イタリア代表が初の栄冠に輝く! 世界コスプレチャンピオンシップ2010をレポート!
世界中のコスプレイヤーが一同に介するイベント“世界コスプレサミット2010”が名古屋で開催され、2010年8月1日、メインイベントとも言えるコスプレ世界大会“世界コスプレチャンピオンシップ”が愛知・オアシス21で実施された。オーストラリア、ドイツ、イタリア、フィンランド、スペイン、韓国、デンマーク、タイ、メキシコ、シンガポール、ブラジル、アメリカ、中国、フランス、そして日本の15ヶ国が参加し、コスプレ世界一の座を争った。1点差に数チームがひしめくハイレベルな戦いは、『ゼルダの伝説』のリンクとガノンに扮したイタリアチームが優勝! 衣装のクオリティを競うブラザー賞は、タイチームが受賞した。イベント中には影山ヒロノブさん、HIMEKAさん、SKE48のミニステージも行なわれ、会場を大いに盛り上げていた。
●日本代表は『忍者ハットリくん』の“アキラとしぐま”に!
世界コスプレチャンピオンシップとは、2005年にスタートしたコスプレ世界大会。2人一組で、アニメ、コミック、そして今年から認められたゲームなどの手作り衣装を身にまとい、各国代表がコスプレを競いあう。採点方式はパフォーマンス10点、コスチューム10点、ストーリーの忠実さ5点の25点満点で、古谷徹さん、影山ヒロノブさん、HIMEKAさんら5人が採点し、得点状況は5チームのパフォーマンスが終了するたびに発表される。アジアなど国外で盛んな「衣装を着てポーズを決めるだけでなく、ストーリー性のあるパフォーマンスやダンス、殺陣などを見せる」競技性の高いスタイルだ。
各チームとも、前日のパレードとは別の勝負コスチュームで参加。日本代表は、本戦直前に選考会を実施。VOCALOIDシリーズなどの定番から、今回レギュレーションに加わったゲーム作品の『モンスターハンター』『龍が如く』など6チームが参加した選考会を制したのは、意外なタイトル『忍者ハットリくん』をチョイスした“アキラとしぐま”! 海外でのパフォーマンス経験豊富2人が、殺陣や隠れ身の術なども飛び出すコミカルなパフォーマンスで日本代表となった。
●上位3チームが1点差にひしめく大熱戦!
本戦直前に決定した日本代表を加えた15チームが優勝を争うのは、オアシス21の特設ステージ。公園や商業施設が複合した、未来的な半地下の施設に設けられた会場には、15000人が来場して大会の行方を見守った。最初の5チームによる第一ピリオドでは、『鴉 -KARAS-』を演じた韓国代表が首位に。特撮番組で使われていてもおかしくないクオリティの衣装にはLEDライトが仕込まれており、会場の照明が落ちると、闇のなかで赤と青の光をまとっての激闘が! 足技を織り込んだ殺陣のレベルも高く90点の高得点。ところが第2ピリオドでは、『ゼルダの伝説』のリンクとガノンの激闘を演じたイタリアが、98点の高得点を叩き出す! 日本語のナレーションを軸に展開するチームが多かった中、イタリアはガノンに剣技が通じないリンク、ゼルダ姫にハートの器を授かって復活するリンク、宝箱から手に入れた弓矢を使い、伝説の剣を台座から抜いて、ついにはガノンを打倒する…といったストーリーを、多彩なアイテムやギミックを用いて動きで見せていたのが印象的だった。当日決定した日本代表は準備の面では他国に比べて不利だったが、海外経験も豊かなチームだけに、大きなステージをいっぱいに使ったステージングで高い評価を受けていた。
そして最終第三ピリオドでは、バイクを模した車両で入場し、『ファイナルファンタジー7』のクラウドがバハムート(大きい!)との激闘を演じたタイチーム、『ヴァルキリープロファイル2』のシルメリアが空を舞う脅威のギミックを見せたブラジルチームが、首位イタリアに紙一重まで迫るパフォーマンスを見せた。しかし惜しくも両チーム1点及ばず、イタリアチームが逃げきっての勝利を収めたのだった。優勝決定後は各チームが健闘を讃え合い、ステージ上でのダンスパフォーマンスを見せ、今年のチャンピオンシップは幕となったのだった。
(取材・文:中里キリ)
>>世界コスプレサミット2010公式