『夏目友人帳 肆』EDテーマ歌う、河野マリナさんインタビュー

2ndシングルに込めた想い。河野マリナさんインタビュー

「ANIMAX第4回全日本アニソングランプリ」優勝後、Aチャンネルのオープニング・テーマ「Morning Arch」(2011.05.25)で華々しいデビューを飾った若きシンガー・河野マリナさんの2ndシングルがリリースされる。

新曲「たからもの」は前作同様ヒットメイカー神前暁氏(MONACA)のもと制作された、人気テレビアニメ『夏目友人帳』の第四期シリーズ『夏目友人帳 肆(し)』のエンディング・テーマ。ポップでキュートな印象のデビュー曲とは対照的なバラードとなっているが、どんな気持ちで今回の曲に挑んだのかを訊いてみると、意外(?)な答えとともに音楽に対するまっすぐな姿勢を感じさせる言葉が返ってきた──。

河野マリナさん

河野マリナさん

●「枠に捉われないアーティストになりたい。大きい目標だとは思うんですけど、夢はおっきいほうがいいかなって(笑)」

──今日は新曲の話を中心にお伺いしたいのですが、まずはデビューから約1年を迎えた今の河野さんの今の心境を教えてください。

河野マリナさん(以下、河野):去年はプロデューサー、スタッフ、ファンの方々のアドバイスを取り入れていくことにとにかく必死だったのであまり余裕がなかったんですが、今年は自分のカラーをしっかりと確立していきたいなって思っています。ブログにも書いたんですけど、去年は河野マリナの船の舵をプロデューサーさんやファンのかたが操作してくれてたと思うんです。でも、今年は私が舵を取っていきたいなって。

──舵を取るのにも才能がいるわけで、河野さんだからこそみんな舵を取ってくれたんだと思いますよ。今 「自分のカラーをしっかりと確立していきたい」とおっしゃっていましたが、具体的にどんなアーティスト像をイメージされているんでしょう。

河野:枠に捉われないアーティストになりたいなって。アニソンってひとことで言ってもロックからポップまで色々なジャンルの歌があって、私自身クラシック、ポップ、ロック……高校、大学でバンドをやっていた経験もあるので、本当にいろいろなジャンルの歌が好きなんです。だから引き出しはたくさんある自信があるので、色々なジャンルを歌える一本筋の通った歌手になりたいっていうか……大きい目標だとは思うんですけど、夢はおっきいほうがいいかなって(笑)。


「 “これが私のバラードです”って胸を張って言いきれるモノをつくりたかった」

──「たからもの」を聴いたときはどんな印象を受けましたか?

河野:イントロから『夏目友人帳』のイメージとリンクしていることが印象的でした。バラードってサビで広がるイメージだったんですけど、「たからもの」の場合はサビの前に一拍休符が入るんですね。呼吸するような“間”がワンテンポ入っていることで、安心感を与えられるようなメロディーになっているというか……そういうところが心に残りました。聴いて下さる方々が気持ちを入れられる隙間になっているんじゃないかなって。

──バラードってその「隙間」が大切ですもんね。その隙間でいかに聴き手に何かを感じさせられるかというか。でも、そこが難しいところだと思うんですが……。

河野:実は私バラードが得意なんです(笑)。「Morning Arch」って元気で女の子らしくて明るくて……って曲ですけど、私にとってはそういうポップな曲が新境地で、今回の「たからもの」のようなしっかりと呼吸する曲のほうが慣れているんです。ただ自信がある分、「これが私のバラードです」って胸を張って言いきれるモノを作りたくて……絶対に、100パーセント納得のいく歌い方をしたかったんですよね。だから、「頑張らなきゃ」っていうプレッシャーもありました。しかも、私自身大好きなアニメのエンディング・テーマということもあって、より気持ちが入りましたね。

──それだけ『夏目友人帳』には強い思い入れがあったんですね。

河野:ハイ。デビュー前から『夏目友人帳』が好きだったんです。また、「全日本アニソングランプリ」の先輩である第一回優勝者・喜多修平さんが主題歌を歌ってらっしゃったこともあって、憧れも強くて……だから、今回お話をいただけたときは本当に嬉しかったです。「頑張らなきゃ」っていうプレッシャーすら“気持ちいい”って感じられるくらい(笑)。

──頼もしい(笑)。そんな『夏目友人帳』の魅力ってどんなところだと思いますか?

河野:作品全体の空気感・世界観がすごく好きなんです。『夏目友人帳』の中に書いてある名前が「存在」に繋がってる、喜多修平さんの「一斉の声」って曲の歌詞に〈声の限り君を呼ぶよ/迷わないように〉っていう一節があるんですけど、それを感じさせるストーリーが『夏目友人帳』にはあるというか……。一言ではうまく言えないんですけど、温かいストーリーの裏に「自分とは一体何か」という存在意義を感じさせられる深さが好きですね。

──では、今回の曲に関してもその温かさや深さを表現したいっていう気持ちがありましたか?

河野:ハイ。それは凄く意識しました。歌詞の中には別れを感じさせるフレーズや胸が痛くなるような言葉がありますが──「その気持ちを素直に感じている自分」と「その気持ちを素直に感じている自分を、包み込んでいる自分」っていう二人が私の中にいて、レコーディングでは後者の立場から歌うことを意識したんですよ。そうすると自然と温かさが出ることに気付いたんです。

──確かに、切なさはあるんですけどそれを上回る温かさがある曲ですよね。特に、中盤の切ない歌詞を締めくくる〈受け取った愛を/未来に変えながら〉っていうフレーズが力強くて。前向きで良い言葉ですよね。

河野:そうですね。いま、私の中にふたりの自分がいたっていう話をしましたが──私自身、「別れ」というか仲の良い友達と違う道に歩む時期だったこともあって歌詞に感情移入してしすぎてしまって、どちらかというと「その気持ちを素直に感じている自分」のほうが強かったんです。だから仮歌録りのときはすっごく暗くて、色々なひとに「暗いよ」、「もっとあったかく!」って言われてしまって(苦笑)。

 分かってない歌を分かってる風に歌って「ギリギリオッケー」みたいなのは絶対イヤだから、何度も何度も歌詞を読み直したんですけど、あの一節を読んで「受け取った愛を未来に変えなきゃだめだよ! だから頑張って!」って(作詞の)こだまさおりさんに背中を押された気分になって。「ああ、この言葉がある限り一生孤独が自分に訪れないんだな」って分かって、前向きな気持ちになれたんです。ただそれでもレコーディング当日まで不安があったんですが、当日レコーディングブースに入った瞬間に自然と掴めたんです。さっき言った「その気持ちを感じている自分を包み込んでいる自分」を。それで温かく歌うことができました。

──そんな紆余曲折を経て完成した「たからもの」を実際にエンディングを見たときの気持ちはいかがでした?

河野:レコーディングのときもある程度映像をイメージしながら歌ってたんですけど、実際にエンディングを見たら「たからもの」が元々持っている「人の気持ちを引き付ける磁力」が増したなって。グッと吸い込まれちゃうような感じっていうか……そういう魅力がある曲になったので、ぜひいろいろな人に聴いてもらいたいなって思いました。聴いてくださる方々の感じ方によってまた新しいモノが生まれると思うので。

──その通りですね。では、最後に河野さんの今後の目標を教えてください。

河野:今後はライヴをたくさんやっていきたいです。魂のこもった歌を歌って、その場でみなさんと想いを共有できたら嬉しいですね。



◆たからもの/河野マリナ
発売日:2012年2月22日
価格:
初回生産限定盤(CD+DVD) 1575円(税込)
通常盤(CD) 1260円( 税込)


[インタビュー&文・逆井マリ]


>>河野マリナ Kawano Marina official site


<b>たからもの/河野マリナ</b><br>発売日:2012年2月22日<br>価格:<br>初回生産限定盤(CD+DVD) 1575円(税込) <br> 通常盤(CD) 1260円( 税込) <br> ※通常盤ジャケット

たからもの/河野マリナ
発売日:2012年2月22日
価格:
初回生産限定盤(CD+DVD) 1575円(税込)
通常盤(CD) 1260円( 税込)
※通常盤ジャケット

「たからもの」アニメ盤ジャケット

「たからもの」アニメ盤ジャケット

(C)緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
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