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『リゼロ』内山夕実さんが感じた、主人公・スバルの変化や成長

TVアニメ『リゼロ』パック役 内山夕実さんが感じた、主人公・スバルの変化や成長

TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』(以下、リゼロ)の声優陣やテーマソング担当アーティストの特別インタビューを連続で掲載していく「Re:ゼロから始める取材生活」。

アニメイトタイムズにて掲載中の本企画、第18回はナツキ・スバル役の小林裕介さんとパック役の内山夕実さんが登場。スバルの反撃開始となった19話の振り返りと、驚きの姿での再登場となったパックを、内山さんはどういう心境で演じ、ペテルギウスとの対決はどう臨んだのか。そしてスバルとパックの悲しい再会などについて語っていただきました。

好評のリレーインタビュー企画では前回登場の小林さんと水瀬いのりさんからの質問にもお答えいただいていますので、併せてチェックを!!
 

目次

クルシュとの会談の成功に希望と新たなスタートを見た



――先日19話がオンエアされましたが振り返ってみての感想は?

ナツキ・スバル役 小林裕介さん(以下、小林):3章に入ってからの死に戻りで得た情報や体験をフル回転させて挑んだ、一世一代と言っていいようなクルシュとの重要な会談が成功して、「本当によかった!」とホッとしました。

そしてショックな出来事に遭遇したり、逆上したりしながらもスバルは、些細なことまで意外と冷静に覚えていたんだなと感心しました。それが逆境を跳ね返す一手につながったと思うし、支えてくれるレムの存在の大きさにも助けられました。18話でレムとの信頼関係がより確固としたものになって、いつもそばで支えてくれることが心強いし、これなら行けるんじゃないかと希望が見え、改めてスタートを切れたんじゃないかと感じました。
 
――小林さんだけじゃなく、視聴者の皆さんにとっても辛い回が続いてきたから、会談が成功した瞬間は胸をなでおろしたり、よくやったと一緒に喜んでいたのでは?

小林:そうですよね。お待たせしました! 

パック役 内山夕実さん(以下、内山):よかったね。


――19話での印象的なシーンを挙げるとすれば?

小林:白鯨を待っている時、スバルがヴィルヘルムに歩み寄って、亡くなった奥さんの話を切り出すシーンですね。スバルはそういうタイプじゃないと思うし、心境の変化なのかなと。
 
――ヴィルヘルムだけでなく、この白鯨狩りに臨む人たちは白鯨に対して並々ならぬ想いがあることも描かれていて。

小林:スバルは一度、白鯨の脅威にさらされているから恐ろしさは感じているけど、彼らにとっては生まれてからずっと脅かされていたり、愛する人を失っているから、白鯨を討伐することへの決意や執念の深さを感じました。


――王選編に入ってからレム以外のすべての人が敵のように思っていましたが、19話になって信頼できる仲間たちになったことも大きいのでは?

小林:スバルも不思議だと思いますよ。信じられなかった人たちが背中を預けられるくらいの存在になって。どんな気持ちなのかな? でもきっと心強いでしょうね。


スバルの成長や変化に驚きつつ、和やかさもあった第1~2章が懐かしい

――内山さんはここまで『リゼロ』をご覧になった感想と第3章に入っての印象を教えてください。

内山:スバルの印象がすごく変わってきています。第1章や第2章でふざけあっていた雰囲気にはもう戻れないんだろうなというほどの思い詰めた場面を第3章ではたくさん見てきたので。そして人間は環境や状況でこれだけ変わっていくものなんだと、スバルに感情移入することで感じました。


――ロズワール邸でスバルに、パックがモフモフされていたのも今となっては懐かしい?

内山:懐かしいですね。『MF文庫J「夏の学園祭2016」』のトークショーの時、シーンの絵を見ながら振り返る企画があって、スバルとエミリアがヴィクトリー(ポーズ)するシーンとかを見て、思わずため息をついてしまうような……。この頃もスバルは大変だったけど、今を思えば、まだ穏やかな時間があったなと。回を追うごとに、今まで積み重ねてきたものや時間の大切さを実感しました。


実体化したパックに衝撃を受けた15話

――パックは15話での声の出演に続き、巨大化した17話とかなり衝撃的な再登場となりました。

内山:原作を読んだ時からこのシーンは来るんだろうなという心構えはあったんですけど、アニメになった時、どういうふうに描かれるのか気になっていました。オンエアを観た時はここまで大きいんだと素直に思ったし、魔獣らしさも存分に出ていて。15話で出た時はバッドエンド感がすごかったので、皆さんにどう受け止めてもらえるのかも気になりました。


――「もう、遅すぎたんだよ」と言ってましたからね。

内山:姿はハッキリ見えない状態でのセリフだったので、どう言おうか考えました。スタッフさんからは巨大化……本来の姿になった時はある程度、声を加工すると思いますというお話をあらかじめいただきました。でも家で練習する時はどうやっていいかわからなかったので「おふぉすぎぇたんだよ」と怪獣や星人みたいに、巨大化感をセルフで出してみたり。テストの段階でいろいろやってみようかなと思ったけど、久しぶりに来た『リゼロ』の現場はあまりにも重すぎて、軽いノリでやれる状況ではなく(笑)。

小林: (笑)。

内山:なので、ちょっと大人びた感じで挑ませてもらいました。実際にオンエアを見たら、そんなに加工された感じじゃなかったけど「今までのパックとは違うんだぞ!」というところは出せていたのかなと思います。
――スバルにとってもパックとの再会がまさかあんな形になるなんて……。

小林:そうですよね。パックにとって大事なのはエミリアで、エミリアが悲しむならスバルがどうなっても、あわよくば手をかけても構わないくらいの……個人的には冷たいヤツだなと思っちゃったんですよね。

あんなに仲良くやっていたので、リア(パックによるエミリアの愛称)のことになるとスバルを切り捨てるくらいの考えなんだなと再確認させられました。15話では、魔女教を氷漬けにしただけじゃなく、スバルまでパリンですから(笑)。

内山:そうだったね(笑)。直接スバルに手をくだしているシーンはなかったけど、結果的にスバルの命を奪ってしまったのはパックで。演じる側としてはショッキングでしたね。特に時間が空いていた分、久しぶりに再会して、これというのは衝撃的でした。

アフレコでまだ完全に絵ができていない状態でも、「見ていられるかな」と、とてもドキドキしていたんですが、オンエアを見たらしばらく放心状態で動けなくて。クレジットが赤字で出てきて、スバルの体に段々、雪が積もっていくのが切なすぎて、この後、いったいどうなってしまうんだろうと。見てくださった皆さんも同じ気持ちだったと思いますけど、すごく印象深い15話でした。


パックとペテルギウスの対決シーンで感じたこと

――17話の終盤にはスバルが死に戻りをエミリアに告げようとしたらエミリアが死んでしまって、エミリアの死体にペテルギウスが手をかけようとしたところで、いよいよパックの実体が!

小林:顔がパックじゃなかった。

内山:いかつくて悪い顔してましたよね(笑)。オンエアを見てビックリしました。


――そして18話でペテルギウスとの対決がありました。

内山:結果はああなっちゃいましたけど、途中までは「やってやるぜ」くらいの気持ちでいたんですよ。「お待たせ!」みたいなヒーロー感で(笑)。でもペテルギウスを倒したらスバルにも……。何よりも大切なリアがなくなってしまった以上、生きていてもしょうがない、この世界がある意味もないと。
 
――ペテルギウスも正気じゃなかったけど、パックも狂気をまとっていましたよね。

内山:ベクトルは違いますけどね。松岡(禎丞)さんのあの言い回しでこられると、同じようなテンションで返してしまいたくなりましたが、パックをキープするように心がけていました。でもスバルに対して、最後に「怠惰だね」と言えたのは「ありがとうございます!」みたいな。

一同: (爆笑)

内山:ペテルギウスのようには言えないので、そこは我慢して(笑)。でもショックでしたね。あのまま助けられたらよかったのに、と思っちゃいました。アフレコ中もちょっと後ろめたさがありました。ごめんなさいと(笑)。

小林:もうどうしようもないですよね。でもパックに怠惰と言われるのは「お前まで言うのかよ!」とツッコミたくなったけど(笑)。

内山:スバルとのやり取りも切ない部分がありましたけど、やっぱり15話から登場のペテルギウスさんの衝撃は計り知れないものでしたね。アフレコ中もずっと鳥肌がたっていたのを覚えてます。松岡さんのお芝居のすごさといったら、危うく自分の出番を忘れてしまいそうになるくらい、たぶんあの瞬間、皆さんの脳が震えていたんじゃないかなと思います。
 
――オンエア時にネット上でも「脳が震える」という言葉が飛び交っていました。

小林:ホットワードになってたりして。

内山:流行語にならないかなとか、キャスト陣で話してました(笑)。


エミリアへの「一途さ」や「あきらめない気持ち」に母性をくすぐられる!?

――内山さんはスバルの印象がすごく変わったとおっしゃっていましたが、ここまでのスバルの変化や成長についてどう感じましたか?

内山:「序盤からこんな大変な想いをしなきゃいけないなんて」と思いながら見ていましたが、それ以上の出来事がまだまだ待っていて。当時から思っていたことではありますけど、なんでここまでエミリアのために尽くせるんだろうと感動して見ています。あきらめない気持ちやここまで彼を突き動かす想いというのは何だろう? エミリアに対しての想いはどれだけのものなのか、想像しきれない部分があります。
 
――小林さん自身が何でそこまでエミリアに尽くせるのか、わからないと言っているくらいですから。

小林: (口に人差し指をあてて「しー」のポーズ)

内山:もう理屈じゃないんですよね、きっと。その愛情の深さや大きさに感動するし、自分の置かれている状況を誰にも打ち明けることができないまま、一人で戦い続ける姿を見続けていると母性を刺激されますね。「頑張れ!」って。でも「もう無理しなくていいよ」という気持ちにもなるし。ここまで辛いことを経験しながらも頑張り続ける姿に、時にうるっとしながら見てしまいます。


――男性ファンからはウザいとか言われるけど、女性目線ではこう映っているのかもしれませんね。

内山:えっ!? 男性ファンの方はそんな反応なんですか?

小林:男性にとっては自分と似ている部分を感じたり、痛いところをえぐられるような感覚なのかもしれない。長月先生が言っていたのは「スバルはおばちゃんにはすごくウケる」。

内山:私、おばちゃんなの!?

小林:いやいや!! お母さん世代からすれば、「こんなのかわいいもんね。本当の子供のほうが大変よ」みたいな。そんな母性に満ちた人たちにとってスバルはむしろかわいい坊やと思うらしいですね。つまりは母性をくすぐると言いたかったんですよ。

内山:じゃあ、そういうことにしておいて(笑)。でもそれもわかる気がするし、応援したくなります。


――ちなみに渡邊監督は、スバルを見て自分自身がそこにいたと言ってましたよ。

小林:うれしいですね。

内山:それを表現しているということですからね。


レムのような出会いや想いをしてみたい

――内山さんが他に大きな変化を感じたキャラを挙げていただけますか?

内山:大幅に変わったのはレムですよね。パックとしてはレムとまだちゃんと会話したことがなくて。同じロズワール邸にいるのに(笑)。視聴者として見ていて、こんなに人って変わるんだなと。徐々にではなく、ガラっと。私もそうなってみたいなと思いました。それまでの関係は別にして、この人にすべてを捧げてもいい、みたいな衝撃的な変化を実感してみたいですね。


――スバルに18話で振られてもなお好意は強くて。19話でも地竜にヤキモチを焼いたりして。

内山:恋は盲目じゃないけど、そこまでになってみたい! もうまぶし過ぎて。

小林:出会える、出会える。
内山:そうかな? あるかな? キラキラみたいな。

小林:ある、ある。

内山:根拠まったくないよね。

小林:突然くるよ!俺も経験ないけど(笑)。


内山さんがパックのライバルになりそうと警戒するキャラとは?

――内山さんは第2回のインタビューで気になるキャラとしてラインハルトを挙げていましたが、第3章に入ってキャラが増えたところで今のお気に入りのキャラを教えてください。

内山:正直言うとミミちゃんに危機感を感じています。パックのポジションをおびやかされているような目で見てます(笑)。ただかわいいだけじゃないのが魅力的ですよね。(ミミ役の藤井ゆきよさんが)少し攻撃的なところを本当にかわいく演じられているんですよね……。
 
――そんな内山さんに朗報が! 渡邊監督がお気に入りキャラにパックを挙げていました。無意識のうちにパックを求めている自分がいると。

内山:うれしいです! オンエアの時、実況とかも見るんですけど、「今日、パック出ないのか」というのを見つけると、つい「いいね!」を押したくなります(笑)。


――提供のバックのカットがなぜパックなんだろう? と思うことが結構ありました(笑)。

内山:本編の流れと関係なく出してくださっていますからね。


――話が辛くなるから皆さんも自然と癒やしを求めるのでは?

小林:確かに。

内山:でも15話以降は今まで見てきたパックとは全然違うので、「かわいかったパックはどこへ?」と悲しんでいる方もいて。ああこんなに注目してくれたり、愛してくださっているんだなと感じることができたし、1人ひとりのキャラにも注目して見てくださってもらえたのもわかってうれしかったです。
 
――小林さんはパックについてどう思われていますか?

小林:いつかまた第2章の時のようにバカなやり取りがしたいね。

内山:やりたい! 「ここアドリブで延ばしてください。2人で」と言われたり、すごく楽しかったよね。

小林:今後の世界ではパックがスバルを手にかけていないことになっているけど、実質3回くらいやられているわけで。彼が今まで通りに接することができるのかは気になるところですよね。

内山:また、もふもふしてほしいなあ。

小林:むしろ「3回やられたんだから、その分、もふもふさせろよ」みたいにいけると思うし、最後にそういう姿が見れたらいいな。

内山:そんなふうに思ってくれるかもしれないと、思わせてくれるスバル君ってスゴイです。辛い目に遭わされた人を相手にして、ガラっと態度が変わった人を受け入れることはそうそうできないと思うので、懐が深いですね。


パックの術のように冷たく・涼しくなれる夏バテ防止法

――では恒例のリレー質問企画です。前回登場の小林さんと水瀬さんから質問をいただきました。ではまず水瀬さんから「パックは猫ですけど、キャストの中で誰に飼われたいですか?」。

内山:え~!? みんな、かわいがってくれそうですけど、どうしよう? 猫になった気持ちで……キャラ的にも(高橋)李依ちゃんはかわいがってくれるんじゃないかな。

小林:でも李依ちゃんは家事やらなかったような。


――高橋さん、水瀬さん、村川さんは家事をまったくしないので粗雑に扱われそうな……。

内山:そっか! じゃあ(新井)里美さんで。ベアトリスのイメージもあるし、すごく大切にかわいがってくれそうな気がします。


――続いても水瀬さんから。「私、夏が超苦手で夏バテしまくるんです。夕実さん的なオススメしたい夏バテ防止法を教えてください。そして私を助けてください(笑)」。

内山:私も絶賛、夏バテ中ですよ(笑)。でも、松岡修造さんの「修造おみくじ」(C.C.Lemonの公式サイトで公開中)知ってますか? 自分の名前を呼んでくれて、更に毎回動画で全力で励ましてくれるんです。あれ、すごくいいですよ。

小林:余計に暑くなるんじゃないの?

内山:そんなことない! 全部大吉で、この間も噴水大吉が出て、(松岡修造さんのモノマネで)「夕実ちゃん、君は噴水のようなんだよ!」と全力で。

小林:噴水が蒸発しそう(笑)

内山:やめて、やめて! 素直に受け止めて。修造おみくじを毎日見て、「よし! 頑張ろう」と思えるのでオススメです。あとこの時期は、夜にビアガーデンで盛り上がるといいエネルギーになりますよ。


――ちなみに小林さんの夏バテ防止法は?

小林:僕、部屋にクーラーがないんですよ。普段、涼しくないところで生活しているので、耐えられるんです。エアコンが効いた部屋から外へ出ると「もう無理!」となるけど、常に暑いところにいるから「別に変わらないな」と。

内山:自分をあえて過酷な状況に置いているということは修造さんと一緒じゃない?

小林:あれ、そうかな(笑) 

内山:熱中症には気を付けてくださいよ!

小林:水分はしっかりとっているから。でもいのりんをそんな過酷な状況に陥れるわけにはいかないから。エアコンをやめて氷まくらにしましょう! 結構いいですよ。エアコンでのども傷めないし、全身を冷やすこともなく、快適に眠れます。体も意外とピンとなります。


<次ページ:氷の魔法が使えたら何に使う? そして誰に?>

(C) 長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会
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