていますが、どのような形で制作されたんですか?
志方さん:まず私が作った曲を、作詞の波乃渉さんにお渡しして、詞の候補をいくつかご提案いただきます。その中からイメージにより良く合っているものを組み立てていただく流れです。波野さんと「こう書くとネタばれにならず、謎かけになるかも?」と打ち合わせしながら作っていただきました。原作やアニメが進んでいくにつれて物語の秘密が明るみになり、その時に振り返ってこの曲を聴いてみると「こういうことか!」という発見や新たな切り口が見つかり、再度新鮮な視点から曲を楽しんでいただける。もしそうなれたら、すごく光栄です。
●豪快で緻密なサウンドアレンジ
――サウンドは「うみねこのなく頃に」と同様に今回も荘厳でスケールが大きくて、イタリアの大聖堂で流れるのがピッタリな雰囲気ですね。
志方さん:外では雷鳴が鳴っている中、屋敷の窓辺で金蔵が手を天に差し伸べて「ベアトリーチェ~!」って絶叫しているみたいな雰囲気ですか(笑)。
――アレンジはいつも緻密で細かいので今回もきっといろいろやっているんですよね。
志方さん:「これをやったらおもしろいかも」と思いついたら、いろいろ試したくなっちゃうタイプなんです。けどつい暴走しそうになることもあるので、そこは気を付けるようにしています(笑)。曲の仕掛けの内容については、たとえば「うみねこのなく頃に」曲のフレーズも一部こっそり取り入れたりと、細かくいろいろとやっていますので、ぜひじっくり聴いて探してみてください。
●多重録音のコーラスとイタリア語の歌唱も聴きどころ
――志方さんと言えばボーカルの多重録音ですが今回も重ねてますね。
志方さん:コーラスを最初から沢山入れようという意気込みで、曲を作っているのではないのですけど、この曲でこう表現してみたいなと思った事を色々とやっていくうちに、なんだかいつの間にかコーラス数も増えてきて。結局、いつもと同じくらいのボリュームになってしまいました(笑)。
――でも志方さんのコーラスも聴きどころですから。
志方さん:ありがとうございます。今回のCDのインストバージョンでは、主旋律のボーカルのみを抜いて、オケと一緒にコーラスも聴けるようになっています。主旋律の後ろに隠れていたコーラス部分も、ミルフィーユを1枚1枚ほどくようにじっくりと聴いてください(笑)。
――イタリア語の歌詞を歌うところもインパクトがあり、世界観を高めるのに一躍かっている気がします。
志方さん:個人的に「うみねこのなく頃に」の世界は、イタリア語の語感や雰囲気が合っているように思います。晴れやかさを感じる響きがあってその上、重厚な迫力も出せて。
●“煉獄の七姉妹”の魅力を詰め込んだカップリング曲「VII」
――カップリングの「VII(セッテ)」についてご説明いただけますか?
志方さん:一言で言うと、"煉獄の七姉妹"がかわいくて作ってしまいました(笑)。先日、アニメのオフィシャルサイトで公開された、長女のルシファーと七女のアスモデウスの設定画を見ました。すごく可愛かったです! ゲームではエピソード2から登場する七姉妹。最初はその個性にただ圧倒されるばかりでしたけれど、エピソード4の流れで彼女達に対する印象がガラリと変わって。この気持ちをぜひ表現したいなと思い、作りました。本人達はまだアニメには出て来ていないのですけれど(笑)。彼女達は残酷な部分もあるけれど、根は無邪気なんですよね。戦人側から見れば極悪非道な存在でも、彼女達はベアトリーチェをただ純粋に楽しませたいだけ。
――作品を知らなくてもどんな姉妹なんだろうと怖いもの見たさで興味が湧くと思います(笑)。あと詳しくは明かせませんがこの曲ではかなり斬新な試みがありますね。
志方さん:その点では、作詞の江幡育子さんにもデザイナーさんにも色々と苦労をお掛けしました。試みの1つとしては、ブックレットの歌詞に色分けされている部分があります。これは、とある理由からなのですが…。その理由について、どうぞ推理してみてください。
――曲のある部分を境に別の人が歌っているような、まったく印象が変わるところがあって驚きました。試聴では対照的な部分の2パートなので興味をそそられます。
志方さん:彼女達に2面性があるように、曲も1コーラス目と2コーラス目ではまったく別曲のように感じる、そんな変化や落差を楽しんでもらえたらいいですね。アレンジでも効果音とかいろいろと、いつもよりも遊び心を入れているので、そんなところも探りつつ楽しんで聴いていただけたら。例えば曲の冒頭と終わりのオルゴール部分はエフェクトが違っていて、それが、物語のとある真実を表す形になっています。また今回の曲では、初めてストリングスのカルテットアレンジをやりましたが、チェロの方への演奏指示で「"冷めないうちにさあ"では『あなたのことが好きだから食べちゃうわ』くらいで、いやらしくお願いします」と、収録現場も何だか遊び心たっぷり、テンション高めの状態になっていました(笑)。
●ジャケットビジュアルにも楽曲のヒントが!?
――手間がかかった職人芸のような楽曲で数回聴いただけではもったいない気持ちにさせられます。
志方さん:鶴の機織りのお話のように「作っている間はのぞかないで!」と必死に夜なべして作りました(笑)。シングルという形でCDを出させていただくのが初めてなので、シングルならではの密度の濃さを目指しました。アニメと一緒に、じっくり長く楽しんで聴いていただけたらうれしいですね。
――ジャケットデザインもかなり凝ったビジュアルになっていますね。
志方さん:『うみねこのなく頃に』の雰囲気を出せたらいいなとデザイナーさんと相談して、作品や曲のキーアイテムを詰め込んでいただきました。例えばジャケットで窓の外を見ている女性は、最初は入らない予定でしたけど、そこは志方のこだわり的に「どうしても入れたい」と、デザインの変更をお願いしました。また初回特典のスリーブでも、鳥かごに鳥がいるか、いないかについて、さんざん話し合ったりもしました。色々と試行錯誤していただいて出来上がったデザインなので、すごく満足しています。更には、初回特典のタロットカードもこのCDからコレクションが始まるそうで、すごく光栄です。
●ED曲担当のJIMANGさんとのジョイントイベントも決定!
――9月19日にはJIMANGさんとのジョイントイベントも決定しました。
志方さん:お会いするのは初めてですけれど、JIMANGさんのED曲が金蔵のイメージで、私がベアトリーチェのイメージの曲を書いていて。双方違うキャラだけど、どちらも物語の入り口になっているので、とても不思議な巡り合わせを感じます。また私自身、あまり曲や作品の想いを生でお話しする機会が少ないので、こうして皆さんとお会いできるのがとても楽しみです。
――皆さんへメッセージをお願いします。
志方さん:アニメがますます盛り上がる中での、主題歌CDリリースになります。どうぞぜひ、アニメと合わせてお聴き下さい! また今回、アニメから『うみねこのなく頃に』を知った方や、作品を知らずにこの曲を聴いていただいた方は、よろしかったら原作のPC版ゲームもプレーしたり、CDの「うみねこのなく頃に」も聴いてみてくださいね。私もゲームとアニメの展開を心待ちにしながら、これからも竜騎士07先生の手のひらの上でくるくる踊らされるのを楽しみつつ(笑)『うみねこのなく頃に』の世界に関わっていけたらいいなと思います。
「片翼の鳥」/志方あきこ
8月19日発売
1,260円(税込)
発売:フロンティアワークス
『うみねこのなく頃に』テーマソングCD発売記念ライブ in TSM
9月19日 東京スクールオブミュージック葛西校
出演:志方あきこ、JIMANG
全国のアニメイト各店(徳島店のぞく)にて「片翼の鳥」(志方あきこ)購入時に配布されるイベント参加応募券を、9月16日発売「la divina tragedia~魔曲~」(JIMANG)予約の際に対象店舗のレジにて提示。捺印された応募券を官製ハガキに貼付、必要事項記入の上、指定の宛先に応募。厳正なる抽選の上、当選者にイベント参加券を発送。
応募締切:8月31日
※詳細につきましては、対象店舗各店にお問い合わせください。
>>志方あきこ公式サイト
>>志方あきこ音楽サイト
>>志方あきこ New Single「片翼の鳥」特設ページ
>>アニメ『うみねこのなく頃に』公式サイト