フレッシュなメンバーが新緑のなかで撮影に挑んだ!映画『×ゲーム』撮影現場レポート――「荒木さんの落書きが上手すぎてNGになったことも。映画は怖いけど撮影は楽しいです」
2010年9月18日に公開される映画『×(バツ)ゲーム』が、無事クランクアップ!アニメイトTVでは撮影現場を取材したので大紹介!
『×(バツ)ゲーム』は、『リアル鬼ごっこ』などで知られる山田悠介氏の小説を原作とする作品。主人公の小学校時代のいじめ“×ゲーム”に端を発する、凄惨な物語が描かれる。キャストにD-BOYSの荒木宏文さん、AKB48の菊地あやかさん、仲川遥香さんらをキャスティングしていることでも話題となっている作品。
取材日に撮影が行なわれていたのは、都内の小学校跡。都内と言っても青梅線の終点・奥多摩駅から、さらに奥多摩湖をぐるりと回ったかなり奥にある廃校。一面の緑と青々とした湖に面した自然あふれる立地だが、撮影中なのは物語でも終盤のハードな場面の数々。黒いカーテンで目張りをした閉塞感のある校内では、緊迫したムードの中撮影が行われる。焼きごてなどの物々しい小道具の数々や、痛々しい傷口を演出する特殊メイクなどが現場の雰囲気を盛り上げるなか、出演者たちは迫真の演技を見せていた。、
といっても、張り詰めているのは本番中だけ。休憩時間には、仲川さんが「夕べほとんど寝てないんでハイテンションです!」と言いながら現場のあちこちに顔を出し、そこここで笑いの輪ができていた。主人公・英明役の荒木宏文さんはハードスケジュールでやや疲れ気味の様子だったが、役柄や演技を真面目に誠実に考えながら演じているのが印象的。AKB48、渡り廊下走り隊で一緒に活動する菊地さんと仲川さんは本当に仲が良さそうで、仲川さんが菊地さんに寄っていっては特殊メイクの血をつける真似をしたりと、楽しそうにじゃれている姿が何度も見られた。
アニメイトTVでは撮影中の荒木さん、菊地さん、仲川さんに話を聞いたのでお届け!
──撮影の手応えや感想をお願いします
荒木宏文さん(小久保英明役/以下荒木):昔の映画の雰囲気があるような映像になっているので、怖いシーンでは重みがあって、ちょっと懐かしい雰囲気かもしれません。
──脚本を読んだ感想は?
荒木:監督の意向として、原作とは少し雰囲気を変えていきたいというのがあって、原作ファンには設定の違いを感じる人もいるかもませんが、監督が大事にしたいテーマを伝えるために作られていると思います。
──役作りについてはいかがですか?
荒木:普通と呼ばれる人間とはどういったものかを考えました。こう演じてほしいということを監督がはっきり伝えてくれて、それにナチュラルに応えられる状態だったと思います。
──現場はどんな雰囲気ですか?
荒木:時間がなくて大変です(笑)。特殊メイクとかが入って準備時間も入るので、結構スケジュールに追われる感じですけど、みんながフォローしあって気持ちの維持ができるように、助けあってます!
──印象に残っているシーン、大変なシーンはありますか?
荒木:“×ゲーム”が執行されてからはずーっと大変です!クライマックスに向かって勢い良く転がっていく流れは、感情の動きが早くて大変です。あと、気持ちが暗くなっちゃう撮影のときは仲川さんの明るさに助けられてます!気持ちを戻してくれるんです。
──見どころや映画を通して伝えたいことは?
荒木:いじめは直接関わっている人だけじゃなくて、直接関与してない人も悪いことがあるよってことを感じてほしいです。自分にその気がなくても、まわりに流されて人を傷つけることもあるんだよってことをわかってほしくて、英明がその場その場で流されていくのを意識して演じています。
──映画を観てくださるかたにメッセージをお願いします
荒木:グロテスクな表現もありますがあるから年齢制限がつくかもしれませんが、観られる年齢の方はぜひ映画館に足を運んでください。まだ観られない年代の人は観られる年齢になったら、DVDで観てください!
──菊地さんは撮影してみての手応えや感想はいかがですか?
菊地あやかさん(明神理香子役/以下菊池):私のパートの撮影はまだ半分程度なんですが、最初はうまくできるか不安でした。でも現場を楽しい雰囲気にしていただいて、現場ではお互いの仕事の話とか、好きな食べ物とかの話をしたりしてます。荒木さんはギャグもおもしろいですよ(笑)。
──お芝居に挑戦した感想は?
菊地:私の将来の夢は女優で、皆さんの前で歌う機会はあるけど、AKBのお仕事でお芝居をすることはあまりないので、映画の仕事はほんとに嬉しかったし、普段の自分じゃない役柄を演じるのはすごく楽しいです。何を考えているかわからない怖いキャラクターなので。最初はなかなか入れなかったんですが、観ている人に“これって菊地なの!?”って思ってもらえるような演技がしたいです。
──明神理香子はどんな女の子なんですか?
菊池:普段は元気で明るくて、すごく英明思いなんですよ。でもわりと重くて束縛する性格というか。昔いじめられたことがあって、ライターの音とか火が苦手です。
──撮影スケジュールが大変だそうですが?
菊地:朝早く夜遅い感じのスケジュールでしたが、映画のお仕事ができて本当にうれしいので、疲れても楽しくなっちゃいます。
──撮影で苦労したり、印象に残ったシーンは?
菊地:病院のシーンですごく長いセリフがあるんですよ。緊張しすぎて結構NGを出しちゃいました。
──印象に残っているシーンは?
菊地:病院で荒木さんが悲鳴を上げるシーンがあるんですが、テストからどんどん入り込んでいくので、尊敬しました。
──撮影でのハプニングは何かありましたか?
菊地:荒木さんが休憩時間に小道具のノートにアニメのキャラクターを描いてるんですけど、似てるんですよ! 2人でちょっといい雰囲気になるシーンがあったんですけど、ノートが開いていて、2人とも笑っちゃってNGだったこともありました(笑)。
──仲川さんは菊地さんと共演しての感想を聞かせてください
仲川遥香さん(小泉智絵役/以下仲川):殴りかかったりするシーンもあって、映画のなかでは仲悪いですね。ファンの人が見たら2人は仲悪いって思われるかも(笑)。でも撮影はすごく楽しく進んでます。
──セリフとかは覚えられますか?
仲川:…全然覚えられないんです(笑)。でも叫ぶシーンは一発OKが多いので、得意みたいです(笑)。映像の仕事は初めてなので演技してる時は楽しいなって思います。
──2人で一緒に演技をして、照れくさいとかはありますか?
菊地:全然ないですね。
仲川:ないですね!
──小泉はどんな女の子なんですか?
仲川:小泉智絵という役は、昔は明るくてクラスのアイドル的存在で、みんなに笑顔を見せてるけど“×ゲーム”に入ると実は色々と裏表があって……ひどいです(笑)。“裏”智絵は、もう男みたいですね。
──印象に残ったシーンはありますか?
仲川:“×ゲーム”を受けてすごく叫ぶシーンがあるんですが、人前でこんなに叫ぶのは初めてでした。あと特殊メイクは初めてだったので新鮮で楽しいです。舞台では特殊メイクとかは無かったので、ドキドキワクワクしますね。
菊地:私は叫ぶシーンはないですね。役柄的に人の心がないから…。
仲川:本当にひどいんですよ(笑)。冷静なところだけは(菊地さんと)似てるかもしれません。
──仲川さんはアクションシーンもあるとか
仲川:ワイヤーを使った撮影があるんですよ。アクションが初めてなので、実はすごく楽しみにしてます。一発で成功できるようにがんばらなきゃなって思ってます。実は私の最後のシーンで、菊地ともメインで絡むシーンなのでうまくできたらなと思います。
菊地:すっごく楽しみ!
仲川:私も菊地をいじめるし、菊地も途中まで私をいじめるし、楽しみです(笑)。
──映画を観てくださる方にメッセージをお願いします!
仲川:この映画を見てイジメのこととか、人間が追いつめられたらこういう風になるんだよっていうのを感じていただきたいです。イジメの怖さとかも知ってほしいです。そして、私が発狂している演技にご注目!
菊地:『×ゲーム』は内容も難しくて、1回見たり読んでもわからないところがあると思います。私があるシーンで重要なアイコンタクトをしてるところとかがあって、そういういろんなシーンをじっくり見ていただきたいのと、私のいろんな演技を見ていただきたいと思います。ファンの方には“菊地怖い”って思われるかもなんですけど、そういうところも見てください!
<取材・文:中里キリ>
>>映画「×ゲーム(バツゲーム)」公式サイト