ドラマ『もやしもん』リレーインタビュー企画:キャスト編――沢木惣右衛門直保役・中村優一クン(D-BOYS)インタビュー「冬に夏の撮影!息が白くならないように氷をなめていました」
いよいよ本日より放送開始の話題騒然ドラマ『もやしもん』。アニメイトTVでは放送前からリレーインタビューでドラマのいろんな側面にせまってきたけど、4回目となる今回は、いよいよ主人公の沢木惣右衛門直保を演じている中村優一クンが登場だ!
撮影のことを聞いたら『仮面ライダー電王』など特撮作品で活躍してきただけに、CG相手の演技はお手のものだったってことだけど、そんな中村クンを悩ませたのは冬の撮影ならではの“あるモノ”だったそう。
中村クンのプロ根性と演技の秘訣、いっぱい聞いちゃいました!
――漫画は以前からご存知だったんですか?
中村クン(以下中村):失礼ながら、この役が決まるまで知りませんでした。男性向けのマンガもそうなのですが、あまりマンガを読まないので……。
――マンガの印象や感想はどうでしたか?
中村:菌がかわいいと思いました。そして、石川先生の独特なセンスがある世界だと思いました。あとは、原作には菌の豆知識も入っているので、普通に生きているとあまり学べない知識が学べて、とても勉強させていただきました。会話の"間"が空いたときなんかに使える話が多くて、違った角度から間をつなげそうです!
――漫画を読んでの沢木について、どう思いました?
中村:まわりからは菌が見える特殊能力をうらやましがられるけど、沢木的には好きじゃなく、菌が見えると言っても誰からも信じてもらえない。けれど、オリゼーと絡むシーンでは「うるせぇ!」と言いつつも愛着があり、実は仲が良いみたいな……
――実写版ならではの沢木のキャラクター像って、どんなですか?
中村:逆に言うと、マンガと実写で共通している部分は"菌"だけなのかもしれません。あとは他のキャラクターに埋もれているところも(笑)。美里と川浜には振り回されるし、長谷川さんにも振り回されているし……。振り回されっぱなしですね(笑)。ただ、最終回になるにつれて、沢木なりの自分の主張や菌に対する想いも描かれていきます。でも、そこまでは振り回されながら学んでいく感じですかね。基本、ドタバタしているんですが……(笑)。
――菌はCGで描かれていますが、実際に菌は肉眼で見えない存在なわけで、見えないはずの菌をどうイメージして演技したんですか?
中村:もしかすると、マンガを読んでその世界に入っていたので"菌が小さい"とか"見えない"という概念がなかったのかもしれません。ただ、最初は監督と「どの辺に菌が居るのか?」という話を綿密に行ないました。
――撮影で苦労したのはどんなところですか?
中村:とにかくCGの量が多かったことですね。菌だけじゃなくて建物もCGで作っていたので。第1話の酒樽についてもCGで合成だったので、どれくらいの大きさで、どこにあるのかを監督に明確に示してもらっていました。現場で演じているときにはCGはまだできていなくて、監督の中にもそんなにはっきりとした酒樽のイメージもなかったと思います(笑)。その上で、美里(西田幸治さん)と川浜(木村明浩さん)との気持ちの統一をしました。やはり、それぞれにイメージがあると思いますからね。だから、通常のドラマ撮影よりもみんなと話し合ったと思います。
――見えない存在を相手に演技するのはどんな感じなんですか?
中村:僕は『仮面ライダー電王』や『湾岸ミッドナイト』での経験があったので、違和感なく演技できました。『仮面ライダー』の時は、相方が"砂"の時もありましたから、そういう場面ではやはり合成ですしね。難しいのはセリフのやり取りなんです。助監督さんが"CG役"のセリフを話して、それと会話をしながら撮影をするのですが、合成の都合上、誰もがしゃべれない時もあるんです。菌との"会話"のときに自分がしゃべった後、菌がしゃべる時間を作らなきゃならなくて、全部自分で考えなきゃならなかったのが大変でした。特に2話の最後のシーンでは、ひとりで遊んでいるのですが、大量の菌がそれぞれ勝手にしゃべっていたので、どれだけ会話が続くのかを計るのがとても難しかったですね(笑)。
――中村さんにかかるウエイトがかなり大きな撮影だったんですね。
中村:確かに、大変ではありましたが、僕自身がCGを合成するわけではないので、キチンと監督たちと話し合わせていただいて、そこまでの負担は感じなかったですね。
――監督とは具体的にどういうやり取りをしましたか?
中村:森田監督はすごく細かく指示してくださる方で、岩本監督は自分の想像をテンションで説明する方でした。そのテンションの高さや感情の"ふり幅"で、菌の数や酒樽の大きさをイメージしていました(笑)。
――他のキャストのみなさんですが、西田さんと木村さんは演技の経験があまりなくて、ドラマもほぼ初めてに近いとのことでした。中村さんから何かコツを教えたりしましたか?
中村:僕が何かを教えることはありませんでした。寮でのシーンでは、本番に入る前まで3人で台本を持ち寄って、読み合わせをしていましたし、そこで生まれてきたテンション、やり取りを実際に本番で試してみたり。それに、僕は菌が見える設定で、他のみんなは見えない設定なので、根本的にベクトルが違っていましたからね。僕は僕で難しかったですが、見えないみんなが、菌が見えている僕の演技に引っぱられそうになるのをガマンしなければならないのも、難しかったと思います。
――休憩中、中村さんは西田さんと木村さんと一緒にいることが多かったと聞きました。どんな話をしていたんですか?
中村:西田さんと木村さんの会話がすごくおもしろくて、特に何がと聞かれてもちょっと答えづらいのですが、撮影でも休憩でも3人で一緒にいることが多かったので、二人の会話を聞いていて、僕が笑うということが多かったですね。
――寒い時期の撮影だったそうですが、撮影の思い出はありますか?
中村:ドラマの中では夏の設定なのに、息をはくと白くて、それが画面に映っちゃうことでした。本番が始まるギリギリまで氷をなめていたんですが、それでもすぐに白くなって映っちゃうんです。
――最後に、TVドラマ『もやしもん』のみどころを教えてください。
つい先日、追加のアフレコがあったんですが、その時に完成に近い映像を拝見したんです。深夜にたまたまドラマをみちゃった人は、その後も絶対にみざるをえない!と思うくらい、『もやしもん』の世界に引き込まれる仕上がりになっています(笑)。ドタバタ感もとても良く表現されて、あっという間の30分なんで、絶対見逃さないでくださいね!
<聞き手:だーくまたお>
<取材・文:岡 有希>
ドラマ『もやしもん』
本日、7月8日より毎週木曜24:45~フジテレビ"ノイタミナ"ほかにて放送※初回放送は25:00~
関西テレビ 7月13日(火)より毎週火曜25:29~
東海テレビ 7月15日(木)より毎週木曜26:15~
BSフジ 8月14日(土)より毎週土曜25:00~放送 ※毎月最終週のみ休止
中村優一(D-BOYS)
1987年10月8日生まれ。『仮面ライダー響鬼』(テレビ朝日系)で桐矢京介、『仮面ライダー電王』(テレビ朝日系)で桜井侑斗/仮面ライダーゼロノス役を好演。『飛び出せ!科学くん』(TBS系)、『D-BOYS BE AMBITIOUS』(テレビ東京)に出演中。8/26~9/5舞台D-BOYS STAGE2010『ラストゲーム』に出演する。
>>ドラマ『もやしもん』公式サイト