声優
山寺宏一さん花江夏樹さんの師弟コンビへロングインタビュー【前編】

事務所で師弟関係を結ぶ熱い絆!! 『おはスタ』のMCを受け渡した山寺宏一さん、花江夏樹さんロングインタビュー!【前編】

山寺さんのアドバイスをしっかり受け止めた花江さん

――山寺さんから花江さんにお聞きしたいことってありますか?

山寺:そうですね。始める前は「本当にに不安だ、不安だ」って言ってたんだけど、画面から見ると微塵も感じないんです。もちろん、大変だというのはわかるけど、僕には楽しそうにやってるようにしか見えなかったんです。いままで3ヵ月弱やってきて、実際はどうなの?

花江:出演が決まってから発表されるまでは緊張したんですけど、そこからは吹っ切れて、一発目の本番から緊張せずに楽しめました。それは一年やってきたこともあり、スタッフさんたちとも面識がないわけじゃなく、『おはスタ』のことも勉強してきたからです。
メインMCになってガラッと変わりましたけど、基本的なことは一緒でした。おもちゃとかを紹介するとき、子供たちに「楽しさを伝える」ということ自体は一緒だったので、そこはとても楽しくできました。やっぱり「おはガール」たちとか、「マルちゃん」、「ヌワラ」とか、レギュラー陣と頻繁に会うようになったのが大きいと思います。だって同業者とも、週に3回も会いませんから。

山寺:そうだよね。「よく会うね」って人でも、週三は会わないね。アニメの収録は週一だから、頻繁に会う同業者は多くても週二くらいだね。

花江:だからほんとに『おはスタ』のメンバーは家族みたいになっています。僕らはほんとうに仲がいいんです。それに、そこまで年も離れてないんで、ノリも合うんです。本番が始まるまではみんなでワイワイしています。僕にとって、『おはスタ』はとても大切な場所になっています。

山寺:あんなに不安がっていたのに(笑)。

花江:山寺さんも言ってくださったように、『おはスタ』をがんばっているからこそ、本業の声優も疎かにしたくないって気持ちが強くなって、自分の中で表現が変わったなって、よりいろいろなことを考えるようになりました。

山寺:ほら、僕の言った通りになったじゃん(笑)。それがすごく画面から伝わってきます。「自分が仕切んなきゃ」というのがプレッシャーだと言ってたけど、やればなんとかなるんです。仕切りなんて思わずに、楽しくやってくれればいい。花江は気配りができる人間なのは、一緒に一年間やってみてわかっていました。人当たりがほんとに優しい男なので、きっとおはガールや他のレギュラーとも仲良くなれると思っていました。
逆に、花江以外の人間たちの方が初めてやる人ばかりで不安を感じてたと思う。でも、花江は気取らないし、相手にプレッシャーを感じさせないタイプの人間だと思うから、とてもバランスの取れた現場じゃないかな?

花江:ありがとうございます!

山寺:花江が言った「声優の表現」というのは、いろいろな人から学べます。それこそ、中学生のおはガールたちからも、まだ日本語がそれほど読めないヌアラからも、一緒に出てくる芸人さんたちからも、たくさん学べることがあります。
やはり声優も表現者なので、いろいろな人の影響を受けて成長していきます。「これはおもしろくないから」とか、仕事を断りたいときもあるかもしれないけど、いろいろなことを経験するのは大事なこと。「こっちが本業」というのはないからね。すべてお金を頂いて仕事しているんだから、全てが本業です。

花江:毎日が新しいことだらけで、本当に楽しいです。

山寺:うらやましいですね。僕が24才のころは、こんな経験してなかったですから。きっと、僕が30代でやっていたのと、いまの花江の感覚は違うと思います。

花江さんから見た山寺さんはどんな人!?

――花江さんから見た山寺さんは、どのような人ですか?

花江:最初はただただ憧れて、神様のような人でした。事務所に入ってきて話したこともなかったので、ド緊張していました。「怖い人だったらどうしよう……」とか、いろいろ考えていました(笑)。だけど初めてお会いさせていただいたとき、気さくに接して下さったのを覚えています。アドバイスも人一倍してくださいますし、『おはスタ』で一年間ご一緒させて頂いたときにも、周りに対する気配りをされていました。「なんででここまでできるんだろう?」と思いました。そんな山寺さんを見てきましたから、以前のただ憧れだった存在から、いつの日か「山寺さんのようになりたい」と思うようになりました。

山寺:まあね、こういう場では褒めるしかないよね。

一同:(爆笑)

花江:いえいえ、これは本心ですから(笑)。

山寺:ありがとうございます。僕もこれからがんばって生きていく礎になります。

花江:山寺さんとご一緒できる現場は、その場で学べることが本当に多いんです。『おはスタ』の一年間ご一緒できた時間というのは、自分の先の人生において、とても大切な宝物です。

山寺:いやぁ~、恥ずかしいですよね(笑)。

山寺さんから見た花江さんはこんな人!?

――恥ずかしいですよね、すみません。では今度は山寺さんから見た花江さんは、どのような人でしょうか?

山寺:いま花江はさんざん褒めてくれたけど、僕はできた人間でもなんでもないし、『おはスタ』をやってた18年間も、一生懸命「自分のすべきことはなんだろう?」と考えながらやってきただけです。僕は気分屋だったり、だらしなかったり、いい加減な部分もありますから、そういう部分を補うためにがんばってきました。でも、花江はまだ若いですし、人間もできてる。そういう意味では、僕よりも『おはスタ』が合ってるんじゃないかなって思うこともあります。
若いからまだまだ経験を積まなきゃいけない部分もあるかと思うけど、人間なんだから失敗したら反省して、そこで成長していけばいいことです。

先ほども言いましたが、『おはスタ』を卒業するときは寂しい気持ちもありました。ですが、それを同じ事務所であり、偉そうですが僕がかわいがっている「花江」という人間が引き継いでくれた。だから僕はなんの心配もせずに卒業できました。さらに番組を見ると、その花江が楽しそうに『おはスタ』を盛り上げている。とても誇りに思いますし、こんなに嬉しいことはありません。

まだ声優の現場ではあまり共演できていないけど、今後もっともっと共演していきたいですね。僕はまだまだ声優を続けていくので、アニメ作品でガッチリ共演して、いい仕事をたくさんやっていきたいです。

――『おはスタ』のファンも、それは楽しみにしていると思います!

山寺:同じ事務所の仲間であり、かわいがっている後輩ですが、ライバルでもあるくらいのつもりで共演したいですね。あ、年賀状の数や声優の人気ランキングではかなり水を開けられてしまってますけどね! 花江は遠いところに行ってしまった……。これから僕は花江の活躍を見てたくさん刺激を受けて、もっともっと頑張ろうと思います。

一同:(笑)

山寺:僕が大好きで、大尊敬している羽佐間道夫さんは、80を超えた大ベテランですけども、いまでもバリバリ働いているのでいろいろと共演させて頂いております。羽佐間さんとよくお話しさせていただきます。羽佐間さんはあんなに偉いのに、常に若手とかいろいろな人を見ているそうです。彼は「自分がすごいと思った人を見て学んでいるんだ」って、ずっと仰ってたんですね。声優にとって、キャリアとかは関係ないんだと思います。大事なのは「いまどんな表現ができるか」ということ。その気持ちを常に持っていないと、自分は成長できない。僕も普段からいろいろな人から刺激を受けていますが、「花江夏樹」という人間もそのなかのひとりです。

花江:ありがとうございます。

山寺:花江に「山ちゃんのことを尊敬したけど、最近そうでもないなぁ~。『おはスタ』以外のバトンも、全部いただいちゃいますよ」って言われないようにがんばらないとね(笑)。なので、花江のような若い世代からの刺激は、本当にありがたいです。

――少し話が変わりますけど、山寺さんは『聖闘士星矢』の映画版に出演されていました。あの5人の青銅聖闘士たちの方たちも、山寺さんのことを「すごい演技だった!」と絶賛されていました。ですが花江さんが一番近い師弟関係を結ばれているので、みなさんうらやましがるのではないかなと思いました。

山寺:そうだ! 『聖闘士星矢』は一緒の現場でしたからね。あれはすごい緊張しましたよ。だってみんな人気のあるキャストばかりだから。
 

――はい、主役が石川界人さんで、他にも岡本信彦さんや赤羽根健治さんとかたくさん!

山寺:豪華だったよね。小野賢章もいたよね? そんな現場だったから、僕はすごく緊張していました。一緒に戦っているシーンで石川くんが、「ゼアァァァァーーー!!」ってとんでもない声を出すんです。僕はそれを聞いていて「大丈夫か? 本当に死ぬんじゃないか?」って思ったくらい(笑)。そんなテンションで来られちゃったから、僕は負けないように立ち向かわなければならないんですよね。

――それはきっと、山寺さんの演技がそうさせたのではないですか?

山寺:いえいえ逆ですよ! すごくドキドキしたのを覚えています。それに、こっち側のメンバーもすごかったんです。

――黄金聖闘士ですね。

山寺:そう! 「これはもうやばい」とビビっちゃって、僕は必死でしたよ。

花江:そういうことも思うんですね。

山寺:思うさ! だから花江に関してもそうですよ。あんまり絡む機会がなかった花江と『ドラゴンボール』の現場が一緒だったとき、「たいしたことないな……」って言われたらどうしようって、要らぬプレッシャーを感じました。下の世代よりも、上の世代の方がプレッシャーを感じるんだよ。だって下の世代はできなくって当然。失敗しても「テヘッ、すいませーん」て言ってればいいんだから。こっちは「先輩」とか呼ばれちゃってるし、緊張するんだよ!

花江:そうなんですね。それは全然伝わってこなかったです。

山寺:あ、でも、『ドラゴンボール』の現場って僕でも下の方か? 僕も若手です!(笑)

[取材・文:サトポン]

 

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7/23、24はアクロスエンタテインメントの8周年フェスが開催!

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【イベント情報】
『ACROSS FESTA!!8.322+0.001 ANNIVERSARY』
開催日:
 2016/07/23(土)
 13:00開演(12:00開場)
 18:30開演(17:30開場)

 2016/7/24(日)
 14:00開演(13:00開場)

会場:有楽町よみうりホール (東京都)

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