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平坂読先生&さがら総先生は『チェンクロ』ガチ勢!?

参加作家は全員ガチ勢!?『チェンクロ』×「KADOKAWA」コラボで平坂読先生とさがら総先生が作りたかった物語とは?

 セガゲームスより配信中のスマートフォン向けRPGアプリ『チェインクロニクル ~絆の新大陸~』(以下、チェンクロ)。本作は、戦略性の高い本格的なバトルシステムと大ボリュームのストーリーが支持され、まもなく3周年を迎えようとしている人気スマホゲームです。

 現在は『チェンクロ』と「KADOKAWA」との大型コラボレーションの一環として、数々のアニメ化作品を送り出してきたライトノベルレーベル「MF文庫J」の人気作家陣と豪華イラストレーター陣がシナリオとイラストで参加。開拓者の島「レムレス島」を舞台に、個性豊かなキャラクターによる物語が紡がれています。

 今回は、コラボ企画のメインシナリオを担当する平坂読先生(代表作『僕は友達が少ない』(以下、はがない))と、同じく今回のコラボにシナリオ担当として参加されているさがら総先生(代表作『変態王子と笑わない猫。』(以下、変猫))の対談インタビューが実現。『チェンクロ』が大好きだというお二人から、ゲームに関する話題を中心に、ここでしか聞けない話題を多数お聞かせいただきました。平坂先生&さがら先生はかなりのガチプレイヤーだった参加作家は『チェンクロ』プレイヤーから選ばれた……などなど、ファン必見のお話しの数々に注目です。


■ 作家が集まるクリスマスパーティーでさがら先生が平坂先生に参加を直談判!?

──本日はよろしくお願いします。お二人はどれくらい『チェンクロ』をプレイされているのでしょうか。

平坂読先生(以下、平坂):僕はランクが123です。リリースされてから1、2週間くらいで始めまして、連続ログイン日数は1030日(約2年10ヶ月)になりますね。

さがら総先生(以下、さがら):僕は平坂先生の少し後くらいから始めて、連続ログイン日数は886(約2年5ヶ月)、ランクは127です。


──お二人とも本当にやり込まれているんですね。今回のコラボにはどのような経緯で参加されたのでしょうか?

平坂:僕も参加させていただいた前回のMF文庫Jとのコラボレーション(※1)が好評だったようで、セガさんからお話をいただきました。個人的にもずっとプレイしているゲームですし、前回のコラボで参加させていただいた時もすごく面白かったので、是非やってみようかなと。

※1:2014年1月9日~2014年1月15日まで開催されていたイベント。平坂先生は「伝説を創る者 ヘロディア(シナリオ:平坂読/イラスト:兎塚エイジ/CV:三上枝織)のストーリーを担当。

さがら:僕がそもそも『チェンクロ』を始めたのは、3年前に作家が集まる平坂さんのクリスマスパーティーで、平坂さんに勧められたおかげなんです。それからゲームにどっぷりとハマって、2回目のコラボがあるという話を聞いた時、平坂さんに参加させてもらえないか直談判したんです。その時は「お前は参加させない!」みたいなことを言われたので、レイドイベント(※2)でHPをギリギリまで削ったキリ番のボスを放流したりして、どうにかゲーム内で誠意を見せることで認めてもらえました(笑)

※2:魔神襲来イベント。強力なレイドボスを複数のプレイヤーと協力して倒すイベント。

平坂:あれ、そうだったっけ?(笑)

一同:(笑)。


■ 原稿料は全て精霊石へ!? 心からゲームを愛する両者が語る『チェンクロ』の魅力とは

──以前から対談やTRPGのリプレイで共演されていたり、お二人は非常に仲が良いようにお見受けするのですが、普段から交流があるのでしょうか?

さがら:そうですね。お互いにボードゲームとかも好きなので、よく一緒に遊んでいます。作家同士の集まりとかもあって、今回の『チェンクロ』の企画に参加されている作家さん達は、平坂先生に布教されてゲームを始めた方が多いんですよ


──参加された先生方は、原稿料はすべて精霊石に使う熱心なプレイヤーばかりともお聞きします。そこまで人を魅了する『チェンクロ』の魅力とは何だと考えられていますか?

平坂:『チェンクロ』公開当時のソーシャルゲームやアプリゲームは、よくも悪くもシンプルなものが多かったのですが、そんな中でも『チェンクロ』はゲームとしてしっかりして、すごく新鮮に感じたのを覚えていますね。

さがら:僕もただタッチするだけ、みたいなゲームはあまり好きじゃないのですが、『チェンクロ』はすごくゲーム性も高くて面白いなと。コンテンツが豊富でプレイヤーごとにいろいろな楽しみ方があるのも良いですし、何よりキャラクターが可愛いですよね! あと、先日実装されたシステムで弟子を取れる(※3)っていうのも面白いなと。

※3:新規のプレイヤーが既存プレイヤーの弟子になれるシステム。アイテムのやりとりができたり、経験値ボーナスがあったりなど、正に師匠と弟子の関係を作ることができます。


──実際に弟子は取られているのでしょうか?

さがら:これまではいなかったんですが、昨日初めて申請が来たんですよ! もしかしたら今日に合わせてセガさんが配慮してくれたのかな、と考えたりもしましたが(笑)。


──先生の弟子になった方は羨ましいですね。キャラクターについても触れていましたが、お気に入りのキャラはいますか?

さがら:たぶん平坂先生と被るかなと思うんですけど、「黄金の魔女ファティマ(CV:小岩井ことり)」です。

平坂:……そうですね、ファティマは好きです。全裸ですし(笑)。

さがら:シナリオの中で全裸なことを最初はみんなスルーしていたのに、最近は少しずつツッコまれるようになったのも面白いなと。よく審査通ったなとも思いますけど(笑)。

他にも「残されし欠片ハティ(CV:沢城みゆき)」も好きで、あの時ばかりはもう思い出したくないくらいつぎ込みまして……なんとか4凸(※4)できたのは良かったです(笑)。

※4:凸とは同じアルカナ同士を掛けあわせて強化し、レベル上限を上げること。最大4回まで掛け合わせができ、レベルを最大値まで上げることができます。

▲左から「黄金の魔女ファティマ(CV:小岩井ことり)」、「残されし欠片ハティ(CV:沢城みゆき)」

▲左から「黄金の魔女ファティマ(CV:小岩井ことり)」、「残されし欠片ハティ(CV:沢城みゆき)」

──男性キャラクターではどうでしょう?

さがら:騎士と魔法使いを使ったパーティが好きなので「伝説の剣ランスバーン(CV:置鮎龍太郎)」は引いたんですが、うちには基本的にレイドイベントでも踏破イベント(※5)でも、男性キャラがいるとガチャを引かないという家訓がありまして(笑)。

※5:限定のエリアで、物語に沿って敵を倒していくイベント。

平坂:僕は男性キャラなら「希望の闇リヒト(CV:緑川光)」が好きですね。攻撃できる僧侶を集めているので、もしバージョン2が出るなら是非欲しいです。

▲左から「伝説の剣ランスバーン(CV:置鮎龍太郎)」、「希望の闇リヒト(CV:緑川光)」

▲左から「伝説の剣ランスバーン(CV:置鮎龍太郎)」、「希望の闇リヒト(CV:緑川光)」

■ 気になるお二人のパーティは?

──ちなみに、お二人のガチャ運の方はどうなのでしょうか?

平坂:良い時もあれば悪い時もあるという感じですが、ファティマの時は悪かったですね……僕もかなりつぎ込みました。

さがら:僕は最初に引いたのが「強運の戦士ニンファ(CV:内田真礼)」(※6)だったんですよ。当然最初は価値がよく分かっていなかったわけですが、「ニンファと「候補生チアリー(CV:小岩井ことり)」(※7)が出ました」と報告したら、平坂先生の表情がみるみる変わっていって……。それから目の敵にされ、先ほどの「お前は参加させない」話に繋がっていくわけです(笑)。

一同:(笑)。

▲左から「強運の戦士ニンファ(CV:内田真礼)」、「候補生チアリー(CV:小岩井ことり)」

▲左から「強運の戦士ニンファ(CV:内田真礼)」、「候補生チアリー(CV:小岩井ことり)」

※6:「強運の戦士ニンファ」は敵を倒したときにアイテムがドロップしやすくなるアビリティを所持。その他にも必殺技に使用するマナを獲得しやすくなるアビリティも所持しており、長く活躍するキャラクターです。
※7:「候補生チアリー」は希少な全体攻撃ができる必殺技を使うキャラクター。強力な必殺技が2マナで発動できます。


──(笑)。そんな感じでしたら、メインパーティもなかなかのメンバーなのでは?

平坂:今、メインで使っているのは、殴り僧侶(※8)をメインにしたパーティで、前衛に「巡る薬師クオン(CV:種田梨沙)」「求道の荒尼僧シジマ(CV:伊瀬茉莉也)」「真実の探究者トゥキリス(CV:嶋村侑)」「希望の闇リヒト」、後衛に「年代記の少女フィーナ(CV:佐倉綾音)」「クジュウリの姫君ルルティエ(CV:加隈亜衣)」という編成です。

※8:通常、僧侶は近接攻撃力が他の職業タイプと比べて低くなっていますが、特定の僧侶キャラクターの中には近接攻撃が劣らないものもいます。

▲左から「巡る薬師クオン(CV:種田梨沙)」、「求道の荒尼僧シジマ(CV:伊瀬茉莉也)」、「真実の探究者トゥキリス(CV:嶋村侑)」

▲左から「巡る薬師クオン(CV:種田梨沙)」、「求道の荒尼僧シジマ(CV:伊瀬茉莉也)」、「真実の探究者トゥキリス(CV:嶋村侑)」

▲左から「年代記の少女フィーナ(CV:佐倉綾音)」、「クジュウリの姫君ルルティエ(CV:加隈亜衣)」

▲左から「年代記の少女フィーナ(CV:佐倉綾音)」、「クジュウリの姫君ルルティエ(CV:加隈亜衣)」

さがら:僕は、「黄金の魔女ファティマ」「誓いし聖王女ユリアナ(CV:小岩井ことり)」「“清廉の泉”騎士団長ミノア(CV:井口裕香)」「救世の聖女リリス(CV:佐倉綾音)」といった感じで……ファティマを活かすためにどうするかというのが基本になっています。

▲左から「誓いし聖王女ユリアナ(CV:小岩井ことり)」、「“清廉の泉”騎士団長ミノア(CV:井口裕香)」、「救世の聖女リリス(CV:佐倉綾音)」

▲左から「誓いし聖王女ユリアナ(CV:小岩井ことり)」、「“清廉の泉”騎士団長ミノア(CV:井口裕香)」、「救世の聖女リリス(CV:佐倉綾音)」

──お二人ともガチですね!


■ 平坂先生による、さがら先生への手厳しい愛の鞭も

──今回のコラボには大勢の作家陣が参加されていますが、シナリオの構成手順はどのように行われたのでしょうか?

平坂:最初に僕が作った世界観とざっくりとしたプロットを全員で共有し、その中で作家さんに自由にキャラクターを作っていただきました。最後に出来上がってきたキャラクターを僕がメインシナリオに入れていく、という形式でした。

さがら:その結果、「お前の作ったキャラは使いにくい」「三浦先生のシナリオは良かった、こういうのを求めていたんだよ」と散々に言われ、この世界の厳しい上下関係を思い知りました(笑)。

一同:(笑)。


──キャラクターの方向性なども全て作家の方々に一任した形なのでしょうか?

さがら:一応、こういう職業があればいいみたいな大まかな指針のようなものはあったのですが、それもあくまで参考程度という感じで、ほぼ自由に作らせてもらえましたね


──新しい大陸を作るというのも思い切っていますよね。

平坂:最初のコラボの時にもかなり力を入れて書いていたんですが、期間限定だったのが残念で。今回は「後から始める人も仲間にできるような形に」と要望を出していたんです。そうしたらありがたいことに、大陸を丸々1個作り、シナリオを他の先生方にも書いてもらいましょうという話になっていき……まさかこんな大掛かりなものになるとは自分でも思ってなかったんですが(笑)

──作家陣の人選はどのように?

平坂:メディアファクトリーで書いている中でも、特に『チェンクロ』が好きな人たちを集めた形になります。

さがら:あとは、レイドで弱らせた魔神を放流してくれるかという(笑)。


──またまた(笑)。イラストレーターさんについても希望を出されたのでしょうか?

平坂:そうですね。僕の場合は一緒に仕事をしたことがある方や、個人的にいい仕事をされているなと感じている方を選ばせていただきました。

さがら:僕もそうですね。カントク先生に描いていただいたのもそうですし、かみやまねき先生のイラストは前々から魅力的だと感じていたので、担当さんにお願いして希望を叶えていただきました。


──キャラクターを考える上で苦労した部分はありますか?

平坂:まず『チェンクロ』の世界観を大切にするというのが第一にあります。既存の大陸と被らないものとしてチョイスした、西部劇の舞台に馴染むキャラクターを考えるのには頭を捻りました。ただ、シナリオを書く分にも楽しさの方が大きく、さほどの苦労はなかったですね。

さがら:キャラクターの作り方がライトノベルとはちょっと違っていて、短いスパンで話を考えるんです。それが面白くて、楽しいことばかりだったので僕もあまり苦労はなかったですね。ただ、シナリオの方がどうしても「魔物が来たぞ!」一辺倒になってしまいがちなのが悩みどころでした。


■ 『チェンクロ』の制約は“人を殺さないこと”

──西部劇というこれまでにない世界観を舞台にし、なおかつ黒の軍勢が登場しないというのは、多くのプレイヤーを驚かせたのではないかと思うのですが。

平坂:まず『チェンクロ』の世界観は自由度が高いので、機械文明があるなら西部劇でも問題ないだろうと考えたのが大きな理由です。黒の軍勢が出ないのは、個人的にそのパターンに少し飽きていて、それ以外の勢力と戦うのも目新しいのではないかと。最初は自分でも大丈夫かなと不安はあったのですが、セガさんの方にも快くOKしていただきました。

──西部劇というと普段お二人が書かれる作品とはかなりイメージが異なると思うのですが、普段あまり書かないジャンルに挑戦したいと思うことはあるのでしょうか?

平坂:それはあります。ライトノベルだとファンタジーは過去にも書いてきたんですが、西部劇はおそらくこれからも書く機会はないだろうなと、このチャンスにやってみようと思ったのも理由の一つです。

さがら:僕が書いてみたいのは『インターステラー』(※9)のような文系SFですね。ある程度はしっかりとした考証はあるんだけど、物語としては「愛が世界を救う!」が主題みたいな。

平坂: SFなら僕は『オデッセイ』(※10)みたいなのを書いてみたいですね。

※9:クリストファー・ノーラン監督による2014年のSF映画。異常気象などによって人類の危機が顕著になった近未来が舞台。地球を離れ新たな居住可能惑星探索を行うため、別の銀河を目指す宇宙飛行士のチームたちの姿が描かれる作品。
※10:リドリー・スコット監督による2015年のSF映画。火星に置き去りにされたひとりの宇宙飛行士の生存をかけた作品。


──シナリオを書く上で、『チェンクロ』ファンならではのこだわりのポイントもあったりするのでしょうか?

さがら:選択肢を入れたことですかね。個人的に、どちらを選んでも変化がない、意味のない選択肢が好きではないので、なるべくギャップのある二択を提示できるように考えました。

平坂:僕は別に選択肢に対するこだわりはなく、基本的に主人公を喋らせるための手段として使っていて、その後の会話が大きく変化したりすることは少ないですね。

さがら:なるほど。おっしゃる通り、やっぱり変化しないのも良いですよね!

一同:(爆笑)。

平坂:……こういう人なんですよ(笑)。


──今回のコラボシナリオを執筆する上で、何か具体的に制約はあったのでしょうか?

平坂:これは初稿の後になってから聞いたことですけど、レムレス島以外のキャラクターで登場させていいのは、基本的に「善良なる騎士カイン(CV: 内田真礼)」「海駆ける少女ペイシェ(CV: 花澤香菜)」など、必ず仲間になっているキャラのみという所ですかね。実は初稿だと「千河の司令官ビエンタ(CV:佐倉綾音)」「副都の戦術家ヤーウッド(CV:福山潤)」など色んなキャラをバンバン出していたのですが、それはNGになりました。あとは、「義勇軍は絶対に人を殺してはいけない」という部分ですね。これまでもどんな悪人でも、直接殺している描写は存在していないと思います。

▲左から「千河の司令官ビエンタ(CV:佐倉綾音)」、「副都の戦術家ヤーウッド(CV:福山潤)」

▲左から「千河の司令官ビエンタ(CV:佐倉綾音)」、「副都の戦術家ヤーウッド(CV:福山潤)」

さがら:僕はそれをたった今知りました(笑)。


──なるほど。お互いのシナリオを読まれた感想はどうでしたか?

平坂:とにかく、さがらさんのキャラクターはメインシナリオで使いにくいなぁと(笑)。シナリオの完成度は高いんですけど、例えば2人1組というキャラクター性がある「英雄見習いキャロ(CV:野川さくら)」「鬼面の騎士カロラッカ(CV:野川さくら)」だと、その関係性が明かされるのがキャラクターシナリオの最後なので、本編でどう絡ませようかなと。第2部で配信される測量士見習いの「ラントカルテ」というキャラクターも、キャラシナリオの最後である秘密が明かされるので、どう見せ場を与えるかで悩まされましたね。

▲左から「英雄見習いキャロ(CV:野川さくら)」、「鬼面の騎士カロラッカ(CV:野川さくら)」

▲左から「英雄見習いキャロ(CV:野川さくら)」、「鬼面の騎士カロラッカ(CV:野川さくら)」

さがら:僕は逆に「伝説を創る者 ヘロディア(CV:三上枝織)」(※11)はとても出しやすかったですね。キャラクターシナリオが先にあったというのもありますが、考え方や目的といったスタンスが明確なので、動かしていて楽しかったです。

▲「伝説を創る者 ヘロディア(CV:三上枝織)」

▲「伝説を創る者 ヘロディア(CV:三上枝織)」

※11:「伝説を創る者 ヘロディア」は2014年に開催されたMF文庫Jとの第一弾コラボイベントでメインに登場したキャラクター。黒の軍勢と戦う英雄の物語を執筆しており、今回のコラボでもレムレス島の冒険に同行します。


■ お二人が今後書いてみたい作品は?

──お二人自身についてのお話もいくつか聞いてみたいのですが、最初に小説を書こうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

平坂:高校生の頃、受験勉強中の気晴らしでなんとなく書き始めたのがきっかけです。賞に応募した時にかすりもしなくて、その悔しさから本格的にプロを目指すようになりました。さすがに応募回数なんかはあやふやですが、当時はMF文庫Jが短編を募集していた頃で、短編を色々応募していました。その時に担当さんを比較的早くつけて頂いていたのを覚えています。

さがら:僕は大学生の時に単位取得からの逃げ場を探して(笑)。「単位をとっていなかった間、こういうことをしていました」という、実績を作っておくために賞に応募していました。もしかするとその頃から、どこかでプロになろうという意識はあったかもしれませんが、本格的に意識するようになったのは3回目の応募の時に受賞してからですね。


──今回のコラボ企画もそうですが、さがら先生はシェアードワールドや共同原作なども手がけられていて、他の作家の方と一緒に仕事をされることが多い印象を受けているのですが。

さがら:結果としてたまたま多くなってしまったなという感じなんですが、好き嫌いで言えば好きですね。ライトノベルは基本1人だけの作業ですが、他人とワイワイ話しながら物語を作るのは楽しいです。

決して他人のキャクターを動かすこと自体が得意なわけではないんですが、誰かが書いた物語に対して、自分もそれに関連された物語をぶつけるというリレー小説のような形式は結構好きなんですよ。前提としてこうしたものを盛り込まないといけないとか、何かしらの制約がある状態で物語を書くほうが書きやすいので、性にあっているのかもしれませんね。

──お二人共MF文庫Jを代表するヒット作を生み出されていますが、そうした看板作品を手掛ける上でプレッシャーはありましたか?

さがら:僕がデビューした時にはすでに『はがない』がありまして、当時の担当さんが『はがない』と同じ方だったこともあり、日頃から何かと比較され調教されるのが日常茶飯事だったので(笑)。あまりプレッシャーを感じることはなかったです。

平坂:プレッシャーはありますが、売れているかどうかはあまり関係ないですね。今も昔も、作品を発表する時は同じように緊張しています。それは今回のコラボシナリオでも同様です。


──ライトノベルと比較して、ソーシャルゲームのシナリオを書く上で勝手の違いはありましたか?

平坂:一番大きいのは地の文を書かなくていいことです(笑)。もちろんタップ数を意識しないといけないなど、制限はあるんですけど、やりやすかったことの方が多かったですね。

さがら:僕が担当したキャラクターシナリオの方では、目指すべきポイントを短いスパンで描くことになる分、凝縮された物語を書けるのが楽しかったですね。機会があるなら、また是非挑戦してみたいなと。


──そこから繋がってくる話ですが、アプリやライトノベル以外の分野でもシナリオを書いてみたいという想いはありますか?

平坂:ゲームシナリオは書いていて楽しいので、やってみたいという気持ちもある一方、アプリは以前にシナリオを担当していた作品がすぐに終わってしまったので……(笑)。やりたいのはRPGのシナリオですね。実はRPGは、今も趣味で「RPGツクール」を使って自作しているくらい好きなんです。

さがら:ライトノベルだけを書いていると、どうしても限られた手法に飽きてしまうので、ソーシャルゲームであるとか違ったジャンルのシナリオは積極的にやってみたいですね。ライトノベル執筆のモチベーションを向上させることにも繋がりますし、結果としてそれがメディアファクトリーやラノベの読者さんのためになるという強い気持ちを持ちながら(笑)、他の分野にも挑戦していきたいです。

■「キャロとカロラッカは使える!」と、さがら先生が力説する一幕も

──その他、改めて今回のコラボで、アピールしておきたい部分があれば。

さがら:キャロとカロラッカの3Dモデルの目がすごく可愛いんですよ! 自分のパーティでも愛用しているので、是非皆さんにも使っていただければ嬉しいですね。

平坂:今回のコラボ第2弾の話をいただいた時、バージョン2の実装を自分からお願いしたくらい、ヘロディアは凄く気に入っているキャラクターなんです。もちろん他のキャラにも愛着はあるんですが、特にヘロディアのシナリオは気合を入れて書きましたので、楽しんでいただければと思います。


──では最後に、今回のコラボを楽しんでいる、もしくはこれから楽しまれる方々に向けたメッセージがあれば。

平坂:メインシナリオ分量としても2部構成の大ボリュームで、内容もしっかりと盛り上がるものになっていますので、キャラシナリオを含め隅々までたっぷり楽しんでいただければと思います。

さがら:キャロとカロラッカに関して、性能への手厳しい意見も見受けられるのですが、貴重な戦騎結束ということで、自分は「三叉槍の戦姫オルカ(CV:井口裕香)」などと組み合わせると最高難易度の総力戦も問題なくクリアできました。なので、「きちんとした組み合わせを考えれば、十分使えるんだよ!」ということをここで改めて強くアピールしておきたいです(笑)。

──了解しました(笑)。本日はありがとうございました!


■ 『チェインクロニクル ~絆の新大陸~』作品概要

ジャンル:チェインシナリオRPG
価格:基本無料(アイテム課金あり)
サービス開始:Android / iOS / Amazon 配信中 
メーカー:セガゲームス

<チェインクロニクル ~絆の新大陸~とは>
『チェインクロニクル ~絆の新大陸~』は、出会った仲間たちとの物語がつながっていくチェインシナリオRPGです。舞台となるのは、最果ての大陸「ユグド」。プレイヤーは、暗黒の魔物たちから「ユグド」を守るため、立ちあがったひとりの戦士となり、総勢600名以上の仲間たちとストーリーを紡いでいきます。誰と出会い、誰と絆を深め、どんな物語を見るかは、プレイヤー次第です。



>>『チェインクロニクル ~絆の新大陸~』公式サイト
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