【マチ★アソビvol.12】監督・今石洋之&脚本・中島かずきが初の『キルラキル』ステージトークを実施! 制作現場の裏側を今、マッパダカーに!
2014年5月3日(土)から5月5日(月)までの3日の期間で行われた、徳島県の大型アニメイベント「マチ★アソビvol.12」の東公園ステージにおいて、アニメ『キルラキル』のステージトークショーが開催された。
本ステージには、原作・脚本・シリーズ構成の中島かずきさん、監督の今石洋之さん、クリエイティブ・オフィサーの若林広海らが登壇。今だから話せる、裏話だらけの制作秘話が語られた。
■今石「中島の脚本は0か100。言い切るしかない!」
本ステージが実施されたのはイベント3日目の5月4日。前々日(5月2日)と前日(5月3日)には映画館での一挙上映イベントも行われており、ファンもおさらいは完璧の状態だ。
そんな中で、今回のゲストである中島さん、今石さん、若林さんらが登壇。さっそくトークステージが開幕となる。監督の今石さんは、生で(『キルラキル』の)トークステージに立つのは初ということで、来場したファンは熱心に耳を傾けていた。
まずは、本作『キルラキル』の成り立ちなどが語られることとなった。今回の脚本は早い段階から中島さんに一任されており、中島さんのテイストを活かすためのコンテ製作なども、今石さんが一手に引き受けていたのだと言う。
ファンからは「マコ劇場」と呼ばれている「満艦飾マコ」のジェスチャーシーンなどは、当初の時点では脚本に組み込まれておらず、今石さんのコンテから生まれたアイデアなのだそうだ。中島さんの脚本への姿勢について今石さんは「言い切るしかないんです。中くらいの表現とかはダメで、基本的には0か100かなので」と、力強く語っていた。本編を観れば、「なるほど」と言わざるを得ない表現だ。
また、その後には各所で話題を読んだ第4話についても話された。今石さんが全力を投入したという第4話の絵コンテに対する熱意は凄まじく、今石さん本人が「誰が描いても、僕が思った絵になるように描き込みました。それはもう、拡大コピーして清書してくれれば、そのまま使えるくらいに(笑)」と語るほど。1話の方向性を見て、それをお手本に作業を進めた作画スタッフが混乱するなど、内部でも様々な動乱があった模様だが、結果的に満足のいく作品が作れたようでなによりである。
「今思えば、グレン(グレンラガン)の時には、中島さんに遠慮してた部分がありました」と話す今石さん。その遠慮も、いい意味で薄くなってきたようだ。
■2時間録って5時間飲む! それが『キルラキル』の収録現場だ!
続いて、話題はキャスティングやアフレコへも及ぶ。キャスト陣にも有名所が集っただけあって、今石さん、中島さん、若林さんは3人とも、演技に対する感触は非常に良かったようだ。今石さんは「今回のキャストは、ほとんどの人が一発目から正解を出してきた」と、その満足っぷりを話していた。
それどころか、端役が言葉を発するシーンでも積極的に声を上げるなど、キャスト陣のやる気は監督やスタッフ陣を圧倒するほどだったそうだ。
アフレコ自体のペースもかなり早く、ドラマCDに至ってはテストなしの一発録りで収録が行われたとのこと。
トークがヒートアップしていくと、だんだんと内容が深く、濃くなっていく。第4話と同様、様々な意味で話題を呼んだ「裸の太陽丸」(人力)についても、当初は人力であることに関して、何の説明もツッコミも入れられる予定が無かったという。中島さんの判断で「さすがに人力ではここまでか……」という台詞を入れたのだそうだ。そのほかにも、現場の思いつきでやったアイデアを中島さんが補正するという流れが、少なからずあったらしい。他にどんな要素が“それ”にあたるのか、考えてみても面白そうだ。
そして最後には、今後発売される“第2の最終話”こと第25話についても、少しだけ話された。まだ内容については話せないそうだが「第一校を書いたら40分になっちゃったので、バッサリ削って22分にしました。四天王と満艦飾家がコロッケ食いながらグダグダしてるシーンはバッサリ切りました。見ていたいけど話が何も進まないので(笑)」(中島さん)とのこと。この情報だけで十分に観たくなるあたりが『キルラキル』の凄いところなのかもしれない。
そんな、深く熱いトークを繰り広げた後、ステージに登壇した3名のゲスト陣は、最終の飛行機を追って帰っていった。DVD&Blu-rayシリーズの続巻発売が控える『キルラキル』の今後と、これからのスタッフ各人の活躍に期待しよう。
>>アニメ『キルラキル』公式サイト