fripSide 3rdアルバム『infinite synthesis 2』9月10日リリース&横アリワンマンも決定!! satさんインタビュー&セルフレコメン【前編】
satさんと南條愛乃さんのサウンドユニット、fripSideの3rdアルバム『infinite synthesis 2』が9月10日(水)リリース! オリコン週間チャートで1位を獲得した『sister’s noise』をはじめとしたヒットシングルに、新曲7曲を含めた13曲入り。また初回限定盤にはタイトルチューンのPV、インタビュー映像、『ANIMAX MUSIX 2013』&『リスアニ!LIVE-4』のライブ映像と盛りだくさん。
また2015年3月1日にはツアー追加公演として横浜アリーナでのワンマンも決定! そんなfripSideのsatさんへインタビュー! その模様を、自身によるアルバム全曲紹介と合わせて2回に渡ってお届けします。
●第2期fripSideとしての濃密な時間と経験、みんなとの深まる絆がアルバム制作へ突き動かした
――まず今作のタイトル、『infinite synthesis 2』は、間に10周年記念アルバム『Decade』を挟みながらも、1stアルバム『infinite synthesis』の続きを連想してしまうのですが、どうしてこのタイトルになったのでしょうか?
satさん(以下、敬称略): “infinite synthesis”は“無限の集合・統合”という意味で、「fripSideを好きな人達が集まって、無限に楽しんでいこう」という想いで付けたアルバムタイトルでした。このタイトルをとても気に入っていて、今回、アルバムを作るにあたって真っ先に浮かんだのが『infinite synthesis 2』にしたいと。そして『infinite synthesis』のアンサーアルバム的なものにしたいと思ったんです。2枚目の『Decade』は歴代のボーカリストが参加したり、僕以外の人が曲を作っていたり、10周年記念のお祭り的なアルバムで、現状のfripSideのピュアなアルバムではなかったし、オリジナルアルバムとしては今回が2枚目かなと思っていて。
1stアルバムをリリースしてから4年が経って、僕らも濃密な時間を過ごしてきて、当時と今の違いも感じてもらいたかったし、『infinite synthesis』にはタイトルチューンも入れていなかったので、作って収録したいという想いもあって。1stでどうして作らなかったのか? 今考えると謎なんですけど(笑)。
――1stアルバムということで、大きな意気込みとプレッシャーの中で120%のものを作ろうという気持ちがまず強かったからかもしれませんね。
sat:2009年に南ちゃんとコンビを組んで第2期fripSideがスタートして、3枚シングルをリリースすると、想像以上のセールスや反響をいただいた中での1stアルバムだったので今、聴くとちょっとガチガチで肩に力が入り過ぎてるなと。もしかしたら当時の僕は“infinite synthesis”という言葉への理解が足りなくて、曲にして歌うところまでたどり着いていなかったのかもしれない。今なら当時よりも余裕があるし、fripSideと皆さんの関係性も明確で、強い絆も感じられるので、「infinite synthesis」を作れる自信もあって。だから『infinite synthesis 2』になりました。
●新旧ファンへの想いを込めた『infinite synthesis』。今後のキャッチフレーズに
――今作を制作するにあたってのコンセプトやテーマは?
sat:聴きやすくて、起承転結の流れがあるアルバムにという点はこだわりました。あとたくさんのライブやイベントなどを通して感じたのはお客さんの層が幅広いんですよね。小学生から上は60代の方、親子で参加してくれたりして。だから老若男女問わずに楽しめる1枚にしたいなと。またfripSideを結成した当時から応援してくれる人、『とある科学の超電磁砲』などのアニメから最近知ったという人まで新旧のファンが楽しめる、ベストバランス、黄金率を追求しようというのが今回の僕のコンセプトです。だから「最近、あの頃の曲調って聴かないよな」と思っている方にも「キタッ! これだよ!」と喜んでもらえるサウンドの曲も収録してます。特に終盤のほうで。
――収録曲の歌詞の中に“君”や“軌跡”などの言葉が多く、一緒に“夢”に向かって進んでいこうと歌っているように感じられるところにもfripSideとファンとの関係性を大切に描いているんだなと。
sat:そうですね。僕らの活動は、曲を聴いてくれる皆さんがいてくれるから成り立つものですし、いつも支えてくれるから僕らも頑張れる。その想いが日々、強くなっているから歌詞の中に自然と出てくるんでしょうね。“infinite synthesis”という言葉も今後、fripSideのキャッチフレーズにしようと思っていて、タイトルチューンも皆さんにあてた曲なんです。
●南條さん作詞の『always be with you』のモチーフは意外なアイテムへの想い!?
――satさんが作詞した『infinite synthesis』に“駆け抜けたいその場所まで繋がってるこの強さで”とあって、一方、南條さん作詞の『always be with you』の歌い出しも“「駆け抜けたい」出来るよ いつでも君を見守り続けてる”で、アンサーソングなのかなと思いました。
sat:確かに『always be with you』は彼女が誰かを応援したいという想いが表れた歌詞だと思うんですけど、実は愛用するある物のことを書いたそうで(笑)。
――なるほど! “たとえばボロボロでお別れの日が来ても”の意味も今、わかりました(笑)。
sat:でもアンサーソング的に聴こえたということは、彼女がしっかり聴き手を選ばない歌詞を書けているということで、聴いた人が「よし! 頑張ろう!」と思ってもらえるのもすごくうれしいですね。
●ヒットシングルであり、大切な『レールガン』シリーズのテーマ曲、南條さんのボーカルの良さが引き立つ楽曲も
――そして『とある科学の超電磁砲』のテーマ曲といえばfripSide! というイメージが定着していますが、オリコン1位に輝いた『とある科学の超電磁砲S』のOP曲『sister’s noise』、後期OP曲『eternal reality』も収録されています。
sat:ずっと起用してくれるレーベルプロデューサー&アニメの制作サイドの皆さんと、レールガンファン、そしてもちろんfripSideファンの皆さんが受け入れてくれたおかげです。『LEVEL5-judgelight』や『future gazer』の頃は、「もうレールガンの曲を作れないよ!」と苦悩していたこともありましたが、今はまったくそんなことはなくて。むしろ、「いつでも来い!」みたいな(笑)。
――また歌詞がすべて日本語詞の『fermata~Akkord:fortissimo~』は、歌詞がしっかり聴きとれて、ダイレクトに伝わってくる、南條さんのボーカルの良さがすごく活きている楽曲だなと思いました。
sat:それもfripSideの特長のひとつで、彼女の歌声がクリアで、更に滑舌の良いことに加えて、よりストレートに伝わるようにと常に聴き手のことを考えて歌っていることが大きいと思います。この曲は息継ぎするところも少ないし、テクニカルで難しい曲なのに、それができるボーカリストがいるということは心強いです。
●リスニング感と季節感を重視したセットリスト
――中盤の5曲目に『I’m believing you』、6曲目に『Secret of my heart』とミディアム調のバラードが2曲続くのもおもしろいなと。
sat:2曲は共に、切ない失恋の曲でもあるわけですが、この2曲の間に『black bullet』が入ったらちょっと違いますよね(笑)。聴きやすさや全体のバランスを考えたら、このセットしかなかったんです。また特に女子に響いてほしいゾーンでもあります。詞も僕が書いているシングルとはまた違った、南ちゃんらしい女の子らしい内容です。
――ラストの『true resonance』は“夏の終わり告げる 涼風に心洗った”や“夏の陽は優しくて”など、リリース時期にピッタリの、残暑と秋の始まりを感じさせる曲になっていて。
sat:僕はいつもリリース時の季節感を重要視していて。このアルバムではタイアップ曲を除くと中盤に夏を歌った曲があって、最後に夏が終わるという流れにしたくて。今年の夏の思い出と、このアルバムのサウンドがシンクロして、皆さんの記憶に残ってくれたらうれしいなと思います。
■■★satさんによる全曲解説 Part.1■■>
□1.sister’s noise
(TVアニメ『とある科学の超電磁砲S』OP曲)
まさかのオリコン週間1位ですごく驚きました。「1位だったから1曲目にしよう!」みたいなノリがスタッフ間にあって(笑)。この曲から始まったらテンションも上がるだろうなとも。2013年初頭から長期間制作に入って、多くの時間と情熱を注ぎ込んだ曲で、それまで一番努力した曲は『LEVEL5-judgelight-』でしたが、たぶんそれを超えた、僕の中では最高傑作のうちの1曲です。
『とある科学の超電磁砲』はめちゃくちゃ大好きな作品で、自分の曲を使ってもらえる喜びが原動力となりました。『とある科学の超電磁砲S』は、「妹達(シスターズ)編」のもの悲しいクローンのお話で、そのエピソードにどんぴしゃな歌詞をのせたくて。曲制作は普段、作曲とアレンジが占めるウェイトが高くて、そこにいい歌詞がのればいいなというスタンスですが、この曲に関してはまず歌詞が重要で。ある程度のモチーフを決めてから曲に落とし込みました。今聴いても南ちゃんの歌声もいいし、よくできたなーと自画自賛しています(笑)。
□2.infinite synthesis
ファンの皆さんからパワーをもらえることで、僕らが活動できているんですよというメッセージと感謝の気持ちを込めて。そして、僕らと皆さんの素敵な関係がずっと未来まで続けばいいなと願いも。「I believe this trajectory “infinite synthesis”」の2行にも想いが集約されていて、“trajectory”は“軌跡・軌道”という意味で、自分達がやってきたことは決して間違いじゃないと。それだけではなく今、夢に向かって頑張っている人を励ましたり、勇気付けたりできるようにという気持ちもあって。
PVは、また少し違うコンセプトで制作しました。サウンド的には珍しくサビが4つ打ちがじゃないんですけどそれにも狙いがあって。fripSideの活動して以来ずっと、打ち込みサウンドを追求していますが、続ければ続けるほどfripSideの音、僕の今の音になってきている実感があって。それはうれしいことだけど、ここで一度、原点を思い出しながら僕のオリジナルのサウンドに近い曲にしてみようと思って制作したのがこの曲で。最初から聴いてくれているリスナーさんには「おっ、インディーズ時代のfripSide第1期のサウンドっぽいな」と感じてもらえるのでは。初期のfripSideの曲を聴いたことがない人で、興味が湧いた方は初期の音源も聴いてみてください。
□3.fermata~Akkord:fortissimo~
(PS Vita用ソフト『カデンツァ フェルマータ アコルト:フォルテシモ』テーマソング)
以前から『フォルテシモ』シリーズの楽曲を担当させていただいていて、その新作のテーマ曲です。歌詞がすべて日本語なのは、みんなが聴いてぱっと意味がわからない言葉というのはこの曲に限ってはロスだと思って。もちろん英語の語感や雰囲気が必要な曲では使いますが、この楽曲に関しては英語を入れるスペースがあるのなら日本語を入れたくて。「もっと言いたいことがいっぱいあるのに英語なんて入れてる余裕はないよ」と。作品世界に寄り添った内容になっていますが、特に2番の歌詞は、前作、前々作を振り返ることが出来る言葉を盛り込んでいるので、シリーズの楽曲と並べて聴いていただくとより楽しめるかも。曲名の“fermata”は音楽用語で、“ほどよく伸ばす”という意味がありますが、どうしてこのタイトルになったのかをゲームをプレーして想像してみてください。
□4.lost dimension
(PS3/PS Vita専用ソフト『ロストディメンション』主題歌)
『ロストディメンション』はダーク系&バトルものの作品で、世界を救う物語です。たまにこういう小難しい歌詞が書きたくなるんですよね。こだわりもあって、“it’s the end of sorrow of the truth”はラスボスの名前が“the end”で。冒頭に出てくるのでネタバレじゃないですよ(笑)。他にもプレーした人ならわかる遊びもいっぱい入ってます。ダーク系のfripSideをぜひ聴いてみてください。
□5.I’m believing you
(6thシングル『sister’s noise』CW)
『only my railgun』のCW『late in autumn』や『Heaven is a Place on Earth』のCW『The end of summer』など、シングルのカップリング曲はこういうせつない曲を良く制作します。タイアップ曲のシングルとなると、テンポが速くて派手な曲が多いので、カップリングでは曲調が違うものを入れるようにしていて、しっとりした曲にしたり、よりテンポを速くしたり。この時はこういうしっとりした曲が作りたい気分だったのかも(笑)。南ちゃんの書いた歌詞もまたせつなくて。片思いしている女の子とか特にキュンとくるんじゃないかな。
□6.Secret of my heart
これも南ちゃんの作詞で、好きな想いを打ち明けることなく、終わってしまう片想いを歌っています。「南ちゃん、歌詞どんぴしゃだったよ」、「satさんの曲が良かったからですよ」と珍しくお互いにほめ合いました(笑)。南ちゃんにオーダーしたのは、「せつな系の恋愛ソング」だけで。いい曲に仕上がったけど、一番のファインプレーはオチサビでボーカルのリバーブをゼロに切った、俺のTD(トラックダウン)だと豪語させてください。あ、嘘、南ちゃんの歌のおかげです(笑)。
その落ちサビの歌詞だけ、主人公の本音なんですよ。だからピントをギュっと絞ってドライなサウンドにして。もしかしたら今回の一押し曲かもしれない。今の体制になってからfripSideを聴き始めた人は意外に思うかもしれないけど、まだタイアップ曲を手がけていなかった昔はこういう曲が多かったので、実は得意なサウンドなんです。これから人恋しくなる季節になるので、「I’m believing you」と合わせて聴いていただいて、皆さんの心に響いてもらえたらうれしいですね。一応、うちのマネージャーは響いたと言ってくれました(笑)。ALTIMAもそうなんですけど、バラード曲でタイアップができたらいいなと密かに狙ってます。
[後編に続く]
■fripSide『infinite synthesis 2』
発売日:2014年9月10日
価格:
[初回限定盤CD+Blu-ray] 4,000円(税別)
[初回限定盤CD+DVD] 3,600円(税別)
[通常盤CD] 3,000円(税別)
発売:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
<fripSide LIVE TOUR 2014 -infinite synthesis 2->
10月4日(土) 大阪 なんばHatch 17時開演
10月12日(日) 仙台 Sendai CLUB JUNK BOX 16時開演
10月13日(月・祝) 札幌 PENNY LANE24 16時開演
10月25日(土) 名古屋 Electric Lady Land 16時開演
10月26日(日) 福岡 BEAT STATION 17時開演
11月3日(月・祝) 東京・千葉 舞浜アンフィシアター 17時開演
※ 全公演前売りSOLD OUTの旨を明記ください。
<fripSide LIVE TOUR 2014-2015 FINAL in YOKOHAMA ARENA>
2015年3月1日(日)神奈川 横浜アリーナ 17時開演
スペシャルシート(アリーナ前方確保・スペシャルグッズ付) 15,000円(税込)
通常席 7,800円(税込)
2015年1月10日(土)、イープラス、ローソンチケット、チケットぴあにて一般発売開始!
※『infinite synthesis 2』購入者対象(9月19日12:00~9月26日23:59)ほか、「freakSide」「animelo mix」でも先行受付あり。
fripSideオフィシャルファンクラブ「freakSide」
スマートフォン(docomo、au、softbank)でのサービス、月額500円(税別)
http://fripside-fc.com/
>> fripSide公式サイト
>> fripSide公式サイト(NBCユニバーサル)