『DD北斗の拳』は、新旧ケンシロウが集まる一子相伝の現場!? 製作発表会のキャストコメントをレポート!
世紀末を舞台にしたあの名作マンガ『北斗の拳』が、まさかのギャグアニメ『DD北斗の拳』としてテレビ東京系列にて、アニメ化スタート。
本作は、原作の漫画を担当されていた原哲夫先生の公認でもあり、また原先生自身がスーパーバイザーで、参加される異色作ともいえる内容。
ケンシロウ役に立花慎之介さん、ユリア役に堀江由衣さんと豪華声優陣が参加。また、初代ケンシロウ役を熱演された神谷明さんも、ケンシロウの師匠であるリュウケン役として登場。新旧のケンシロウが同じ作品に揃うのも今作の見どころのひとつ。
今回は、そんな『DD北斗の拳』の先日行われた発表会の中から、原哲夫先生、大地丙太郎監督、立花慎之介さん、関智ーさん、一条和矢さんのステージコメント部分を紹介。『DD北斗の拳』の魅力をしっかりと確認を!
■ 『DD北斗の拳』の声優陣は、想像以上のキャスティング!
――原作者、監督、キャストを交えまして『DD北斗の拳』に関するエピソードをおうかがいして参ります。始めに原先生におうかがいします。原作『北斗の拳』はギャグのイメージは一般的にあまりないと思うのですが、実は原作連載当初からギャグコメディを描きたかったとおうかがいしました。実際にデフォルメされたキャラクター達を見て、いかがでしょうか?ご感想をお聞かせください。
原:『北斗の拳』を描いている時もリアルな動きの中に、少しコミカルな動きを含めて描いていたと思うんです。そのため、ギャグアニメをやるということが、僕にとっては全然違和感がない感じですね。ギャグを実現するまでに結構時間がかかって、やっとここまでこぎつけられたというのもあります。『DD北斗の拳』は、大地監督という素晴らしい監督にも出会えまして、本編以上に弾けた作品になって来ていると思いますので、楽しみにしています。
――続いて大地監督におうかがいします。『DD北斗の拳』の制作の話があった時のご感想をお聞かせください。
大地:僕も原先生とは、ほぼ同世代なので赤塚不二夫先生のギャグ漫画で、結構ずっぽりと生きて来たため、ギャグの世界観の中で『北斗の拳』をやれるとのは、本当に光栄です。また、今のアニメで、ギャグをできる現場があまりないので、そういった面からも本当に嬉しかったですね。
――嬉しさの半分、少しプレッシャーも感じるような?
大地:プレッシャーはものすごいです(笑)。それは、あまり言わないように。
――実際に制作するにあたって、大地監督が演出で気をつけられた点など御座いましたらお聞かせ頂けますか?
大地:僕は原先生から最初にお話があったんですけど、ひとつは『北斗の拳』の原作を知っている濃いファンの方々にも喜ばれて、さらに『北斗の拳』を知らない人でも楽しめるものを目指しています。あとは、「子供が観ても楽しめるものを」とも言われています。まずは、この部分を製作のベースにして始めています。
――声優の皆さまにもおうかがいしたいのですが、まず初めに大地監督からキャスティングのポイントなど御座いましたらお聞かせ願えますか?
大地:そうですね。今までにアニメも何度か映像化されているので、ケンシロウもラオウも何人かやられているのですが、やっぱり最初のアニメのイメージは大きいと思うんです。ただ、今回はギャグなので、また『北斗の拳』とは違うキャラクターになっているとも思っているので、絵コンテを書きながら声を想像し、イメージに一番近い声の人を探しているうちに、今回のキャストの方々になりました。
――実際にやってみて、そのイメージ通りでしたか?
大地:イメージ以上です。ははは(笑)
■ 立花慎之介さんは「アタタタタ」を一ヵ月かけて練習していた!
――実際にキャラクターを演じられての印象やご感想をお願い致します。立花さんからお願い致します。
立花:そうですね。もう本当に僕が子どもの頃に観ていた『北斗の拳』に参加させて頂いているだけでもすごく嬉しいんですけど、その中でもケンシロウという役をいただけた段階で、まさか僕が声優としてケンシロウをやれるということは夢にも思っていませんでした。
自分の声質的は中域くらいですが、ケンシロウはそれよりも低いイメージがすごくあって、「ケンシロウをやる機会はないな」と思っていた時に、今回のお話をいただけたので、これはひとつチャレンジしなくてはいけないことだなと思っています。そのチャレンジが最終的には、ひとつの作品として楽しめるようになればいいなと今思っています。いまは、大地監督のキャスティングを信じて、やっていきたいなと思っています。
現場には先代のケンシロウ役の神谷明さんもいらっしゃいますので、初代ケンシロウを取り入れつつ立花慎之介のケンシロウを出して行きたいと思っていますね。
――続きまして、関さんはどんな感想をお持ちですか?
関:はい。僕のことはさることながら立花さんのケンシロウは、本当にぴったりです。もともとやっておられた神谷さんの方からも「非の打ちどころがない」と絶賛しているくらいなので、本当に素晴らしいんですよ。「アタタタタ」がめっちゃ早いんですよ。
一同:(笑)
立花:練習した時に「遅い」って言われたんで、そこは一ヵ月かけて練習しました。
関:北斗神拳を体得してますから、立花さんは。
関:自分の役であるトキは、原作とかだと体を病んでいる設定なんですけど、『DD北斗の拳』では病弱であることを武器に上手に世渡りをしているこすっからいヤツみたな設定になっているんです。ちょっと立場が悪くなると、すぐ「エホエホッ(咳払い)」って咳き込んで調子の悪いふりをして、ひどくなると吐血するっていうキャラクターになっています。いつもで好きな時に吐血できるっていう、そういうギャグになっております。
その吐血の次のバリエーションをいかに見つけ出すかを、関と咳の「セキ」繋がりで、ちょっと頑張ろうと思っています。
――続きまして一条さんはいかがでしょうか?
一条:ラオウの役を頂いただけでもう、やったーという感じなんですが、僕はもう原先生が描かれていた『北斗の拳』を全巻読んでいるファンなんです。この『DD北斗の拳』のラオウの役を頂いた時には、心底「やったー!」という感じで光栄であるとともに、イメージを崩したくはないんだけど、いい方向に崩したいなとも考えながらラオウをやらせて頂いております。
■ 『DD北斗の拳』は新旧ケンシロウによる一子相伝の場所!?
――現場の様子を声優の皆さんにおうかがいしてまいります。一条さんは現場の雰囲気はいかがでしたでしょうか?
一条:現場の収録、もう何本か終えているわけなんですけど、バカですよ~(笑)。何なんだ、この現場はというか。もう腹がよじれるほど面白い現場だと思います。一番面白いのが神谷明さんですね。
立花:神谷さんが出番の少ない回とかでも、必ずスタジオの中で我々が演じているのを見ていてくれて、一番笑って頂いているんです。神谷さんに包まれている感じですね。
一条:そうなんですよ。一番最初は神谷明さんが現場にいらっしゃったら、ピンと張り詰めた空気になるのかなと思ったら、全く真逆で。「毎週毎週楽しみに来ているんだよね」と仰っていただいてます。
――神谷さんがムードメーカーだったんですね。
一同:そうですね、そうですね。
関:びっくりするでしょ? 初代ケンシロウが笑ってくれるのが何より嬉しいわけですからね。
――聞くところによると、笑ってもう一度音を録りなおさなくてはいけないということがあったそうですね。
大地:アフレコでは、まずテストがあって、ラストテストがあって、本番に行くんですけど全部録音を回すんですね。で、わりと最初にやったやつが面白かったりするんですよ。「一番最初のテストのやつがいいね~」ってことで確認すると、「神谷さんの笑い声が入ってます」で、使えないってことがありましたね。
一条:テストの時は本当に皆、もう笑ってるから。
関:でも、本番でも結構こらえてるでしょ?
立花:だって、みんな本番で芝居変えてくるんですもん。関さんめっちゃ変えてますよ。
一同:(笑)
――関さんは本番で変えられるんですか?
関:別に、いたずら心ではないんですけど、テストよりもこっちの方がいいなってひらめいた時にはちょっと変えますね。
一条:一番ずるい役なんですよ。こっちが、頑張って頑張って「うお~!」ってやっても「エホン、エホンッ」で全部持って行っちゃうんですもん。「何だ今の咳(笑)」みたいな。
関:それは原先生と大地監督のキャラクター造形のたまものなので。
あと、『DD北斗の拳』が、すごく仲が良いのを感じられるのは、普通の収録だとアフレコが終わった後は普通に「お疲れ様でした」って三々五々で散らばって行くんですけど、『DD北斗の拳』は毎回収録が終わるたびに拍手が起こるんですよね。
――拍手が?
一条:毎回、今日が最終回みたいな感覚ですね。
関:拍手の中で終わって行くという。
一条:良かったね、良かったね~って拍手は、よくするんですけど、そういう感じじゃないよね。よく頑張った俺たち、みたいな(笑)。
――自分で自分を褒めるような。
関:笑ながらやってるんだけど結構カロリー使ってるよね。それが半パート終わるたびに、「この話終わった」って一個ずつ潰して行く感じ。やり切った感はすごいよね。
一条:収録の時に印象深かったのが、神谷明さんが現場にいらしゃった時なんですけど、立花君が「アター」とか「アチョー」とかやられていたセリフがあるんですけど、その時に神谷さんが「そこは違うんだよ、そこはもうちょっと、トーンを上げているんだよ」っていうふうにケンシロウの演技指導をされているんですよ。
立花:1話だったんですが、台本上はジャンプシーンでセリフは「アト―」って書いてあったので、台本のイメージで僕はやってたんですけど、神谷さんが「ケンシロウの場合、そこはアト―じゃなくて、ホーって上がるふうに跳ぶんだよ」って、実際にやっていただいたんです。役の上での神谷さんはケンシロウの師匠役ですし、もう一子相伝ですね本当に。
《キャスト》
ケンシロウ:立花慎之介
ラオウ:一条和矢
トキ:関智一
リュウケン:神谷明
ユリア:堀江由衣
バット:森嶋秀太
リン:M・A・O
シン:置鮎龍太郎
ナレーター:ショッカーO野
《あらすじ》
199X 年世紀末、地球は戦争も自然破壊もなく、実に平和に包まれていた。
舞台はとぉっ~ても平和ボケの日本。『世紀末の救世主』となってみんなから羨望の眼差しをうけるはずだったケンシロウは、完全にあてがはずれ、疼く指先1つが逆に災いをおこしてしまって仕事もみつからない。
「今日より明日なんじゃ・・・」否!「明日より今日なんだ―――!!!」
都会という砂漠の中で、人々を助けるどころか、その日暮らしが精一杯。
そんな中、ケンシロウを救ったのはなんとJK(女子高校生)リン!リンに連れられコンビニエンスストアに入ってビックリ!そこにはケンシロウと同じく平和な世の中に全く順応できていない兄のラオウとトキがいて・・・おまけに大学生のバットも登場!
街のコンビニを舞台に世間知らずの北斗の兄弟たちが織り成すはっちゃめちゃ北斗神拳コメディ開演ほわたぁっ!
《スタッフ》
原作「北斗の拳」(原作:武論尊漫画:原哲夫)
スーパーバイザー:原哲夫
監督:大地丙太郎
アイデア:大地丙太郎、春日森春木、まんきゅう
キャラクターデザイン:関根昌之
美術設定:中村隆、根本洋行
色彩設定:中島淑子
撮影監督:山本耕平、三口達也
編集:三嶋章紀
音楽:安部純、武藤星児
アニメーション制作:亜細亜堂
《放送局・放送時間》
テレビ東京 毎週火曜 深夜1時40分から 4月2日放送スタート
テレビ大阪 毎週金曜 深夜2時10分から 4月5日放送スタート
テレビ愛知 毎週水曜 深夜2時35分から 4月3日放送スタート
《主題歌》
「シフトと時給と、ついでに愛をとりもどせ!!」
2013年5月22日発売/1260円
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