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ドラマ『もやしもん』リレーインタビュー企画:キャスト編――及川葉月役・はねゆりさんインタビュー「及川の“除菌”グセに"感染"しちゃったかも!?」
7月8日からフジテレビ“ノイタミナ”ほかで放送がスタート。この夏の話題を独占しちゃう勢いのドラマ『もやしもん』。
そのスタッフ・キャストに連続インタビューして作品の秘密にせまっちゃうアニメイトTVのスペシャル企画。今回は及川葉月役・はねゆりさんが登場だ!
今までもいろんな映画やドラマ、舞台で活躍してきたはねゆりさんに、今回演じた及川について語ってもらいました。はねゆりさん、ドラマの及川ってどんな女の子~?撮影はどうでしたか~??
――撮影の感想は?
はねゆりさん(以下:はねゆり):楽しかったです。色んな格好をさせてもらいましたし、普段では触れられない物を見て触って。撮影の時期は12~1月だったので、寒かったんですよ。
――でもバックに桜の花が咲いてましたよね?(1話)
はねゆり:あの桜はCGで、私も観てビックリしました(笑)。
――CGもですけど、小道具やセットもとてもリアルですよね。
はねゆり:オールロケで農学部にあるものをそのまま使わせていただきました。普段では見られない道具もあって、本当に使っているものなのでリアル感がありますよね。
――CGみたいな見えないものを相手に演技するのって大変だったんじゃないですか?
はねゆり:私はその撮影にはいなかったんですが、1話で日本酒の樽が倒れるシーンもCGなんです。完成映像を見せていただいたときはもう「すごい」とビックリするだけでした。私が撮影したシーンにCGがのって、どんな風になっているのか観るのがとても楽しみです。4話くらいでUFOが出てくるシーンがあり、そこを早く観てみたいです!
――及川は沢木が菌が見えることを知らないわけですが、そういった設定で演技するのって難しそうですよね?
はねゆり:それはもう大変です!実際には見えなくても、沢木には菌が見えているということで撮影が進むので、どうしても意識してしまうんです。「ここに菌がいるんだろうな……」と。沢木の周りで沢木の能力を知らないのは私だけなので、みんなとは違うベクトルでお芝居をしなければならなく、本当に大変でした。
――話は変わりますがマンガ版の及川の印象は?
はねゆり:マンガを読む前に他の方から「沢木は菌が見える」という設定は聞いていて、率直な感想として「何の話?!」と思いました(笑)。菌に対しても “ゾウリムシ”とか想像して「グロいのかな?」と思っていました。でもマンガを読んでみたらすごくかわいくて、菌の知識とか勉強になることもたくさんありました。
私は除菌にはあまり興味がなかったのですが、及川はとにかく除菌マニアで、菌に対して“殺! 殺! 殺!”みたいな。過度な除菌っぷりで見事な潔癖症です。撮影でも常にそのことを頭の中に入れてて「たぶん、及川だったらコレは触らないだろうな」とか思っていました。
――及川の清潔好きってどう思いますか?
はねゆり:最初は“こういう人が傍にいるとダメだろうな”と思いましたけど、だんだん除菌のことを人にも言いたくなってしまいました。「ここには菌がたくさんいるんだろうな……」とか考えているところに、誰かが来てそのままごはんを食べようとしていると「除菌したほうがいいよ」とか言ってしまいました(笑)。
及川葉月:はねゆり
農大1年生。除菌ティッシュ&スプレーを持ち歩く除菌マニア。
――撮影で印象的なこととか、びっくりしたことは?
はねゆり:牛小屋に入って牛を触ったことですね。牛の鼻輪をつかんでひっぱるシーンがあったんですが、牛を目の前にしたらイメージしていたよりもとても大きくて、しかも白黒の乳牛を想像してたんですが、現れたのは真っ黒な牛で。鼻輪をひっぱると牛に怒られそうですごく怖かったです。撮影を重ねるにつれて慣れてきたんですが、最初の頃だったので衝撃的でいちばん印象に残っています。
――今回の撮影で牛の扱いには慣れた感じですか?
はねゆり:そうですね(笑)。もう怖くはないです。
――撮影で大変だったところは?
はねゆり:私の中で大変だったのは後半の話数です。及川がクローズアップされていることもあって、セリフの量が多かったですね。他のシーンは笑いがあったりしてその流れで芝居ができたんですが、後半のシーンでは一人でしゃべったり、感情を表現しなければならなくて。
――反対に楽しかったことは?
はねゆり:控え室! 撮影ももちろん楽しかったんですが、笑い飯の西田さんとバッファロー吾郎の木村さんがいたので(笑)。
――お二人の話題が出たところで共演した皆さんのことをお聞きしたいのですが、まずは沢木役の中村さんからお願いします。
はねゆり:中村くんも私も人見知りなんで、最初はとにかく会話が続かなくて、“どうしよう”って悩んでました。及川と沢木は同じ学年で仲が良い設定じゃないですか。最初は出会うところから物語が始まっているので、少しくらい距離感があってもおかしくないと思っていたんですが、途中からはそうもいかないじゃないですか。「これじゃダメだ」と思い始めて、中村くんと仲良くなろうと努力しました。
変顔をやって見せたり、とにかく話しかけてみたりと、がんばりました。そしたら前にも中村くんとお仕事したことのあるスタッフの方に「ゆりちゃん、すごいね。本当に仲良しだね」って言ってもらえたんです。中村くんからも「“はねさん”といると楽しい」って言ってもらったときにはもう感無量でした(笑)。やっと沢木と及川になれたなと思いました。
――では西田さんと木村さんは?
はねゆり:お二人は最初からいたわけではなく、途中から撮影入りされて、そこからはそれまで以上に現場での撮影が楽しくなりました。中村くん、西田さん、木村さんはいつも3人でいて、そのまま沢木と美里と川浜なんじゃないかと思うくらいに。 控え室でも、普通に話をしているのに面白いんですよね(笑)。特に二人の絡みが面白い。ドラマの中の二人がリアルでもそのままって感じですね。
――濃いメンバーの中にいたんですね(笑)。
はねゆり:本当に!(笑) 及川はこの濃いメンバーの中でいちばん普通で居なければならなく、オーバーアクションしたいのを抑えなければならないのが大変でした。監督からも「この中で付き合うなら及川がいちばんと言われる女の子でいてほしい」と言われました。
――女性の共演者の加藤夏希さんは?
はねゆり:同じマンガ好きということで話が盛り上がりましたね。とてもムードメーカーで、西田さんや木村さんにムチャ振りをして遊んでいたり……(笑)。普段はフワフワした感じなのに撮影に入ると役になりきって。その切り替えが早くてすごいなって思いました。
――そして大御所・黒沢年雄さんは?
はねゆり:すごく優しい方で、現場では毎回、良いムードを作っていただいて、撮影が長引いてみんなが疲れていると、元気な声で「パパッと撮って帰るよ~!」って仕切ってくれました。スタッフさん含めて、現場にいる誰よりも現場歴が長い方なので、照明やカメラワークなど色んなことをいちばん理解していて、撮影現場全体がとても心強かったです!
――最後に『もやしもん』の観どころをお願いします。
はねゆり:農大を舞台にしていて学生生活のドラマもありますが、やっぱり菌が出てくるということがこのドラマのいちばんのキーポイントですよね。今までに観たことのないドラマに仕上がっていると思います。原作を読んでいなくても、出ているキャストの表情や菌のことを観ているだけで楽しめると思います。深夜の放送なので見られない人はDVDで楽しんでください!
<聞き手:だーくまたお>
<取材・文:岡 有希>
ドラマ『もやしもん』
毎週木曜24:45~フジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送中!
関西テレビ、東海テレビ、BSフジでも放送
>>ドラマ『もやしもん』公式サイト
沢木惣右衛門直保:中村優一
農大1年生。種麹屋の息子。なぜか肉眼で菌が見える特殊な体質。空気中の菌を掴んで会話したりもできる。
武藤葵:ちすん
農大3年、樹研究室唯一のゼミ生。世界の発酵物を探索し、それらをリュックに背負って帰国する。元ミス農大。
長谷川遥:加藤夏希
農大院生。なぜか常にボンテージファッション。性格もドS。
美里薫:西田幸治(笑い飯)
こう見えても農大2年生。農大の学生寮に住んでいる。無類の酒好き。
川浜拓馬:木村明浩(バッファロー吾郎)
こう見えても農大2年生。農大の学生寮に住んでいる。虫に詳しい、メキシコからの帰国子女。
樹慶蔵:黒沢年雄
農大教授。発酵だけでなく農学全般に強い。
A・オリゼー(日本麹カビ)
日本における醸造の代表的な菌。デンプンを糖に分解します。酒、味噌、醤油、焼酎作りで活躍中。