伝説のガールズバンド、一夜限りの復活!「アニメロサマーライブ2016 刻-TOKI-」2日目レポート
2016年8月27日(土)、アニメロサマーライブ2016 刻-TOKI-の2日目がさいたまスーパーアリーナで開催されました。初日の晴天とはうって変わってぐらついた天気でしたが、お天道さまなにするものぞ、開幕からラストまで最高にアツいステージと相成りました。
2日目はアニサマ初出演のアーティストも多数、と同時に懐かしのあの曲やあのイントロもかかったりと、まさに「刻」を強く感じさせる構成だったのが印象的。今昔の刻を越えたおよそ330分によおぶアニソンの祭典、その模様を時系列にそってレポートします。
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ガルデモが奇跡の復活ステージを繰り広げた!「アニサマ2016」2日目セットリスト公開
この出演陣で一体誰がトップバッターを飾るのかと思っていたら、まさかのB.B.クィーンズ。B応Pなるおそ松的グループと一緒に「We Are B.B.クィーンズ」で挨拶をかまし、「おどるポンポコリン」の陽気なテーマが会場のテンションをほがらかに暖めます。生の「タッタタラリラ」に震えた人も多いはず。1990年の曲なのに、こんなにも一体感!
B.B.クィーンズが去ると、ステージ中央のモニターには『おそ松さん』の面々が現れました。2万7000人のカラマツガールズandボーイズ発言に沸き立つ会場、からのA応P登場で「はなまるぴっぴはよいこだけ」と「全力バタンキュー」でボーイズもガールズも盛り上がりまくりです。ちなみに、「はなまるぴっぴはよいこだけ」は、「めらめらちょいめのぽぽんぽーん」というタイトルになる可能性もあったらしく、ある時期まではその名前で呼ばれていたそうですよ。
勿論、披露する曲は「めらめらちょいめのぽぽんぽーん」???
— アニメロサマーライブ公式 (@anisama) 2016年8月27日
ではなくて
A応Pで「はなまるぴっぴはよいこだけ」#anisama
退場時は例の六つ子と共に挨拶をし、続けてPoppin'Party from BanG Dream!がステージへ。生演奏の「Yes! BanG_Dream!」、「STAR BEAT!~ホシノコドウ~」の迫力はすさまじく、アニメのライブ映像とステージの映像をシンクロさせる手法には心打たれました。二次元にも三次元にもキャラクター(出演者)がいて、パフォーマンスが、物語がある。そんなパワーを感じましたし、大橋彩香さんのドラミングもカッコいい!
さらに北宇治高校吹奏楽部の様子が映されると、現れたのはTRUEさん。「DREAM SOLISTER」を歌い上げてくれましたが、ブラス隊も結構な人数だったのが驚き。「理屈じゃないんだ音楽しよう」の歌詞には、それこそ理屈なく気持ちが高ぶったかたも多いことでしょう。そんな余韻の中、制服に身を包んだ北宇治カルテットが現れると「トゥッティ!」を披露。
「Bravely You」のイントロとともにLiaさんが現れると、またも会場は歓声の渦に。Bメロのコーラスの掛け合いはまるで対話のようでした。Liaさんは2008年に初めてアニサマに出演し、その次は2010年に出演されたとのことで、アニサマとともに刻をきざんできたと仰いました。そこから「きっとこの曲、聞いたことあると思います」と言って流れたのは、そう、「鳥の詩」。
叫びにも似た歓声があちこちから沸き上がり、青空のように煌めくアリーナにLiaさんの透きとおった声がどこまでも響き渡りました。あの特別な時間……。思い出しただけでも胸が熱くなりますね。
気持ちも尊くなったところで、その雰囲気を壊さぬ「やさしい希望」とともに早見沙織さんが登場。艶やかなドレス、優しい声。実は早見さんはアニサマ初出演。「アニサマー!」「イェーイ!」なコールをご堪能されていました。で、次の曲がバラード「ブルーアワーに祈りを」。柔らかな光に照らされ、息をするのも躊躇われるような神秘的なステージを披露してくれました。
2日目のシークレットゲストは……!
夢心地な余韻に流れたのは「Checkmate!?」のクールなイントロ。TVアニメ『だがしかし』の映像をバックにMICHIさんが登場し、エッジーなパフォーマンスをぶちかましてくれました。ラストの投げキッスには会場もHooooo!!です。
続けて竹達彩奈さんが会場後方からトロッコに乗ってサプライズ登場し、客席を抜けながら「Hey!カロリーQueen」を披露。「みんなお腹空いてるよねー?」の煽りから「ライスとぅミートゅー」が始まり、お肉とアニソンへの愛を熱唱されました。
次は『SHOW BY ROCK!!』の映像が流れ、プラズマジカのご登場。「流星ドリームライン」と「青春はNon-Stop!」を歌ってくれましたが、やっぱりアニメのライブ映像と現実のパフォーマンスがクロスする演出はアツい!
ハッピーな流れもそのままに、「それが声優!」に合わせてイヤホンズが登場。生の早口言葉連発には「やっぱり声優すげぇ」と思った人もいたはず。「あなたのお耳にプラグイン!」では、TVアニメ『それが声優!』のEDがトークやリクエストコーナーがあることにちなみ、レポーターに扮したメンバーがステージを駆け回るユニークなパフォーマンスを見せてくれました。
と、そのままリクエストで「乙女のポリシー」がかかったかと思いきや、2日目のシークレットゲスト、石田燿子と永井ルイさんが登場! イヤホンズとともに懐かしき名曲を歌い上げてくれました
そして前半戦のトリをつとめるのはFLOW。ステージも歓声も音圧が違います。「2年ぶりのアニサマ。出たかったー!」と絶叫し、それに応える会場のテンションもMAXに。真っ赤な赤のサイリウムで満たされるなか、「BURN」と「風ノ唄」という、どちらも最高にアツい楽曲を披露してくれました。
最後に歌った「GO!!!」では会場一体でウェーブして、この夏の思い出として多くの人の心にこの時間が刻まれたはず。そのあとの休憩時間には「FLOWヤバかった」という声もそこら中から聞こえ、TwitterではFLOWがトレンド入りしたほどです。
だからアニサマはやめられない!
休憩を挟んだ一発目は、fhánaで「虹を編めたら」。爽やかなムードが会場に広がっていくのを感じました。8月21日にデビュー3周年を迎え、4年目突入のファーストステージがこのアニサマというfhána。時を刻む人生の中、与えられる使命もあるけれどつかみとる使命もある。そんな思いを込め、エモいナンバー「calling」を高らかに歌い上げました。towanaさんのチャイナ的衣装とお団子ヘアーもベリキュートでした。
次は何が来るのかと思ったら、Liaさんとのコラボでまさかの「時を刻む唄」。再び叫び沸き立つ会場。この曲も色んな物語を、多くの感情を含んだ曲です。ちなみにfhána内では杏派、渚派と派閥が分れているようです。
演奏後のザワザワが鳴りやまぬ中、お次はアニサマソロ2回目という大橋彩香さんで「おしえてブルースカイ」。さきほどドラムを叩いてた人とは思えぬアイドル然としたパフォーマンスで、会場を真っピンクに染めていきます。一人のアーティストの色んな面が出るのも、アニサマの面白いところ。トロッコに乗って「裸足のままでもこわくない」を披露し、会場を隅々まで盛り上げてくれました。
甘い空気から一変、流れたのは高垣彩陽さんの「Rebirth-day」。ダンスも曲もカッコよく、初のソロ出演とは思えないアツさで会場もアグレッシブなテンションに。高垣さんは去年も出演されたそうですが、楽しすぎてライブ中に捻挫してそれに気付かなかったとのこと!
洋楽などのカバーやクラシックなども好まれるという高垣さん。早見沙織さんとfhánaの佐藤純一さんを呼び込み、何を歌ってくれるのかと思いきや、佐藤さんが弾いたのは「Komm, süsser Tod〜甘き死よ、来たれ」のイントロ。B♭の和音が始まった瞬間「え、まじで!?」的空気になる会場。アニサマのこういったコラボも見逃せません。
2年連続の出演となるSCREEN modeが「Naked Dive」を歌いだすと、「待ちきれないぜぇ」と言わんばかりに飛び跳ねる人が続出。3、2、1、Goで大爆発です。「みんなの心に火を灯す」といい、サイリウムを全消しさせ、合図とともに点灯させるというパフォーマンスもアツい!
また、このアニサマでの初出し情報として、10月から放送されるTVアニメ『文豪ストレイドッグス』第2クールのOPを担当することを発表しました。そして最後に披露した「ROUGH DIAMONDS」が、観客の心に火を灯したのは言うまでもありません。
再びTRUEさんが登場し、アニソン感MAXな「Divine Spell」のイントロがかかるとまたも大歓声。照明演出も素晴らしく、ほんの4分であっという間に会場をTRUE色に変えてしまいます。しかし次に現れたはOxTも、TVアニメ『オーバーロード』の映像をバックに「Clattanoia」で更に会場を盛り上げまくりです。「これぞアニサマ!」って感じの流れです。MCでは次の曲「STRIDER'S HIGH」の合いの手を練習し、2万7000人が一体となった「そぉい!」はもう圧巻の一言でした。
二度目のアニサマ出演となる内田真礼さんですが、デビューシングル「創傷イノセンス」のイントロが始まると、歓声の圧はさらにアップ。サビ前のセリフ「私の刻、私がキメる」はとにかくクールでした。
続けて「Resonant Heart」も披露し、この辺からサイリウムの振り幅が増したように見えたのは気のせいじゃないはずです。曲が終わっての歓声も一段とでしたが、MCでの上着脱いでもいいですか発言から「イエェェエエエエ!!」の歓声。そして「疲れた私をレスキューしてくれますか?」という最高の煽りから「ギミー!レボリューション」で見事にシメてくれました。
旬なアニソンが続く中、TVアニメ『ブブキ・ブランキ』の映像と共に鈴木このみさんが登場。映像と見事にシンクロした「Beat your Heart」は見事の一言に尽きます。
鈴木さんは11月5日で二十歳を迎えるとのことで、今回が10代最後のアニサマ。静かに告げた「青の世界を見せて下さい」の言葉に会場一体が青の光で応え、「Love is MY RALL」を受け入れます。最後は解放感のあるテンションから一変、スタイリッシュなパフォーマンスで「Redo」を歌い上げました。
一夜限りの復活!
画面に現れたのは“LiSA”の文字。いよいよとばかりに吠える会場、しかし、続けて画面に現れたのはなんと“Girls Dead Monster”の文字、そしてmarinaさんがシークレットゲストとして登場!
二人で歌う「Crow Song」に、大歓声なんて表現では収まらない、雄叫びのごときコールが会場を揺らします。ガルデモ、一夜限りの奇跡の復活。あの時の興奮、あの時のコーラス。思い起こすだけで全細胞が熱くなります。
もうここまできたら後はアガるのみ。「Brave Freak Out」、「oath sign」と続き、天蓋をつらぬくLiSAボイスが会場のテンションをどこまでもどこまでも引き上げていきます。MCでは裏でLiaさんの「鳥の詩」を聞いて号泣していたことや、ガルデモとして初めてアニサマに出演したのがもう6年前だということ、そして再びガルデモとして歌えたことへの感謝などを語りました。「6年前はアウェイだったけど、今ではアニサマをホームのように感じる」「6年分の思い出を背負って、私はここに立たせてもらっている」、涙を浮かべ語るその姿に、歓声が止むことはありませんでした。
「この会場にきたシルシを忘れないでください」。そう告げ、アカペラから歌い上げる当日最後の曲、「シルシ」。今日、この瞬間までに蓄積された全ての興奮と感動の集大成が、スポットライトを浴びるLiSAさんに注がれていました。それは2万7000人の思いを一身で受け止め、それにただ一人で応じる行為。一個人の魂を賭した表現、自意識すら持っていかれる鬼気迫る歌声。瞬間というには長すぎ、時間というには短すぎるあの刻、LiSAさんはさいまスーパーアリーナのあらゆる感情の中心でした。
全ての演目が終わり、出演者による挨拶へ。その中で高垣彩陽さんが「プロデューサーが、アニサマはオリンピックのリレーのようなもの。バトンをつないでいくもの言っていた」と述べていたのが印象的でした。およそ5時間にもおよぶ、マラソンよりも長いアニソンのリレーもここに完結。最後はアニサマ2016のテーマソング「PASSION RIDERS」を歌い、鳴り止まぬ拍手のなか終焉を迎えました。
初日から続けてレポートをして参りましたが、どちらにも感じたのはアニソンのもつ魅力は刻を越えるということ。言語化するには繊細すぎるこの感覚も、音楽やライブを通じて多くの人と分かち合える。アニメ、キャラクター、物語、思い出、音楽。その総合エモーショナルが、これからも刻を超えて続きますよう。
[取材・文/ヤマダユウス型]
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