『名探偵コナン』のオープニングテーマ「tear drops」を歌うCaos Caos Caosの白石乃梨さんが語る――「新一くんと蘭ちゃんを思ったら“tear drops”って言葉が浮かびました！」

　アニメ『名探偵コナン』のオープニングテーマ「tear drops」を歌っているのが、白石乃梨をリーダーとするグループCaos Caos Caos。「tear drops」は、2月23日に発売。同楽曲の魅力を白石乃梨さんにうかがった。

●『名探偵コナン』のオープニング映像に白石乃梨が……。

――毎週土曜日の18時になると、『名探偵コナン』のオープニングとして「tear drops」が流れてきます。

白石さん（以下白石）：テーマ曲に起用してくださったのがメチャクチャ嬉しくって、毎週テレビの前に張りついて観ています！！

――オープニング映像には、乃梨さんもアニメーション化されて登場中。

白石：初めて観たときに自分を描いてもらっているとはわからなくて。マネージャーに「私と同じような服の子が踊っていませんか？！」と聞いたら「それ、白石さんですよ」と言われ、ビックリしました！！

――それ、嬉しいサプライズじゃないですか?!

白石：もう、最高のサプライズ！！です。オンエアで初めてオープニング映像を観た夜は、興奮して、なかなか寝つけませんでした（笑）。

●新一くんと蘭ちゃんとのいろんなシーンを思い浮かべながら、tear dropsという言葉と2人の想いをいろいろ繋ぎ合わせ、この歌を作りました。

――『名探偵コナン』テーマ曲として流れている「tear drops」。この歌、アニメの世界観を強く意識していません？！

白石：最初に楽曲を聴いた瞬間、♪tear drops♪という言葉が浮かんだんです。その後、この言葉が頭から離れなくなって。それで「この歌は、“tear drops”という言葉だらけにしよう！」と思ったんですね(笑)。そこから、私が昔から『名探偵コナン』の中で大好きな場面のひとつである、新一くんと蘭ちゃんとのいろんなシーンを思い浮かべながら、“tear drops”という言葉と、2人の姿や想いをいろいろ繋ぎ合わせ、この歌詞を作りました。

――でも、何故に♪tear drops♪だったんですか！？

白石：そうですね。この楽曲の世界観は、元気があふれるようなアッパーなダンス・チューンなんですが、でもメロディーは、とてもメロディアスでスウィートながら、ちょっと切ない感じを持っています。そこから、「涙の持つ繊細さ」「女性が流す涙」というイメージが浮かび上がり、♪tear drops♪という言葉が導き出されんじゃないかなって思います。

――Caos Caos Caosと言えば、ダンスも大きな魅力になっています。乃梨さんも小さい頃からダンスを習っていたのでしょうか?!

白石：はい。母親がダンス教室をやっていたので、3歳からバレエやダンスに触れていました。しかも、祖母は日本舞踊をやっていたので、日本舞踊も習ったり。だから最初は、ダンスに夢中になっていたんですけど。一度、ダンス＆ヴォーカルのオーディションへチャレンジしたことがあるんです。そのときに、「ダンスはイイんだけど、歌は……」と言われて、その言葉がすごく悔しくて。それから必死に歌の勉強も始めたところ……何時しか、歌が大好きになっていました（笑）。

――乃梨さんは以前「小悪魔ageha」などで、モデル“のりりん”としても活動していた経験があると聞きました。

白石：はい。いろんなことへ挑戦したいという好奇心は旺盛なので、モデルをやるチャンスに恵まれたことから、チャレンジ精神でやってみたら……何時しか、撮られることに快感を覚えていました（笑）。

●「“名探偵コナン”の世界へ新しい風を吹かせよう」というお話をしながら、「tear drops」を制作していきました。

――乃梨さんが表現したい音楽スタイル。それを描き出したのが、Caos Caos Caosになるわけですよね。

白石：そうです。以前、白石乃梨としてソロで活動していた時期があったんですけど。その頃は、PVやLIVEなどで作品毎に違うダンサーを迎えていました。
当時から、自分の中では「いつか、同じメンバーとしてずっと一緒に活動していけるダンサーを集めたグループを作れたらいいな」って想いがあって。そんな時、同じくらいの背丈だったり、年齢も近い、最高の布陣だと思える今のメンバー達と出会って、Caos Caos Caosを結成しました。
全員女性なので、『Caos Caos Caos』の“しなやかでスタイリッシュな”、しかも、“ダンスが一体化したときの、女性だからこそ醸し出せる美しさ”といったイメージはもちろんのこと、今作で言うと「tear drops」の持つ雰囲気や描きたかったカタチが、思った通りに表現できたんじゃないかなと思います。

――「tear drops」を歌うCaos Caos Caosは、『名探偵コナン』の世界にも、新しい風を引き込んだ印象を受けました。

白石：『名探偵コナン』を制作されている方々の15周年に懸ける意気込みや思いを伺っていましたので、私たちCaos Caos Caosはもちろん、一緒に制作しているスタッフとも、「これまでの『名探偵コナン』で歌われてきた楽曲たちとはまた異なる面を描くような、『名探偵コナン』の世界へ新しい風を吹かせるような曲を制作しよう」という話をしながら、「tear drops」を制作しました。なので、現在の形へ至るまでにも、いろんな歌い方をしたり、一番ベストな形を求め続けて、今の「tear drops」へたどり着いた感じなんです。

――歌詞も、「アニメの世界を意識して書いた」と言ってましたが。乃梨さんの頭の中には、どんな風景や想いが見えていました？！

白石：蘭ちゃんと新一くんの、もどかしい恋愛模様だったり。そこから、ちょっと切ない、可愛らしい女の子の気持ちになって「今、恋愛している女の子の想い」として「tear drops」の歌詞を書きました。
じつはこの歌詞へ至るまでにも、まずはノートに書き切られないくらいの言葉を書き出して、そこから、“伝えたい言葉たち”を選び出しては、パズルのように組み合わせ、“一つの強い想い”にしていきました。

――完成した歌が、アニメのオープニング映像から流れたときは、かなりの感動だったんじゃない？！

白石：もう、ドッキドキ興奮してました（笑）。ホント、めっちゃ嬉しかった！！

●歌詞に詰め込んだ想いを、まるで歌って伝えるように…ダンスの振りを通して、伝え続けていこうと思っています。

――Caos Caos Caosとは、どんな持ち味を持ったグループなのか。そこも、ぜひ教えてください。

白石：Caos Caos Caosは、歌って踊れるダンス・グループという軸を持っています。でも、バラードだって挑戦していきたいと思っていますし、「tear drops」のように、“元気でアップテンポな楽曲の上で、切ない想いを綴って”ゆくというような一見ギャップがあるようなことも、積極的に演っていこうと思っています。そして、楽曲や歌詞だけではなく、ダンスでも、まるで歌って伝えるのと同じように、歌詞に詰め込んだ想いを振りを通して伝え続けていきたいとも思っています。

――ダンスしてゆく振り自体がメッセージを放っていく。それって、素敵ですね。

白石：「tear drops」でも、♪ずっと忘れられない愛♪と歌うところで、胸の上に両手でハートマークを作ったり。♪あなたの声だけ耳に残っている♪では、耳に手を寄り添えたりなど、歌詞と指や手先、身体の動きも、シンクロさせています。

●「Good-bye Memories」の歌詞はとても“オトナ”。それは映画の世界観に入り込みながら書いたからです。

――C/Wには、1月より順次全国公開となる、映画『不倫純愛』の主題歌「Good-bye Memories」を収録しました。こちらは、グッと“大人の香り”を漂わせる楽曲になりましたね。

白石：「Good-bye Memories」は、情緒的かつ哀愁味を持った、そこはかとビートを感じさせつつも、しっとりとした歌として完成しました。
歌詞も映画の台本や原作の小説を読み、その世界観へ入り込みながら書いたので、とても大人っぽい内容になりました。♪どうか愛して…♪など、普段の私では使わない言葉にも、「Good-bye Memories」では積極的に挑戦しています。

――映画のタイトルも、すごいインパクトですよね。

白石：確かにインパクトが強いですよね（笑）。この曲では、叶わない恋の想いを、いろいろ想像しながら歌詞へ投影しました。結果、チャレンジ作になりました。

●Caos Caos Caosというグループ名は、「混沌や無秩序、予測不能」という意味。「予測不能なことを、音楽を通して表現していけたら」と思っています。

――乃梨さんは、普段からアニメもご覧になってます？？

白石：アニメは大好きですよ。『名探偵コナン』は子どもの頃から毎週のように観ていますし。最近はまったのは『薄桜鬼』。『桜蘭高校ホスト部』も好きでしたね。『名探偵コナン』は、リアルタイムで観ているんですけど、夜更かしが得意ではないので、深夜アニメは録画しておき、あとで一気に観ています。何かお勧めの作品があったら、ぜひ、教えてください！！

――Caos Caos Caosとしての今後の野望。それも、聞かせてください。

白石：Caos Caos Caosというグループ名は、もともとギリシャ語で「混沌や無秩序、予測不能」などという意味をもつ「chaos」という単語を由来に名付けました。そこには「予測不能なことを、音楽を通して表現していけたら…。決して型にはまらず、時代に応じて形を変えていく、そんな音楽を作っていきたい。」という想いをこめています。

――2月6日締め切りで、Caos Caos Caosダンスコンテストも行いました。そのコンテストの最終審査に残った、4組の入賞者も出演するイベント「NEST MOVEMENT 2011」が、2月28日に渋谷O-EASTで開催になります。そこへ、Caos Caos Caosもゲストとして登場！

白石：そのステージが、Caos Caos Caosとしての初お披露目のライブにもなります。そこで、どんなステージングを披露するのか楽しみにしていてください。

――最後に、読者の方へひと言お願いします。

白石：愛情をたっぷり詰め込んだ、想いあふれる1枚が完成しました。ぜひ、楽曲とダンス、そして、『名探偵コナン』のオープニングの映像もリンクさせながら楽しんでいただけたらなと思っています。

＜TEXT：長澤智典＞

『tear drops』／Caos Caos Caos
2011年2月23日（水）発売
価格：1,050円（税込)
品番：GZCA-7160

【収録曲】
1.tear drops
2.Good-bye Memories
3.tear drops -instrumental-

>>Caos Caos Caos Official Web Site