【マチ★アソビ】会社立ち上げ期から今に至る波瀾万丈のエピソードが初めて語られる――“ニトロプラス10年の軌跡”講演会をレポート
徳島を中心としたアニメの祭典“マチ★アソビvol.6”が、2011年5月3日~5日の期間開催中だ。今回は、あわぎんホールで行われた講演会“ニトロプラス10年の軌跡”をレポートする。
同講演会の正式タイトルは“クリエイター発信によるコンテンツ制作”で、デジタルクリエイター養成講座と銘打った本格的な講演会だ。登壇者はニトロプラス社長のでじたろう氏と、副社長のどいよしなお氏。『シュタインズ・ゲート』や『魔法少女まどか☆マギカ』などの注目タイトルに関わるニトロプラスによる講演会とあって、200人定員の会場は超満員、入場できないファンも出る盛況となった。
冒頭ではニトロプラスの手がけた作品やPCゲーム業界の市場、アドベンチャーゲームというジャンルの特性などを紹介。
“ニトロプラス物語~ニトロプラス10年の軌跡~”と題したコーナーでは、『機動戦士ガンダム』や『DAICON FILM』などの、でじたろう氏の創作の原点となった作品から、今のニトロプラスに至るまでの歴史が語られた。
模型店でのでじたろう氏とどい氏の出会い、でじたろう氏が『マクロス』の考察同人誌を作ったのをきっかけにスタジオぬえや、アニメ雑誌編集部に出入りするようになったエピソード、夜逃げ同然にニトロプラスを立ち上げた際にジョイまっくす氏が大活躍したこと、虚淵玄氏の「もう子供向けゲームは作りたくない」との宣言から今につながる路線が始まった…といった様々な逸話が語られていた。
PCゲーム制作に入った後も、「好きな物を作るために昼間は受託の教育ソフト、夕方から作りたいゲーム(『Phantom』)を作っていた」という話や、「『Phantom』はどこの流通やショップにも売れないと言われ、売れなかった……が、翌月からネット口コミで大きく伸びた」「“ニトロプラスといえば虚淵”から脱却するための試みを助けてくれたのが結局、虚淵氏だった」といった波瀾万丈の歴史に、集まった観衆も聞き入っていた。
2時間に渡る講演会は瞬く間に進行。でじたろう氏が目標実現のためのキーワードとして、作品愛、挑戦、心を震わすエンターテイメント、そして周囲との絆を挙げて、講演のまとめとしたのだった。
<取材・文:中里キリ>
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