運命の再戦はRO史上に残る大激戦に! “RJC2011”決勝戦をレポート!!
ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、同社が運営するオンラインゲームを中心としたオフラインイベント“ガンホーフェスティバル2011”を、2011年6月4日、東京・ディファ有明で開催した。今回は同イベントのメインとも言える“RJC2011”決勝の模様を中心にレポートする。
●決勝戦は因縁のリベンジマッチ!
“RJC=ラグナロクオンライン・ジャパン・チャンピオンシップ”とは、その名の通りオンラインゲーム『ラグナロクオンライン』の日本最強ギルドを決定するイベント。各ギルドの代表7キャラクターによるチーム戦を行ない、勝ち残った8つのギルドが有明の決勝トーナメントに駒を進めた。
“RJC”では、大会用にあらかじめ用意された高レベルキャラクターから7つの職業を選び、自分でポイントを割り振って対戦用のキャラクターを作成する。
職業の選択や調整は、各試合ごとに変更してもよい。レベルやポイントの条件は全チーム同じなため、職業やポイントをどのように割り振るかの選択、そして対戦の腕・戦術を純粋に競いあう戦いとなる。
今回決勝に駒を進めたのは、対象的な2つのギルド。
“Greensleeves”は、2009年のRJC優勝、昨年インドネシアで行われた世界大会RWC2010で準優勝などキラ星のごとき実績を誇る、まさに最強の座に最も近いであろうチームだ。
決勝トーナメントでも強豪ひしめくブロックを激戦に次ぐ激戦で勝ち上がってきた。
一方の“くまー将軍”は、トップクラスの実力を誇りつつも、全国クラスの大会では優勝チームとぶつかって敗退するジンクスがあるギルド。
今回の決勝トーナメントでは回復の要・ハイプリーストを外したトリッキーな構成などを見せており、相手の機先を制して一方的に叩きのめす疾風迅雷のような勝ち上がりをしてきた。
そんな両ギルドだか、実は2009年のRJC2009予選で対戦している。結果は“Greensleeves”が勝利し、その後日本一の座まで登りつめている。つまり“くまー将軍”にとっては、2年前の雪辱を、最高の舞台で果たすチャンスというわけだ。
●序盤は“Greensleeves”の圧勝に見えたが…?
決勝戦は5本勝負。先に3勝した側が、2011年に日本で一番強いギルドの称号を手に入れる。ステージと会場に緊張感が高まる中、1本目がスタート!
オーソドックスな構成の“Greensleeves”に対し、“くまー将軍”は今まで見せていなかった職業・ジプシーを投入。相手をスタン(麻痺)させるジプシーで虚をつく作戦だ。
ところが、“Greensleeves”はあらかじめVIT(体力)のパラメーターを高めに設定していたのか、このスタン攻撃があまり有効に機能しない。
そして7人のキャラクター全員が完璧に機能しないと、あっという間に天秤が傾くのがギルド戦。1本目は“Greensleeves”が“くまー将軍”のお株を奪うような電撃戦で一方的な勝利を上げた。
勢いは変わらず、2本目も“Greensleeves”の一方的な圧勝。ここまでの2試合で見えてきたのは、“Greensleeves”は「近距離の間合いで遠距離戦をしている」ということ。
決勝戦のステージは遮蔽物のほとんどないただっぴろい設定であり、自然ステージ中央で入り乱れての乱戦・接近戦が多くなる。
ところが“Greensleeves”は、画面いっぱいに入り乱れるような乱戦の中で、職業・アサシンクロスの“ソウルブレイカー”や職業・クリエイターの“アシッドデモンストレーション”などの強力な遠距離攻撃を相手の急所に的確に集中させ、まずは要になるキャラクターを集中撃破。
ギルド戦では一人でも人数バランスが崩れれば途端に不利になるため、あとは一気に押しきれるというわけだ。これはチーム戦の基礎の基礎だが、その基礎を気が遠くなるほどの鍛錬で完璧かつ精密にできるのが王者たるゆえんだ。
このままワンサイドゲームで終わるか…という空気の中始まった3本目。ところがここで、“くまー将軍”が決勝まで辿りついた真価を見せる。
背水の陣で、パラディンで守りながら遠距離攻撃の集中砲火で敵を倒すスタンダードな戦略で来た“くまー将軍”が、初めて“Greensleeves”のパラディンを倒したのだ。だが名勝負はここから始まった。次に“くまー将軍”のパラディンが倒れ、その次には双方のクリエイターが交互に倒れる。
一方的になりがちなギルド戦で、これだけシーソーゲームになるのは、それだけ紙一重の攻防だったということ。
だが常にほんの少し先にキャラを落としていた“Greensleeves”のアサシンクロスが倒れると、ほぼ勝負の流れは決まった。相手の攻撃の要を落とした“くまー将軍”が、今度はじっくりと仕留める番だった。
4本目も、吹っ切れたように“くまー将軍”の勢いがいい。開始直後に怒涛の突進でステージの中央を制圧すると、勢い良く押し込んでいく。
またしても“Greensleeves”の攻めの要・アサシンクロスが倒れ、すぐに勝負は決まるかと思われたのだが…ここで“Greensleeves”のクラウンが、ものすごい勢いで“運命のタロットカード”の連打を開始したのだ。
“運命のタロットカード"の効果はランダムだが、運がよければ戦況を一変させる効果がある。“くまー将軍”側にはギルド戦ではあまり見ない“混乱”の状態異常で右往左往するキャラもおり、戦況は一時膠着化。
最終的には“くまー将軍”が火力の差で押し切ったが、不利になった瞬間に絡め手にシフトして泥試合に持ち込み、逆転を狙う“Greensleeves”のしたたかさが目立つ試合だった。
前半戦からは予想しにくかったフルセットで迎えた5本目。次の試合を取ったギルドが、日本一の称号を手に入れる。
始まった5本目は、どちらに栄冠をもたらすかを誰かが決めかねているように、序盤はお互いの猛攻をしのぎ切る立ち上がり。ところがここで、“Greensleeves”が奇妙な動きを見せる。
乱戦の中、攻撃の要の一人であるクリエイターをするするっと突出させたのだ。先ほどまではパラディンが前に出てがっちりと守る陣形だったにも関わらずだ。
これがどの程度故意だったのかはわからないが、相手の要が「どうぞお食べなさい」とばかりに差し出されたら、そしてその時“くまー将軍”の狙いがクリエイターでなければ、“くまー将軍”側には一瞬でも迷いや、やりにくさが生まれるであろうことは想像に難くない。
数瞬の駆け引きと攻防の後、スクリーンに最初に映しだされたの脱落キャラを示す文字は、「[くまー将軍][アサシンクロス]戦闘不能」だった……。
ここからは、“Greensleeves”の横綱相撲。RJC2011の頂点、最強ギルドの称号は、またしても“Greensleeves”にもたらされた。
RJC史上に残る大熱戦となった決勝戦を制した“Greensleeves”は、「つらい戦いだったけど、嬉しいです」とコメント。そして敗れた側である“くまー将軍”の「感無量です」というコメントが、決勝の熱さを何よりも象徴していた。
…というわけで“Greensleeves”の勝利に終わったRJC2011だが、決勝前のカンファレンスでは、まだ開発中の極秘情報として、忍者の上位職・影狼(男)、朧(女)の存在とデザイン画が公開され、大きなどよめきで迎えられたりもしていた。
『ラグナロクオンライン』本編以外にも、ネットのブラウザ上で遊ぶシミュレーションRPG『ラグナロクオンライン ギルドマスターズ』なども始動するとのことなので、そちらにも要注目だ。
<取材・文:中里キリ>
>>『ラグナロクオンライン』公式サイト