アニメ第2期の楽曲がついにゲームで遊べる！　『けいおん!! 放課後リズムセレクション』レビュー＆インタビュー

　アニメ第1期の放送から5年が経った今でも、根強い人気で多くのファンに愛されている『けいおん！』。本作は、かわいらしいキャラクターや少女たちの友情を描いたストーリーだけでなく、使用されている楽曲でも話題となった。

　そして、アニメ第2期となる『けいおん!!』の楽曲がリズムゲームとして楽しめる『けいおん!! 放課後リズムセレクション』がついに全国のアミューズメント施設で稼動となる。本稿では、実際の筺体を遊んでみたインプレッションや開発者のインタビューをお届けする。『けいおん！』が大好きだ！　という方は要チェックだ。

●カンタン操作のリズムゲームで推しメンのポイントを上げていこう

　ゲームの流れはとてもシンプルで遊びやすく、リズムゲーム初心者でも安心だ。まずは軽音部メンバーの平沢唯、秋山澪、田井中律、琴吹紬、中野梓の中から1人を選んで、ゲームのナビゲーターを勤めてもらうことになる。お好みのキャラクターのボイスを聞きながらゲームを楽しもう。プレイ毎に排出されるカードを筺体にスキャンさせると、ゲームクリア時のスコアにポイントが加算されていくので、カードを集めるのも楽しみのひとつだ。

　集めたポイントは選んだキャラクターへとストックされていき、その筺体で一番ポイントが多いキャラクターがメインナビゲーターとなる。その筺体で遊ぶプレイヤー次第でメインナビゲーターが変わっていく、といった感じだ。

　本番のリズムゲームは、3つのボタンを使って操作する。画面右から流れてくるアイコンに合わせて赤・青・緑のボタンをリズムよく押せばOK！　王道のゲームシステムだが、難易度も「かんたん」「ふつう」「むずかしい」の3段階あり、これがなかなか歯ごたえがある。「かんたん」はもちろん初心者でも遊べるレベルで、「むずかしい」になるとリズムゲーム上級者も満足できるようなレベルに設定されている。怒涛のように流れていくアイコンは、ぜひともその目で確認していただきたい。

●アニメ第2期の楽曲が満を持して登場

　本作の最大の魅力はなんと言っても、アニメ第2期の楽曲が遊べる点だろう。OP曲である「GO! GO! MANIAC」やED曲の「Listen!!」など、お馴染みの曲を楽しむことができる。しかも、アニメ第2期の楽曲をゲームで遊べるのは『けいおん!! 放課後リズムセレクション』が初となる。思い出のあの曲をリズムゲームで堪能しよう。

＜収録曲＞
「GO! GO! MANIAC」
「Listen!!」

「ぴゅあぴゅあはーと」
「いちごパフェが止まらない」
「Honey sweet tea time」

「ときめきシュガー」
「冬の日」

●コレクター必見！　カードを集めてキャラクターを着せ替え！

　先ほどお伝えしたように、ゲームを遊ぶたびにカードが1枚排出される。カードは全部で46種類が用意されており、中にはスキャンするとゲームプレイ中に表示されるチビキャラたちのコスチュームが変わるレアなものもある。スタンダードな制服姿以外に、私服や水着など全6パターンのコスチュームを着せ替えしてゲームを盛り上げていこう。さらに前作となる『けいおん! 放課後リズムタイム』のカードも使用できるので、前作からプレイしている方は集めたカードを持ち寄ってプレイしてみよう。

　さらにチビキャラたちは、それぞれのボタンに対応しており、成績によって表情を変える。上手くプレイできているときはニコニコと笑ってくれるのだが、失敗ばかりしていると泣き出してしまうことも……。かわいい彼女たちに見とれていて失敗した……なんてことにならないようにしたいところだ。

●新しい放課後ティータイムに出会おう！

　アニメ第2期の楽曲もさることながら、チビキャラたちのかわいらしい姿や新カードなど新たな『けいおん！』の楽しみが詰まった『けいおん!! 放課後リズムセレクション』。リズムゲームを楽しむだけでなく、作品の思い出に浸るツールとしてもオススメだ。『けいおん！』ファンなら一度、お店に足を運んでみてほしい。

　そして最後に、開発者のインタビューをお届けする。今回立ち会っていただいたのは、株式会社セガの紀室光世さんと庄司剛さんだ。どのように本作が生まれたのか？　そしてなぜ開発に至ったのか？　ご自身も『けいおん！』好きというお二人のお話をご覧いただこう。


──『けいおん！ 放課後リズムタイム』が前作からパワーアップしたところはどこでしょうか？

紀室さん：ゲーム本体全てです。作り直したと言うよりは新しく作ったと言ったほうが良いかもしれません。コンシューマゲームの『けいおん! 放課後ライブ!!』に近づけており、あちらはフル等身のキャラクターが演奏をしていましたが、こちらはチビキャラがかわいく演奏しながら、ハードで本格的なリズムゲームが遊べるようになっています。

庄司さん：前作の反響が大きかった分、ご指摘いただいた部分も多々ございました。今回はそうした声を拾い上げながら作り上げました。例えば、音楽ゲーム中の背面の動きであったり、楽曲の長さです。この点はユーザーからも色々と御指摘を頂きましたので、改良に努めました。

紀室さん：前作では曲に加工をせず、フルで1曲まるごと使用していました。曲によっては4～5分あったりして、プレイ時に集中力が持たない部分もあったようです。今回は曲を1分半ほどに調整して、OP曲やED曲のテレビサイズをベースに制作しました。その代わり、譜面に気合を入れてみました(笑)。

庄司さん：ロケテストのときにユーザーからお話を聞いてみると、長さ的に「とてもPLAYしやすくなった！」と言っていただきました。

紀室さん：お友達と一緒に遊ばれている方も多いようで、見ている方にも楽しめるように演出面も改良しています。最初に選んだキャラクターにカメラワークが移動したり、コーラスの部分は他のキャラクターが歌っていたり、細かい部分まで作っているので、周りで見ている方たちも楽しめるのではないかと思います。

──そこまで改良して、今作で特に遊んでもらいたいポイントはありますか？

紀室さん：筺体は年齢層が低く見えますが、中身はかなり本格的なリズムゲームになっていますので、そのあたりを楽しんでいただきたいと思っています。演出面を含めまして。

庄司さん：あとはカードですね。前作ではカードの使用はゲーム中のポイント合算に限られておりましたが、今回はお着替えという要素が追加されています。集めたカードを使ってお着替えもいろいろと試してもらいたいです。

紀室さん：ハイスコアのランキングにのると、自分が選んだキャラクターが表示されるようになっているのですが、こちらも自分が選んだ衣装が表示されるので、このあたりでも楽しめるのではないかと。ロケテストのときは上手い方がいて、同じキャラクターがずらーっと並んだりしていました(笑)。

──なるほど。今回収録されている曲はどのように決定したのですか？

紀室さん：今回収録している曲はアニメ第2期の前半の曲を使用しています。なので、13話くらいまでに登場した曲ということになります。その段階での7曲ですね。

──そして、『けいおん！』は放送が終了して5年になりましたが、なぜ今ゲームの企画が持ち上がったのでしょうか？

紀室さん：単純なことを言うと『けいおん！』が好きだからですね(笑)。それは別として、ユーザーからの声で一番大きかったのが「2期の曲はいつになったら遊べるの？」というものでした。コンシューマも第1期の曲、アーケードで動いている曲も第1期だったので、ユーザーの声にお応えした形ですね。

庄司さん：前作の反響が大きかったことと、お会いしたユーザーの皆さんが『けいおん！』をとても大事にしていて、やはり『けいおん！』ってすごい！」という認識を僕らの中で共感できたからです。それから早い段階で、「第2期の曲も使いたいね」という話はしていましたね。

紀室さん：その情熱の形が本作になっています。

──制作サイドの愛もかなり詰まっているんですね。

紀室さん：そうですね。かなり込めました(笑)。

庄司さん：やはり、前作でお叱りの言葉をいただいたみなさんに、もう一度遊んでもらいたいという気持ちが正直ありました。

──お二人の愛情を感じます(笑)。

庄司さん：ありがとうございます(笑)。本当に前作は反響がすごくて。当時いろいろなお店を回わりましたが、お店によっては人気でカードがすぐなくなってしまうケースがありました。また、設置頂いた店舗様からは「普段ゲームセンターに来ないユーザーが多くあそびにきてくれた」と喜んでくださっていました。

──確かに、ゲームセンターは同じ方が多く来店している印象があります。

庄司さん：その中で「『けいおん！』があるから」と来店してくださる方がいてとてもうれしかったです。実際、来店頂いたユーザーに機械が止まっていた為に遊べなかった…とがっかりされない様、カードがなくなってしまった店舗に手持ちでカードを運んだりもしました。

一同：(笑)。

──ちなみに、上手くなるコツってあります？

紀室さん：まずはボタンの配置をしっかり覚えることですね。それからボタンの押し方です。ボタンが3つあるので、ふたつ押す手を決めるとやりやすいのではないかと思います。下ふたつのボタンを右手で、上のボタンを左手で押す形が、ロケテ時に見た上手い方々のプレイスタイルでした。どのパターンが来たら、どの手を動かすのか決めておくと良いですね。それから曲を覚えておくことです。上手い人になると譜面を丸ごと覚えている様ですね(笑)。

──なるほど……。今度やってみます(笑)。では最後にユーザーにメッセージを。

紀室さん：ゲームをやっていただければ、徐々に自分が上手くなっていくのが体感できる絶妙なバランスに調整していると自負しているので、まずは遊んでいただきたいです。一緒に遊びに来た方たちには、チビキャラたちの可愛い姿を楽しんでいただければと思います。

庄司さん：アニメ第2期のゲーム化はユーザーからの要望が最も大きかった点です。これがようやくこの機械で実現できました。ぜひとも設置先に足を運んでいただき、PLAY頂きたいです！！


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