アクアプラスの『Pure』シリーズ第2弾発売!名曲の数々が今度はジャズアレンジに!!エグゼクティブプロデューサー・下川直哉氏とSuaraさんにインタビュー
『ToHeart』『うたわれるもの』など数々のヒットゲームをリリースしてきたAQUAPLUS/Leafが、2007年11月に発売され大きな話題を呼んだ『Pure-AQUAPLUS LEGEND OF ACOUSTICS-』の第2弾にあたるアルバムを5月25日に発売する。
今回は『Pure2 -Ultimate Cool Japan Jazz-』と題し、「AQUAPLUS/Leaf」作品の名曲を中心に厳選した楽曲をジャズアレンジし、それを一流ジャズミュージシャン達が奏でるという、期待と冒険心に満ち溢れた意欲的なアルバムだ。
なぜ、今ジャズなのか――『Pure2』を作ることに懸けられた思いと制作秘話を、エグゼクティブプロデューサーである下川直哉氏と、前作に引き続きボーカリストとして参加するSuaraさんにお話を伺った。
●『Pure2』その構想と実現まで…
――前作『Pure』から約3年を経て、今回なぜ『Pure2』でジャズアレンジのアルバムを作ろうと考えたのでしょうか?
下川氏:別のレコーディングの現場で今回のサウンドプロデューサーである橋本まさし氏とお会いしたのがきっかけです。もともと生楽器を主体にしたアレンジ曲を収録するというのが『Pure』のコンセプトだったので、ジャズアレンジで『Pure』を作りたいという構想自体は前からあったのですが、橋本さんがプレイヤーを集めてサウンドプロデュースして頂けるなら、相当良いものが作れるのではないかと考えたことがきっかけです。
――Suaraさんはジャズアレンジの『Pure2』に参加することを聞いたとき、どう思いましたか?
Suaraさん:当然これまでジャズというものを歌ったことはなかったので、最初は驚きました(笑)。いつかやれたらいいなあと漠然には思っていたのですが、こんなに早く実現するとは思わなかったので。でもやるからには良いものをと思い、精一杯取り組んでみました。
――収録された曲はどういう基準で選ばれたのでしょうか?
下川氏:AQUAPLUS/Leaf作品から人気曲だけ抜粋すると『Pure』とかぶるので、ジャズアレンジが映えるものという点で20曲程度に絞って、それを橋本さんに送ってアレンジのビジョンが沸くものを選んでもらいました。『Pure』のもう一つのコンセプトである『自分たちの知っている曲を高音質で聞きたい』というのがあったので、残念ながらいい曲でも知名度が低い曲は選びませんでした。逆に『星想夜曲』は大ヒットした『夢想歌』のカップリング曲なので、多くの人が聞いているだろうということで選んでみました。
――「AQUAPLUS/Leaf」作品でないカバー曲が2曲「ガーネット」(奥華子カバー)」と「夢であるように」(DEENカバー)」収録されていますが、これはどういう経緯で選ばれたのでしょうか?
下川氏:単純に自分が聞きたかったからというのもありますが、インストとボーカルもので、最近のものと10年くらい前の曲でそれぞれ探してみたところ、この2曲を選んでみました。
●POPSの心を失わないジャズアレンジを
――ジャズアレンジをする上で意識されたことはありますか?
下川氏:原曲がわからなくなるような崩し過ぎたアレンジは避けたかったので、原曲の持っているメロディや温度感、そういったものは必ず残すようにして頂きたいと伝えました。それと編曲を担当して頂いたShuntaroさん(Pf担当、“和でJAZZでROCKなサウンド”を名に冠したピアノ・トリオ『WaJaRo』のメンバー)がPOPS出身のジャズアーティストの方なので、POPSの心を失わないジャズ仕上げというものが実現出来たと思います。Suaraの歌にしても、日本語なのに違和感なく聞くことが出来るジャズアレンジになってると思います。
――実際のレコーディングは、どういった感じで行われたのでしょうか?
下川氏:昔ながらのアナログなテープでのレコーディング方式を取りまして、生楽器も個別に録音するのではなく、全員揃って同時に録音するというやり方で、ヘッドフォンを付けずに生の音を聞いて演奏をしました。それが独特の緊張感の中にも、プレイヤーの持っている個性を上手く引く出す効果をもたらしたと思います。
Suaraさん:『トモシビ』は完全に歌も同時に録音したものを収録しました。それ以外の曲も(あとで歌は別にレコーディングするにせよ)生楽器の録音時には、毎回同時に歌いましたので、どれもライブな雰囲気のあるものになっていると思います。
●『トモシビ』『キミガタメ』などの人気曲もジャズに!
――Suaraさんはボーカルレコーディングに際して練習とかされましたか?
Suaraさん:まず歌を録音する前に参考になりそうなジャズの曲をCDで聞いて、リズムに慣れるところからスタートしました。その他には今回英語詞の曲(「Tears to Tiara-凱歌-」)も歌っているので、カーペンターズとかの洋楽を聞いて発音の練習をしたりはしましたね。
――『トモシビ』はファン人気も高いライブ定番曲ですが、ジャズならではのフリーテンポによるアレンジが印象的でした、レコーディングしてみていかがでしたか?
Suaraさん:さすがに緊張しました(笑)。これまでアコースティックアレンジで何度かやっていたのですが、出だしはギターと歌だけでギタリストの方と呼吸を合わせて歌う感じで、段々とパートが増えていく中では私が自由に歌うのに合わせて、プレイヤーの皆さんに弾いて頂いた感じです。
――もう一つの代表曲である『キミガタメ』も収録されていますが、こちらについてはいかがでしたか?
Suaraさん:『キミガタメ』は途中で変拍子が入って来たりと、かなりアレンジを変えています。原曲だったり『うたわれるもの』という作品だったりに対するファンの思い入れも強い曲ですし、いかに原曲の温度感を崩さずジャズというアレンジで表現をするか、という意味では今回一番難しかった曲かもしれません。どちらかと言うと自分の持ち曲を歌う方が、レコーディングやライブを通じて歌い回しが固まっていることもあって難しかったです(笑)
●毎回聞きどころが変わる!? 1とは対極にある『Pure2』の魅力
――ボーカルものからインスト曲、そしてカバー曲までいろんな要素があるアルバムですが、聞きどころというと何処になりますでしょうか?
下川氏:毎回聞きどころが変わるというのが魅力ではないでしょうか。ジャズというのは本来定義がないものですし、そしてプレイヤー全員が主役になれる音楽でもあるので、同じ生楽器主体の音楽でもクラシックとは違って、ゆるい雰囲気を楽しめることが魅力であるように思います。大雑把に定義をすると『クラシック=緊張感を楽しむ音楽』だとして、『ジャズ=ゆるい感じを楽しむ音楽』ということだと思うんで、そういう意味では『Pure』1と2では対極にあるような気がします。
――ファンの皆様へメッセージをお願いします。
下川氏:楽曲の良さを十分に活かして、シンプルな楽曲からゴージャスな楽曲まで幅広く取り入れてあります。ありがたいことに前作『Pure』が業界のリファレンスCD(※エンジニアがスタジオでのモニターチェックや音作りに基準として再生するCDのこと)として認知して頂けた部分があるので、今回もSACD(ハイブリッド盤)の仕様ですので、現場そのままの音の良さを楽しんで頂きたいと思います。オーディオセットがなくても、ちょっといいヘッドフォンやイヤフォンがあれば、十分楽しめます。
Suaraさん:ジャズ初心者の私でも十分楽しめるアルバムになりました。これまでのSuaraファンの方でジャズアレンジはちょっと…という方も全く心配することなく、新しいSuaraの歌を聞いて頂きたいです!CDのブックレットにはカバーの原曲を担当されている奥華子さんや元DEENの宇津本さんからのコメントも掲載されていたり、他にもレコーディング風景の写真が入っていたりもしますので、それらも一緒に眺めながらゆったりとした音の雰囲気を楽しんで頂けたら嬉しいです。
昨今、音楽を取り巻く状況は大きく変わりつつある。
デジタル録音技術の進化やDTMの普及により、誰もが容易に作り手になりえる時代において、プレイヤーの息づかいが聞こえるような濃密な空間で、お互いの持っている技術を高め合うように生まれたこの音楽は、まさに時代の対極にあるように思える。
だからこそ全11曲、どれもがゆったりとした雰囲気の中にも、どこか緊迫感があり、聞くものを捉えて離さない魅力がある。それこそが音楽が本来持っていた魔法の力なのではないだろうか。
時代の過渡期である中で生まれた『Pure2 -Ultimate Cool Japan Jazz-』は、ジャズをコンセプトにした原点回帰と呼べるような楽曲ながらも、実に新鮮な魅力に満ちた、新しいアルバムである。
是非この音楽の魅力にあふれた作品に触れてみてほしい。
<TEXT:宮澤雪路>
『Pure2 -Ultimate Cool Japan Jazz-』
2011年5月25日発売 3,000円(税込)
※SACD(ハイブリッド盤)をリリース
発売元:株式会社フィックス 販売元:キングレコード株式会社
『Pure2 -Ultimate Cool Japan Jazz-』発売を記念したイベントの開催が決定!こちらも併せてチェック!
<『Pure LIVE-Legend Of Pure Sound-』>
開催日時:9月27日(火)・28日(水)
(開場18:00 開演19:00(予定))
開催場所:Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
チケット価格:5,800円(税込)※全席指定席/ドリンク代別途500円
チケット販売方法:イープラスにて販売
【チケット販売期間】
先行抽選販売:2011年7月20日(水)12:00 ~ 2011年7月24日(日)18:00
一般販売:2011年8月13日(土)10:00~
【お問合せ】
株式会社フィックス TEL:06-6100-2011(平日11時~18時)
【出演者】
Suara - Vocal
Shuntaro(from WaJaRo) -『Pure2-Ultimate Cool Japan Jazz-』arranger,Piano
Shirane(from WaJaRo) - Drums
竹下欣伸(元クライズラー&カンパニー) - Bass
後藤秀人(元キンモクセイ) - Guitar
下川直哉 - 『Pure2-Ultimate Cool Japan Jazz-』Executive Producer
橋本まさし - 『Pure2-Ultimate Cool Japan Jazz-』Producer & Recording Engineer
他
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