声優
『ノブナガ・ザ・フール』先行上映会~愛よ、世界を破壊せよ~レポ

河森正治、佐藤英一両氏から明かされる制作秘話は必聴!! 「『ノブナガ・ザ・フール』先行上映会 ~愛よ、世界を破壊せよ~」レポート

 2014年1月5日(日)より順次放送スタートのテレビアニメ『ノブナガ・ザ・フール』が、2013年12月26日(木)に先行上映イベントを開催した。会場となったのは、新宿ミラノ1。日本最大級の規模をほこる映画館だ。スクリーンも非常に大きく、迫力たっぷりの映像を鑑賞できる。大スケールで描かれる本作にはうってつけの会場とも言えるだろう。

 そんな場に、1000人超もの観客が詰めかけ、イベントがいよいよスタートする。

【出演者】
宮野真守さん(オダ・ノブナガ役)
日笠陽子さん(ジャンヌ・カグヤ・ダルク役)
櫻井孝宏さん(アケチ・ミツヒデ役)
梶 裕貴さん(トヨトミ・ヒデヨシ役)
杉田智和さん(レオナルド・ダ・ヴィンチ役)
茅原実里さん(イチヒメ役)

河森正治氏
佐藤英一氏

●第一話上映前にキャスト3名が登壇。ひとまずトークへ……

 オープニングとして本作のPVが流れると、早速、本編の先行上映へ。この日は、第一話と第二話の計二本が、キャストトークをはさみながら上映された。

 まずは第一話上映前に、宮野真守さん、日笠陽子さん、杉田智和さんの3名が登壇し、キャストトークからスタート。「歴史上の有名な武将たちが、ロボットに乗って合戦をするという斬新な作品です」と、観客に向けて本作の世界観をあらためて説明したほか、自身が演じるキャラクターについても語ってくれた。

 とくに宮野さんは同月8日に行われた先行上映会でもしきりに口にしていた「(ノブナガを演じられて)楽しい」という言葉を、この日も嬉々として告げていた。基本は史実に沿いつつも、相対する面も見られる“本作ならではのオダ・ノブナガ”を演じることに夢中な様子だ。

 また日笠さんと杉田さんも、史実と本作キャラを比較しながらコメント。日笠さんは、ジャンヌについて「(史実では)常に戦っている人なので、女性というよりは男性寄りなイメージが強かった」と言うが、本作ではそこまで男性的に描かれてはいないそう。そのため、初回のアフレコでは「『もっと可愛らしく! もっと可愛らしく!!』って指摘されながら演じました(笑)」と明かした。

 さらに杉田さんは「(戦うイメージのない)ダ・ヴィンチがどう絡んでいくのか一番想像がつかなかった」と第一印象を語ったあと、「僕、世界史じゃなくて日本史とってたから」、「僕の中のレオナルドランキング1位は『ミュータント タートルズ』だから」と告げ、会場に爆笑を起こしていた。

 こうして、観客の期待値をグッと高めると、早速第一話上映へとうつっていく……。

●ノブナガと深い間柄の3人が登場! 第二話上映前キャストトーク

 拍手のなか第一話の上映が終わると、第二話上映前に再びキャストトーク。お次は、櫻井孝宏さん、梶 裕貴さん、茅原実里さんが登壇する。

 「まず、絵が綺麗!」(梶さん)、「ミツヒデ(CV.櫻井さん)がいい声ですねえ〜。聞き惚れてしまいましたね」(櫻井さん)など、場内を沸かせながら第一話に触れると、自身が演じるキャラクターについての話題へ。

 ミツヒデとヒデヨシについては、「破天荒を地で行くノブナガにやきもきしつつも、ちゃんと友情も感じられる」(櫻井さん)、「本作の中ではノブナガは草履を履いていないので(史実の通りにはいかない)。その代わり別のものを温める事になります」(梶さん)と、個々にノブナガとの関係性を語った。

 また茅原さんは、イチヒメについて「聡明で賢くて美しい女性だったそうなんですけど、過酷な人生を送った人でもあり……」と史実に触れたうえで「(だから本作では)この先どうなっていくのかすごく心配」と、イチヒメの行く末を心配していた。ノブナガの妹として、本作でも重要な役どころを担うであろうイチヒメ。この予感が、果たして今後どう転ぶのか……? 確かに注目したいところだ。

 そして最後に、櫻井さんから強引に話を振られた梶さんが、大イクサヨロイに乗り込んでからの展開など、二話の見どころを告げ、第二話の上映がスタートする。

●キャスティングは偉人たちの“スケール”に見合うかを重視 監督陣トーク

 第二話まで上映が終わったところで、ここからは制作現場での裏話を……ということで、河森正治氏と佐藤英一氏、さらに声優陣を代表して宮野真守さん、日笠陽子さんの2名も交えトークが進められた。

 テレビアニメに舞台にと、次元を越えて展開される多次元プロジェクト“The Fool”の第一弾作品『ノブナガ・ザ・フール』。この総指揮をとる河森氏と、テレビアニメ版の監督・佐藤氏が揃ったとあって、ここからは本作がより深く掘り下げられることとなる。

 まずは、企画立ち上げの経緯について。河森氏によると、立ち上げはおよそ3年前だったとか。ほぼ同時期に“ロボットアニメ”と“演劇”双方で「なにか新しいプロジェクトを」と依頼を受けていた同氏が、「別々にやるくらいなら一緒にしてみよう」と思いたち、スタートしたという。この時点で、物語の舞台には戦国時代を、主人公には織田信長をイメージしていたそうだ。

 続いて、歴史物でありながら“異世界”を舞台にしている経緯にも触れた。なんでも河森氏は、「信長メインの作品はあまりにたくさんあるので、そのままじゃつまらない。そこで『(信長と)ジャンヌ・ダルクを一緒に描いてみよう』と思った」と、すぐにジャンヌ・ダルクの名前が浮かんだことを明かした。この発想の転換には、他の登壇者からもどよめきが。日笠さんも「そこでもう!?」と思わず声をあげていた。

 さらに、「信長とジャンヌを同世代の男女として描きたかった」、「この時代にロボットを創るなら、ダ・ヴィンチに創って欲しかった」など様々な要因も加わり、現実とは全く異なる世界観が確立していったそうだ。

 加えて、登場人物については「志半ばで倒れた人たちが集う世界を描きたい」という河森氏の意志がこもっているとか。「彼らが別の世界で、別のシチュエーションで出会ったら、今度はどう生きられるだろう?」を、『ノブナガ・ザ・フール』で描く……。つまり、本作ではその志が全うできるのかや、“命の選択”なども見モノというわけだ。会場に集った観客たちも、この言葉に一層本作への期待感が増したことだろう。

 そしてトークは、イクサヨロイ(本作でのロボットの総称)の話題へ。今回のメカデザインは、人体実験で有名なダ・ヴィンチが設計した設定であるため、「より人体に近づけた」と河森氏。これまでの作品同様、実際にモデルを作って、可動するかどうかも確認済だそうだ。であれば、アニメーションにはしやすいのかも?と思えてしまうが……これを受けて佐藤氏は「いやあ、アニメーター泣かせですよね」と笑う。

 なんでも、佐藤氏曰く「河森さんがデザインしたもののなかでも一番可動部分が多いのではないか」と言うほど複雑だそうで、動作ひとつをとっても細かい演出が必要になるそうだ。「普通のロボットアニメのロボットとは扱いが違う。僕のなかでイクサヨロイは“キャラクター”です」とのこと。

 そこで、制作現場に欠かせないのが、本作のキーアイテムのひとつでもある“日本刀”。この日、佐藤氏は制作現場で使っている現物(※もちろん模擬刀)を持参して登壇していたのだが、演出の話題になると手に持ちながら、様々にポーズを披露。イクサヨロイの動きを自ら動きながら演出していることを告げた。

 「竹刀とかだと(形状は同じでも)軽いからアクションの演出がおかしくなる。実際の重さのものを振って、アクションをつけないとタイミングがとれないんですよ」と、あえて実物に近い物を用いることの重要性や、アニメ演出の繊細さに触れる佐藤氏。これには、観客もより真剣な表情を見せていた。

 ちなみに、この話を踏まえてOPアニメーションのとあるアクションについても語られた。宮野さんも「あれカッコいいですよね!」と言い、日本刀を携えた佐藤氏とふたりで再現してみせ、会場を大いに沸かせたのだが……? 一体どんなアクションだったのかは、ぜひ本放送で確認してみてほしい。“ノブナガと大イクサヨロイ”が見モノのこのシーン。どこを指しているのかは、観ればきっとわかるはず!?

 さらに、その模擬刀を使い、宮野さんが舞台版『ノブナガ・ザ・フール』でも披露したポーズを再現したほか、日笠さんが宮野さんに向かって刀を振ろうとするも、逆に関節技を決められ降参するといった一幕を経て、次の話題へ。お次は、キャスティングについて。

 歴史上の偉人ばかりが登場する本作。河森氏は、その偉人たちに敬意を払う意味でも“スケールに見合う人”をキャストに据えたいと考えていたそう。つまりはキャラクターを演じるにあたり、キャストの“存在感”や“説得力”がいかに引き出されるかが重要だったようだ。佐藤氏も、「1話のアフレコでも手応えを感じた。宮野さんの『是非も無し!』(ノブナガの決めゼリフ)を聞いた瞬間、勝った!と思いましたね」と満足げ。これを受け、「褒められてる……!」と、終始照れる宮野さんと日笠さんの姿が印象的だった。

 そしてこのコーナーの締めとして河森氏、佐藤氏の挨拶。ネタバレになる部分は割愛するが、佐藤氏が最後に告げた「あえて今回の『ノブナガ・ザ・フール』をジャンル分けすると、僕はSFでもアクションでもロボットでもないと思ってます。“名作”です!」というアツい言葉には、観客から一層大きな拍手がおくられていた。

●6名揃ってのキャストトークへ。茅原さんはOP曲『FOOL THE WORLD』も披露!

 河森氏と佐藤氏が退場すると、ここからはキャスト6名揃ってのトークコーナーへ。まずは、第二話までを観た観客に向けてあらためて各キャラの印象について語られた(ネタバレが多いので割愛)。

 また、イチヒメが劇中歌を担当することが公表されたほか、イチヒメを演じる茅原さんがOP曲を担当することにも触れられ、なんとそのままの流れでOP曲『FOOL THE WORLD』を生披露! スクリーンにOP映像や第二話までのダイジェスト映像が流れるなか、ステージ中央で力強く歌い上げる茅原さん。観客のなかには、赤と青のサイリウムを振る人の姿も見られ、本作の勇壮な世界観を引き立てていた。

 続いて、キャスト一人ひとりがオンエア情報やCD発売情報、舞台の公演情報などを読み上げる告知コーナーと、プレゼントコーナーを経てエンディングへ。キャスト6名からそれぞれ挨拶があったので、以下に紹介していこう(要約)。


■杉田智和さん(レオナルド・ダ・ヴィンチ役)
 ダ・ヴィンチ役の杉田です。みなさん、難しいことを考えずに観てください。河森さんは観てハッハッハッ!って笑える面白いアニメいっぱい作ってくれますので、今回の『ノブナガ・ザ・フール』もきっとそうです。僕は「ホニャララロボット大戦」にボイス付きで出たいので(場内大爆笑)、ぜひともダ・ヴィンチを戦艦に乗せてください。イクサヨロイをくれなんて言わない!ありがとうございました。


■茅原実里さん(イチヒメ役)
 イチヒメ役の茅原実里です。みなさま今日はありがとうございました!楽しかったですねー!(キャスト陣を見回す)。こんな感じでアフレコ現場でもとっても楽しく収録させていただいております。本当にとてもアツい作品ですし、観てもらった方がエネルギッシュになれる作品だと思います。それに、The Foolプロジェクトも応援していただきたいと思います。ぜひ、『ノブナガ・ザ・フール』の世界を堪能してください。これから応援よろしくお願いします。今日はどうもありがとうございました!


■梶 裕貴さん(トヨトミ・ヒデヨシ役)
 戦国とロボットという、このかけ離れたものがどう組み合わさるのかなと思っていたのですが、一話・二話とご覧いただいたように、すごくかっこ良く仕上がっております。キャラクターもたくさん登場して、どんどん活躍していきますので、最後まで欠かさずご覧いただければと思います。朗読劇のほうにも足を運んでいただけると嬉しいです。今日はありがとうございました!


■櫻井孝宏さん(アケチ・ミツヒデ役)
 コミカライズもありますし、オンエアも始まって、舞台公演も発表されてと、怒涛の展開が待っております。多次元プロジェクトっていう冠をいただいているので、それ以外にもみなさんを驚かすことのできる展開があればいいなあと、僕も楽しみに思っています。何はともあれオンエアをみなさまぜひとも観てくださいませ。今後ともノブナガ・ザ・フールを応援よろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました!


■日笠陽子さん(ジャンヌ・カグヤ・ダルク)
 この『ノブナガ・ザ・フール』という作品は多次元プロジェクトということで、アニメーションだけではなく、朗読劇もありますし、そのほかにも様々な企画がありまして、本当にスタッフさんの熱を感じる作品になっています。わたしたちもそのスタッフさんの熱に負けないようにお芝居をしていきたいと思います。みなさんぜひ、一話二話だけではなく、今後とも『ノブナガ・ザ・フール』をよろしくお願いいたします。今日はどうもありがとうございました!


■宮野真守さん(オダ・ノブナガ役)
 (ひと呼吸おいたのち)天下獲ります! 歴史上では、信長は志半ばで倒れましたが、僕らはこの作品で、天下獲ります!! みなさんぜひ観てください。是非も無し!! ありがとうございました!

 最後の宮野さんの言葉には、声援が起こるほど沸きに沸いた場内。それほど、満足の行くイベントであり、上映内容だったということだろう。テレビアニメ『ノブナガ・ザ・フール』は1月5日から順次スタート。ノブナガたちの勇姿に刮目せよ!

【放送情報】
テレビ東京:2014年1月5日(日)25:05~
テレビ大阪:2014年1月6日(月)25:15~
テレビ愛知:2014年1月6日(月)27:05~
テレビせとうち:2014年1月8日(水)26:10~
テレビ北海道:2014年1月7日(火)26:35~
TVQ九州放送:2014年1月9日(木)27:00~
AT-X:2014年1月10日(金)22:30~
[AT-X リピート放送]
1月12日(日)09:30~
1月14日(火)28:30~
1月16日(木)16:30~
※放送日時は変更になる可能性がございます。

【STAFF】
原作:「多次元プロジェクト"The Fool"」河森正治・サテライト/ALC/GP
原作/シリーズ構成/メインメカデザイン:河森正治
監督:佐藤英一
キャラクター原案:カズキヨネ
キャラクターデザイン:丸藤広貴
総作画監督:丸藤広貴、清水貴子、椛島洋介
CGプロデューサー:橋本トミサブロウ
CGディレクター:原田丈
イクサヨロイデザイン:河森正治、ブリュネ・スタニスラス、池田幸雄
メカデザイン:大河広行
ザ・フールメインモデリング:池田幸雄
モニターグラフィックデザイン/オリジナル家紋デザイン:石川寛貢
コンセプトデザイン:ロマン・トマ、ブリュネ・スタニスラス、ニエム・ヴィンセント
プロップデザイン:秋篠denforword 日和
色彩設計:品地奈々絵
美術設定・美術監修:加藤浩(ととにゃん)
美術監督:栫ヒロツグ(ととにゃん)
撮影監督:岩崎敦、志村豪(T2 Studio)
音楽:横山克
音響監督:明田川仁
編集:兼重涼子
タイトル文字・題字:憲真
アニメーション制作:サテライト
製作:ノブナガ・ザ・フール製作委員会

【CAST】
オダ・ノブナガ:宮野真守
ジャンヌ・カグヤ・ダルク:日笠陽子
アケチ・ミツヒデ:櫻井孝宏
トヨトミ・ヒデヨシ:梶裕貴
レオナルド・ダ・ヴィンチ:杉田智和
イチヒメ:茅原実里
ヒミコ:東山奈央
ガイウス・ユリウス・カエサル:中村悠一
ネル:木戸衣吹
ビアンキ:石田晴香
オダ・ノブカツ:島﨑信長
タケダ・シンゲン:小山力也
ウエスギ・ケンシン:七海ひろき
アレクサンダー:中井和哉
マゼラン:松岡禎丞
チャチャ:奈波果林
ハツ:梅村結衣
ゴウ:高橋紗妃

>>テレビアニメ『ノブナガ・ザ・フール』公式サイト
>>テレビアニメ『ノブナガ・ザ・フール』公式Twitter 【推奨ハッシュタグ:#nobunaga_tv】

[取材&文・松本まゆげ]

(C)河森正治・サテライト/ALC/GP/ノブナガ・ザ・フール製作委員
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