Kalafina全国ツアーファイナル公演の模様をお届け!

壮麗で幻想的なKalafinaの“魔法(Magia)”は全ての魂を魅了する――「Kalafina LIVE Spring TOUR 2011“Magia”」ファイナル公演をレポート!

 3月下旬からスタートしたKalafinaの全国ツアー「Kalafina LIVE Spring TOUR 2011“Magia”」も、4月15日・NHKホールを舞台にしたコンサートでファイナルを迎えました。その日の模様、さっそくお伝えします。

●Kalafinaの導き出したMagia(魔法)に魅了され…

 舞台上で力強く躍動しながら唄う姿を観た瞬間、耳目と感覚は、3人の描き始めた幻想的な舞台劇を一瞬たりとも逃すまいと、ジーッとステージ上を凝縮していた。いや、「そうしたかった」と言ったほうが正しいだろう。無数の真紅の帯が空に向かって大きく羽ばたいてゆくセットを背景に、大地の咆哮を憑依させた魔女たちのような様相のもと、Kalafinaの3人は『Magia』を唄い出した。

 そのゴシック/シンフォニアな魂と歌声の躍動は、観る者たちの心の垢を削ぎ落とし、無垢な姿へと変えてゆく祈りのようにさえ思えた。

 僕らは、一瞬にしてKalafinaの描き出す「魔法(Magia)」にかかってしまったようだ。いや、もしかしたら、“Kalafinaが魔法を導き出した”のではなく、“Kalafina自身が魔法”だったのかも知れない。

●会場という五線譜の上に描かれた風景――

 会場中を覆った透明な五線譜たち。バンド陣の繰り出す旋律の数々が、透明な五線譜の上に、荘厳/民族的な音のタペストリーを描き始めた。その繊細かつ麗美な音色の付いたサウンドの上へ、3人の美しい歌声が、いくつものハーモニーのグラデーションを投影しながら、さらに幻惑的な物語『serenato』を語りだした。

 闇夜の中で情熱的に踊った、クラシカルなダウナー系オペラナンバー『闇の唄』も、そう。1曲1曲の歌世界が、無数に散りばめられた透明な五線譜の上へ、歌声(&演奏)という明瞭な絵筆を通し、物語を綴れ織ってゆく。そして音符が書き記されるたびに、僕らは一瞬足りともその姿を見逃したくなくなり、どっぷりと、その世界の中へ溺れてしまっていた。これを「音楽の魔法」と言わずして、何と言う。

●内面的な高揚描き出した笑顔のMagia――

「今日は、みなさんに笑顔になって帰ってもらえたらなと思っています」(Hikaru)
「音楽のMagiaを楽しみましょう」(Wakana)

 2人の言葉が、この日のコンサートのすべてを物語っていたと言っても、けっして過言ではない。いやむしろ、その言葉通りのコンサートを、僕らは、この日の3時間弱の“現実の世界からトリップした異世界”の中で、しっかりと味わっていた。

 Kalafinaの音楽やステージは、“多様に絡み合う3人の歌声のタペストリー”を縦軸に。“ニューエイジ&ワールドミュージック/ゴシック&シンフォニック/デジタル&メロディアス”など、横軸を成す音楽的な要素が楽曲という器の中で多種多様に絡み合ってゆくところに、魅力や楽しさがある。

 開放的なダンスビートに身を預けながら、大空へ駆け上がるよう、天空の舞台で軽快にダンス。高揚したリズムの上で、3人の歌声が軽やかに舞い踊った『oblivious』。光の中、美しく歌声を絡ませながら心開放させた『sprinter』。迷い込んだ森の中での物語を綴った『fairytale』や、妖しい月明かりの下、高揚した重曹な歌声導く宴を披露した『red moon』。

 前半から中盤にかけ、Kalafinaの3人は、“内面的な高揚”を描く楽曲たちを中心に、幻想/幻惑的な物語を唄い続けていった。


●感情を昂らせたクワイアーなダンスビートナンバー。

 後半は、身体を一気に震撼させゆく、荒ぶる楽曲たちが次々と舞台上から解き放たれていった。シタールの旋律も妖しい、アラビアンな風景伝えた『テトテトメトテ』を合図に、デジタルなビートの上で、3人の壮麗なクワイアー声がきらびやかな宴を繰り広げた『love come down』。激しくもプログレッシブなデジビートに乗せ、高らかに舞い踊った『pregressive』。昂る感情に抗うことなく。

 いやむしろ、徹底した激しい攻めの姿勢で歌の戦いを挑んだ『音楽』など。このブロックでは、3人の高揚した熱い歌声のハーモニーを存分に楽しめた「クワイアー・ダンスロック」ナンバーが、次々と恍惚の刺激を与え続けていった。

●雪は白く、美しく、心を優しく包み込んで……

 舞台も終盤へ。舞い散り始めた夢の一片一片が、白い光に照らされ、キラキラとした輝きを放っていく。哀愁味をたっぷり備えた切々したピアノの演奏のみを背景に、3人の白い吐息のような歌声が、儚き想いのグラデーションを描き出した。『snow falling』を通した、美しき白い感動。本編最後に演奏。これまでに描いた異世界の物語から、一気に現実の世界へ光が差し込む風景を見せてくれた、『symphonia』を通した、3人の存在へ心が吸い込まれてしまったほどの感動。

●そして、誰もが無垢な白い心のままに――

 アンコールで見せた多彩な表情はもちろん、最後の最後に歌った『光の旋律』を聴いたときには、とても心穏やかに、無垢な子供のような笑顔を浮かべている自分を、誰もが発見していた。いや、そう思いたいくらいの気持ちになっていた。

 Kalafinaの3人の想いによって、「心に光差し込む、嬉しい夢の世界の一員」に、会場へ訪れた人たちの誰もが成れたこの日のコンサート。こんなにも晴れやかな気持ちになったのは、何時以来だろう。笑顔の涙浮かべた姿のまま、会場を後にしたのは、何時ぶりだろう。3人は、この日訪れた人たちの胸の中へ、忘れられない記憶を焼き付けてくれた。ホント「良い日(4/15)」だった。

<TEXT:長澤智典>

>>Kalafina OFFICIAL WEBSITE


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