シブくてクールな悪党とクレイジーなアメリカンを吹替え! 映画『ミニオンズ』出演・宮野真守さん&LiSAさんインタビュー
2015年7月31日(金)から劇場公開中の映画『ミニオンズ』。本作にて「ハーブ」を演じる声優・宮野真守さんと、今回吹替えに初挑戦するアーティスト・LiSAさんにインタビューを行った。
『ミニオンズ』は全世界で大ヒットを記録した『怪盗グルー』シリーズの第3作目。本作は劇中に登場するバナナが大好きなキャラクター「ミニオン」たちを主役にしたコミカルな作品。「その時代でもっとも強いボスに仕える」という性質を持つミニオンたちが主役になり、果たしてどんなドタバタ劇を見せてくれるのか!?
今回は公開直前に行われた記者発表会の直後、宮野さんとLiSAさんに『ミニオンズ』の魅力をたっぷり語っていただきました。宮野さんは前作『怪盗グルーのミニオン危機一発』に引き続いて出演。LiSAさんは自他共認める「ミニオン好き」として、作品にどのように向き合ったのか、たっぷり伺ってきました!
最強の女ボスの旦那を宮野真守さんがクールに演じる
――まずはご自身が演じたキャラクターの紹介をお願いします。
宮野真守さん(以下、宮野):僕は「ハーブ・オーバーキル」という役と「フラックス教授」の二役で参加させていただきました。フラックス教授はワンシーンだけ登場するキャラクターではありましたが(笑)。
――では「ハーブ・オーバーキル」について詳しくお聞かせいただけますか?
宮野:ハーブは最強の女ボス「スカーレット・オーバーキル」の旦那です。スカーレットの声を担当されているのが天海祐希さんなのですが、夫婦役をやらせていただけるというのはとても光栄でした。収録は同時ではなかったのですが、天海さんの声を聞きながらアフレコさせていただき、とても楽しかったです。自分で言うのもおかしいのですが、とてもいい夫婦の掛け合いというか、ふたりのよい関係性を表現できたと思いました。
――演じる上で気をつけたポイントはありますか?
宮野:ハーブは宮野自身が新たに挑戦する大人なキャラクターです。シブいところとか、クールなところは新たなチャレンジでした。それでいて、おちゃめな一面も持っているんです。自由に楽しく演じさせていただきました。
LiSAさんが吹替えに初挑戦! 役はクレイジーファミリーの母親
――ではLiSAさんも担当されたキャラクターの紹介をお願いします。
LiSAさん(以下、LiSA):私はミニオンたちが旅の途中で出会う「ネルソンファミリー」という家族の母親「マージ・ネルソン」を演じさせていただきました。ネルソンファミリーは大悪党大会を目指して旅をしている一家です。
――今回は吹替え初挑戦ですね!
LiSA:はい。吹替えは初めての挑戦でした。いつも自分が主題歌を担当させていただいているようなアニメを見ているので、いろんな声優さんが近くで演じているのを普段から見ているはずなのに、いざ自分がブースに入ってみると、「ぜんぜんダメだなぁ」と思いました(笑)。監督は「もっともっとオーバーにやってもいいよ」とおっしゃってくださったので、「どんな風にオーバーにやったらいいのかな?」と悩みながら演じました。そしてひとつずつ外していって、最終的には思いっ切りできました。実際に完成した映像を観たのですが、「確かにこれくらいオーバーにやらないと、私はなににもなれなかったな」と思いました。
――「マージ・ネルソン」を演じる際に気をつけたポイントは?
LiSA:ネルソンファミリーで私の旦那さん役をしているのはバナナマンの設楽統さんなのですが、設楽さんの演技がすばらしいので、その奥さん役として飲み込まれないように、いっしょにクレイジーな家族を演じられたらいいなと思いながら、一生懸命やらせていただきました。
宮野:LiSAさんの演技、すばらしかったですよ。初挑戦と伺っていたのに、ビックリしちゃいました。すばらしい感じの「アメリカン」でした。
LiSA:ホントですか~?(笑)
宮野:かなり「アメリカン」ですよ。急にオーバーなアクションを演じるのは難しいと思いますよ。
――宮野さんも昔はそうでしたか?
宮野:はい。実は僕が初めて声優としてお仕事したのは、18歳のころに吹き替えで演じた「アメリカン」でした(笑)。最初の「アメリカン」はたいへんでしたよ。
LiSA:そうだったんですね(笑)。
宮野:今回の作品『ミニオンズ』のキャラクターはとてもオーバーな動きなので、どこまでオーバーに演じていいのかは、最初は戸惑うところだと思います。なのにLiSAさんはすばらしかった!
LiSA:宮野さんにそんなこと言ってもらえるなんて感動です! そうおっしゃっている宮野さんが演じるハーブですが、きっと『ミニオンズ』を観た人は誰もが好きになっちゃうと思います。私は英語版と吹き替え版の両方を観たのですが、日本人ならゼッタイに吹き替え版で観たほうがいいです。とにかくハーブがかっこいいんです!!
宮野:ありがとうございます!
『ミニオンズ』は洋画の吹き替えだと思って取り組んだ作品(宮野)
――宮野さんに伺います。3DCGの映画と、セルのアニメの違う部分はありますか?
宮野:その違いを意識するというより、この『ミニオンズ』は「洋画の吹き替え」への取り組みに近いと思いました。なのでそういった意味では、普段やらせていただいているアニメとは、多少の感覚の違いがありました。というのも、『ミニオンズ(英語版)』では元の俳優さんの声があります。元の俳優さんのお芝居に寄り添いながらも、個性を出していくのが吹き替え版のお仕事です。英語版のハーブの原音はものすごくシブくかっこいいナイスミドルな声なんですが、そこに自分なりのシブさを追い求めつつも、自分だからこそできる表現ができたらいいなというところを追求しました。
――なるほど。アニメだと原音はないので、自分で創造できるのですね。
宮野:そうなんです。キャラクターの設定とか、周囲のいろいろな状況や、たくさんの情報を取り入れて、自分でゼロからキャラクターの声を生み出します。アニメと吹き替えの仕事は、そういった準備段階のようなものは違います。ですが、いざ収録が始まってしまえば、どちらも「その役をどれだけ魅力的に演じられるか」ということが重要になってくるので、お芝居への心構えは一緒ですね。
――LiSAさんに伺います。以前から「ミニオンズ」の大ファンだと伺いましたが、お仕事を聞いたとき、どう感じられましたか?
LiSA:ゼッタイにウソだと思いました。
一同:(爆笑)
LiSA:だって私は『怪盗グルーの月泥棒』のころから大好きで、全部DVDを持っていて、何度も何度も観ていたんです。当時からよく「ミニオン! ミニオン!」言っていました。それだけじゃなくて、番組などでインタビューをしていただいたときも、「いまのお気に入りは?」と聞かれるたびに「ミニオン」と答え、収録にミニオンのぬいぐるみを持って行くくらい好きでした。
――頼まれていないのに宣伝活動を続けてきたのですね(笑)。
LiSA:だって本気で好きですからね(笑)。なので家にはミニオンがたくさんいます。あちこちで「ミニオン好き」を公言していたら、ファンの方々から「○○で見つけたよ」と情報をいただけるようにもなりました。私は嬉しいことに海外に行く機会にも恵まれているのですが、海外に行ってもグッズを買い集めています。海外は日本以上にミニオンのグッズがたくさんあるんです。もうミニオンを集めるのがひとつの趣味みたいになっています(笑)。
――どれだけお好きなのか、よくわかりました(笑)。
LiSA:なので、今回このお仕事を伺ったとき、まさか自分が作る側になるなんて! 「こんなことってあるんだ」と思いました。私はいままでミニオンたちに夢を叶えてもらったし、「好き」って気持ちが届いちゃったんだと思いました。
――LiSAさんは『ミニオンズ』の配役が決まった日、なにを食べたか覚えていますか?
LiSA:え~っと……。
――わかりました、バナナですね?
宮野:誘導はやめなさい!(笑)
一同:(笑)
LiSA:そうですねぇ……。
宮野:ほら、困ってしまったじゃないですか! じゃあ…「バナナを食べた」ってことにしておきましょうか(笑)。
ミニオンたちを応援したくなる作品です――宮野
――『ミニオンズ』のウリはどこだと思いますか?
宮野:シリーズとして3作品目ですが、ついにミニオンたちが主役になった作品です。僕も「どんな作品になるんだろう?」とワクワクしていました。作品を観たら、ミニオンたちに、いままで以上の性格付けが加わって、彼らがなにを考えていて、どんな成り立ちで誕生したのかが描かれていました。映画を観ると、より彼らに感情移入してしまうというか、彼らを心から応援したくなる。そんな作品です。
――ミニオンが好きな人にはたまらないですね!
宮野:いままで、雑に扱われても(笑)、でもそこが健気でかわいいミニオンたちでした。その姿は変わっていませんが、それだけじゃなく、考えていることや目的など、より愛おしく見えてくると思います。
以前からミニオンが大好きなLiSAさんが『ミニオンズ』の魅力を語る!
――LiSAさんは、作品を観てどのように感じましたか?
LiSA:ミニオンはいままで脇役だったので、ずっと主役になるのを待っていたんです。
宮野:(笑)
LiSA:なので「今度のシリーズはミニオンたちが主役になりますよ」と聞いたときに、「私のための映画がついにきた!」と楽しみにしていたんです。
宮野:「私のための映画」ですか?(笑)
LiSA:そうです。そのとき「このワクワク感で曲を作れる」と思ったくらいです。それくらい楽しみにしていました。今回はそれぞれのキャラクターがとっても引き立っています。私はもとから「スチュアート推し」だったんですけど、『ミニオンズ』を観たら「箱推し」になりました。
一同:(笑)
LiSA:ほんとにみんながかわいく、みんなが好きになりました。私はシリーズ3部作をすべて観て思うのは、それぞれみんなが信念を持っていて貫いている。今回の『ミニオンズ』は、それが夢に特化しているお話です。それぞれが自分たちに好きなものがあり、信じているものがある。それに向かって一生懸命なミニオンたちの姿が私は大好きです。これはミニオンに限りません。他のキャラクターたちも一生懸命です。グルーも元々そうですね。「オレだって月を盗って注目されるんだ」ってところからパパのような存在になって、子供たちを面倒みるようになります。かと思ったら次はやっぱり悪党で、「やっぱりグルーは最初から悪党だったんだな。なにも変わっていなかったんだな」と気付かされます。
――どんな人に観てほしい作品でしょうか?
LiSA:子供たちがミニオンを観ると「かわいい」と思うはずです。一方、大人が観たら「自分も子供のころはこんな感じだったな」と自身を投影するでしょうね。観る人によって重なる部分がそれぞれにあると思います。月並みですが、みなさんに楽しんでもらいたいなと思います。
小さな頑張り屋“ミニオン”たちに夢をもらえる映画『ミニオンズ』
――もしおふたりがミニオンになったとしたら、誰に仕えたいですか?
宮野:う~ん、誰かな?
LiSA:誰にしましょうか?
宮野:やはり、今日の記者会見で初めてお会いした「天海祐希さん」でしょうか? とてもかっこよくて、美しくて、オーラが違いました。
LiSA:「スカーレット・オーバーキル」にピッタリな雰囲気でした。
宮野:そうですね。スカーレットがどんどん天海さんに見えてきちゃうくらい。ということで、仕えるんだったら天海祐希さんです。
LiSA:宮野さんは天海さんの旦那さん役ですけどね(笑)。
――最後に読者にメッセージをお願いします。
宮野:「夢を持とう」とか「夢を叶えてみよう」とか、ちょっとした勇気をもらえる映画です。こんなに小さな生き物が、健気にがんばり続ける姿を観たら、すごく刺激を受けると思います。その道中には笑いあり、笑いあり、笑いあり……(笑)。楽しく「ワッハッハ」と笑っているうちに、いつの間にか大切なものをもらえるストーリーです。だからこそ、実はこういう映画は大人がいろいろ気付かされることが多かったりするのかなと思いました。
――夢をもらえる作品は、いいですね。
宮野:LiSAさんもおっしゃっていましたが、子供はミニオンの可愛さに夢中で観ちゃうと思います。なので幅広く愛される理由がわかります。たくさんの人に観ていただきたいです。
LiSA:やっと「私のミニオン」が主役になりました。私は作品に関わらせていただきましたが、見る側としても楽しみです。このシリーズの映画は、いままで何回も何回も見返していますが、見るたびに新しい発見があるんです。「あっ、このときのボブはこんな顔をしてたんだ」とか、細かいところまでとってもかわいいし、こだわって作られている映画です。彼らが一生懸命に夢を追いかけていて、しかも誰かのために頑張っている姿。それをピュアな感じに生活しているのが好きです。だから映画を見終わったときに、自分も純粋な気持ちになれます。「よし、今日もがんばるぞ!」と思える作品なので、可能ならば毎日でも観ていただきたいです。よろしくお願いします!
■『ミニオンズ』
7月31日(金)よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショー!
[声の出演(日本語吹替版)]
天海祐希、バナナマン(設楽統、日村勇紀)、宮野真守、LiSA、藤田彩華、山寺宏一、真田広之(ナレーション)、笑福亭鶴瓶
[スタッフ]
プロデューサー:クリス・メレダンドリ「怪盗グルー」シリーズ
監督: ピエール・コフィン&カイル・バルダ「怪盗グルーのミニオン危機一発」
原題:Minions/2015/アメリカ/カラー
配給:東宝東和
<ストーリー>
人類が誕生する遥か昔、黄色い生物としてミニオンは誕生した。長い年月をかけて進化しながら、絶え間なくその時代の最も強いボスに仕えてきた。Tレックスからナポレオンなどあらゆるボスに仕えてきたが、失敗ばかりで長続きしない。やがて仕えるボスがいなくなり、ミニオンたちは生きる目的を見失ってしまう。ミニオン滅亡の危機が迫る中、兄貴肌のケビン、バナナのことで頭がいっぱいのスチュアート、そして弱虫のボブが仲間たちを救うべく立ち上がった。極寒の南極からニューヨーク、そして流行の最先端を行くロンドンへ――新たな最強最悪のボスを探しに、ミニオンズの壮大な旅が始まる。
>>映画『ミニオンズ』公式サイト