『名探偵コナン』のエンディングテーマに大抜擢！　スリーピースバンド・Chicago Poodleにインタビューを敢行！

　約17年以上放送され続け、国民的アニメのひとつとなっている『名探偵コナン』。このエンディングテーマが、8月10日放送分より一新！　関西を中心に活動するスリーピースバンドChicago Poodle（シカゴプードル）の楽曲『君の笑顔がなによりも好きだった』にバトンタッチされました。

　ピアノの音色が紡ぎだす切ないメロディが注目を集め、「ピアノ名曲工房バンド」との異名もとるChicago Poodle。そんな彼らに、今回インタビューを敢行！　8月28日(水)に発売される両A面シングル『タカラモノ / 君の笑顔がなによりも好きだった』について、そして『名探偵コナン』について、お話を伺ってきました。

●わずか1ヵ月で再生数42万回超！　『タカラモノ』は結婚観をドラマチックに描いた楽曲

――まず、今回発売されるシングルの『タカラモノ』から。この曲は、4月発売の3rdアルバム『3.0』からのシングルカットだそうですね。

花沢耕太さん(ボーカル、ピアノ／以下、花沢)：この曲は、そもそも「メガネのタナカ」さんから「100周年記念楽曲を作って欲しい」とオファーをいただいたところからはじまってるんですよ。歌詞は「“家族”をテーマにしたい」っていう意向を汲み取って、山口が書いてます。

――『タカラモノ』の作詞は、山口さんが担当されているんですね。

山口教仁さん(ドラムス／以下、山口)：そうなんです。“家族”をどう表現しようかと考えたとき、念頭にあったのが「等身大のメッセージがいいな」っていうことで。僕ら3人と同じ30代の男性が思う“家族”って何やろなというところから考えていきました。そうしたら、世代的にいちばんしっくり来たのが結婚だったんです。

　とはいえ、聴いてくださる人の幅を狭めたくはなかったので、歌詞上の物語の“スパン”を長くするようにしました。付き合いはじめて、結婚して……と、過去現在未来を描くというか。そうすると、年配のご夫婦は当時を懐かしむ事ができたり、付き合いたての若いカップルは未来に憧れることが出来たり、どんな人にもきっと何か考えてもらえると思って。

花沢：メロディは、前々から作っていたものなんですけど、作っている段階では「展開のよめないバラードにしよう」と思ってたんです。なのでこの曲って比較的メロディの種類が多いんですよ。具体的にいうと、AメロBメロサビ、Dメロ2サビ、EメロFメロときて最後に大サビがくるっていう。なかなか複雑な感じ。

山口：そういうメロディ展開だったからこそ、歌詞も過去現在未来と大きく捉えて、ドラマチックに描けたのかもしれないですね。



――そしてこの曲のMVが制作されて。YouTubeの再生数が1カ月で42万回を突破するほど大反響を呼びましたよね。それを受けて、当のご本人たちはどうでした？

辻本健司さん(ベース／以下、辻本)：素直に驚きましたし、嬉しかったです。僕たちの名前も知らなかったような人が観てくれて、コメントしてくれてるのを見て、こんなの初めてだなー！　YouTubeってすごいなー！って(笑)。楽曲制作は毎回、全曲力作、一曲入魂っていう意気込みで作ってますけども、なかでも『タカラモノ』は“力”を持った曲なのかなって思いました。だからこそ、シングルカットもされたんだろうし。もっともっと広めて行くべきなんだろうなと。

花沢：それにMVのストーリー自体、全く予想してなかった展開だったんですよ。詞の世界とは全く違ったんで。



――確かに。歌詞自体はハッピーなイメージが強いですが、MVは悲しさが色濃く描かれていますよね。「涙腺崩壊した」というYouTubeのコメントも印象的でした。

花沢：そう。だから「まさか歌詞をそう捉えるか！」と驚いたんです。ただ、それが『タカラモノ』という曲を多くの人が知ってくれるキッカケになったので良かったなと思いますね。今回、また新たに「Wedding篇」と題したMVを制作しまして。こっちはすごくハッピーなMVになっているんです。そこで前回のMVと対比になって、『タカラモノ』の世界が広がるんじゃないかなと思うと、また楽しみです。

●コナンの新ED『君の笑顔がなによりも好きだった』は新一と蘭の関係をイメージ

――では次に、『君の笑顔がなによりも好きだった』についての話も。こちらが今回『名探偵コナン』のエンディングテーマとなった曲ですが、どういった経緯で制作を？

花沢：プロデューサーから名探偵コナンのエンディングテーマのお話をいただいて、プレゼンさせていただきました。作曲は僕が担当してるんですが、歴代のコナンの曲って和テイストなメロディが合うなと思ってたんですよ、僕的に。なので、いわゆるヨナ抜き調の和メロを意識してますね。

山口：あと、オンエアされるのが夏の終わりから秋にかけてという事もあったので、日本特有のこの時期の“切なさ”を歌詞で表現できればいいなと。楽しい時が終わっていく物悲しさというか……。なのでこの頭のサビの部分に＜君の笑顔がなによりも好きだった＞っていうフレーズをまずのっけて。そこから広げて行く感じで歌詞を書いていきました。辻本との共作なんですけど、お互いにフレーズを持ち寄って組み立てていく感じで。

辻本：花沢に実際に歌ってもらって「やっぱいいな！」とか、「やっぱ違うかな？」っていうので試行錯誤を繰り返していきつつ、より良いフレーズを見つけ出していきました。で、そうしているうちにテーマが固まっていったんだよな？　切なさを恋愛で表現してみたらどうかとか……。

――なるほど。実際に聴くと、曲の世界観が自然と“恋愛”に置き換えられたんです。新一目線のイメージが湧いてきたというか。

山口：ああ、それは嬉しいですね。確かに、「伝えたくても伝えられない」っていう歌詞の大テーマもそうですし、歌詞のフレーズではとくに＜君に出会えたこのキセキ信じていたい＞とか＜運命なんて信じない＞っていうあたりで、新一と蘭の関係を意識してます。

――とすると、この曲を作る上で『名探偵コナン』を相当観返したんでしょうね。

山口：うーん、もちろん観たりもしましたけど、というよりは『名探偵コナン』という作品そのものをすごく考えた、と言う方が正しいかもしれないです。ストーリーの表部分だけじゃなくて「実はこんなに切ない部分もあるんだ」っていう裏テーマまで掘り下げてじっくり。

辻本：コナンって、子供向けアニメかと思いきや、「正体を言いたくても言えない」「近くにいるのに遠くにいる」みたいな、すれ違いの切なさをすごく盛り込んでいる作品なんですよ。子どもはそんなところを考えて観てないかもしれないけど、青山(剛昌)先生はそういうところもちゃんと考えて描いている。それが、幅広い世代に支持されてるヒケツなんだろうなって思うんですけど。



――だからこそ、切ない面が押し出された楽曲になったんですね。ともあれ、こうして『名探偵コナン』のエンディングテーマとなるわけですが、今の心境はどうですか？

山口：いやあもう……光栄ですよね。一曲一曲ちゃんと記憶に残ってるコナンのテーマソングのなかに、自分たちが加われるっていうのが。

辻本：僕なんて『少年サンデー』を20年近く買い続けて毎週読んでるんで、リアルタイムなんですよ。だから本当に感動的。僕の親戚の子供も、幼稚園で「今度、コナンでケンちゃんの曲が流れる」って言ってくれてるらしくて。……あ、ケンちゃんって僕のことなんですけど(笑)。「幼稚園の子たちに僕のこと言ってもわかれへんやろ」って思いつつも、嬉しいなーって。

――確かに、今の子供たちはもちろんですけど、みなさんも世代的には幼い頃から触れてる作品なんですよね。

花沢：そうですね。コナン君が謎解きをするっていうのが、昔からすごい楽しかったです。劇中のサントラも駆り立てるものがあって、音楽的にもすごいなあって思いますし。あ、あと最近のものですけど、コナン君がルパン三世とコラボしたストーリー(『ルパン三世VS名探偵コナン』。2009年にスペシャル番組として放送)。あれもお互いのキャラがちゃんと際立ってて、ものすごい世界観だなって引きこまれたな。

辻本：ああ！　あれ、今度は映画化するんだよね？

花沢：そうそう！　だからそれも……また、僕らに(テーマソング)やらせてくれないかな？(笑)　プレゼンさせてもらおうかな？

(一同爆笑)

――本採用されるかもしれないですもんね！　で、MVでもコラボして。

花沢：そうなったら最高ですよね!!

山口：そうそう、前回の劇場版(『名探偵コナン 絶海の探偵』)で、斉藤和義さんがテーマソングを担当してたじゃないですか。そのシングルジャケットで、斉藤和義さんがアニメ化されて描かれてたんですよ。あれちょっと……僕らのバージョンも……。

(また一同爆笑)

山口：僕ら3人がコナンのタッチで描かれたらどうなるか、ちょっと観てみたいんですよね。どう似せてくれるのかなって。

花沢：とかいいつつ、今回のシングルのジャケットもすごいんですよ。前回のアルバム(『3.0』)のジャケットと同じアングルで、コナン君たちを描いてくれてるんです。

辻本：これは震えましたね……！

花沢：僕らの世界観を汲み取って、表現してくれてるのが嬉しかったですね。

――店頭に並んだら、また壮観でしょうね！　……と、みなさんのコナン愛がわかったところで。最後に改めて、今回のシングルについておひとりずつお伺いできれば。

花沢：そうですね……。このシングルは、Chicago Poodle的に勝負の1枚になってると思うんです。本当にいい曲が出来たと思ってますので、コナンで知ってくれた方も『タカラモノ』で知ってくれた方も、これをキッカケに過去の曲も聴いてもらえたらなあと思います。僕ら曲数はかなりありますし。それに、このシングルを引っさげて全国でインストアライブとかしていきたいと思ってますので、ぜひ生でも聴いてみてください。

山口：コナン好きの方は、コナンバージョンのシングルを手にとってくださる方が多いと思うんですけど(本シングルは、初回限定盤、通常盤、名探偵コナン盤の3バージョン)、『君の笑顔がなによりも好きだった』はもちろん、『タカラモノ』という僕らが自信を持って収録した曲も入ってるので、ぜひ両方聴いてもらいたいです。この2曲は対照的な楽曲なので「お、Chicago Poodleってこんな一面もあるんだ」ってきっと思っていただけるはずなので。

辻本：そうですね。「Chicago Poodleってこんなバンドなんだ」っていうのが、この1枚でわかっていただけると思うので。ぜひ、手にとってもらいたいですね。で、このシングルをキッカケに僕らをより知ってもらいたいと思います。よろしくお願いします！

――ありがとうございました！

◆『タカラモノ/ 君の笑顔がなによりも好きだった』／Chicago Poodle
発売日：2013年8月28日(水)

タイアップ
■「君の笑顔がなによりも好きだった」
読売テレビ・日本テレビ系全国ネット 土曜よる6:00放送
「名探偵コナン」エンディングテーマ

■「タカラモノ」
メガネのタナカ創業100周年イメージソング

【初回限定盤(CD＋DVD) 1,680円(税込)】
1. タカラモノ
2. 君の笑顔がなによりも好きだった
3. タカラモノ -Voiceless Ver.-
4. 君の笑顔がなによりも好きだった -Voiceless Ver.-

[特典DVD]
1. 「タカラモノ」 Music Clip (Wedding 篇)
2. 「タカラモノ」 Music Clip ( 家族愛篇)
3. 「君の笑顔がなによりも好きだった」Music Clip

【通常盤(CD) 1,050円(税込)】
1. タカラモノ
2. 君の笑顔がなによりも好きだった
3. タカラモノ -Piano Arrange Ver.-
4. タカラモノ -Voiceless Ver.-
5. 君の笑顔がなによりも好きだった -Voiceless Ver.-

【名探偵コナン盤(CD) 1,200円(税込)】※初回限定生産
1. 君の笑顔がなによりも好きだった
2. タカラモノ
3. 君の笑顔がなによりも好きだった -TV SIZE Ver.-
4. 君の笑顔がなによりも好きだった -Voiceless Ver.-
5. タカラモノ -Voiceless Ver.-

★『名探偵コナン』描き下ろしオリジナルジャケット仕様
★『名探偵コナン』オリジナルステッカー封入

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