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アニメ
TVアニメ『リゼロ』声優・小林裕介さん、高橋李依さん、内山夕実さん、第2話までを観ての感想は?【取材生活 第1回】
主人公のスバルが死ぬたびに時間が巻き戻る「死に戻り」と、様々な謎と予想外の展開で話題のTVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』(以下、リゼロ)。
そして、この度、2016年4月より放送中の『リゼロ』にフォーカスを合わせた特別企画の実施が決定しました! 題して「Re:ゼロから始める取材生活」。出演声優やOP&EDテーマを担当するアーティストなどのスペシャルインタビューを掲載していく本企画。
作品への想い、ここでしか読めない裏話に加え、近々に放送された回の振り返りに、放送直前の回の見どころも特別にお伝えします。
第1回となる今回はスバル役・小林裕介さん、エミリア役・高橋李依さん、パック役・内山夕実さんが登場。スペシャルな対談の模様を前後編の全2回に分けてお届け!
――まずアニメの第1話をご覧になった感想は?
ナツキ・スバル役 小林裕介さん(以下、小林):先行上映会の大スクリーンで観た時の感動は今も印象に残っています。収録の時から引き込まれる内容で、「これに音楽などが付いたらどうなるんだろう?」といちファンとして楽しみにしていましたが、予想を遥かに超えるクオリティで素晴らしいのひと言しかありませんでした。
映像美もさることながら、しびれたのは音楽で、(高橋)李依ちゃんとも話していましたが、タイトルが出た時に流れた音楽に、「これはきっと良くないことが起こる!」と思わされたり、随所に使われている音楽が作品を盛り上げてくれているなと感じました。そして様々な要素が一体となって作品の世界観を表現していることに感心させられるばかりでした。
エミリア役 高橋李依さん(以下、高橋):光の描写が印象に残っています。第1章にあたるお話は時間軸がキーワードになっていて、キャラクターたちが出会った時間帯などによって展開が変わるわけですが、エミリアが1話で立ち寄った橋が2話でもまた出てきたのがうれしくて。
時間帯は違えど、フェルトとエミリアにとっても印象的なシーンになっていたので、同じ場所を移動しながらも時間によって見え方が違うんだと感心しました。先行上映会で観た時はまるで短編映画を見ている気分になったし、1時間あったので「観たな」という満足感を感じましたが、2話は30分が一瞬で過ぎるなと感じてました。それでいて、ぎゅぎゅっと詰まった内容で、密度の濃い作品だなと改めて思いました。
パック役 内山夕実さん(以下、内山):先行上映で初めて観ましたが、手に汗握る展開で、1話が1時間あって本当によかったなと思いました。
序盤のスバルとエミリアの出会いから一緒に探しものをするところは映像としてもきれいだし、雰囲気もなごやかで、「これから何が始まるんだろうな?」とワクワクしていたところからすごい展開になって、劇場向けのアニメを観ているような感覚になりました。音楽も素敵だったし、すべてが繊細に描かれているなと1話で感じさせてくれて、先行上映会に参加できた人は運がいいなと。
私が言うのもなんですけど(笑)。テレビで観ても、1時間なのに1度観ただけではわからないことがたくさんあって。繰り返し観て楽しめる作品だなと思えたし、今後が楽しみになりました。
――そしてオンエアされたばかりの2話ですが、バッドな展開にならないように奮闘するスバルの姿が……。
小林:スバルがようやく自分の能力に気付いて、エミリアのために行動しようと想いを新たにするお話でした。おもしろいのは流れている時間は基本的には同じなのに、1話の最後に果物屋さんの前で倒れて気絶していたおかげで前を通ったエミリアと再会できて、冒頭で死んでまた戻った時、あそこでちょっと待っていればエミリアに会えたのに、と。さすがに4回も死に戻りを繰り返した分、「ちょっとニアミスだね」と達観した見方ができて。
高橋:視聴者的には「そこだよ! そこだよ!」と言いたくなっちゃう。
小林:でも、あそこで会わなかったからこそ、2話である場所が壊れていたり、ちょっとした違いがあったりして。1回死に戻るごとに、それぞれの世界の変化がしっかり描かれているのがおもしろくて、また1話を見直すと見えなかったものが見えてくるだろうし。
2話の最後でまた死んでしまうのか気になって。そんなことが今後も繰り返されるのかなと思うし、毎回次が楽しみになってもらえるんじゃないかと思える2話でした。
――スバルが何度もエルザにひどい目に遭っていたので、盗品蔵のドアが開いた瞬間、ドキっとしました。エミリアが出てきてホッとしました(笑)。
高橋:家族と一緒に2話を観ていたんですけど、家族は「エルザ来たよ! エルザ来たよ!」とおびえていて、私はひとりで、ほくそ笑んでました(笑)。
視聴者の方は一度、死に戻りを体験している分、思っていた怖いことが起こらなかったり、余裕だと思っていたトンチンカンに刺されて死ぬとか、エルザとばったりはち合わせしたりなど、知っているようで予想がつかないことばかりで。家族は、そんな展開の1つ1つに新鮮な反応を見せてくれるのでおもしろかったです(笑)。
――パックは残念ながらお休み回となりましたが……。
内山:視聴者の皆さんと同じ感覚で、先に何が起こるのかわからない状態でハラハラしながら見ていました。皆さんも見ながら先を想像して、スバルが予想と違う行動をするとヤキモキしたりしているんだろうなとか、私がスバルと同じ状況になったらあんなふうに行動できないだろうなと思ったり、よく自分の能力に気付けたなと感心したり。
自分の能力がわかって、また同じ死の恐怖を味わうかもしれないのに立ち向かう姿は勇気づけられたし、スバルのくじけない心は素敵だなと。あと私個人としては、なんで夜なんだよ! みたいな(笑)。
高橋:ああっ!
小林:活動出来るのが9時17時だから!
内山:日の出ている間に事が起こっていれば、私も出られたのに! とそんなツッコミをしてみたり(笑)。
――実際に演じたり、アニメをご覧になって、原作と印象が変わった点はありますか?
小林:最初に感じたより、スバルがあまりウザくないなと。小説ではどうでもいいことをぐだぐだ言っていて、実際、演じている時もウザく感じたけど、見てみたらそうでもなくて。
内山:ウザい印象はなかったですね。
高橋:ウザいというより気持ち悪い、みたいな。
小林・内山:エッ!?(笑)。
高橋:いや、そうじゃなくて……そうスバルらしいというか! コメントに自虐ツッコミが多くて、家にずっとひきこもってきた成果なのかなと。
内山:確かに相手に言わせないで、自分で言っちゃうところとか。
高橋:自分で言って納得して、自己完結するところがスバルらしいなと思って。対人関係になれていないところがわかりやすく描写されているのかなと。1話を演じるにあたって、エミリアもスバルと同じように人との距離感がとても下手というお話を聞いて、そんな2人だから出会ったのかなと思ったりして。だからウザくないです……よ?
内山:変な空気になったね(笑)。
小林:じゃあ空気を変えてください!
内山:え~と(笑)……パックは小さいけど、動くところなどすごくかわいらしく描かれていて、皆さんからも「かわいいです!」という声をいただいてうれしかったです。
あと周りの背景や異世界の住人の表情など1つひとつが細かくて、スバル達がしゃべっている後ろで絶えず動いていたり、見ていて飽きません。1話のコンビニのシーンなんて何度一時停止と巻き戻しを繰り返したことか。みんなとも「この雑誌、どんな内容なんだろうね」と話したりして。
――先行上映会でも皆さんがコンビニで流れる曲にハマっている様子がおもしろかったです。
内山:そうなんです!
高橋:あの愉快さがいいですね。あのやわらかい昼間っぽくて、お買い物日和!みたいな曲が流れるのがいいんですよね。
――あと実際に人との会話があったからこそ、死に戻りを繰り返すたび、スバルの孤独感が強く感じられて。それもアニメならではかなと思いました。
小林:それを強く感じたのは1話の終わりですね。みんなが他人感をバリバリに出してきていたので。演じている時もオンエアを見た時も絶望感しかなくて。音楽やエミリアの言い方など演出もズバリハマっていましたし。でもあの世界のままじゃなくて、よかったなと思いました。エミリアの、死に戻り後のスバルへの第一印象は最悪だったので。
高橋:あのまま過ごしてもきっといいことないですよね。トンチンカンに感謝ですね(笑)。
小林:Good Job!っていう感じ(笑)。
内山:2話の序盤でまさかあの3人に刺されるなんて衝撃でしたね。
――ご自身が演じるキャラの魅力、演じる時の心構えや苦労した点は?
小林:スバルを演じるにあたっていろいろ考えていて。死ぬことがどれだけキツいのかは彼が一番よく知っていて、どんどんネガティブな展開になりそうな時も理性を保ったり、明るく振る舞えるのは、スバルの魅力じゃないかなと思います。
演技面では落ち込む時はとことん落ち込んで、明るくするところは明るくとメリハリをつけつつ、時にはその明るさも作り物だったりと、いろいろな感情や表情を見せてくれるのは演じていておもしろいし、うつうつとすることもあるし、彼に振り回されてます。
――死に戻りするたびに、死への恐怖が刻まれているのが感じられるのがすごいなと思いました。
小林:ありがとうございます。
高橋:痛さや恐怖が伝わってくるんですよね。簡単にリセットできない死に戻りだから重いんですよね。
小林:演じていておもしろいのは相手との温度の違い。こっちがいろいろ知っているからこそ、エルザが再びスバルに会った時もいいお姉さん風に話しかけてきたのを見て、「こっちは知ってんだよ!」と思いましたね。
1話最後のエミリアとの会話とか、うまく会話が成立しないおもしろさ、無理に合わせようとしなくていい、というのが普通の会話劇とは違うなと。
――高橋さんは毎回、初対面のつもりで接したり、演じなきゃいけないのも大変そうですね。
高橋:スバルが頑張っているのがわかるから感情移入したくなるし、手助けしてあげたい気持ちになります。でも初対面でこんなふうに接してこられたら嫌だろうなというエミリアの感情も代弁してあげなきゃという気持ちもあって。エミリアの感情の振り幅が大きくて、究極的には突き飛ばすか受け入れるかの2つしかないんじゃないかと思うくらいで、それを作中で出していけたらと思って演じています。
――1話で初対面のスバルを助けたシーンでは、ただ人の良い女の子なのかなと思ったけど、かなり複雑な境遇や悩みを抱えているのが段々わかってきましたね。
高橋:そうなんです。あの時、あんな言い回しをしたのはそういう事情があったんだと思ってもらえたら。言葉1つを選ぶにしても慎重で、責任を持って発言しているので、お話が進んでから観てもらうと、あの時は視線が冷たく見えたけれど、こんな理由があったんだとわかっていただけたらうれしいです。
――パックはかわいいけど、精霊で謎めいていて強いという雰囲気も出ていますね。まだ底が見えないというか。
内山:そのあたりは、今はふわっとした感じで(笑)。まだ作中のマスコット的な立ち位置で演じさせていただいていますが、奥底に隠していることがある、謎めいたところは含みを持たせて演じています。あと、かわいくできるように……私、こういうキャラを演じることが普段あまりないんですよ。
高橋:えっ! そうなんですか?
内山:私生活はもちろんですが、キャラで「にゃ」と言うこともほとんどなくて。重々しいシリアスなシーンが続く中で、パックが出てきた時、ちょっとでも癒やしになれたらと、何度かリテイクしていただきつつ(笑)、頑張ってかわいく「にゃ」と言うように心がけています。
高橋:表情や顔のパーツの動きも豊かですよね。鼻がつぶれたり、むぎゅっとつぶれたり。
内山:そうなの。動物自体も演じたことがないから、どの程度、アドリブを入れていいものなのかも最初はわからなかったけど、「みんなのジャマにならない程度に存在感を出そう」とさじ加減も少しずつわかってきました。今後いろいろな意味での見せ場が出てくると思うので楽しみにしてください。
そして、この度、2016年4月より放送中の『リゼロ』にフォーカスを合わせた特別企画の実施が決定しました! 題して「Re:ゼロから始める取材生活」。出演声優やOP&EDテーマを担当するアーティストなどのスペシャルインタビューを掲載していく本企画。
作品への想い、ここでしか読めない裏話に加え、近々に放送された回の振り返りに、放送直前の回の見どころも特別にお伝えします。
第1回となる今回はスバル役・小林裕介さん、エミリア役・高橋李依さん、パック役・内山夕実さんが登場。スペシャルな対談の模様を前後編の全2回に分けてお届け!
目次
- 予想を超えるクオリティと手に汗握る展開で密度濃く、目が離せなくなる作品
- 自身の能力に気付いたスバルが奔走する2話――「エルザが来た!」と家族がおびえた人は?
- アニメのスバルは思ったよりウザくない? 動くパックのかわいさに萌え
- いろいろな表情を見せるスバルは演じがいがあり、相手の温度差もおもしろい
- 両極端に見えるエミリアの感情――その理由を今後見てわかってほしい
- パックは初の動物キャラ――シリアスな物語の癒し的な存在になれたら
- 命をすり減らしながら魂を込めて演じる小林さんはスバルと重なる
- リセットされるたび新鮮な演技を見せる高橋さん
- かわいくてイケメンでキュンとくるパック――内山さんの演技にのっかれる楽しさ
- もし異世界召喚されたらどんな行動をとる?
- 高橋さんがパーソナリティのラジオは毎回、生配信&ゲスト登場!
- 放送直前の3話の見どころとは?
予想を超えるクオリティと手に汗握る展開で密度濃く、目が離せなくなる作品
――まずアニメの第1話をご覧になった感想は?
ナツキ・スバル役 小林裕介さん(以下、小林):先行上映会の大スクリーンで観た時の感動は今も印象に残っています。収録の時から引き込まれる内容で、「これに音楽などが付いたらどうなるんだろう?」といちファンとして楽しみにしていましたが、予想を遥かに超えるクオリティで素晴らしいのひと言しかありませんでした。
映像美もさることながら、しびれたのは音楽で、(高橋)李依ちゃんとも話していましたが、タイトルが出た時に流れた音楽に、「これはきっと良くないことが起こる!」と思わされたり、随所に使われている音楽が作品を盛り上げてくれているなと感じました。そして様々な要素が一体となって作品の世界観を表現していることに感心させられるばかりでした。
エミリア役 高橋李依さん(以下、高橋):光の描写が印象に残っています。第1章にあたるお話は時間軸がキーワードになっていて、キャラクターたちが出会った時間帯などによって展開が変わるわけですが、エミリアが1話で立ち寄った橋が2話でもまた出てきたのがうれしくて。
時間帯は違えど、フェルトとエミリアにとっても印象的なシーンになっていたので、同じ場所を移動しながらも時間によって見え方が違うんだと感心しました。先行上映会で観た時はまるで短編映画を見ている気分になったし、1時間あったので「観たな」という満足感を感じましたが、2話は30分が一瞬で過ぎるなと感じてました。それでいて、ぎゅぎゅっと詰まった内容で、密度の濃い作品だなと改めて思いました。
パック役 内山夕実さん(以下、内山):先行上映で初めて観ましたが、手に汗握る展開で、1話が1時間あって本当によかったなと思いました。
序盤のスバルとエミリアの出会いから一緒に探しものをするところは映像としてもきれいだし、雰囲気もなごやかで、「これから何が始まるんだろうな?」とワクワクしていたところからすごい展開になって、劇場向けのアニメを観ているような感覚になりました。音楽も素敵だったし、すべてが繊細に描かれているなと1話で感じさせてくれて、先行上映会に参加できた人は運がいいなと。
私が言うのもなんですけど(笑)。テレビで観ても、1時間なのに1度観ただけではわからないことがたくさんあって。繰り返し観て楽しめる作品だなと思えたし、今後が楽しみになりました。
自身の能力に気付いたスバルが奔走する2話――「エルザが来た!」と家族がおびえた人は?
――そしてオンエアされたばかりの2話ですが、バッドな展開にならないように奮闘するスバルの姿が……。
小林:スバルがようやく自分の能力に気付いて、エミリアのために行動しようと想いを新たにするお話でした。おもしろいのは流れている時間は基本的には同じなのに、1話の最後に果物屋さんの前で倒れて気絶していたおかげで前を通ったエミリアと再会できて、冒頭で死んでまた戻った時、あそこでちょっと待っていればエミリアに会えたのに、と。さすがに4回も死に戻りを繰り返した分、「ちょっとニアミスだね」と達観した見方ができて。
高橋:視聴者的には「そこだよ! そこだよ!」と言いたくなっちゃう。
小林:でも、あそこで会わなかったからこそ、2話である場所が壊れていたり、ちょっとした違いがあったりして。1回死に戻るごとに、それぞれの世界の変化がしっかり描かれているのがおもしろくて、また1話を見直すと見えなかったものが見えてくるだろうし。
2話の最後でまた死んでしまうのか気になって。そんなことが今後も繰り返されるのかなと思うし、毎回次が楽しみになってもらえるんじゃないかと思える2話でした。
――スバルが何度もエルザにひどい目に遭っていたので、盗品蔵のドアが開いた瞬間、ドキっとしました。エミリアが出てきてホッとしました(笑)。
高橋:家族と一緒に2話を観ていたんですけど、家族は「エルザ来たよ! エルザ来たよ!」とおびえていて、私はひとりで、ほくそ笑んでました(笑)。
視聴者の方は一度、死に戻りを体験している分、思っていた怖いことが起こらなかったり、余裕だと思っていたトンチンカンに刺されて死ぬとか、エルザとばったりはち合わせしたりなど、知っているようで予想がつかないことばかりで。家族は、そんな展開の1つ1つに新鮮な反応を見せてくれるのでおもしろかったです(笑)。
――パックは残念ながらお休み回となりましたが……。
内山:視聴者の皆さんと同じ感覚で、先に何が起こるのかわからない状態でハラハラしながら見ていました。皆さんも見ながら先を想像して、スバルが予想と違う行動をするとヤキモキしたりしているんだろうなとか、私がスバルと同じ状況になったらあんなふうに行動できないだろうなと思ったり、よく自分の能力に気付けたなと感心したり。
自分の能力がわかって、また同じ死の恐怖を味わうかもしれないのに立ち向かう姿は勇気づけられたし、スバルのくじけない心は素敵だなと。あと私個人としては、なんで夜なんだよ! みたいな(笑)。
高橋:ああっ!
小林:活動出来るのが9時17時だから!
内山:日の出ている間に事が起こっていれば、私も出られたのに! とそんなツッコミをしてみたり(笑)。
アニメのスバルは思ったよりウザくない? 動くパックのかわいさに萌え
――実際に演じたり、アニメをご覧になって、原作と印象が変わった点はありますか?
小林:最初に感じたより、スバルがあまりウザくないなと。小説ではどうでもいいことをぐだぐだ言っていて、実際、演じている時もウザく感じたけど、見てみたらそうでもなくて。
内山:ウザい印象はなかったですね。
高橋:ウザいというより気持ち悪い、みたいな。
小林・内山:エッ!?(笑)。
高橋:いや、そうじゃなくて……そうスバルらしいというか! コメントに自虐ツッコミが多くて、家にずっとひきこもってきた成果なのかなと。
内山:確かに相手に言わせないで、自分で言っちゃうところとか。
高橋:自分で言って納得して、自己完結するところがスバルらしいなと思って。対人関係になれていないところがわかりやすく描写されているのかなと。1話を演じるにあたって、エミリアもスバルと同じように人との距離感がとても下手というお話を聞いて、そんな2人だから出会ったのかなと思ったりして。だからウザくないです……よ?
内山:変な空気になったね(笑)。
小林:じゃあ空気を変えてください!
内山:え~と(笑)……パックは小さいけど、動くところなどすごくかわいらしく描かれていて、皆さんからも「かわいいです!」という声をいただいてうれしかったです。
あと周りの背景や異世界の住人の表情など1つひとつが細かくて、スバル達がしゃべっている後ろで絶えず動いていたり、見ていて飽きません。1話のコンビニのシーンなんて何度一時停止と巻き戻しを繰り返したことか。みんなとも「この雑誌、どんな内容なんだろうね」と話したりして。
――先行上映会でも皆さんがコンビニで流れる曲にハマっている様子がおもしろかったです。
内山:そうなんです!
高橋:あの愉快さがいいですね。あのやわらかい昼間っぽくて、お買い物日和!みたいな曲が流れるのがいいんですよね。
――あと実際に人との会話があったからこそ、死に戻りを繰り返すたび、スバルの孤独感が強く感じられて。それもアニメならではかなと思いました。
小林:それを強く感じたのは1話の終わりですね。みんなが他人感をバリバリに出してきていたので。演じている時もオンエアを見た時も絶望感しかなくて。音楽やエミリアの言い方など演出もズバリハマっていましたし。でもあの世界のままじゃなくて、よかったなと思いました。エミリアの、死に戻り後のスバルへの第一印象は最悪だったので。
高橋:あのまま過ごしてもきっといいことないですよね。トンチンカンに感謝ですね(笑)。
小林:Good Job!っていう感じ(笑)。
内山:2話の序盤でまさかあの3人に刺されるなんて衝撃でしたね。
いろいろな表情を見せるスバルは演じがいがあり、相手の温度差もおもしろい
――ご自身が演じるキャラの魅力、演じる時の心構えや苦労した点は?
小林:スバルを演じるにあたっていろいろ考えていて。死ぬことがどれだけキツいのかは彼が一番よく知っていて、どんどんネガティブな展開になりそうな時も理性を保ったり、明るく振る舞えるのは、スバルの魅力じゃないかなと思います。
演技面では落ち込む時はとことん落ち込んで、明るくするところは明るくとメリハリをつけつつ、時にはその明るさも作り物だったりと、いろいろな感情や表情を見せてくれるのは演じていておもしろいし、うつうつとすることもあるし、彼に振り回されてます。
――死に戻りするたびに、死への恐怖が刻まれているのが感じられるのがすごいなと思いました。
小林:ありがとうございます。
高橋:痛さや恐怖が伝わってくるんですよね。簡単にリセットできない死に戻りだから重いんですよね。
小林:演じていておもしろいのは相手との温度の違い。こっちがいろいろ知っているからこそ、エルザが再びスバルに会った時もいいお姉さん風に話しかけてきたのを見て、「こっちは知ってんだよ!」と思いましたね。
1話最後のエミリアとの会話とか、うまく会話が成立しないおもしろさ、無理に合わせようとしなくていい、というのが普通の会話劇とは違うなと。
両極端に見えるエミリアの感情――その理由を今後見てわかってほしい
――高橋さんは毎回、初対面のつもりで接したり、演じなきゃいけないのも大変そうですね。
高橋:スバルが頑張っているのがわかるから感情移入したくなるし、手助けしてあげたい気持ちになります。でも初対面でこんなふうに接してこられたら嫌だろうなというエミリアの感情も代弁してあげなきゃという気持ちもあって。エミリアの感情の振り幅が大きくて、究極的には突き飛ばすか受け入れるかの2つしかないんじゃないかと思うくらいで、それを作中で出していけたらと思って演じています。
――1話で初対面のスバルを助けたシーンでは、ただ人の良い女の子なのかなと思ったけど、かなり複雑な境遇や悩みを抱えているのが段々わかってきましたね。
高橋:そうなんです。あの時、あんな言い回しをしたのはそういう事情があったんだと思ってもらえたら。言葉1つを選ぶにしても慎重で、責任を持って発言しているので、お話が進んでから観てもらうと、あの時は視線が冷たく見えたけれど、こんな理由があったんだとわかっていただけたらうれしいです。
パックは初の動物キャラ――シリアスな物語の癒し的な存在になれたら
――パックはかわいいけど、精霊で謎めいていて強いという雰囲気も出ていますね。まだ底が見えないというか。
内山:そのあたりは、今はふわっとした感じで(笑)。まだ作中のマスコット的な立ち位置で演じさせていただいていますが、奥底に隠していることがある、謎めいたところは含みを持たせて演じています。あと、かわいくできるように……私、こういうキャラを演じることが普段あまりないんですよ。
高橋:えっ! そうなんですか?
内山:私生活はもちろんですが、キャラで「にゃ」と言うこともほとんどなくて。重々しいシリアスなシーンが続く中で、パックが出てきた時、ちょっとでも癒やしになれたらと、何度かリテイクしていただきつつ(笑)、頑張ってかわいく「にゃ」と言うように心がけています。
高橋:表情や顔のパーツの動きも豊かですよね。鼻がつぶれたり、むぎゅっとつぶれたり。
内山:そうなの。動物自体も演じたことがないから、どの程度、アドリブを入れていいものなのかも最初はわからなかったけど、「みんなのジャマにならない程度に存在感を出そう」とさじ加減も少しずつわかってきました。今後いろいろな意味での見せ場が出てくると思うので楽しみにしてください。
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(C) 長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会