武田梨奈と井口昇監督が再タッグ! 映画『ヌイグルマーZ』ヌイグルマー&キルビリー役の武田梨奈さんにインタビュー!
大槻ケンヂ原作、中川翔子主演、『電人ザボーガー』で知られる井口昇監督の映画『ヌイグルマーZ』が1月25日より、ついに公開!
今回は公開に先駆けて、ヌイグルマー&キルビリー役の武田梨奈さんにインタビューを行った。
空手が得意な彼女だが、実は意外なヒーローに憧れていた!? そんな新たな一面が垣間見られたインタビューをお届けしよう。
■井口監督直々のオファーで役が決定
──本作への出演が決まった時の率直な感想をお願いします。
武田梨奈さん(以下、武田):個人的にまず、また井口監督と出来るという嬉しさと楽しさ。前作、『デッド寿司』という作品の舞台挨拶の帰りに井口監督から、「次『ヌイグルマーZ』っていう作品をやろうと思ってるんだけど、武田さんにオファーしたい役があるんだよ」ということはすでに聞いていたんですよ。だからこんなすぐに実現できるんだっていうことがすごく嬉しかったですね。
ただ、後から内容を聞いて、中川さんの変身役ということを聞いた時はプレッシャーも感じました。
──本作のアクションシーンは、武田さんの魅力がすごく引き出されているように感じました。撮影前に特別な打ち合わせなどはあったんですか?
武田:やっぱり中川さんとのリンクが必要なので、中川さんならではの可愛らしさを取り入れてヌイグルマーを演じてほしいと監督に言われていて、カッコ可愛いということと、美しさを意識しました。
──ほかのアクションシーン以外でも要望はあったんですか?
武田:ヌイグルマーって、男らしい構えというより、女性らしい構えや仕草をするんです。そして、井口監督は『デッド寿司』の時もそうだったんですけど、女性より女性らしい仕草とかがものすごく詳しいんですよ!なので、女性らしさというのは、いつも井口監督から学んでいました(笑)。
──劇中ではヌイグルマーとキルビリー、ヒーローと悪役を一人二役で演じられたわけですが、何か特別な役作りはされましたか?
武田:ヌイグルマーに関しては、やはり中川さんの持っているものを自分に取り入れようと意識してやっていたんですが、キルビリー関しては、元々人を信用していないし、人というものに興味もない男の子なので、響子という女の子に出会って、自分の感覚とか人生が変わっていく、その瞬間までは本当に何も考えずに演じようと思っていました。操られている人というイメージがあったので。
■憧れのヒーローはあのアクションスター!
──でもそのキルビリーは響子とのラブシーンもあるわけですが。
武田:そうですよね。それでキルビリー自身も感情が芽生えたというか、やっと人間を好きになれたという瞬間なので、逆にそこからの方が難しかったですね。
──そんなキルビリーを演じてみて、自分自身も新たに芽生えた感情はありますか?
武田:自分を犠牲にしてまでも、守りたいと思える人を見つけたキルビリーに、私は憧れと愛着を持ちました。
──ヌイグルマーを演じられるにあたって、武田さんがイメージしたヒーロー像というものはあったりするんですか?
武田:私の中でのヒーローといえばジャッキー・チェンさんなんですけど……。
──子どもの頃観てた、ヒーローやアニメとかでイメージしたものは無いんですか?
武田:それもジャッキー・チェンさんなんです(笑)
この間、中川さんとお話させていただいた時も、中川さんは漫画だったり、アニメだったり、絵を描くのが好きだと仰っていたんですけど、私は本当に真逆で、本とかも読まなければ、絵も苦手だし、女性がするようなことがすごく苦手だったんですよ。男の子の友達に混じって、外で走り回っている子って感じでしたね。
だから、二次元というものの感覚を知らずに生きてきたので、現実にいるジャッキー・チェンさんみたいになるぞって、本当にそう思って生きてきました(笑)
だから、今回ヌイグルマーを演じることは難しかったですね。皆の思うヒーロー像というものが自分には無かったので。
──仰るとおりアクションの多い役柄をいつも演じていますよね、でも今回はそれ以外にも様々な感情を持ったキャラクター演じてみて、今後新たに演じてみたくなった役柄のイメージはございますか?
武田:私がジャッキー・チェンさんを好きな理由って、ヒーローだけどカッコイイだけじゃないし、ちょっとダサい部分があるじゃないですか?
やられて、変顔しながら、それでも立ち向かうという姿がすごく好きなので、本当にダメ子のような、ダメでも何かに立ち向かっていく、そういう役がやってみたいですね。
■中川さんも絶賛の演技!
──ヌイグルマーの衣装は鶴巻和哉さん、コヤマシゲトさんがデザインされていることもあり、リアルプラグスーツみたいな仕上がりでしたが、それを着るために何かトレーニングはされたんですか?
武田:そうですね、役によって体型は変えています。
ヌイグルマー衣装はビニールで出来ているので、着るのにも30分~40分かかるくらいでしたね。アクションシーンの後は締め付けられるので体中に内出血が出来てたりして大変でした。
トレーニングといえば、以前プロレスのドラマをやったことがあり、プロレスラーの役だったんですけど、その時はウェイトトレーニングをたくさんして、いっぱい食べて、5~6㎏ぐらい増やしました。
──キルビリーのイケメンっぷりにキュンとくる女性も多いと思うんですが、実際に男装してみて、現場での反響など、手ごたえはありましたか?
武田:男装姿はこっちが照れてしまうくらい、皆さんがカッコいいと仰ってくれるので、本当に男の子になった気分になりましたね、すごく嬉しかったです。
中川さんと市道さんがいつも写真を撮ってくださるんです。私が気付かないうちに沢山写真を撮ってくださるので、毎晩その写真を私に送ってくれるというのが日課になっていました。
中川さんは「キルビリー姿を見たら、もうご飯いらない、お腹いっぱい」と言ってくれたので嬉しかったです。
──本当に中川さんは色んな所で武田さんを絶賛していますよね。その他にも中川さんとの現場での印象深いエピソードはありましたか?
武田:いつも言っちゃうんですけど、やっぱりジャッキー・チェン話が1番盛り上がりましたね(笑)
あとは、ダメ子が変身したら私になって、私じゃないシーンはダメ子がやったりするので、すれ違いになることが多かったんですね。それでも中川さんはずっと残って私のシーンをずっと見ていて下さったりとか、その間に写真を沢山撮って下さったりとか、私もそうしていたので、本当にいつもお互い盗撮し合っていました(笑)
■ひと目で井口監督作品とわかってしまう!?
──邦画史上最大数と謳っているゾンビをどんどんなぎ倒していく感覚というものはいかがでしたか?
武田:どっちかと言うと、私は中川さんのようにゾンビ好きというか、元々ホラー物がすごく苦手で、1人では観られないくらいなんですよ。しかも今回のゾンビってすごくリアルじゃないですか、特殊メイクとか。その上109体もいるので、最初はただただ怖かったですね(笑)
──でもやっていることは、全然怖くないですよね。ゾンビが噛まずに銃を撃つとか(笑)。
武田:本当にそうですよね(笑)
最後の方のシーンでゾンビが歌い出したり、踊りだしたりするじゃないですか。だから本当に井口ワールドだな、って思いました。
──クレジットが入っていなくても、井口監督の作品だと分かるくらいですよね。
武田:そうなんです。普通のゾンビ映画に見られないシーンがたくさんあるので、ゾンビが阿波踊りを踊るみたいな、ほかでは見られない光景ですから(笑)
──最後に公開を心待ちにしているお客さんに向けてのメッセージをお願いします。
武田:勇気の出る映画とか沢山あると思うんですけど、『ヌイグルマーZ』という作品は、また違った世界観で観れる映画だと思うんですよ。で、変身するということが現実っぽくないと思うかもしれないんですけど、実際に作品を観たら、ものすごく身近に感じたりすることも沢山あって、私はこの作品を観て、コンプレックスって誰もが持っているもので、私ももちろん持っていますけど、それは全然悪い物じゃないんだなとすごく感じました。
だから、人間ダメなところがあってもいいんだよ、と教えてくれる映画なので、自分に自信の無い人には特に見ていただきたいと思います。
■作品情報
タイトル:『ヌイグルマーZ』
公開日:2014年1月25日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー
【あらすじ】
地球でヌイグルミに寄生した綿状生命体は、自分をブースケと呼ぶ響子を守ること誓う。そんな彼らのもとにロリータファッションに身を包んだ夢子(中川翔子)が現れるが、何をやってもダメな彼女にブースケは自分と一緒に響子を守るよう命じる。やがて人類滅亡の危機が迫り響子が窮地に陥ったとき、夢子とブースケが合体し新ヒーロー・ヌイグルマーに変身する。
【キャスト】
出演:
中川翔子
武田梨奈
市道真央
猫ひろし
高木古都
北原帆夏
ジジ・ぶぅ
斎藤工
平岩紙、
山寺宏一(声)
阿部サダヲ(声)
【スタッフ】
監督・井口昇(代表作:『電人ザボーガー』)
脚本:井口昇、継田淳
原作:大槻ケンヂ「縫製人間ヌイグルマー」
主題歌:特撮×中川翔子「ヌイグルマーZ」
ヌイグルマーデザイン:鶴巻和哉、コヤマシゲト
劇中歌:特撮
音楽:福田裕彦
>>『ヌイグルマーZ』公式サイト