
なぜ、マフィア梶田は『シン・ゴジラ』に出演していたのか? 本人に聞いてみた!
周りの反応はどうだったのか?
――すでに公開されて日が経ってますが、梶田さんの友人から感想は届いたりしてますか?
梶田:身近な方たちだと、声優の杉田智和さんが公開してすぐ観に行ってくれたようで。凄く感慨深げに「お前、本当にSPになっちまったんだな」と言われました(笑)。
一同:(笑)
梶田:自分はもともと、杉田さんのSPという役で映像デビューしているので。それが『シン・ゴジラ』でもSP役をやることになるとは、不思議な縁を感じますよね。あとは中村悠一さんからも一緒に観に行こうと誘われていまして、江口拓也さんや小野賢章さんもTwitterで感想を呟いてくれています。『マブラヴ』の吉宗鋼紀さんも、大興奮でLINEをくれましたね。
あとは、直接の知り合いよりもファンの皆さんから多くの感想が寄せられています。映画の感想とセットで、「マフィア梶田の存在感」というワードがとにかく多い(笑)。
――画面に映っていたら絶対に目が行きますね(笑)
梶田:「あ、庵野監督が自分を使おうとした理由って、こういうことだったんだ」と。皆さんから感想をいただいて、ようやく理解できました。それと同時に、伊達や酔狂ではなく本気で映画の一部として自分を必要としてくれたということも実感できて誇らしかったです。試写会の後に庵野監督へ感想を伝えたのですが、その際に「梶田くんに会った時に“この人だ”と感じ、キャストに入れて良かったです」と言ってもらえて、天にも昇る気持ちでした。
――ヒットはこれからも続いていきますし、まだまだ感想が寄せられてくることもあると思います。
梶田:ありがたいことですよね。驚くべきことにマフィア梶田が目当てで映画を観に行ったという人も多いんですけれども、そういう人たちも鑑賞後は「マフィア梶田はともかく、映画が面白すぎる」という風になるらしくて。最高の反応ですよね、それって。
――風刺的な話でしたが、娯楽としての楽しさも損なわれていない作品でしたね。
梶田:他に類を見ないくらい、現実的に日本という国の強さを描いていたと思います。スクラップ&ビルドで成長してきた日本の粘り強さが分かる映画でした。日本人って、とかくルールに縛られがちだ、という話もありますけど、いざとなったら全部ねじ伏せて動くことができる。矢口の「この国はまだまだやれる」というセリフの通りで、原爆の投下や幾度の災害を経験した日本人だからこそ響く、誇りを持たせてくれる映画だったと思います。
日本の全国民に観てもらいたい作品
――最後になりますが、映画をまだ見ていない人や、もう一度見ようと思っている方に向けたメッセージをお願いします。
梶田:マフィア梶田はカヨコのボディーガード役で『シン・ゴジラ』に出演しています。もしそれが観るきっかけになってくれれば嬉しいですし、観たら一生忘れられない映画になること間違い無しです。特撮に、邦画に、日本そのものに希望が持てる作品だと思います。自分はひねくれ者なので、「みんなで力を合わせて頑張ろうぜ!」という展開を素直に楽しめるタイプではなかったのですが、この映画には完敗しました。
ちなみに『シン・ゴジラ』に興味を持っている人からよく聞かれるのが「予習は必要ですか?」という質問なんですが、ほとんど必要ないです! だからゴジラを知らない世代にも、安心して観て欲しい。今はまだよく分からない幼い子供たちには、成長して中学生か高校生になったときにもう一度観て欲しいです。
――ありがとうございました。
[取材/岩崎航太 文/原直輝 撮影/佐田幸久 編集/内田幸二]
■『シン・ゴジラ』作品概要
出演:長谷川博己 竹野内豊 石原さとみ
脚本・総監督:庵野秀明
監督・特技監督:樋口真嗣
准監督・特技統括:尾上克郎
音楽:鷺巣詩郎