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アーケードゲーム『まどか☆マギカ』プレイレポ&インタビュー

協力してワルプルギスの夜を討伐せよ! アーケードカードゲーム『魔法少女まどか☆マギカ MAGICARD BATTLE』プレイレポート&開発者インタビュー

 テレビシリーズから不動の人気を誇り、劇場版も大好評のうちに幕を閉じた『魔法少女まどか☆マギカ』。様々なメディアミックスを展開し、社会現象とまで言われた本作が2014年7月下旬よりアーケードカードゲーム『魔法少女まどか☆マギカ MAGICARD BATTLE』(以下、『まどか☆マギカ MB』)として再誕する。

 今回、稼働前のプレリリース機でのテストプレイを行う機会を得た。本稿では、ゲームのプレイレポートをはじめ、開発者インタビューをまとめてお届け! 記事を参考に、『魔法少女まどか☆マギカ』の新たな世界へと足を運び出してみよう。

●『魔法少女まどか☆マギカ』の世界をカードで味わえる

 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』をモチーフにし、瞬時の判断力がカギを握るハイスピードなバトルで展開。ミッションを選択してカードデッキを組み、魔女の使い魔とバトル。簡単操作とデッキ構築の自由度がプレイヤーを選びません。様々な困難なミッション攻略を他のプレイヤーと共有し、それぞれの戦績がカウントされてクリアーの道に繋がります。

 ゲームの流れはとてもシンプル。プレイヤーは、鹿目まどかや暁美ほむらといったお馴染みの魔法少女たちが描かれたカードを使って魔女との戦いに挑んでいき、最終ボス「ワルプルギスの夜」の討伐を目指すことになる。『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』前後編を踏襲したストーリーが繰り広げられるため、映画を見たことがある人はすんなりと世界観に入り込めるだろう。ゲームの途中に現れるアニメ映像も戦いを引き立ててくれる。

 アーケードゲーム、しかもカードゲームとなると「ちょっと敷居が高いかも……」と思う人もいるかもしれないが、全く心配することはない。ゲームで使用するボタンは3種類のみで気軽に遊べる上、なによりプレイヤーと共闘してくれるのはあの心強い魔法少女たち。全60種類あるカードには、かわいらしいイラストと高級感あふれるコーティングが施されており、カードを眺めているだけでも楽しくなってくること受け合いだ。1プレイごとにカードがもらえるが、ゲームを遊ばずにカードだけを購入することもできるので、コレクターにもオススメ。珍しいカードを手に入れて、みんなに自慢しよう!

 カードゲームにはデッキの使用枚数が決められていることがあるが、本作では制限が設けられていないのもポイントだ。同じカードは2枚以上使えないが、第1弾では全60種類が登場するため、60枚をフルに投入して魔女に挑戦することもできる。そのためゲームプレイも自由度が高くなっている。レアリティの高い強力なカードを主軸においたパワープレイや、スキル(後ほどご紹介する)をつなげていくトリッキーなプレイ、はたまた筆者のようにまどかとほむらのカップリングで勝利を目指すファン目線でのお楽しみプレイなどなど、カードゲーム初心者も上級者も楽しめる仕様なのだ。

●単純かつ奥が深いバトルシステム

 実際のプレイではカードを操作するといった複雑な作業は必要ない。ゲームスタート時にデッキを筐体にスキャンすれば準備完了だ。読み込まれたカードはゲーム内に記憶され、トランプのスピードのような感覚で遊ぶことになる。ボタンが割り振られた3枚の手札を好きなように繰り出し、魔女をアタックして体力を0させれば勝利だ。

 一見、単純のようだが、実はかなり奥が深い。序盤の敵は何となくプレイしているだけでも勝利できることがあるのだが、魔女が相手となるとそうもいかない。カードを使いすぎるとデッキがなくなってしまうし、使わなすぎてもアタック力が下がって体力を削りきれない。

 そこで重要になるのが「メインスキル」と「サブスキル」の存在だ。メインスキルはいわゆる必殺技で、マミのティロ・フィナーレといったお馴染みの技で大ダメージを与えることができる。サブスキルは一部のカードにある特殊なスキルで、同じキャラクターのカードを3枚連続で繰り出し、3枚目がサブスキル持ちだと技が発動する。このスキルを上手く使いこなせるかが勝利の鍵だ。

 しかも、カードを出すのには5秒という制限時間があり、瞬発力が試される。「ここであのカードを出せれば!」「ここはスキル持ちをキープしておこう」と5秒の間に様々な考えを巡らし、勝利をつかんだときの達成感はひと塩ではない。スキルをより効率よく発動させるためにデッキを考察してみて魔女にチャレンジ、上手くいかなかったorもっと上手くデッキを回すためにまたデッキ考察、そして魔女にチャレンジ……といった具合に、やればやるほどのめり込んで行くゲームシステムなのだ。

●あなたがその街の魔法少女に!?

 この類のゲームには珍しいシステムが本作には搭載されている。ゲーム稼働時にはチャレンジできるステージがひとつしかないのだが、目標討伐数をクリアすることで次のステージへと進むことができる。どのゲームでもありがちなこのシステム。しかし驚いたことに、この目標討伐数はプレイヤーひとりずつの数値ではなく、筐体ごとに共有されることになっている。

 つまり、「みんなで協力してワルプルギスの夜を倒そう」というわけだ。まさに『魔法少女まどか☆マギカ』の世界をゲームにそのまま落とし込んだようなシステムと言っていいだろう。『まどか☆マギカ MB』が、ある種のあなたの街の美滝原市になるのだ。別々の違う美滝原市が各所に存在し、同じ街で魔女を倒す仲間たちが共闘しあって、ゲームを囲んでコミュニケーションを取るのもおもしろいかもしれない。

 違う美滝原市と聞いてピンときた人もいるかもしれないが、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』では、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』とは違った美滝原市の様子が描かれていた。なんと今回、その重要キャラクターである「なぎさ」と「ベベ」がカードとして登場している。筐体にスキャンして読み込むと、通常とは違ったメッセージが出てきて「ナイトメア」とのバトルに発展する。この戦いの詳細は、ぜひともあなたの街の美滝原市で確認してもらいたい。

 ここまでざっと本作の魅力に触れてきたが、百聞は一見に如かず。気になったかたはゲームを遊んでみることをオススメする。最初は戸惑うこともあるだろうが、どの魔法少女も初陣では苦戦を強いられるもの。とは言いつつも、実際にやってみると「意外にちゃんとできた!」と思うことだろう。そのくらいストレスフリーで、なおかつやりこみ要素も豊富、それが『まどか☆マギカ MB』なのだ。円環の理に導かれた魔法少女たちの運命を変えるのは、君かもしれない。

●コミュニティーが形成されるゲームを目指して

 今回のテストプレイにあたり、開発者の新井さんと斉藤さんにお話をお伺いすることができた。開発者が考える『まどか☆マギカ MB』とは、そしてどのように本作が生まれたのか。その全貌をご覧いただこう。

――まずは『魔法少女まどか☆マギカ』をアーケードゲーム化するに至った経緯をお聞かせください。また、何故カードを使ったタイプのアーケードゲームにしたかも伺えればと思います。

新井さん:従来は低年齢層向けにコンテンツを探していたんですが、今回はよりハイターゲット向けのものを作ろうと考えていました。そこで目にとまって、現時点ではこれを超えるものがないのではと思ったのが『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』でした。

――確かに現在、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』はビックコンテンツですからね。

新井さん:そうですね。カードの種類数が作れるというのもポイントでした。また対戦型のゲームというのも想定していたので、日常系のアニメではちょっと難しい部分があり、そういった意味でも『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』が相応しいのではないかなと思っています。

――そんな『魔法少女まどか☆マギカ』の世界観を出すのに苦労された点はどこでしょうか?

新井さん:カードのデザインやゲームのインターフェースもそうなんですが世界観は大事にしました。色合いも暗めのダークファンタジーテイストを感じさせるものにして、子供っぽくならないように気をつけています。アーケードゲームなので、短かい時間の中で刹那的な面白さを追求しなければなりません。そのため、ゲームをシンプルにしていく中で作品の世界観をコンパクトにまとめることに注力しました。

――先ほどプレイさせていただきましたが、確かに魔女と戦っているなという感覚はありました。さらに現在、第2弾を開発中とのことですが、劇場版のストーリーなどが展開されるのですか?

新井さん:今回のゲーム化は『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』と『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』の版権ということで、3本をミックスした形で作っています。ストーリーを追うというよりは、魔女や使い魔との戦いをその場その場のシーンで楽しめるようになっています。

――なるほど。その戦いを繰り広げてくれるカードは今回、全60種類が用意されています。第2弾では魔法少女以外のカードも登場したりするのでしょうか?

新井さん:現時点ではなんとも言えませんね(笑)。しかし登場人物が限られていますので、ずっと5・6人というのも将来的に難しいものがあります。第2弾では「こんなのも出しちゃうんだ!」というものを出せたらいいなと思っています。

――期待しています!(笑) また今回、キュウべえが新規録り下ろしのボイスでゲームの説明をしてくれたのも面白かったです。

新井さん:今回のナビゲーションとして適任だったのがキュウべえでした。今後、魔法少女たちが生かせるようなシナリオやゲーム性に紐づける形で、他のキャラクターのボイスを登場させるのも面白いかもしれませんね。

――いろいろとお伺いしましたが、スバリ本作で特に注目して遊んでもらいたいポイントはどこでしょうか?

斉藤さん:プレイヤーが自分のデッキを考えて、個性的な戦いをしてくれたらいいなと思っています。やはりカードゲームって、家で悩みながらデッキを作るのが楽しいですからね。好きなキャラクターも含めて、カードを全部集めてもらいたいです。

――カードもすごくしっかりとした作りで、コレクターズアイテムにもピッタリだと思います。

新井さん:素材や質感、表面のツヤ・テカりにも気を使っています。オモテ面にあえてステータスなどの文字を持ってこないようにして、デザインを損なわないようにしているのもポイントです。

斉藤さん:あとは、みんなでミッションをクリアしていくので、協力してワルプルギスの夜を倒していくコミュニティーを作って欲しいですね。

――あそこのお店のワルプルギスの夜は倒されているのに、ウチのお店はまだだから倒しに行こうぜ! みたいな感じになれば面白いと思いました。

新井さん:元々のゲームのコンセプトが、これだけ注目されているタイトルなので自己完結する遊びではなく、最近見なくなった売り場でのコミュニティーが形成されたらなという思いが込められています。ロケテストでも実際にそういった光景が見られました。そういう売り場が全国で見られたら、作り手としてこんなに嬉しいことはないですよね。より多くの方に末永く楽しんでいただけるように、今後も開発していきたいと思います。

――楽しみにしています! 本日はありがとうございました!!

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