テレビアニメ『あっちこっち』の超癒し系な雰囲気とは? 大久保瑠美さんや岡本信彦さんなど、メインを飾る豪華声優陣にインタビュー
●人気ほのぼの系4コマ漫画『あっちこっち』がテレビアニメ化でニヨニヨが止まらない!?
2012年2月27日(月)、都内某所にあるスタジオにて、2012年4月よりTBSほかで放送開始予定のテレビアニメ『あっちこっち』のアフレコが行われた。『あっちこっち』は、『まんがタイムきらら』にて連載されている4コマ漫画で、ツンネコ女子高生の「御庭つみき」と、いつもマイペースな高校生「音無伊御」の恋愛を描いた物語だ。
今回は、本作のヒロインを演じる大久保瑠美さん(御庭つみき役)、主人公を演じる岡本信彦さん(音無伊御役)のほか、ふたりを取り巻く賑やかな学友として登場する福原香織さん(春野姫役)、生天目仁美さん(片瀬真宵役)、浅沼晋太郎さん(戌井榊役)の5人に、作品の見所やアフレコ現場の雰囲気を伺ってきた。現場の和気藹々としたエピソードだけでなく、オープニングやエンディングテーマの緊張感漂うレコーディングの様子や、タイアップラジオ番組を収録した感想など、『あっちこっち』の気になるところを隅から隅までお届けします!
●アフレコ現場にも癒しがたっぷり♪ 5人のほのぼのトークで、アニメより一足先にあっちもこっちも和んじゃおう!
――まず、それぞれが演じられているキャラクターのご紹介をお願いいたします。
大久保瑠美さん(以下、大久保):つみきは無口であまり感情を表に出さない子なんです。でも、伊御くんのことが好きで、興奮すると猫になる不思議なキャラクターです。その辺りが、凄くいじらしくて可愛いと思っています。ネコミミが生えるので「人間じゃないんじゃないか」という疑惑もあがっておりますが人間です(笑)。
岡本信彦さん(以下、岡本):「おとなしいお」という名前だったのでとてもおとなしい子だと思っていましたが、つみきの気持ちを知ってか知らずか、けっこうプレイボーイな発言をすることが多いです。彼の性格はまだまだ底が計り知れないところがあるのですが、天然でカッコイイ台詞をサラッと言えたりするところが、男の僕から見ても「この人、ちょっと何か持ってるな」という印象を受けました。
福原香織さん(以下、福原):姫は凄く可愛くて純粋なんですけど、喋っている途中に転んで顔面をぶつけてしまうような「天然ドジっ娘」代表の女の子です。常識はきちんとある子なので、誰かに迷惑をかけるわけではないんだけれども、自分で自爆しちゃうタイプです。あと、つみきと伊御がイチャイチャしているのを見て興奮してしまい、なにかと鼻血を出すんですよね。私自身、鼻血キャラは初めてなので、気持ち的な意味で私も鉄分補給をしないといけないなと思っています。
生天目仁美さん(以下、生天目):真宵は口調に特徴があるキャラクターで、よく語尾に「じゃよ」を使うんです。彼女は少し変わっていて、彼女の中の普通はほかの人と少しズレているのですが、役を演じる時は私の中でもそれが普通だと思って演じています。監督には「とにかく好きにしていい」と言われたので、それが見ている人の目に面白く映ればいいなという気持ちで演じております。
浅沼晋太郎さん(以下、浅沼):僕はこの5人の中で1番普通だと思っています。つみきは怪力女、伊御は天然ジゴロ、姫はよく鼻血を出すし、真宵はもう1番人間じゃない。そんな強烈な個性の中で、僕のキャラクターが埋もれてしまわないように気をつけながら、巻き込まれていこうと思っております。
――ここまでアフレコを終えて、作品の見所や面白かったエピソードを伺えますか?
大久保:つみきは恋する女の子なので、原作を読んだ時からバレンタインデーの話をしたいなと思っていたんです。でも、時期がまったく違ったので「これはもうできないのかな」と諦めていたのですが時期外れのバレンタインデーの話があったので、とても嬉しかったです。
岡本:作品全体として癒される雰囲気を持っている作品です。心の中や実際に声に出してツッコミながら、ゆっくりと見ていただければいいかなと思います。どの話数がというよりかは、全体を楽しんで見ていただければ嬉しいです。
福原:物語を通して大事件が起こる作品ではないので、まったり楽しんで見ていただければいいかなと。あと、姫役としては「こんなに出る!?」というほど鼻血の回数が尋常じゃないので、ぜひ1話から数えていただければ嬉しいです。
生天目:全体的なお話になるんですけど、つみきちゃんと伊御くんが凄い勢いでイチャイチャしているのを見ていてとても微笑ましいです。決していやらしさではなく、「あぁ可愛いね」、「ふふっ」とこっちが微笑んでしまうようなイチャつき方なので、見ているだけでこちらまで楽しくなってきてしまいます。あと、真宵に関しては、全然関係のないところでいろんなことをやっていて、台詞じゃない物語の裏の部分でも頑張っているのでそこも見てあげてください。
浅沼:特に大きな出来事が起こらない、まったりとしているところが魅力ですかね。あと、伊御とつみきをほかの3人がからかうみたいなところが、ふたりを応援してるようでもあり、からかっているのにまったく嫌な感じがしないんです。伊御に「ヒューヒュー」言ってるのに、特に怒られないし。僕、この中では世代が上の方なんですけど、そういう光景を微笑ましく見ているというか、賑やかしに徹しながらもふたりを見守っています。なので、みなさんも「こういう恋愛したいな」とふたりの立場になってみたり、もしくはふたりをからかっているグループの目線になって見てみたら楽しいのではないでしょうか。
――3話まで収録を終えて、アフレコ現場の雰囲気はいかがですか?
浅沼:忙しいイメージがありますね。キャラクター数はそれほど多くないのに、マイクが足りない感じがします。
岡本:ガヤでチラッと入ったりっていうのもあって、マイクワークが大変です。
浅沼:そんなに大変じゃないはずなのに凄く大変なんです。やっぱりそれって、喋っていないキャラクターたちが裏でいろいろとリアクションを取っているからなんだろうなと思います。
岡本:どうしてもそれぐらい賑やかな感じになりますよね。あとは、ほかの方々の「食」が見えたり。
浅沼:誰とは言わないけど、このアニメが終わる頃には嫌いな食べ物を克服してください。
福原:ん?
浅沼:もうバレたじゃない(笑)。大久保さんと福原さんは、水が飲めないんですよ。大久保さんは克服しましたけど。
大久保:克服しました。
岡本:水がダメってなかなか聞いたことがないですよね。生きるために必要なものですからね。
生天目:だって人間の体は70%ぐらいが水分なんだよ?
浅沼:本当に何でできてるんだろうみたいな感じになってくるんですよね。
福原:スポーツドリンクですね(笑)。確かに食の話はよくみんなでしてますね。
浅沼:あとは、登場するキャラクターがそれぞれ人間か人間じゃないかでディベートしてます。
大久保:このキャラクターのどの部分が人間じゃないかっていうのをみんなで喋ってます。
岡本:男の子は比較的普通なんですよね。女の子の方が、わりと妖怪の血が混ざってるのかなっていう(笑)。
福原:真宵には目があるのか、とか。
生天目:あるよ(笑)。
岡本:ほかにも、普通にネコミミ生えたりしますしね。
生天目:楽しい現場ですよ。
――『あっちこっち』のキャラクターの中で、自分はこのキャラクターに似てるかなというキャラクターっていますか?
浅沼:僕はツッコミでちょっとイジられるっていう具合から、西原京谷というキャラが1番近いです。高校生の時、自分も「ワーッ」と騒いで楽しんでたので最初は榊って言おうと思ったんですけど、どうやら榊はモテるらしいという情報を聞いて、じゃあ違うかなと。
岡本:僕は、美容院に行くのが遅れたりすると、その時は髪型が真宵みたいになっています。
生天目:私は、榊のお姉さんのみいこ姉かな。
大久保:優しい大人のお姉さん的な?
生天目:雰囲気的なところで。
福原:私は髪型は姫ですかね。内面的には私も凄く変な人なので、あえて選ぶなら真宵に近いのかなという感じですね。
大久保:私はモテるモテないっていうことを別にしたら、榊が1番近いかなと思います。私生活だと結構騒いだりしているので、どちらかというと榊みたいなタイプです。
――今回、オープニングは5人で歌っておられますが、レコーディングの時のお話をお伺いしてもよろしいでしょうか?
大久保:実は、私だけオープニングの収録をしたのがこの作品のアフレコをする前だったんです。オーディション受けたのも少し前だったので、わざわざ監督さんに足を運んでいただいて「こうかな?」と迷いながらのレコーディングでした。でも、とても元気な曲なので、つみきのキャラクターに寄るというよりかは、歌を楽しもうと思って歌いました。
岡本:第1話の収録が終わった後だったので、伊御のキャラクターは分かっていたんですけど、分かってしまったが故にハモリの部分になると声が高くなってどうしてもキャラが変わってしまうということがありました。でも、そこはつみきも一緒に歌うパートだったので大丈夫かなと。あと、1番難しかったのは「だ」の連続です。「だだだだっだっだっ♪」と「だだだだだだっだ♪」という箇所があるんですけど、そこが1番リテイクしましたね。収録中に心がポキポキと折れていました。でも、曲がとっても楽しい曲だったうえ、男でオープニング曲を歌えることがなかなかないので、そういうところは嬉しかったですね。
福原:私は、つみきと伊御ほど歌わないのでレコーディング自体はサクッと終わったんですけど、真宵と榊くんの3人で合いの手を入れることが多くて。アフレコを終えたあとだったので「なんとなく姫ってこういう子かな」っていうのは分かったうえでレコーディングができたので、自分なりの姫で歌えた気がします。
生天目:賑やかしだったのでレコーディング自体は1時間ぐらいだったんですけど、「だ」があんなに難しいとは思わなかったです。自分がいくつ「だ」を言ったかも分からなくなっちゃって。ひとりずつレコーディングしたので、みんな自分のところしか知らないと思うんですけど、出来上がった曲を聴いてみると「あ、こんなに賑やかで可愛い感じだったんだ」と嬉しくなりましたので、ぜひみなさんにも楽しんで聴いてもらいたいなと思います。
浅沼:「だ」に関しては大丈夫だったんですど、さっきも言ったように、榊は5人の中で1番普通なんですよ。なので、台詞の部分が難しかったです。例えば、伊御くんだったらジゴロな台詞があったり、姫だったら鼻血とか「はわ~」があって、真宵には「じゃよ」っていう口癖があるんです。榊はツッコミの台詞が多いんですけど、ボケなしでツッコミって成立しないじゃないですか。いきなり「食いたくねえよ!」と言われても「何を?」っていう感じで疑問が出てしまって。パッと思いついたのは「おはー」ぐらいでした。そこを選ぶのが大変で1番時間がかかった気がします。なので、どんな台詞が使われているかを探しながら聴いてみるのも楽しいんじゃないでしょうか。
――エンディングは大久保さんがソロで担当されておりますが、そちらの感想もいただけますでしょうか?
大久保:エンディングテーマは、第1話の収録が終わってから録ったんです。凄くしっとりしていて、つみきの想っていることを表した感じの曲なので、つみきのキャラクターで歌いました。そうしたら音程が上手く取れなくて……。収録の時もそうなんですけど、つみきってがっつり喋らないので、レコーディングの時はそれほど声を張らなかったんですよ。そのまま歌うと「もっと上げて」とか「落として」と言われた時に、「うっ……」と詰まってしまって、自分でもどこの高さを歌っているのか分からなくなってしまったことがありました。アフレコしてキャラクターがこんな感じかなと分かった後だったのに凄く難しかったです。でも、その分つみきの愛らしい気持ちが出てるんじゃないかと思いますので、そういうところを気にかけながらオープニングと比較して聴いてもらえると嬉しいです。
――ラジオ番組『大久保瑠美・福原香織のあっちこっちステーション』をふたりで担当されていますが、収録の感想を聞かせていただけますでしょうか?
大久保:「ツンデレ」とか「ニヨニヨ」をテーマにしているラジオで、シチェーションを決めてツンデレのお芝居をしようみたいなコーナーがあります。
福原:『スジナシ』みたいな感じで、テーマをザックリとだけもらってあとはアドリブで演技するみたいな。
大久保:結構、無茶振りが多いラジオになっています。
福原:最初はツンツンしてるんだけど、SEが入った瞬間デレに切り替えなきゃいけないとかね。
大久保:SEが入るまでは、ずっと「何よ」みたいな感じなんですけど、鳴った瞬間「もう仕方ないわねぇ」みたいな。
浅沼:それは、つみきで演じているわけではなくて?
大久保:そこは普通に大久保としてやっています。
岡本:そういう番組をやってるなら、ぜひゲストで行ってみたいですよね。
大久保・福原:ぜひ、来てください!
――最後に、視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。
浅沼:ほのぼのとしたくなくても、見るとほのぼのしちゃうアニメだと思っています。リアルタイムで見ながら録画していただいて、ちょっと疲れたなっていう時に再生していただければ、このアニメを非常に有効活用できるんじゃないかなと思います。これからキャラクターも増えていくと思いますので、ぜひ応援してください。
生天目:男の子だけとか女の子だけのグループでほんわかした作品って多いと思うんですよ。そういう中で、男女混合でほんわかしたお話っていうのは珍しいんじゃないかなと思っております。あと、絵がめちゃめちゃ可愛いので、色使いとかも楽しんで癒されていただければ嬉しいなと思います。
福原:『あっちこっち』は原作もあるんですけど、原作ファンの方にもアニメで楽しんでいただけるんじゃないかと思っています。原作は4コマなのに、アニメでミックスして繋げたところがあるので、どの話が1話に入ってるのかなとか、そういう風に楽しみながら見ていただきたいです。ご飯を食べたり、お茶を飲みながら気楽に見ていただけたら嬉しいです。
岡本:内容によってはバイオレンスな時もあるんですけど、とっても平和な作品です。血は出るんですけど、何故か平和なんですよね。このギャップ、平和とバイオレンスを両立しているこの雰囲気は個人的にもとても好きなので、みなさんにも同じように感じてもらいたいと思います。
大久保:『あっちこっち』という作品は、思わず「ニヤニヤ」ではなく「ニヨニヨ」してしまうところがたくさんあります。見ている人が凄く微笑ましいなと思ったり、恋を応援したいなと思ったり、本当に人間なのかを模索したりと、いろんな面で楽しめる作品になっていると思います。オープニングのほか、エンディングをソロで歌わせていただくのは初めてなので、私も凄く気合いが入っております。ぜひ、みなさんに楽しんで見ていただければ嬉しいです。
[文・マスカルポーネ山岡]