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『ノラガミ』スペシャルイベント詳細レポ

神谷浩史さん、内田真礼さん、梶 裕貴さんらメインキャストが勢ぞろい! 大盛況だった『ノラガミ』スペシャルイベント詳細レポート

 「“東風吹かば にほいをこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘れるな”。みなさんこんばんは。本日は天満グループ・舞浜神社にようこそおいでくださいました」──場内に菅原道真(大川透)の落ち着いた声が響き渡る。

 作品と縁の深い土地にある会場、会場内の物販前に立つ巫女たち、鳥居が佇んだ舞台と、細部まで作品の世界観を表現した『ノラガミ』スペシャルイベント~あなたにご縁があらんことを~。6月7日(土)、雨の降る中舞浜アンフィシアターにて開催された本イベントが大盛況だったことは先に公開しているオフィシャルレポートの通り。本稿では夜の部の詳細レポートをお届けする。

●奇跡が起きるか、運試し!

 『ノラガミ』の映像が流れる中、アニメのオープニングテーマを出囃子に、円状のセリに乗ってポーズを決めた出演者が一斉に登場(神谷浩史さん(夜ト)、内田真礼さん(壱岐ひより)、梶 裕貴さん(雪音)、豊崎愛生さん(小福)、福山 潤さん(兆麻)、今井麻美さん(伴音・真喩)、井上和彦さん(囷巴役)、夜の部のみ出演=大川透さん(天神)と沢城みゆきさん(毘沙門))。イベントの司会を務めるのは、ニッポン放送アナウンサーであるお馴染み吉田尚記さんだ。

 夜の部のみ出演の大川さんは「(ゆっくりした口調で)みなさんグッドイブニング~天神様だよ~」とニコニコ。沢城さんは控えめな挨拶をしたあとに「(低音で)待たせたな!」と凛々しく伝え、それぞれの自己紹介に序盤から大きな盛り上がりを見せた。

 夜の部では本会場の他、全国27か所&海外3か所へのライブビューイング上映を実施。日本全国のライブビューイング会場、さらに海外でライブビューイングを行っている香港・台湾・韓国へ、それぞれの国の言葉で挨拶をなげかけた。

 まずは「道真様にあやかろう!」のコーナー。学業の神様、菅原道真が本編に登場することにちなみ、あらかじめキャストが詠んだ川柳の五・七・五をバラバラに切り分け、それぞれをボックスから抽選。「新たな川柳に組み替えても素敵な川柳ができるか」運試しをする企画である。趣旨を説明したあと「海外に向けてやってるのにこんなに日本的なことやっていいのかな」と心配そうに吉田さん。ちなみにどの川柳が良かったかは客席からの拍手の大きさで決まるという。

 最初に「五(上句)」「七(中句)」「五(下句)」に分けられた3つのボックスの前に立ったのは今井さん。引いた札を確認するたびに戸惑いの表情を浮かべていたが、しっとりとした声で詠まれた句はなんと……!

「神谷さん 結んでひらいて でも潤くん」。

 初っ端から起きた“奇跡”に出演者と客席から驚きの声が上がる。今井さんの奇跡に続けと、出演者が次々と完成させていく。「耳元に 携帯カバーで 忘れません」(福山さん)、「五円玉 無駄にする奴 繋がってるね」(沢城さん)、「結び目は 歩けば出会う 意気投合」(豊崎さん)、「お揃いの 支えてくれる バチ当たる」(井上さん)、「五円玉 脚光浴びた ご縁だわ(五円玉)」(神谷さん)、「下を見て トンカツの味 お金持ち!!!!!!」(内田さん)、「五円玉 気づいた時には ほどけ気味」(大川さん)、「縁(えにし)って つもればいつか 平成9年」(梶さん)。

 客席にどの句が良かったかを投げかけたところ、キャラクターの役柄とピッタリな句を引いた神谷さんにも大きな拍手が上がったが、やはり最初の今井さんに盛大な拍手が贈られた。そして今井さんの作った“奇跡の句”を神谷さんと福山さんが二人が詠み、会場にいるファンを喜ばせたのだった。

●イベント中盤は“お祭り騒ぎ”

 続いて行われたのは「ご利益を掴み取れ!チーム対抗クイズ」。キャストが3チームに分かれ、ご利益(景品)を掴み取るべくチーム対抗で競っていくコーナーで、クイズに正解すると“あること”が起こるという。“チーム夜トと仲間たち”は、神谷さん・内田さん・梶さん“Wネームトリオ”は豊崎さん・今井さん・大川さん、“ヴィーナとヴィーナを護る男たち”は沢城さん・井上さん・福山さん。

 最初のクイズを出題したのは、スクリーンに映った小野大輔さんから(小野さんの登場に場内拍手!)。「大黒の初登場シーンで、夜トに向かって“オレの○○に手ぇ出すな!」と言いました。○○とはいったいなんでしょうか?」。これは3チームとも即答で「カミさん」と大正解。すると、はっぴ姿にはちまきをした”祭隊(まつりたい)”と呼ばれる52人の祭男が一斉にステージに祭壇! 正解を全力で祝ってくれ、出演者もテンションが上がったのか祭隊と緒に踊ったり、祭隊について行ったり(笑)、話しかけたりと、大川さんも「こんなに楽しいと思わなかった」とご機嫌だ。

 さらに「ノラガミはカワイイ貧乏神ですが、実際の貧乏神が出現する際に手に持っていると言われているモノはなに?」「(映像が流れ)赤いつなぎを着たこのキャラクターの名前は?」というクイズに正解者(と、珍解答)が相次ぎ、そのたびに祭隊が集結! まさに“お祭り騒ぎ”のコーナーであった。

●井上さんの解答で、祭隊が再び登場!?

 次は「イベントでもデリバリーゴッド」。この日ロビー会場で募集していた“ご依頼”の解決策をキャストが提案するというコーナーである。届いた依頼は「最近猫を飼い始めましたが、意志の疎通ができません。猫になりきって猫の気持ちを教えてください」というもの。実際に猫を飼っている神谷さんは「尻尾の付け根を触ってあげると喜ぶ」と冷静な答え。同じくネコを飼っている内田さんは「餌をくれないとナデナデさせてあげないぞう」とネコの気持ちになって解答。

 そんな説得力のある答えの一方で、大川さんと豊崎さんがネコ語で解答したり(笑)、井上さんは「猫の気持ちはわからないから祭隊に猫になって踊ってもらおう!」と祭隊をステージに召喚したりと、出演者・観客ともに笑顔であふれたコーナーとなった。ちなみに内田さんは答えるときに慌てたのか、マイクを逆さに握ってしまい、隣に座っていた神谷さんがそのマイクの持ち方を“真礼持ち”と命名。その後出演者のなかでたびたび “真礼持ち”ブームが起きたのだった(笑)。

●「1クールでここまで結束力が固まるって珍しいんです」(神谷さん)

 和やかなムードから一転、グッズの紹介を挟んで、この日限りのオリジナル朗読劇へ。テーマは「禊のその後」で、禊を行い雪音がこれまでの悪事を謝罪した後のストーリーが描かれていた。出演したのは、神谷浩史さん(夜ト)、内田真礼さん(壱岐ひより)、梶 裕貴さん(雪音)、豊崎愛生さん(小福)、福山 潤さん(兆麻)、今井麻美さん(伴音・真喩)。

 物語は雪音の禊が行われている最中から始まり、梶さんが迫真の演技で観客を一気に引き込んでいく。禊が終わり、雪音は「これからアルバイトをしてこれまで盗んでしまったお金を返したい」と働くことを決意。それを宣言したところ、“バイトのプロ”である夜トが過去のアルバイトのエピソードを再現していくのだが、話は二転三転していき……というストーリー。物語には見事なオチもついていて客席からは笑いがこぼれていたが、登場人物たちの“何気ない日常”の1ページに、幸せを感じたのは私だけではなかったはずだ。

 朗読劇が無事に終わり胸をなでおろした梶さんが「トーク部分はふざけた感じでしたけど(笑)、冒頭に禊のシーンがあったので、一か所くらいはノガラミのシリアスな面を皆様に感じてもらえればと思いつつ一生懸命演じさせて頂きました」と振り返ると、「あのアフレコの風景を思い出す梶さんの熱演に、“早く終わってくれ”と思いました」と今井さん。そこで神谷さんがこんな裏話を教えてくれた。「ああいうシーンはどうしてもセリフが被ってしまうので、テストのときだけは一緒にやるんですけど、本番はバラバラに録ってそれを組み合わせてみなさんのお耳元に届くようにしてるんです。今回はライヴということで、僕らにとってチャレンジでもありました」。さらに「1クールでここまで結束力が固まるって珍しいんですけど、その結束力があったからこそ成立したんじゃないかなと」──と穏やかな表情で神谷さん。改めて、キャスト同士の信頼関係の深さが伺いしれた。

●作品について語っていくうち感極まって内田さんが号泣

 イベントもいよいよクライマックスとなり、写真撮影のあと出演者が改めて感謝の気持ちを伝えた。

■井上さん
 みなさんの喜んでいる顔を見たくて、わたくしついついはしゃぎすぎてしまいました。反省しております。次からはハメを外さないように、しっかりと……(会場からエエ!?の声)どうもありがとう。じゃあこのノリで今後もいきたいと思います。

■今井さん
 楽しい時間を過ごすことができました。これも一重にノラガミという作品に出会えたからだと思います。またこういった機会があるように私も願っています。

■沢城さん
 今日はセリフを喋れず終わってしまったことが心残りでございます。またもう一度、私にきちんと仕事をするチャンスをお願いしたいです。(声色を変えて)今日は本当にどうもありがとう。いつも想ってるよ、また会おう。

■大川さん
 出番が少なかったにも関わらず、テレビの前で放送を楽しみにしていた作品でした。そんな作品のイベントに出ることができて本当に嬉しいです。ちょっと前には和彦さんとニコ生もやらせていただきましたが、こうやってお声をかけてもらえることがすごく嬉しいです。

■福山さん
 今日は自分がすごく楽しんでしまいました。いろいろとハメを外しましたが許してください。苦情は後ほど受け付けます(笑)。久々に兆麻を演じさせてもらったこと、なによりみなさんと同じステージに立てたこと、同じ空間を楽しめたことが嬉しかったです。この次の機会も願っております。

■豊崎さん
 テレビアニメ自体はオンエアーが終わっているにも関わらず、こうやってイベントを開催するとこんなにいっぱい人が集まって下さって、すごく幸せな気持ちでステージから皆様の笑顔を見させていただきました。引き続き『ノラガミ』を応援してください。

■梶さん
 朗読をやってみて、やっぱり生で演じることってすごく楽しいなと思いました。次の機会があったら、ここにいるキャスト全員はもちろん、今日これなかった人も含めて、またご一緒できたら嬉しいです。原作は続いています。僕もまたテレビアニメで雪音を演じられる日がきたら良いなと思ってますので、その日を信じて楽しみにしていてください。

■内田さん
 みなさんのお話を聞いているうちに“現場で悩んだなぁ”ってことを思い出して……感慨深いモノがこみ上げてきています。『ノラガミ』の現場はいっぱい悩むんですけど、この若い私も仲間の一員として一緒に作品を作れたことが本当に幸せで、良い時間を過ごさせていただいたなと思い……ます……(感極まって、涙で声を詰まらせてしまう)。またひよりを演じられるよう、努力していきたいと思います。

■神谷さん
 『ノラガミ』を愛するひとたちがこんなに集まってくれたことが本当に嬉しくて、こみ上げるモノがありました。本当に一筋縄ではいかない作品で、正直アフレコ現場がすごく楽しかったかというとそんなことはなくて、しんどいこともあったし悩むこともありました。でもそうやって生まれた作品をこんなに大勢の皆様にお届けできて、こんなにも愛してもらっているということは、心の底から嬉しいことだなと。声優になって良かったなと思えた一日でした。引き続き『ノラガミ』を愛してやってください。

 イベント終了後、鳥居の前で神谷さんと梶さんがお互いを見つめあいながらガッツリと握手。真摯な姿勢でキャラクターと向かい合う出演者、そしてこういったイベントを開催してくれるスタッフがいたからこそ、『ノラガミ』という傑作アニメが誕生したんだなと改めて感じさせたひと時だった。

[取材&文・逆井マリ]

■テレビアニメ『ノラガミ』



【スタッフ】
原作:あだちとか
(「月刊少年マガジン」連載中/講談社)
監督:タムラコータロー
シリーズ構成:赤尾でこ
キャラクターデザイン:川元利浩
アニメーション制作:ボンズ
製作:ノラガミ製作委員会

【キャスト】
夜ト:神谷浩史
壱岐ひより:内田真礼
雪音:梶 裕貴
小福:豊崎愛生
大黒:小野大輔
毘沙門:沢城みゆき
兆麻:福山 潤
伴音(ともね)・真喩(まゆ):今井麻美
天神:大川透
野良:釘宮理恵
蠃蚌(らぼう):櫻井孝宏


<イントロダクション>
 黒いジャージにスカーフ姿の“夜ト”は、祀られる社の一つもない貧乏でマイナーな神様。自分の社を築くべく、自分の携帯番号を街なかやトイレの壁に書き込み、賽銭〈5円〉で人助けをする、自称“デリバリーゴッド”である。

 良家の令嬢・壱岐ひよりは、交通事故に遭いそうになった夜トを助けようとして、代わりに自分が交通事故に巻き込まれてしまう。それがきっかけで“半妖(魂が抜けやすい体質)”となったひよりは、その体質を治してもらうために夜トを追いかけ、次第に行動を共にするようになる。

 さらに、夜トに拾われ、神様が使う道具“神器”となった少年“雪音”も仲間に加わり、人間に害を与える“妖”と戦いを繰り広げる一方で、夜トの秘められた過去が紐とかれていく。

>>テレビアニメ『ノラガミ』公式サイト
>>テレビアニメ『ノラガミ』公式Twitter【推奨ハッシュタグ:#ノラガミ】

(C)あだちとか・講談社/ノラガミ製作委員会
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