メタル界のヒーローたちが“アニメ”と“メタル”を融合――来日したアニメタルUSAにインタビュー 「僕らの“スーパーパワー”で最高のサウンドを聴かせるよ」
「アニメソング」と「メタル」の鮮烈な融合で社会現象にまでなった伝説のバンド、「アニメタル」。彼らに衝撃を受けたメタル界のスーパースターたちが、新たなアニソン・カバーバンド「アニメタルUSA」を結成!『宇宙戦艦ヤマト』や『残酷な天使のテーゼ』、『マジンガー・メドレー』といった超有名楽曲を壮大なスケールでカバーした最強カバー・アルバム『アニメタルUSA』をリリースした。
そして今回アニメイトTVでは、待望の来日を果たしたアニメタルUSAにインタビューを実施!メンバー全員が華麗なキャリアを持つ彼らにとっての"アニソン"とは?!その真相に迫った。
――10月12日に開催された「"アニメタルUSA"世界デビュー・マッチ~60分1本勝負~」のステージはいかがでしたか?
Mike Vescera(Vo./以下Mike):ステージは小さかったけれど(笑)、とても楽しかったよ!
Chris Impellitteri(Guiter./以下Chris):僕達はスーパーヒーローだから、もっとスペースが必要なんだ(笑)。でも、すべてのエネルギーを凝縮してパフォーマンスしたよ!
――『マジンガー・メドレー』での、水木一郎さんとの共演も素晴らしかったです。
Mike:伝説的なアニソンシンガーとステージを共にすることができて、とても光栄だった。今回カバーするにあたって彼の楽曲を何度も聴いてきたから、本当に嬉しかったよ。
Chris:それに彼は、アニメタルUSAの大ファンだと言ってくれた。こんなに嬉しいことはないね!
――とてもエキサイティングなステージでした。ではアルバムについても伺っていきたいのですが、まず、カバーにあたってこのラインナップを選んだ理由をお教えいただけますか?
Mike:トラックリストについては、他にも候補は色々とあったんだよ。その中からいかにアニメタルUSAのカラーを出していけるか、という部分を何度もスタッフと話し合いを重ねて絞り込んで、最終的にこのラインナップになったんだ。
――では最初に原曲を聴いたときに、特に印象に残った曲などありましたか?
Chris,Rudy: 「ペガサス幻想」!!!
Mike:僕は「宇宙戦艦ヤマト」だね。本当に強烈な印象だった。実写映画も見たんだけど、森雪役の女優さん(黒木メイサさん)がスゴく可愛かった(笑)。
――ちなみに、今回カバーした楽曲のアニメ以外で、好きな日本のアニメなどありますか?
Rudy:SFモノが大好きだから、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』や『AKIRA』だね!ゲームだったら『Final Fantasy』シリーズの大ファンだよ。
――アルバム『アニメタルUSA』中で、一番の聴きどころを挙げるとすればどこでしょうか。
Mike:それはもちろん、1曲目の音が出た瞬間から、11曲目の曲が終わるまでだよ(笑)。
Chris:オリジナルに忠実でありながらも、自分達の個性をきちんと前に出して行きたかったんだ。だからヴォーカルやギターリフ、ベースラインなどすべてにおいてこだわっているし、僕達ならではの楽曲になっている。元々ある原曲から、そのもう一歩先にあるものを目指したんだ。
――「カバー」という意識ではなく、「新しいものを作る」という意識で臨まれたのでしょうか?
Rudy Sarzo(Bass./以下Rudy):ファンの中には、「カバーソングなんて簡単じゃないか」って言う人もいる。でもカバーソングって、実はすごく難しいんだよ。僕達はみんなキャリアが長いから、その難しさもよくわかっている。というのも、オリジナルの楽曲にはたくさんのメッセージが詰め込まれているだろう?そのメッセージを尊重しながらも、自分達の中でその意味合いをうまく消化していかなくちゃいけないのって、大変な作業なんだ。
――アレンジャーにはマーティ・フリードマンが参加していますが、彼とはどんなやり取りを?
Chris:確かに彼が(「魔訶不思議アドベンチャー!」を除く全曲の)ベーシック・アレンジを担当してデモを作ってくれたんだけど彼のソロのレコーディングと僕らのレコーディングのスケジュールが合わず、一緒にスタジオに入っていたわけじゃないんだ。彼がアレンジしたものに自分達でアレンジを加えていったんだ。例えば「愛をとりもどせ!!」には、元々あったアレンジにプラスアルファとして僕がアルペジオのギターリフを入れた。すごくダークで、悪魔とモーツァルトの音色が戦っているイメージで弾いたんだ。「行けタイガーマスク」は、スローな部分は、皆で話し合って内容を決めていった。「宇宙戦艦ヤマト」はマーティが送ってくれたアレンジメントにわりと忠実なんだけど、そこにクラシカルなピアノの音色を足したんだ。そして「ペガサス幻想」もミドルパートでかなりイーヴルな展開になるんだけど、これも僕達のアイディアだよ。
――「アニソン」と「メタル」の融合に難しさを感じる部分はありましたか?
Chris:僕達の"スーパーパワー"があれば、何の問題もなかったよ(笑)!「魔訶不思議アドベンチャー!」といったすごくポップでキャッチーな楽曲もあったけれど、曲の中にある意味を解釈し、アニメタルUSAバージョンとして再構築していくのはとても楽しい作業だった。
――日本のバンド、アニメタルも「メタル」と「アニメ」の鮮烈な融合を聴かせていますが、彼らの楽曲を聴いてみていかがでしたか?
Chris:彼らのパフォーマンスを見て刺激を受け、このバンドを組んだくらいだから、とても素晴らしいバンドだと思っているよ。ただ、アニメタルとアニメタルUSAとでは、音楽的なアプローチが全く違うんだ。僕達のバンドでは彼らよりもダークな楽曲が多いし、何より"スーパーパワー"があるからね(笑)!
――リード・トラックである『宇宙戦艦ヤマト』は、ミュージックビデオも製作されています。
Rudy:あのビデオの製作には、僕も関わっているんだよ。(※Rudyは3Dアニメーターとしても活躍している)アニメタルUSAは音楽だけじゃなく、ビジュアル面もこだわりぬいているバンドなんだ。次のビデオクリップも4人でアイディアを出し合って、最高のものを作っていきたいと思っているよ。
――次のミュージックビデオのコンセプトも出来上がっているんですか?
Mike:実はまだなんだ。これから考えていくんだけど、すごく楽しみだよ!
――では最後に、アニメタルUSAとしての今後の目標を教えていただけますか?
Mike:ワールド・ツアー!!
Rudy:メタルとアニメ、その力を世界中に届けて行きたいね!
(取材・文 杉山 玲菜)
アニメタルUSA 公式サイト