フルオーケストラとコラボ!水樹奈々アリーナライブレポート

「NANA MIZUKI LIVE GRACE 2011 -ORCHESTRA-」常に挑戦し続ける歌姫・水樹奈々が今度はフルオーケストラとコラボ――圧倒的なボーカルと壮大なハーモニーが織り成す魅惑のステージをレポート!

 昨年は21作目のシングル「PHANTOM MINDS」が声優アーティストとして初となる週間チャートの1位を獲得。3月に行われた横浜アリーナ公演、7月の西武ドーム公演も大成功に収め、年末は紅白歌合戦で大活躍。今年の1/21の誕生日には初の自叙伝『深愛』を発売──と、アーティストとして充実の一途を辿る水樹奈々が、2日間に渡り90人編成のフルオーケストラと+32名のコーラス隊+チェリーボーイズをバックに従えたアリーナライブを開催。

 キャリア最大となるツアーの開催と2枚同時シングルリリースが発表されるという嬉しいニュースも報告された23日のライブでは、エネルギッシュな歌声とシンフォニックな演奏で、彼女のアーティストとしての歴史を更新させるに十分なパフォーマンスを見せてくれた。

 超満員のオーディエンスで埋め尽くされた“NANA MIZUKI LIVE GRACE 2011 -ORCHESTRA-”横浜アリーナ公演2日目は、東京ニューシティ管弦楽団による“ヴァイオリン協奏曲”から幕を明けた。フォーマルな衣装を着込んだ90人によるダイナミックな演奏に合わせて、オーディエンスはゆっくりとサイリウムを上下に振り、演奏が終わると“初っ端からスタンディングオべーション”と言わんばかりに大きな拍手をステージに送った。その直後に会場が暗転し、水樹が白のロング・ドレス&ヘッド・マイクで、天井から登場! 神々しさすら感じるその姿で「天空のカナリア」を堂々と歌い上げ、ステージに舞い降りると同時にハンドマイクに持ち替え 「みんないくよ!」と元気いっぱいにシャウトし 「Tears' Night」へ。いつものエネルギッシュなライブのムードへと変化させていった。

 しっとりとした口調で「皆様、こんばんは! NANA MIZUKI LIVE GRACE 2011 -ORCHESTRA-supported byアニメロミックスへようこそ……」と話し“やはり今日はいつもとは違うモードなのか?”と思わせながらも「……淑やかなのはこの辺にしておいて(笑)、やっぱりいつも通りいきます! 皆様こんばんは!」と語尾に力を込めて挨拶。ここで東京ニューシティ管弦楽団と指揮者の藤野浩一氏を改めて紹介する。数々の現場でその腕を振るってきた名指揮者の藤野氏は、水樹のファンに対する真摯な姿勢を独特の表現で褒め称え、「これから家に帰ったら、僕はファンクラブに入ります!! 会員番号取るぞ!」とノリノリで宣言(笑)。さらに、昨日のライブを観て、ファンが自分と同じことをサイリウムで表現していたことを驚いたと話し「しかも、俺より上手い! 俺より曲を知ってる! ……ちょっとめげました……」と付け加えオーディエンスの笑いを誘った。水樹は藤野氏の賛辞に少し照れながらも「今日は思いっきり、全力全開でまっすぐな気持ちをみんなに届けたいと思います! みんな私に掛かってきてください!」と勢いよくアジテートし、ミディアム・バラード「undercover」をドラマティックに熱唱。続く 「ファーストカレンダー」ではステージ上に出現したハートのオブジェに身を乗せながらキュートに歌い上げ、ムーディーな「テルミードール -Vingt-Sept-」では色気に溢れた歌声でスパーク──と、三者三様のボーカル・ワークを演出し、場内の熱を高めていった。

 そんな熱気漂う会場を見渡し「感無量です!」と興奮気味にMC。10代の頃レコーディングした「テルミードール」の思い出を語り「……一昨日、大人の階段、またひとつ登っちゃいました!」と先日(1/21)、31歳の誕生日を迎えたことをファンに報告する。「どんな衣装も着こなせる大人の女性になりたいと思います!(笑)」と飾らないの言葉で抱負を語り、「夢舞台で歌わせていただいた特別な曲」と紅白で歌った 「PHANTOM MINDS」へ。熱い思いを込めるかのように歌った後は 「MARIA&JOKER」に雪崩れ込み、会場のムードを変えていく──。

 ブレイクを挟み、水樹自身の回想シーンをイメージしたかのような、少女が成長していく姿を描いた映像“-あの日夢見た願い-”がスクリーンに流れた。誕生日に発売された自叙伝『深愛』の発売直後だったことも手伝ってファンの特別な感情を誘うかのよう……。客席から拍手が沸き起こると同時に水樹がピンクと黒のクラシカルなドレスで勢いよく登場し、「Justice to Believe(MUSEUM STYLE)」を前方の特製トロッコに乗りながら「いくよっ!」とスリリングにパフォーム! グレイススペシャルコーラス隊による荘厳な歌声とスピード感溢れるオーケストラをバックに客席を半周し、中央にそびえるサブ・ステージへと移動する。ここで一転、ガラッと空気を変えてアコースティック・タイムへ。いつものライブ・メンバーであるcherry boysの大平勉(タキシード姿!)がサブ・ステージに登場し、大平のピアノ伴奏で「オルゴールとピアノと」、さらに同じくタキシード姿のcherry boysのメンバー・渡辺格、福長雅夫が加わり「LOOKING ON THE MOON」「大好きな君へ」を──旧知のメンバーと共にリラックスした表情で熱演したのだった。

 さぁ、いよいよ後半戦。「ここからは熱い熱い曲をお届けしたいと思います! みんな覚悟は良いですか!? 思いっきり飛んでいくぜー!」と再びトロッコに飛び乗り、オーケストラ隊による演奏をバックに「Astrogation」を扇情的な歌声で歌い上げる。東京ニューシティ管弦楽団による「ボレロ」の演奏を挟み(拍手喝采!)、着物柄の和風ドレスで登場した水樹は更なる熱狂を煽るようにエネルギッシュな 「Orchestral Fantasia」を熱唱。レーザーがあちこちに照射されたかと思ったら、火柱が舞い上がり、激情的な「ETERNAL BLAZE」へ。さらに白い雪が舞い散る中 「Crystal Letter」を熱演──と、目まぐるしく駆け抜ける中、cherry boysのメンバー、アルパ奏者の上松美香が加わり、総勢131人(!)というゴージャスな舞台で「Heart-shaped chat」を披露。溢れる思いを込めるように、歌声をフロアに届けた。演奏が終わったあとの一瞬の静寂。客席から“奈々―!”と響く。その声援を受けて「……みんなに名前を呼ばれるたびに凄く嬉しい気持ちになります」と話し、「次の曲が……ああ、この先言いたくないなぁ……」と寂しげに次の曲がラストであることを告げる。さらに「奈々っていう名前は私の大好きなパパがつけてくれた名前。名前を呼ばれる度に幸せな気持ちになります。これから先もみんなにいっぱい呼んで欲しいです」と語ると、オーディエンスからの “奈々コール”は会場全体にこだまするほど大きくなっていった──。水樹は耐えられなくなったように大粒の涙をこぼしながらも、「……たくさんの言葉に思いを込めて、まっすぐに伝えていきたいと思います。大好きなみんなに大好きな気持ちをいっぱい込めて最後の曲歌いたいと思います!」と精一杯の気持ちを伝え、「深愛」を、その名のごとく深い愛を込めてオーディエンスに送り本編のクライマックスを締めくくった。

 アンコールは、特製Tシャツと小花柄のミニスカート、赤のブーツ姿で登場し、東京ニューシティ管弦楽団、グレイススペシャルコーラス隊、cherry boysと共に、「特別思い入れの強い曲」とパワフルな「SUPER GENERATION」を披露。盛大なシンガロングが響き渡り、ハッピーなヴァイブスでいっぱいになる中、「この幸せな気分がさらに大きくなるお知らせがあります!」と、4/13にニューシングルを2枚同時リリースすることと、2ヶ月半に及ぶ水樹史上最長のツアー「NANA MIZUKI LIVE JOURNEY 2011」が決定したことを合わせて報告!(ファイナルは7月24日(日) 埼玉 さいたまスーパーアリーナ) 「また会おうね」と再会を約束し──「歌が大好きだという気持ちを込めて、最後の曲を歌います! 全身全霊を込めて歌うので、みんな受け止めて下さい!」と万年の思いを込めて 「Sing Forever」を熱唱。〈気がつけば/歌を歌ってた/振り返っても/未来を見ても/私が私らしくあるために/そう、これからも/Joy To Sing/君の心を/そっと癒せますように…〉という、水樹の心情を表したかのようなリリックは、この場にいた全員の胸に突き刺さったのではないだろうか。

 「最高に幸せな時間でした! ありがとう!」と言い残し、東京ニューシティ管弦楽団と共に舞台裏へと戻ったが、止まらない“奈々コール”に応えて、水樹は「戻ってきちゃった!」と一人で登場した。恒例となった“シャッス”コールを交わし、「みんなで何か歌えたら良いなと思うんですけど、どうですか?」と問いかける。ざわつく会場の声を聞いて「……やっぱりあの曲かな?」と頷き、「この曲でみんなと新しい扉をいっぱい開けてきたなって思って…。たぶん一生のうちで一番多く歌う曲になると思います」と「POWER GATE」を全員で大合唱。それはまるで、フルオーケストラライブという新たな挑戦を見事に走りぬいた水樹へのオーディエンスからの“お疲れ様、ありがとう!”という歌のように、そして水樹からオーディエンスへの感謝の気持ちを表した歌のように、美しい賛歌として共鳴した。歌い終え、マイクを通さず、「ありがとうございましたー!」と伝えると、会場からはこの日最大の声援が送られた。

 最後の最後までステージを走り回り、手を振っていた姿は水樹の音楽に対する真摯な姿勢そのものだったように思う。今年は素晴らしいことが起こる予感が、する。

<TEXT:逆井マリ>

>>水樹奈々公式サイト



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