年の瀬を華麗に彩る巴里の花! 『サクラ大戦 巴里花組ライブ2012 レビュウ・モン・パリ』!!
発売16周年を迎えた『サクラ大戦』の2012年は、8月の紐育ライブ、11月の奏組初舞台と近年屈指の盛り上がりを見せたが、その締めくくりとして年末恒例の巴里花組公演が帰ってきた。それも、定番だったクリスマスディナーショウ形式ではなく、巴里花組初の本格歌謡ショウ。しかも脚本は広井王子氏による全編書き下ろしである。
広井氏はサクラの舞台では、都市が持つ時代の空気感を描くことをテーマとしているが、今回も1920年代の芸術家が集まったパリの雰囲気、いわゆる“エコール・ド・パリ”をそのまま巴里の時代背景として差し込んでいる。ピカソやモディリアーニ、レオナルド・フジタら錚々たる芸術家たちが入り浸るモンパルナスのカフェで、巴里花組も日常的に午後のひとときを過ごしている。この、舞台上に作品世界の生活感まで再現してみせる手法こそ、広井節の真骨頂といえよう。
巴里花組メンバーも、キャラクターの内面深くまで存分に演じられる歌謡ショウは念願だったようで、各自が隠し持つ苦悩を突かれることでチームの結束が脅かされていく今回の事件を熱演している。久しぶりに数多くの新曲がお目見えする点も見逃せない。ゲストとしてサクラの舞台に初参加した高橋広樹、野中藍の両名も、シゾー役の高木渉との絶妙な絡みなどを見るに、今後再びの共演にも大いに期待したい。
出演は、日髙のり子(エリカ・フォンティーヌ役)、島津冴子(グリシーヌ・ブルーメール役)、小桜エツコ(コクリコ役)、井上喜久子(ロベリア・カルリーニ役)、鷹森淑乃(北大路花火)。小島幸子(メル・レゾン役)、かないみか(シー・カプリス役)。陶山章央(大神一郎役)、Velo武田。
ゲストは、高木渉(シゾー役)、高橋広樹(フィルブラン役)、野中藍(レーヌ役)。この公演を収録した完全受注生産DVD(2枚組)が、2013年3月28日にセガより発売。
シャノワールの華やかなレビュウ「モン・パリ」に沸き、芸術と自由と恋に溢れる巴里のクリスマス。怪人シゾーは今や人間社会にすっかり溶け込み、仕立て職人として自分の店も構え、繁盛するほどになっていた。だが、人々の浮かれる様を見ながらひとり仕事に忙殺されるうち、恨みや妬みの感情が膨らみ、ついにはシゾーの心の“孤独”から生まれたフィルブランと、“寂しさ”から生まれたレーヌという2つの“魔”の化身を生み出してしまう。そして魔に「シャノワールを潰せ!」とそそのかされ、シゾーの心は再び悪に染められていく。
そしてフィルブランとレーヌは、巴里花組メンバーの心にも忍び込み、奥底に潜む闇を増幅させる。花火には、貴族階級の彼女と貧困層生まれのコクリコとの間に真の友情など生まれないと吹き込む。ロベリアには、暗黒街を震え上がらせた悪党が今や飼い慣らされたブタのようだと嘲る。グリシーヌには、貴族の誇りも忘れて踊り子の真似事に精を出す現状を憐れむ。言われたくない言葉を突きつけられた彼女たちは、巴里花組を辞めると言い出してしまう。
魔の手はコクリコにも及び、その心が闇に捉われかけたその時、エリカがひょっこり現れる。そして場の空気を読まず、人の話を聞かないエリカが、レーヌが作った深刻な雰囲気をブチ壊し、コクリコを正気に戻す。今や場は完全にエリカのペースとなり、心を操ろうとするフィルブランはエリカの何も考えていない底抜けの明るさの前に敗北、退散せざるを得なくなる。
しかしグリシーヌ、ロベリア、花火の心は闇に捉われたままで、巴里花組崩壊の危機に陥ってしまう。エリカとコクリコの言葉では説得できないと悟ったエリカは、3人をキネマトロン通信室へ連れて行くのだった。3D映像で現れた大神一郎を前に、巴里花組メンバーは何を想うのか……。
<セットリスト>
ACT-1
花の巴里
孤独と軽蔑と黒い熱情
心の傘は
192455631
エロイカ/英雄伝説
魔法のように
黄昏のストレンジャー
恋のequation(エクエスチョン)
君よ花よ
ACT-2
シャノワール
聖歌312番「いつくしみ深き」
シゾーのテーマ
夢追い人
愛の灯をセーヌにともせ
いっしょに歩こう
ラグタイムショウ
我がこころのベルエポック
鎖と薔薇と希望のジュテーム
デッサンブル ミラボー橋
明日のわたしに花束を
御旗のもとに
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