怒りに燃える男の復讐劇『アスラズ ラース』のプレイレビュー
カプコンが2012年2月23日にプレイステーション3、Xbox 360で発売したアクションゲーム『アスラズ ラース』。かつて、ゴーマと呼ばれる怪物から人々を守るために結成された、八神将のひとり主人公アスラ。だが、八神将の筆頭デウスの策謀によって妻を殺され、娘もさらわれてしまい、アスラ自身も殺されてしまうのだった。それから1万2千年後。アスラは記憶を失い、満身創痍ながらも、死して消えることのない怒りに導かれ復活、同胞たちへの復讐を誓うのだった……というのが、序盤のストーリーだ。
■ 男汁全開の熱血&バンカラ展開でまさに全編がクライマックス!
本作のテーマは「怒」。キャラクターのセリフやアスラの行動にもそれがよく現れており、キャラクターに感情移入して敵を倒したいのにセリフが入り、イライラしてしまうことがあったりする。だが『アスラズ ラース』では、画面の左上に「○○○○を黙らせる」というコマンドが表示されていた。試しに押してみるとアスラが敵を殴り、セリフがカットされて戦闘に突入。とりあえず、ご託はいいから殴らせろと言うアスラの気持ちが伝わって来てすっきりした気分が味わえる。
ゲームの序盤は戦闘が1回、2回ぐらいしかなく、ムービーシーンが続く異色なゲームだが、キャラクターの感情が生き生きと現れており、主要キャラクターには安元洋貴さん、大塚周夫さん、釘宮理恵さんなどの豪華声優陣が担当している。とくに安元洋貴さんが演じるアスラと、石塚運昇さん演じる師匠・オーガスの関係は、必見! 戦うことで言葉を交わしあうという「漢(おとこ)」の関係は、胸を熱くしてくれる。また、世界を救うようなものがキャラクターが多い中で、「世界の話は聞き飽きた!!」と言いながら敵を倒す主人公・アスラの「バンカラ」っぷりもなかなか豪快で骨身に染みいる豪快さがある。
■ プレイ後に感じる「たぎるような体温」は、本作に詰まった「熱意」の伝播だ!
本作はアクションボタンを押すだけでコンボやスペシャルゲージが発動するお手軽なアクションゲームの要素と、敵をロックオンして打ち落とすシューティングゲームの2種類要素が用意されている。そして、敵にダメージを与えることで蓄積される「バーストゲージ」を使って、いかなる状況をも打破できる「バースト攻撃」が発動可能だ。ここまでは従来の、敵を倒すアクションゲームと大差ないと思うかもしれない。だが、本作で見てもらいところは主人公アスラの躍動感ある動きだ。アクションの特別演技監督を『NARUTO-ナルト- THE CROSS ROADS』や『マクロスプラス』などで有名な板野一郎氏が担当しており、豪快なアクションで敵を圧倒し、「バースト攻撃」では相手の懐に飛び込み攻撃を繰り出す姿は、本作の題材である「怒」を最大に象徴していると言っても過言ではないだろう。
『アスラズ ラース』は体の芯からたぎるように熱くなる、異色のアクションゲームに仕上がっている。体がボロボロになっても復讐のために戦い続ける主人公の姿に、思わず感情移入してしまうのは著者だけでないはず。アクションは簡単で、ストーリーは濃厚な『アスラズ ラース』。ゲームが好きな人だけではなく、アニメが好きな人にもオススメしたい作品である。
【製品概要】
<『ASRA'S WRATH』>
ジャンル:体験型連続活劇アクション
対応ハード:プレイステーション3 / Xbox 360
発売元:カプコン
発売日:発売中
価格:6,990円(税込)
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